建物概要 | ||
所在地 | 和泉市和気町4丁目 | |
建築主 | 和泉市 | |
設計者 | 清水建設株式会社関西支店一級建築士事務所 | |
用途 | 病院 | |
敷地面積 | 21,153.98平方メートル | |
建築面積 | 5,643.07平方メートル | |
延べ面積 | 31,814.96平方メートル | |
構造 | 鉄筋コンクリート造 | |
階数 | 地上8階 | |
CASBEEランク(注1) | A | |
BEE値 | 2.6 | |
重点評価(注2) | CO2削減 3.9/省エネ対策 4.0 | |
パンフレット 大阪府知事賞 和泉市立総合医療センター [PDFファイル/2.1MB] |
【審査講評】
CASBEE-A ランクのなかでも、非常に高いBEE 値を有しており、省エネルギー性と環境品質のバランスのとれた優れた建築と言える。なかでも、各階に設けられた庇兼バルコニーや屋上緑化、様々な昼光制御手法、光庭による自然の光と風の建物への取入れ、景観配慮など、様々な工夫が各所に施されており、外構計画、防災配慮、内装計画なども含めて総合的に高く評価できる病院建築である。一方で、先進医療の場でありながら、地域を身近に感じさせる取組みがなされ、やさしい療養施設が具現化されている。それには、特にロビーの真珠を埋め込んだ陶板、地産地消となる地場木材を用いたインテリアなども効果を発揮している。
この建物が「自然と緑があふれ、災害に強い市民に愛される病院」をコンセプトとして謳っていることは、至極頷けることである。
建物概要 | ||
所在地 | 大阪市中央区城見2丁目 | |
建築主 | 関電不動産開発株式会社 | |
設計者 | 株式会社竹中工務店 大阪一級建築士事務所 | |
用途 | 事務所・店舗 | |
敷地面積 | 31.869.70平方メートル | |
建築面積 | 2,470.40平方メートル | |
延べ面積 | 49.612.41平方メートル | |
構造 | 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造 | |
階数 | 地上22階 | |
CASBEEランク(注1) | S | |
BEE値 | 4.6 | |
重点評価(注2) | CO2削減 4.0/省エネ対策 4.0 | |
パンフレット 大阪市長賞 ケイ・オプティコムビル [PDFファイル/3.54MB] |
【審査講評】
オフィスエリアには、天井放射とパーソナル気流を併用した空調や、明るさセンサ・人検知センサの制御により省エネ化を図るとともに、天井面の明るさ感を高める工夫もした照明器具の採用など様々な新しいアイデアが盛り込まれている。
また、BEMS による消費電力量等の見える化だけでなく、執務する人々の健康性・知的生産性の向上を図るために、屋外環境の快適さの度合いを表す“ソトワーク指数”を作成し、これを建物内に常時表示し、サブワークスペースとして屋上テラスの利用を促す取組みなど、環境への感受性を向上させるための新しい仕掛けを備えている。
加えて、複数ボイドによる自然換気や自然採光、省エネルギー性を高めた熱源システムなど、建築物の環境配慮技術として様々な設備を導入した優れた環境配慮建築物であり、大阪市長賞に相応しいと判断した。
建物概要 | ||
所在地 | 大阪市北区中之島6丁目 | |
建築主 | 三菱地所レジデンス株式会社、住友商事株式会社、 京阪電鉄不動産株式会社、株式会社アサヒプロパティズ | |
設計者 | 株式会社竹中工務店大阪一級建築士事務所 | |
用途 | 共同住宅 | |
敷地面積 | 6,587.03平方メートル | |
建築面積 | 3,576.76平方メートル | |
延べ面積 | 99,750.99平方メートル | |
構造 | 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造 | |
階数 | 地上55階 | |
CASBEEランク(注1) | S | |
BEE値 | 3.1 | |
重点評価(注2) | CO2削減 4.0/省エネ対策4.0 | |
建物の外観デザインが堂島川に沿った中之島の景観にマッチしており、公開空地の緑化や水辺の雰囲気の演出など周辺ならびに自敷地内の自然の取込みが効果的である。また、太陽光発電や太陽光追尾装置によるエレベーターホールへの自然光の取入れなど、省エネ技術の導入により、住宅における環境配慮の取組みを積極的に行っている。
一方、火災避難時に住民による自衛消防隊が非常用エレベーターを利用して歩行困難者等を避難させる防災システムは、災害時における脆弱性や住民相互間の関係の希薄性といったタワーマンションの難点を克服する先進的な例であり、先導的で高く評価できる。
建物概要 | ||
所在地 | 吹田市佐竹台2 丁目 | |
建築主 | 吹田市、株式会社長谷工コーポレーション | |
設計者 | 株式会社長谷工コーポレーション | |
用途 | 共同住宅 | |
敷地面積 | 10,539.75平方メートル | |
建築面積 | 2,457.99平方メートル | |
延べ面積 | 16,747.45平方メートル | |
