大阪府宅地建物取引業における人権問題に関する指針

更新日:平成30年6月26日

大阪府宅地建物取引業における人権問題に関する指針

 平成29年4月改定

 人権は、私たち一人ひとりにとってかけがえのないものであり、誰もが生まれながらにして持っている「人間として幸せに生きていくための権利」である。
 しかしながら、戦後の我が国の社会、経済、文化のめざましい進展にもかかわらず、同和問題をはじめ外国人、女性、高齢者、障がい者、子どもなどの人権に関わる問題が存在している。さらに国際化や情報化、科学技術の発展など社会情勢の変動によって、プライバシーの侵害などの新たな人権問題も生じている。
 現に、予断と偏見に基づく差別は根強く残っており、宅地建物取引の場において、物件が同和地区(「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例」第2条第1号に規定された地域)かどうか、同和地区を校区に含むかどうか等の調査及び価格面における差別的扱いや、在日外国人や高齢者等に対する民間賃貸住宅への入居機会の制約などの形で問題化している。
 差別があることは、人間としての市民的権利と自由が完全に保障されていないことであり、これをなくし、すべての人の人権が尊重される社会の実現を目指すことは、基本的かつ緊急の課題である。同和問題をはじめとするさまざまな人権問題(以下「人権問題」という。)の解決の推進は、国民的課題であるとの認識の下、関係者はその保有する機能を十分に発揮してこれに取組む必要がある。

1 宅地建物取引業における人権問題

(1) 宅地建物取引業者は府民のニーズに合わせて、良好な住宅、ビル、宅地等を提供し、その業務の適正な運営と取引の公正とを確保しなければならない社会的責務を負っている。とりわけ、通常の商品、サービスに比較して極めて高額な財産である不動産を取扱う者として、消費者から高い信頼を得ることが要求されている。
(2) 一方、宅地建物取引の場において、人権問題が生じている。このことは、府及び宅地建物取引業界団体が関係機関の協力によって実施した「宅地建物取引業に関する人権問題実態調査」によっても示されている。

 このような、人権問題を未解決のまま放置することは許されないものであり、社会の進展に伴い、いつかは解消するであろうという消極的な姿勢では効果を期待することはできない。宅地建物取引の場における人権問題の解決を図るため、府及び業界は、それぞれの機能分担を明確にし、人権意識の高揚と普及に務めることとする。

2 人権問題の解決に向けて

(府の責務)
 
府は、宅地建物取引業者の人権意識の高揚を図るため、関係機関、業界団体と連携し、協力しながら、次に掲げる事項を積極的に推進する。

(1) 宅地建物取引業界団体及び宅地建物取引業者に対して

ア 啓発推進体制の確立

 (ア) 人権問題の解決を図るため、府及び業界団体が実施する研修会、講演会等あらゆる機会を通じて、人権問題の啓発を推進する。
 (イ) 研修会、講演会等の開催については、府及び業界団体の役割分担を明確化するとともに、対象者の問題意識に結びついた研修内容・計画・カリキュラム等の検討を行う。また、業界に対して、人権問題の指導者の養成に努めるよう強く指導していくこととする。
 (ウ) 研修会、講演会等の開催に当たっては、ホームページや広報誌などの広報媒体を活用し、広く周知に努めるものとする。
 (エ) 宅地建物取引業界団体に加盟していない宅地建物取引業者に対する研修会の開催に努めるものとし、その参加について指導していくこととする。

イ 宅地建物取引業人権推進員制度の推進
 宅地建物取引業者が、同和問題・人権問題に対する理解と認識を深め、自ら主体的にその解決に向けた取り組みを推進することを目的とする「宅地建物取引業人権推進員制度」の推進に努め、従業者の人権意識の向上を図ることとする。

ウ 人権問題の解決につながる業界団体の自主的な活動を支援することとする。

エ 関係機関、業界団体と連携を保ちながら、効果的な啓発のために内容、手法等についての研究・調査を強化する。

(2) 府民への理解と協力の要請

 府のホームページや広報誌等の媒体の活用により、府民に対し、宅地建物取引に関して生じる人権問題の解決に向けて理解と協力を求めるとともに、業界団体の広報媒体の活用についても密接な連携を保つよう要請していくこととする。

