おおさかの環境 2010年(平成22年)

更新日:平成30年7月23日

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おおさかの環境 2010年(平成22年)

2010年表紙

淀川の城北わんど群(大阪市)

全体 [PDFファイル/11.27MB]

目次

  1. ごあいさつ
  2. 大阪エコライフ【生物多様性と私たちのくらし】(はじめに)
  3. 大阪エコライフ【生物多様性と私たちのくらし】(生物多様性とは)
  4. 大阪エコライフ【生物多様性と私たちのくらし】(私たちの生活と生物多様性)
  5. 大阪エコライフ【生物多様性と私たちのくらし】(私たちができること)
  6. 大阪エコライフ【生物多様性と私たちのくらし】(おわりに)
  7. 計画的な環境政策の推進
  8. ごみを減らし資源を活かすために
  9. 地球環境を守る地域社会に
  10. きれいな空気で、静かなまちに
  11. きれいな水、潤いとやすらぎのある水辺に
  12. 化学物質を適正に取り扱うために 
  13. 公害の苦情やその解決のために
  14. 豊かな自然との共生や文化が実感できるまちに
  15. すべての主体が積極的に参加し行動する社会に
  16. 主要課題の進捗状況及び今後の方向性
  17. 環境関連ホームページの紹介
  18. 情報提供窓口

1. ごあいさつ

橋下徹知事

  生物多様性は、食料をはじめとして、衣服、住居、医療などのあらゆる分野において、私たちに恵みをもたらし、私たちの生存基盤を支えてくれています。そうした生物多様性を保全するため、国連では2010 年を「国際生物多様性年」と定め、去る10 月には「生物多様性条約第10 回締約国会議」(Cop10)が名古屋市で開催され、国際的にも人類が手を携えて行動していく方策が話し合われました。大阪でも、周辺山系や河川、大阪湾、身近な農空間のほか、都市の公園や緑地といったさまざまな場で、多くの生きものがくらしていますが、都市化が進むことにより、生きものの生息場所が限られており、人と自然のつながりも希薄になっています。このような大阪の生物多様性の状況を私たちひとりひとりが知り、生きものの生息環境に配慮した活動を拡大し、身近な自然環境を守り再生していくことが必要です。大阪府では、様々な環境問題が、府域や府域を超えて関西、さらには地球規模で引き起こされている現状をふまえ、平成23 年3 月に新しい「大阪府環境総合計画」を策定するため作業を進めているところです。この中で、地球温暖化の防止、資源の循環的利用、生物多様性の保全、安全で健康的な暮らしの確保などについて、大阪府の環境施策に関する基本方針や具体的手順をお示しする予定です。環境問題の解決に当たっては、行政はもとより府民や事業者のみなさまが環境問題を意識して力を合わせて取り組むことが必要です。この白書が、みなさまが大阪の環境の状況と大阪府の環境施策について理解を深め、環境問題の解決に向けて取り組んでいただく一助となれば幸いです。

橋下徹サイン


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2. 大阪エコライフ【生物多様性と私たちのくらし】(はじめに)

表紙は、淀川の城北わんど群(大阪市)だよ。
自然豊かで、たくさんの生きものがいたね。

キットちゃん

 

モットちゃん

そのたくさんの生きものから、実は、私たちは普段の生活でも、いろんなものをもらっているんだよ。

恵み 

私たちは、いろいろな生きものを、食品や薬、衣服、住居として利用しているんだ。それに、自然豊かな山に登って、元気をもらったり。私たちはさまざまな生きものの恵みに支えられて暮らしているんだ。

モットちゃん

 

キットちゃん

そういえば、いろんな生きものがいることって最近よく聞く「生物多様性」と関係があるのかな?

みなさんは「生物多様性」をご存知ですか?
今回の巻頭特集では、生物多様性と、その保全のために私たちがくらしの中でできることについて一緒に考えていきましょう。


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3. 大阪エコライフ【生物多様性と私たちのくらし】(生物多様性とは)

■ そもそも「生物多様性」って何?

