筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)とは、これまで健康に生活していた人がある日突然原因不明の激しい全身倦怠感に襲われ、それ以降強度の疲労感と共に、微熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、脱力感、思考力の障害、抑うつ症状などが長期にわたって続くため、健全な社会生活が送れなくなるという疾患です。現段階では、詳しい発症要因は分かっておらず、明確な治療法も確立されていません。
参考:厚生労働省「CFS研究班」ホームページ 『慢性疲労症候群とは』(外部サイト)
「慢性疲労症候群」という疾患名が誤解を与えやすいため、一般的な「慢性疲労」と誤解してしまう方もいます。しかし、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)は、「強烈な全身倦怠感」が「回復せず」に「日常生活が著しく困難になる」疾患であり、一般的な慢性疲労とは全く異なる状態です。
また患者さんの中には、苦痛を伴いながらもなんとか仕事を続けることができる方もいれば、症状が重く寝たきりに近い方もいるなど、個人差はありますが、日常生活に大きな影響があり患者さんにとって大きな苦痛になっています。
☑日常生活に支障が出るほどの疲れが6か月以上持続ないし再発を繰り返す
※疲労の原因がはっきりしている場合は「慢性疲労」であり、慢性疲労症候群には当てはまりません。
□微熱ないし悪寒がある
□のどが痛い
□リンパ節が腫れている
□原因不明の筋力低下
□筋肉や関節が痛い
□ちょっとした動作でもすぐに疲れる(労作後24時間以上続く全身倦怠感)
□頭痛がする、頭が重い感じがする
□不眠、過眠がある
□思考力や集中力が低下している
□意欲がわかない
□憂うつである
これらの症状が6か月以上持続ないし再発を繰り返している場合は、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)が疑われます。当てはまる症状が多い場合は、早めに医療機関に相談しましょう。
参考:厚生労働省「CFS研究班」ホームページ 『厚生労働省(旧厚生省)慢性疲労症候群診断基準』(外部サイト)
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)は、症状に耐える苦しさだけでなく、家族、職場など周囲の人たちに「サボっている」と誤解されるつらさや、働けないことによる経済的な不安がストレスとなり、症状がさらに悪化している例もあります。疾患名から受ける印象と違って、実際の症状はひどく深刻です。誤解がもとで患者さんに無理を強いることがないよう、正しい理解が求められています。
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)の研究・調査に関する情報などについては、下記をご覧ください。
厚生労働省「CFS研究班」ホームページ『「慢性疲労症候群患者の日常生活困難度」調査事業について』(外部サイト)
支援団体 『CFS(慢性疲労症候群)支援ネットワーク』(外部サイト)
→CFS支援ネットワーク発行『ME/CFS療養生活』の手引きはこちらからダウンロードできます(外部サイト)
このページの作成所属
健康医療部 保健医療室地域保健課 疾病対策・援護グループ
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