 (3) 差別事象への対応

ア 宅地建物取引業者の宅地建物取引に関して差別事象が生じたときは、速やかに必要な資料収集や関係者よりの事情の聴取に努めることとする。

イ 差別事象を根絶するための啓発、指導の充実に資するために、関係機関、業界団体との連携体制、情報提供体制を強化することとする。

 (4) 国及び市町村への要請

ア 国への要請
 宅地建物取引業者における差別事象について、その実態の情報提供を行い、その対策に関する要請に努めることとする。

イ 市町村への要請
 宅地建物取引業者が受講できる人権研修の開催日程等の情報提供に関する要請に努めることとする。

3 宅地建物取引業者における人権問題の遵守事項について

人権問題の解決に向けて、宅地建物取引業者は次に掲げる事項を遵守すること。

(1) 業界団体の責務

ア 人権意識の高揚と啓発
 (ア) 研修の実施
  業界団体は、その構成員に対し、人権意識の高揚と普及を図るため、府や関係機関と連携しながら研修の実施に努めることとする。
 (イ) 広報の実施
  業界団体は、各団体で保有するホームページや機関紙などの広報媒体を活用して、人権啓発に努めるとともに、研修の開催などの周知に努めるものとする。
 (ウ) 宅地建物取引業人権推進員制度の推進
  業界団体は、宅地建物取引業界全体の人権意識の向上を図る宅地建物取引業人権推進員制度の推進に、府と協力し、努めるものとする。

イ 「不動産に関する人権問題連絡会」の機能強化
 業界団体で構成する「不動産に関する人権問題連絡会」は、人権問題について、自主的・主体的に取り組んでいくことに努めるものとする。

ウ 自主行動基準の運用
 業界団体は、大阪府消費者保護条例に基づき自主行動基準を策定した場合には、適正な運用に努めるものとする。 

エ 差別事象への対応
 (ア) 大阪府住宅まちづくり部へ報告
  業界団体は、差別事象を知り得たときは、速やかに大阪府住宅まちづくり部へ報告することとする。
 (イ) 差別事象を起こした宅建業者に対する調査・事実確認及び指導
  業界団体は、差別事象を起こした宅建業者に対して、大阪府と連携し、調査・事実確認を行うとともに、人権啓発に努めるものとする。

(2) 宅地建物取引業者の責務

ア 信頼性の確保
 宅地建物取引業者は、その取引行為において、より高度な社会的信頼性を要求されていることを自覚し、人権問題への啓発体制を確立し、人権意識の高揚に努めることとする。

イ 取引物件の調査等
 宅地建物取引業者は、取引物件の所在地が同和地区であるかないか、または同和地区を校区に含むかどうかなどについて、調査及び報告並びに教示をしないこととする。また、差別につながる不当な広告表示はしないこととする。 

ウ 入居機会の確保
 宅地建物取引業者は、国籍、障がい、高齢等の理由により、入居の機会を制約し、これを助長する差別的行為をしないこととする。また、その関係する家主等に対して、人権問題について理解を求めるよう努力することとする。

エ 自主行動基準の遵守
 所属する団体が自主行動基準を定めている場合は、その基準を遵守することとする。

オ 消費者に対する理解の要請
 消費者から、人権問題に関する質問等があったときは、その消費者に対して、人権問題について理解を求めるよう努力することとする。

カ 従業員への指導、研修
 従業員(正社員や契約社員など)に対し、人権問題に関する指導に努めるものとする。また、人権意識の高揚を図るため、研修会等への参加機会を設けるよう努めることとする。

キ 標準的な入居申込書の使用
 人権に配慮した本籍地や国籍欄のない標準的な入居申込書の使用に努めることとする。

ク 差別事象への対応
 差別事象を知り得たときは、速やかに大阪府住宅まちづくり部及び所属する団体へ報告することとする。

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このページの作成所属
住宅まちづくり部 建築振興課 宅建業指導グループ

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