  地球上には確認されているだけで約175万種、未知のものも含めると3,000万種もの生き物が生息しているとされています。これらの生き物は、それぞれに個性をもち、食う・食われる、花粉を運ぶといったさまざまな関係でつながりあっています。「生物多様性」とは、そのような生き物の「個性」や「つながり」を示す言葉です。

コラム1 生物多様性の3つのレベル

  生物多様性には3つのレベルがあり、これらが複雑に絡み合って、つりあいのとれた生物の多様性が維持されています。

1. 生態系の多様性

 森林、里地里山、農空間、河川、湿原、干潟、サンゴ礁などいろいろなタイプの自然のことを指します。

生態系の多様性

2. 種の多様性

 動植物から微生物にいたるまで、いろいろな種類の生き物がいることを指します。

種の多様性

3. 遺伝子の多様性

 同じ種でも異なる遺伝子をもっていて、個体によって形や模様、生態などに多様な個性があることを指します。

遺伝子の多様性

■生物多様性がもたらす恵み

  生物多様性は、食料をはじめとして、衣服、住居、医療、文化・芸術、環境・防災、経済産業の分野に至るまで、私たちに恵みをもたらし、私たちの「いのち」と「暮らし」を支えています。(図1)  例えば、私たちは様々な動植物から、穀物、野菜、果物、肉、魚介類などの食料を得ていますし、野生の種がもつ遺伝情報を活用して、品種改良も行っています。また、私たちの衣服の原料になる絹は蚕(かいこ)という虫が出す糸を原料にしていますし、住宅の材料として昔から木材を利用してきました。  もし生物多様性が失われると、このような恵みも失われ、私たちの「いのち」と「暮らし」がおびやかされることになります。

画像です。図1 生物多様性がもたらす恵み

図1 生物多様性がもたらす恵み

 ■生物多様性に迫る危機

  現在、生物多様性はかつてない速さで失われていて、世界中で数多くの野生生物が絶滅の危機に瀕しています。世界では17,291種の野生生物が絶滅のおそれがあるとされています。  国内の野生生物では、図2の各分類で約1割から3割強、計3,155種が絶滅のおそれのある種とされています。

 

図2絶滅のおそれのある日本の野生生物の比率

 図2 絶滅のおそれのある日本の野生生物の比率

  また、大阪府内の野生生物では、約1割にあたる896種が絶滅のおそれのある種とされていて、淀川に生息するアユモドキやイタセンパラなどの野生生物が絶滅の危機に瀕しています。

写真1 大阪府で絶滅のおそれのある野生生物の例

    大阪府で絶滅のおそれのある野生生物の例

  これらの原因は、生物の乱獲や開発、里地里山などの手入れ不足、外来種の侵入、地球温暖化などが挙げられます(図3)。

画像です。図3 生物多様性の危機

図3 生物多様性の危機

コラム2 生物多様性のもたらす恵み(医薬品編)

  抗生物質のペニシリンが、元々アオカビから発見されたことをご存知の方は多いのではないでしょうか。その他にも、解熱鎮痛剤のアスピリンは、ヤナギの樹皮の成分に解熱、鎮痛の効果が発見されたことから、これを手本に合成されています。※1また、「タミフル」という名前でよく知られるインフルエンザ治療薬は、中華料理の香辛料、八角の成分を利用して作られています。世界で処方されている医薬品の約40%が自然界から得られた原料を使用しており、熱帯雨林からは難病とされていた病気の特効薬が数多く発見されています。  このように、私たちは医療分野でも生物多様性の恩恵を多く受けているのです。

写真2 八角(左)とヤナギ(右)

八角(左)とヤナギ(右)

コラム3 生物多様性に関する世界のうごき

  1992年に開催された地球サミット(国連環境開発会議)で、生物多様性条約が採択されました。 今年は国連の定めた「国際生物多様性年」で、10月に名古屋市で開催された「生物多様性条約第10回締約国会議」(Cop10)では、国際的に生物多様性を保全するための合意がいくつかなされました。隣接する会場では「生物多様性交流フェア」が開催され、11万8千人を超える人で賑わいました。

写真3 Cop10併設イベント「生物多様性交流フェア」の様子

Cop10併設イベント「生物多様性交流フェア」の様子


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4. 大阪エコライフ【生物多様性と私たちのくらし】(私たちの生活と生物多様性)

 ■大阪の食文化と生物多様性

  かつて大阪は「天下の台所」と呼ばれ、日本の食文化を支えてきました。現在でも、大阪は「くいだおれ」の街とよばれるように食文化が豊かです。 そこで、食べ物に焦点を当てて、食べ物からみた私たちの生活と生物多様性の関わりについてご紹介しましょう。