構造 | 鉄筋コンクリート造 | |
階数 | 地上11階 | |
CASBEEランク(注1) | A | |
BEE値 | 1.6 | |
重点評価(注2) | CO2削減 4.9/省エネ対策 3.2 | |
パンフレット 住宅部門賞 吹田市営新佐竹台住宅 [PDFファイル/2.52MB] |
【審査講評】
高度成長期の鉄則、基本中の基本とされた道路から高い敷地に建てられた団地再生の今日的見本といえる事例である。二本の道路が交差するポイントから敷地を下げ、道路に対してフラットにすることで、周囲への圧迫感を取り去り、人の歩行移動を無理なく誘導する大きな仕掛けとなっている。車から人へと、まさに時代の流れを具現する取組みであり、敷地の緑地配置も含めて高く評価される。建物自体では、バリアフリーを基本とした大胆なプランの提案、これを支える非常時の脱出機能を備えた窓格子など、先進的な配慮がなされている。
建物概要 | ||
所在地 | 大阪市都島区東野田町4 丁目 | |
建築主 | 西日本電信電話株式会社 | |
設計者 | 株式会社NTT ファシリティーズ | |
用途 | 事務所 | |
敷地面積 | 31,008.84平方メートル | |
建築面積 | 3,885.91平方メートル | |
延べ面積 | 38,632.53平方メートル | |
構造 | 鉄骨造 | |
階数 | 地上11階 | |
CASBEEランク(注1) | S | |
BEE値 | 3.3 | |
重点評価(注2) | CO2削減 4.0/省エネ対策 4.0 | |
パンフレット 事務所部門賞 NTT西日本 新京橋ビル [PDFファイル/1.88MB] |
【審査講評】
密集商業地域の中で周囲景観を考慮した一般的な印象を与える建築物であるが、その内部は独創的なデザインの2つのボイドによる上下・水平の広がりが感じられる優れたプラン自体が大きな特徴となっている。
ボイドに設置した光ファイバーのオブジェや室内天井のオーガンジーによる風の揺らぎの可視化など、建築デザインレベルでの自然を感じさせる対応の優秀例である。
オフィス照明は明るさシミュレーション制御や無線個別調光制御システムなど新たな技術が導入されており、省エネと快適性を両立している。
さらに、竣工後も自然換気の効果測定のために実測データを収集し、大阪市域では他に類例をあまり見ないコミッショニングによる継続的な運用改善を行っており、その取組み姿勢は高く評価できる。
建物概要 | ||
所在地 | 大阪市中央区大手前3 丁目 | |
---|---|---|
建築主 | 大阪重粒子線施設管理株式会社 | |
設計者 | 株式会社日建設計 | |
用途 | 診療所 | |
敷地面積 | 5,397.82平方メートル | |
建築面積 | 3,430.44平方メートル | |
延べ面積 | 8,786.31平方メートル | |
構造 | 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造 | |
階数 | 地上3階 | |
CASBEEランク(注1) | A | |
BEE値 | 1.8 | |
重点評価(注2) | CO2削減 4.0/省エネ対策 4.0 | |
【審査講評】
治療用機器室や治療室を除けば小規模な病院建築であり、導入できる環境配慮技術は限られるものの、床放射空調やLow-E ガラス、LED などを採用しており、屋上緑化やインナーガーデンの設置など緑化にも積極的に取り組んでいる。
また、隣接する建築物から大阪城への眺望に配慮して建物ボリュームを決定するなど、周囲との調和が図られている。
さらに、大阪城に面する地域の歴史性への配慮として、積層をコンセプトにした石素材の外装への使用や、敷地内から出土した刻印石の景石への利用なども評価できる。
建物概要 | ||
所在地 | 岸和田市野田町1 丁目 | |
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建築主 | 岸和田市 | |
設計者 | 株式会社梓設計関西支社 | |
用途 | 児童福祉施設等 (老人福祉施設、児童発達支援センター) | |
敷地面積 | 17,414.02平方メートル | |
建築面積 | 3,012.07平方メートル | |
延べ面積 | 7,453.17平方メートル | |
構造 | 鉄骨造、一部鉄筋コンクリート造 | |
階数 | 地上4階 | |
CASBEEランク | A | |
BEE値 | 1.6 | |
重点評価(注2) | CO2削減 3.1/省エネ対策 3.6 | |
【審査講評】
分節されたデザインによる景観配慮とともに、自然光を随所に取り込み、室内と屋外との連続性に配慮した在室者にやさしい建築と言える。同時に、自然換気や雨水利用、太陽光発電、断熱性の高いサイディングウォールなど、様々な環境配慮技術が取り入れられた優れた環境配慮建築である。本建物が何より優れているのは、意匠と環境性能が自然に融合・調和している点であり、公共建築としてモデルとなるべき建築と言えよう。
建物概要 | ||
所在地 | 交野市大字私市 | |
