先天性代謝異常等検査(新生児マススクリーニング検査)

更新日:2024年3月7日

先天性代謝異常等検査とは

 心身障がい(精神遅滞、脳障がい及びその他身体障がい等)の原因になる疾患(疑い)を早期発見し、早期に治療が出来るようにすることを目的として、新生児に対して血液によるマススクリーニング検査(新生児マススクリーニング検査)を行うものです。

国(こども家庭庁)実証事業による2疾患の公費化について

 こども家庭庁では、都道府県・政令指定都市においてモデル的に重症複合免疫不全症(SCID)と脊髄性筋萎縮症(SMA)を対象とするマススクリーニング検査を実施し、国の調査研究と連携・協力することで、マススクリーニング検査の対象疾患の拡充に向けた検討に資するデータを収集し、その結果を踏まえ、全国展開をめざす実証事業を開始しました。

 この実証事業に、大阪市及び堺市とともに参画することとしたため、令和6年3月1日から、大阪府内の医療機関等で出生した新生児は、上記の対象疾患に加えて、重症複合免疫不全症と脊髄性筋萎縮症の2疾患が公費で受けられるようになりました(実証事業にかかる費用は無料)。

実証事業に係る医療機関向け説明会 NEW !

  ※後半は、医療機関等の所在地によって閲覧いただく動画が異なります。
    大阪市内に所在のある医療機関等については大阪市保健所(外部サイト)のページをご覧ください。

検査対象疾患

従来の公費マススクリーニング検査の対象疾患

アミノ酸代謝異常

フェニルケトン尿症メープルシロップ尿症
ホモシスチン尿症シトルリン血症1型
アルギニノコハク酸尿症シトリン欠損症   

有機酸代謝異常

メチルマロン酸血症プロピオン酸血症
イソ吉草酸血症メチルクロトニルグリシン尿症
ヒドロキシメチルグルタル酸血症複合カルボキシラーゼ欠損症
グルタル酸血症1型βケトチオラーゼ欠損症

脂肪酸代謝異常

中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症
三頭酵素欠損症カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-1欠損症
カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ-2欠損症カルニチンアシルカルニチントランスロカーゼ欠損症
全身性カルニチン欠乏症グルタル酸血症2型

内分泌疾患

先天性甲状腺機能低下症先天性副腎過形成症

糖質代謝異常

ガラクトース血症

実証事業対象疾患

重症複合免疫不全症

(SCID)

 生まれながらにして重要な免疫細胞のT細胞が作られず、生後間もなく肺炎、下痢、中耳炎等の感染症を繰り返し、命の危険が生じることがあります。また生後2か月の生ワクチンの予防接種を受けると、重篤な副作用を起こすことがあるため、ワクチン接種までに早期発見することが重要です。

脊髄性筋萎縮症

(SMA)

 「SMN1」という遺伝子の欠失が原因で全身の筋萎縮と進行性の筋力低下が特徴の病気です。従来の新生児マススクリーニング検査と同時に検査を実施し、早期発見・早期治療により正常の運動発達が期待できます。

対象者

 大阪府内(大阪市・堺市を除く)の医療機関等で出生した全ての新生児

 ※大阪市内及び堺市内の医療機関等で出生した新生児に対しても大阪市・堺市が同様の検査を行なっています。
  詳しくは大阪市保健所(外部サイト)(Tel06-6647-0650)・堺市こども育成課(外部サイト)(Tel072-228-7612)へお問合せください。

申込方法

 出産される医療機関等に備え付けてある申込書に必要事項を記入し医療機関等へ提出してください。

ご注意里帰り出産をされる方へ

大阪府へ里帰り出産する場合 大阪府外にお住まいの方で大阪府内の医療機関等で出産される場合は、他府県の申込書等は使用できませんので、医療機関等に備え付けてある申込書を使用してください。
 大阪府外にお住まいの方でも無料で検査を受けることが出来ます。(なお、採血料・検体送付料は各医療機関等へお支払ください。)
他府県へ里帰り出産する場合 大阪府にお住まいの方で、他府県の医療機関等で出産される場合は、各都道府県の申込方法により検査を受けることができます。自治体によって、検査対象疾患が異なりますので、出産される医療機関等の住所地を管轄する都道府県又は政令市へお問合せください。 

検査方法

 生後4日から6日の赤ちゃんの足の裏(かかと)から微量の血液をろ紙に吸い込ませて採血します。
 (予定日より早く出生した場合や未熟児で出生した場合は、再度採血をすることがあります。)
 採血したろ紙を大阪母子医療センター(外部サイト)へ送付して検査をします。

検査結果

 陰性(疾患の可能性が低い)の場合は、生後1ヶ月児健診の際に出生医療機関等から結果をお知らせします。

 再検査・陽性(疾患の可能性がある)の場合は、採血後1、2週間以内に出生医療機関等からご連絡します。

 また、陽性の場合は、大阪府の担当者から連絡し、専門病院をご紹介します。
 ポイント注意「陽性」=「疾患(病気)が確定した」 ではありません。

注意事項

  •  申込書を記入する際は、退院後に確実に連絡が取れる電話番号を記入してください。(実家等でしばらく過ごす場合は、実家の連絡先も記入してください)
  •  検査費用は無料ですが、採血料は医療機関等へお支払いください。(医療機関等によっては、事務手数料(郵送代)が必要な場合もあります。)
  •  この検査においては、すべての先天性代謝異常症等を発見することはできません。(遅発性や特異的な疾患については、この検査以後に発症することがあります。)

個人情報について

 この検査で知り得た個人情報については、厳重な管理の下で先天性代謝異常等疾患の原因究明や治療研究に使用します。
 また、SCIDとSMAについては、個人が特定されないデータが、こども家庭庁及びこども家庭庁の研究班に報告されます。調査研究の結果が公表される際には、統計的に処理され、個人が特定されるかたちで公表されることはありません。
 個人情報の保護には十分に配慮して実施し、この検査で得られた情報は、マススクリーニング事業以外の目的で使用することはありません。

採血医療機関向け情報

 大阪府(大阪市・堺市を除く)内の採血医療機関におかれましては、下記要綱等をご活用いただき、円滑な事業の実施に御協力をお願いいたします。

このページの作成所属
健康医療部 保健医療室地域保健課 母子グループ

ここまで本文です。


ホーム > 健康・医療 > 健康 > 母子保健・母子医療のページ > 先天性代謝異常等検査(新生児マススクリーニング検査)