図4 「雑喉場魚市」(『摂津名所図会 4下 大坂部』より)            写真4 くいだおれの街・道頓堀通り(大阪市中央区)

          「雑喉場魚市」(『摂津名所図会 4下 大坂部』より)             くいだおれの街・道頓堀通り(大阪市中央区)

  大阪の食文化の中でも代表的な食べ物のひとつといえば「お好み焼」。このお好み焼きと生物多様性はどのような関係があるのでしょうか。 お好み焼きで使われる主な材料をあげてみましょう。図5のように、多くの材料が使われていることがわかります。また、ソースには砂糖や味噌、野菜や果物、香辛料などが含まれ、マヨネーズは主に植物油脂と酢、卵から作られます。

画像です。図5 お好み焼きの材料

図5 お好み焼きの材料

  これらの材料が作られる過程までみると、さらに多くの種類の生きものが関わっています。例えば、豚肉を作るためには、えさとして大量の穀物が必要ですし(図6)、その穀物を作るためには肥料が必要です。肥料の中でも、有機肥料は、植物から作られたり、動物のふんに微生物の働きを利用して作られます。 様々な生きものを利用していること、それはつまり生物多様性の恩恵を受けているということですが、お好み焼きをひとつとっても、非常に多くの生きものが関わっていることから、私たちの生活に生物多様性がどれほど密接に関わっているかがわかります。

画像です。図6 お好み焼きができるまで

図6 お好み焼きができるまで

コラム4 なにわの伝統野菜

  毛馬()胡瓜(けまきゅうり)()勝間()南瓜(こつまなんきん)()天王寺()蕪(てんのうじかぶら)()、…皆さんはこれらの野菜がどのようなものかお分かりでしょうか?これらは「なにわの伝統野菜」とよばれているものの一部です。 かつて大阪には大阪独特の野菜が多数ありました。しかし、戦後、農産物の生産性をあげるための品種改良や食生活の洋風化が進み、地域独特の歴史や伝統を持つ品種が影をひそめるようになりました。 近年、こうした伝統ある野菜を見直そうという機運が高まり、復活しつつあります。常設の販売店もありますので、なにわの伝統野菜を味わい楽しむことで、生物多様性の恵みを感じるのもいいのではないでしょうか。

写真5 なにわの伝統野菜

なにわの伝統野菜

なにわの伝統野菜を検索
http://www.pref.osaka.lg.jp/nosei/naniwanonousanbutu/dentou.html

■食生活が生物多様性に与える影響

  一方、私たちの食生活が生物多様性に影響を与えることもあります。 お菓子やインスタント食品、マーガリンなどの食品のほか、洗剤や化粧品などの日用品の原料として使用されている植物油にパーム油があります。パーム油はアブラヤシから採れる油のことで、その需要は世界全体で伸び続けています。アブラヤシは主に熱帯地域で栽培されおり、その農園を開発するために熱帯雨林が伐採され、野生動物が生息地を失う危機にさらされています。パーム油を国内で生産できない日本は、輸入に依存しており、日本で使われている製品の中には、熱帯雨林を伐採して生産されたパーム油が、少なからず含まれている可能性があります。パーム油を扱う企業には、自然環境と地域住民の暮らしに配慮したパーム油の生産を目指したRspo(コラム5参照)に参加しているところが出てきています。

アブラヤシ農園−1  アブラヤシ農園ー2

アブラヤシ農園

コラム5 Rspo

  Rspoは、「持続可能なパーム油のための円卓会議」の略で、パーム油生産者や製油会社、パーム油を利用する会社など、パーム油に関連する様々な関係者が参加し、自然環境を保全し、地域住民の権利を尊重しながら持続的なパーム油の生産・利用を探ろうと設立された国際的なNGO(非政府組織)です。環境に配慮して生産されたパーム油の認証などの活動をしており、世界で394のメンバーが参加し、日本からは9社が参加しています(2010年11月現在)。


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5. 大阪エコライフ【生物多様性と私たちのくらし】(私たちができること)

  これまで見てきたように、近年、生物多様性が失われつつあり、今まさに生物多様性の保全を進めるべく日本としても積極的に取り組んでいこうとしています。 そこで、私たちが日常の生活の中で気軽にできる取組みをご紹介します。

 その1 食料や衣服がどこでどのようにして出来ているかを考えてみよう!