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建築主 | 四條畷市交野市清掃施設組合 | |
設計者 | 川崎重工業株式会社 エネルギー・環境プラントカンパニー、 | |
用途 | 熱回収施設棟 [ゴミ焼却場] | |
敷地面積 | 56,907.56平方メートル | |
建築面積 | 4,319.07平方メートル | |
延べ面積 | 7,814.31平方メートル | |
構造 | 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造 | |
階数 | 地上2階、地下3階 | |
CASBEEランク(注1) | A | |
BEE値 | 1.5 | |
重点評価(注2) | CO2削減 3.3/省エネ対策 4.0 みどり・ヒートアイランド対策 3.5 | |
【審査講評】
クリーンセンターという環境関連の用途の建築物として、トップライトや太陽光集光照明などの自然光の取入れ、巨大ボイラーの温度差換気システムによるファン動力の削減、排水のクローズドシステムなどの多様な省エネ・省資源のための取組みを積極的に行なっているとともに、環境学習の施設としての様々な工夫が随所にみられるなど環境配慮への意欲的な姿勢は大いに評価できる。また、地中へ建物を埋め込むことで周辺景観への影響を低減、既存樹木の保全や在来種による法面植栽や敷地内への湿地の設置など修景も充実している。
建物概要 | ||
所在地 | 守口市寺方元町4丁目 | |
---|---|---|
建築主 | 守口市 | |
設計者 | 株式会社大建設計 | |
用途 | 小学校 | |
敷地面積 | 10,717.91平方メートル | |
建築面積 | 3,269.03平方メートル | |
延べ面積 | 9,740.39平方メートル | |
構造 | 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造 | |
階数 | 地上5階 | |
CASBEEランク(注1) | A | |
BEE値 | 2.0 | |
重点評価(注2) | CO2削減 3.3/省エネ対策 3.9 みどり・ヒートアイランド対策 3.0 | |
【審査講評】
コンパクトな中に小学校として必要な機能を凝縮し、守口市の次世代を育成する伸びやかな教育方針を分かりやすく示した公的施設の好例である。中心に位置する全層を貫く吹抜けは光と風を下階に届けると同時に、各フロアでの学習の様子を伝える装置となっている。使用者が自然に子供達の作品を吹抜けに向けて張り出していることが、そのメッセージ発信性を如実に示している。吹抜けに突き出した各フロアのコーナーの利用活性については今後の期待を込めた課題となっているが、階段や図書室、和室など、随所に設置された建築的仕掛けが上下、水平、内外方向の接続を拡張しており、環境配慮のすぐれた模範となっている。
建物概要 | ||
所在地 | 守口市大久保町2丁目 | |
---|---|---|
建築主 | 守口市 | |
設計者 | 株式会社昭和設計 | |
用途 | 小学校 | |
敷地面積 | 14,748.75平方メートル | |
建築面積 | 4,863.87平方メートル | |
延べ面積 | 10,666.08平方メートル | |
構造 | 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造 | |
階数 | 地上4階 | |
CASBEEランク(注1) | A | |
BEE値 | 1.5 | |
重点評価(注2) | CO2削減 3.7/省エネ対策 3.8 みどり・ヒートアイランド対策 2.7 | |
【審査講評】
校舎内への卓越風の取込みによる換気や庇による遮光、屋上緑化、太陽光パネルの設置などの自然エネルギーの利活用とアクティブステップ・スキップフロアなどの空間デザインがうまく融合した学校建築の規範となる事例である。敷地の提供による歩道の拡幅への貢献だけでなく、地域住民に開放されたまちかど広場やまちなかガーデン、まちなかサロンの設置は地域連携の取組みとして評価できる。また、旧校舎をなぞった校舎配置、古い日時計や既存樹木の活用など歴史性の継承にも努めている。
この作品集は下記団体様のご協力により印刷いただいたものです。
(公社)大阪府建築士会、(公財)大阪府都市整備推進センター、(一財)大阪建築防災センター、(一社)大阪府建築士事務所協会、
(一財)日本建築センター、(一財)日本建築総合試験所、(一社)不動産協会関西支部、近畿建築確認検査協会
(注1) 建築物の総合的な環境性能レベルをBEE値の指標によって、S(最高)、A、B+、B−、Cの5段階でランク付けするもの
(注2) CASBEE評価項目のうち、CO2削減、省エネルギー対策、みどり・ヒートアイランド対策を重点的に評価するもので、1から5(最高)までの数値の5段階でランク付けするもの
このページの作成所属
都市整備部 住宅建築局建築環境課 建築環境・設備グループ
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