  今回は、お好み焼きを例に説明しましたが、食材や衣服など、これはどこで、どうやって生産されているのかなど考え、現在のようにたくさん“モノ”を消費する生活を見直していきましょう。

コラム6 大阪府の食料自給率

  食料自給率とは、国内の食糧消費が、国内の農業生産でどの程度賄えているかを示す指標です。 日本全体のカロリーベースの食料自給率は、昭和40年度の73%から大きく低下し、平成21年度で40%です。 大阪府のカロリーベースの食料自給率は、平成20年度概算値で2%と低い数値となっています。 私たちの食生活は、周辺地域や外国からの輸入に大きく依存しています。

その2 地元で取れた旬の食材を食べよう!

  旬の食材は、自然本来の季節の中で、その時期にだけ得られる恵みです。特に、地元でとれた食材を食べること、すなわち地産地消は、地域の自然に関心を持てるようになりますし、地域の生産者の支援にもつながります。

写真7 大阪でとれた食材

  水なす(左)と泉だこ(右)

大阪でとれた食材

その3 生物多様性に配慮した製品を応援しよう!

  現在、生物多様性への配慮を消費者に伝える様々な取組みが広がってきています。 消費者として、食材や商品を購入するとき、このような取組みに理解を深め、生物多様性の保全を応援しましょう。

コラム7 生物多様性に配慮した認証ラベル

  Mscマークは持続的に魚を食べ続けることができるように、海洋の自然環境や水産資源を守って獲られた水産物に与えられる認証エコラベルです。

写真8 Mscマーク認証製品

Mscマーク認証製品 

  Fscマークは、木材・木材製品が環境・社会・経済のすべての側面に配慮したFscの厳しい基準に従い、適切に管理された森林から出されたものであることを示します。

写真9 Fscマーク認証製品

Fscマーク認証製品

  このような認証制度が民間主導によって取り組まれており、エコラベルを貼った水産物や林産物の流通が始まりつつあります。

コラム8 国産木材の利用

  木材自給率が20%強の日本は、需要の大半を海外の森林で伐採された木材に依存していますが、国産の木材を住宅の柱や土台、梁などに用いるなど、積極的に利用する企業も現れています。国産木材の利用は、森林の適切な管理・間伐がもたらす豊かな植生と環境調節サービスの向上につながるほか、海外の貴重な自然林を守ることも期待できます。

写真10 放置され過密となった人工林での間伐(左)と持続可能な管理をされた森林(右)

放置され過密となった人工林での間伐(左)と持続可能な管理をされた森林(右)


大阪府内産の木材で作った製品

 全国の都道府県の中で最も森林面積が少ない大阪ですが、府内産の木材を利用した製品があります。 

写真11 大阪府内産のイスとプランター

大阪府内産のイスとプランター

河内材を検索

URL:http://www.pref.osaka.lg.jp/midori/midori/g-10kawachizai.html

その4 近所で自然を発見しよう!

  都市部にも、公園、庭、森、街路、川など変化に富んだ環境があり、身近なところに多様な自然が息づいています。 歩いたり、自転車に乗って季節の変化を楽しみましょう。ひょっとしたら、歩道の片隅に見たこともないようなきれいな花や珍しい昆虫が見つかるかも知れません。

 写真12 大阪でよく見かける生きもの

 シジュウカラ(左)とトノサマガエル(右)

大阪でよく見かける生きもの

コラム9 チリメンモンスター

  みなさんは、チリメンジャコに変わった形の生きものが混じっているのを見たことはありませんか?その生きものは一見怪獣のようにも見え、チリメンモン スター、略してチリモンと呼ばれています。 スーパーで売られているチリメンジャコに混じっていることもありますし、きしわだ自然資料館やきしわだ自然友の会などチリモンを体験するイベントを行っているところもあります。こうしたイベントに参加することによって、生物の多様性に触れることができます。

写真13 チリメンモンスター

チリメンモンスター

その5 イベントに参加してみよう!

  自然観察会や野鳥の探鳥会、里山の保全活動など楽しく参加できるイベントがたくさんありますので、ぜひ参加してみましょう。参加、体験し、そして、参加者同士の交流を通して生物多様性の大切さの理解も深まるでしょう。

写真14 自然観察会

自然観察会

その6 身近なみどりを増やそう!

  家庭菜園や、プランターで草花を育ててみてはどうでしょうか。チョウやとんぼや野鳥が四季に応じて訪れるはずです。どんな小さなみどりでもさまざまな生きものの生息・生育地になります。あなたも生きもののアドプト(里親)になってみませんか。

写真15 植栽活動

植栽活動 

◆ペットを飼っている人へ◆

  ペットを飼えなくなったからといって安易に捨てないで下さい。捨てられたペットが野生化して地域固有の生態系に影響を与え、生物多様性を大きく傷つけることがあります。大阪府ではアライグマやミドリガメ等の外来種が増加しており、特にアライグマは、農作物等への影響が大きいことから問題となっています。ペットは最後まで責任を持って飼いましょう。

あらいぐま          みどりがめ

あらいぐま                             みどりがめ

外来種

キットちゃん

私たちができることをまとめたよ。

私たちができること 6か条

その1 食料や衣服がどこでどのようにして出来ているかを考えてみよう!

その2 地元で取れた旬の食材を食べよう!

その3 生物多様性に配慮した製品を応援しよう!

その4 近所で自然を発見しよう!

その5 イベントに参加してみよう!

その6 身近なみどりを増やそう!

 コラム10 市街地と生物多様性

  街の中の緑は生きものにすみかや移動経路を提供するとともに、私たち人間にも安らぎや落ち着きをもたらしています。ここでは2つの事例を紹介します。

都会の真ん中に里山を再現

  大阪市北区の新梅田シティには、日本の原風景である里山を手本とした「新・里山」が整備されています。敷地面積は約8,000平方メートルで、コナラやクヌギなど在来種を中心とした樹木が97種も植えられ、草花や野菜畑も配置されています。剪定した枝や除草した草などは堆肥化し敷地内で利用され、またできるだけ農薬を使わないなど環境に配慮されています。  2010年に「新・里山」の調査で確認された野鳥は20種、昆虫は25種で、近くの公園より多く、オオルリやウグイスなどが飛来するなど、都心部でも豊かな生態系が育まれています。 「新・里山」の整備に関わっている積水ハウス株式会社の担当の方にお話をうかがうと「最初の整備には人は関わりますが、後はできるだけ自然界にまかせています。ホンモノの自然はそれ自体に力を持っています。地元の子どもたちや近所の人々が自然を観察しによく訪れるようになりました。」ということでした。

写真17−1 新・里山

写真17−2 新・里山

 新・里山

万博の森の復元

  1970年に開催された大阪万博から40年が経ち、その跡地である万博公園は緑豊かな森に生まれ変わりました。今では里山の生態系の頂点に君臨する オオタカが営巣し、都会には珍しくニイニイゼミが多く見られるなど豊かな生態系が形成されています。(オオタカの営巣環境保全のため、営巣期間中は立入禁止区域が設定されています。)

写真18 万博公園

 万博公園(吹田市) 


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6. 大阪エコライフ【生物多様性と私たちのくらし】(おわりに)

  「生物多様性」と聞くと何やら難しそうな響きですが、大切なのは生きものがつながり合いながら生きていて、私たちもそれらからたくさんの恵みを受けて生きているということです。 ご飯を食べられることや服を着られることは、当たり前で、永遠のものだと考え、つい生物多様性に対する自らの責任を忘れがちになります。 生物多様性を保全するためには、私たち全員の参加と心がけが重要です。 前章でご紹介した取組みは気軽にできるものばかりです。 地元で取れた旬の食材を味わったり、自宅に植えた草花を求めてチョウやとんぼがやって来ることを喜んだり、イベントで知り合った人と生きものの話をしたり。生物多様性を意識しながらそういったくらしを楽しむ心持ちで、生物多様性の保全に取り組んでみてはいかがでしょうか。 大阪にも、下の写真のように、いろいろな場所にいろいろな生きものがいて、生きものとのつながりを感じることができます。 「生物多様性」は難しいようですが、そんなあなたの心持ち次第で、ぐっと身近な存在になるでしょう。

「生物多様性」って、いろんな生きものがいてそれらがつながり合っていることを言うんだね。生物多様性に私たちの生活は支えられているんだ。 

キットちゃん

モットちゃん

私たちも生物多様性のことをしっかり考えて、生物多様性を保全するために、自分たちができることから始めてみよう。そして、周りの人にも教えてあげよう。

みんなで守ろう生物多様性!

モットちゃんとキットちゃん

地球のいのち、つないでいこう 生物多様性


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7. 計画的な環境政策の推進

環境基本条例等の施行

〇環境基本条例(平成6年3月)
  「人のこころがかよいあう豊かな環境の保全と創造」をめざして、生活環境、自然環境、都市環境、地球環境に係る施策を総合的かつ計画的に推進しています。
〇循環型社会形成推進条例(平成15年3月)
  再生品の普及促進や不適正処理の根絶など循環型社会の形成に向けた施策を推進しています。
〇温暖化の防止等に関する条例(平成17年10月)
  事業活動における温室効果ガス及び人工排熱の排出抑制や建築物の省エネルギー等の環境配慮など、地球温暖化防止及びヒートアイランド現象の緩和に向けた施策を推進しています。
〇生活環境の保全等に関する条例(平成6年3月)
  土壌汚染に関する規制等について、土地の履歴調査制度等の充実を図るとともに、平成21年4月に改正された土壌汚染対策法との整合を図るため、平成22年3月に条例改正を行いました。揮発性有機化合物の排出抑制を図るとともに、化学物質の適正な管理の促進にかかる事項等について、平成20年4月から施行しています。また、自動車Nox・PM法の排出基準を満たさないトラック・バス等の流入車規制を21年1月1日から実施(8ナンバーは10月1日開始)しています。
〇水質汚濁防止法第3条第3項の規定による排水基準を定める条例(昭和49年3月)
  府民の健康を保護し、又は生活環境を保全することを目的として、汚濁物質の排出を抑制するため、法の排水基準に代えて府域で適用する排水基準を定めています。平成20年3月に水生生物保全を図るための亜鉛の排水基準の強化等を行っています。
〇自然環境保全条例(昭和48年3月)
  「大阪府自然環境保全地域」等の府内に残された貴重な自然環境の保全に努めるとともに、自然環境の回復及び活用、緑の創出並びに生物多様性の確保に向けた取組みを推進しています。平成17年10月には、ヒートアイランド現象の緩和を図るため、建築物の敷地等における緑化の促進を目的とした改正を行い、平成18年4月から施行しています。
〇環境影響評価条例(平成10年3月)
  規模が大きく、環境影響の程度が著しいものとなるおそれのある事業について、環境保全への適正な配慮がなされるよう、事業者が事業の前に実施した環境影響評価及び事後調査の審査を行っています。
〇景観条例(平成10年10月)
  11箇所の景観計画区域(平成22年11月に4箇所の景観計画区域を追加指定)内で、大規模建築物等を対象にした届出制度に基づく指導等を行っています。また、新たな景観計画区域の指定について検討しています。
〇文化財保護条例(昭和44年3月)
  条例に基づき指定された史跡、名勝、天然記念物を保護するため、整備、保存修理、保護増殖等への助成や開発地における文化財を保護するため、開発関係者に対して指導を行っています。
〇放置自動車の適正な処理に関する条例(平成16年3月)
  府民の安全で快適な生活環境の保全及び地域の美観の維持を図るため、府所有地・管理地内の放置自動車の適正かつ迅速な処理を行っています。

環境総合計画の推進

  平成14年3月に策定した「大阪21世紀の環境総合計画」に基づき、「豊かな環境都市・大阪」の構築の実現に向け、「平成22年度において豊かな環境の保全及び創造に関して講じようとする施策」をとりまとめ、諸施策を推進しています。また、計画の進行管理として、進捗状況を可能な限り数値化したうえで、大阪府環境審議会に報告・意見聴取を行い、公表しています。

環境総合計画の進行管理

  「豊かな環境都市・大阪」の実現に向けた着実な行動のため、Pdca(Plan-Do-Check-Action)サイクルによる進行管理・点検評価システムを導入しています。

【立案段階(Plan)】
  環境基本条例に掲げられた基本理念や、環境総合計画で掲げられた中長期的な目標などを施策等の方針とし、毎年度の施策実施プログラムとして環境基本条例第10条第2項により、講じようとする施策を府議会に報告するとともに公表しています。
【実施・運用段階(Do)】
  環境基本条例第7条の施策の基本方針及び環境総合計画の施策の展開方向を踏まえながら、様々な施策や事業を実施・運用しています。
【評価段階(Check)】
  環境基本条例第10条第1項により、毎年度、環境の状況と豊かな環境の保全及び創造に関して講じた施策を府議会に報告するとともに公表しています。また、府環境審議会からの意見を聴取し、その内容を環境白書で公表しています。
【見直し段階(Action)】
  評価等をもとに、必要に応じ、施策の内容や選択について見直しを行います。 

 大阪21世紀の環境総合計画の進行管理について

画像です。大阪21世紀の環境総合計画の進行管理について


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8. ごみを減らし資源を活かすために

【廃棄物の減量化・リサイクルや適正処理など】

  これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済社会から脱却し、生産・流通・消費・廃棄の各段階において廃棄物の発生抑制、再使用、再生利用を進めることにより、持続的発展が可能な循環型社会を目指します。また、廃棄物の適正な処理を促すことにより、府民の健康で文化的な生活を確保します。

ごみ(一般廃棄物)

  府域における一般廃棄物の排出量、一人一日あたりの排出量等は減少傾向に、リサイクル率は向上傾向にあります。 しかし、全国的に見ると、一人一日あたりの排出量、リサイクル率等の状況はワースト1となっています。その要因としては、事業系一般廃棄物の排出量が多いことなどが考えられます。

ごみの排出量の推移                         ごみのリサイクル率の推移

 

ごみの排出量の推移ごみのリサイクル率の推移

産業廃棄物

  平成17年度に府域から排出された産業廃棄物は、1,728万トンとなっています。再生利用量は545万トンであり、最終処分量は67万トンとなっています。

産業廃棄物の排出量と再生利用率の推移(大阪府)

画像です。産業廃棄物の排出量と再生利用率の推移(大阪府)

  また、産業廃棄物の野外焼却・野積み・不法投棄等の不適正処理は、小規模な事案が大半であるものの依然として多発しており、また、その手口が悪質・巧妙化しています。

産業廃棄物の不適正処理件数

画像です。産業廃棄物の不適正処理件数

廃棄物の減量化・リサイクルの推進

  循環型社会を形成するため、リサイクルや廃棄物の発生抑制、適正処分のための基本的な方向を示した「大阪府廃棄物処理計画」(平成19年3月改定)に基づき、平成22年度までに廃棄物の最終処分量を概ね半減(平成9年度比)させることを目指します。

〇ごみの減量化とリサイクルへの取り組み
  住民団体、事業者団体、市町村、大阪府などにより組織された「大阪府リサイクル社会推進会議」において、リサイクル管理票制度、エコショップ制度の普及、No!!包装キャンペーンの実施、リサイクルフェアの開催など、ごみの減量化・リサイクルに取り組んでいます。
〇リサイクル製品の普及促進
  環境にやさしいリサイクル製品の普及により、リサイクルを促進するため、府内で発生した廃棄物(循環資源)を使用したリサイクル製品をなにわエコ良品(大阪府認定リサイクル製品)として認定しています。 大阪府では、これらのリサイクル製品の率先購入に取り組むほか、なにわエコ良品を手軽に購入できるよう、平成22年4月1日に、大阪府監修のなにわエコ良品専門のインターネットショップを開設しました。 

大阪府認定リサイクル製品
府内で発生した廃棄物(循環資源)を使用し、府内の工場で製造した製品で、一定の基準に適合するものを大阪府知事が認定します。

なにわエコ良品のマーク

このマークが目印です。

〇家電品などの適正なリサイクルの推進
  テレビ、エアコンなどの家電4品目については、再生資源業者を活用し、消費者の負担軽減を図る「家電リサイクル大阪方式」を推進しています。また、容器包装リサイクル法や自動車リサイクル法などのリサイクル関連諸法による適正なリサイクルを推進しています。
〇「大阪府エコタウンプラン」の推進
  平成17年7月に国から承認された「大阪府エコタウンプラン」を推進するため、関係自治体とエコタウン事業者による推進協議会において、国内外からの各リサイクル施設への見学者を受け入れるとともに、展示会への出展等を通じて、エコタウンに関する情報の発信に努めています。

廃棄物の適正な処理の推進

〇産業廃棄物の不適正処理の根絶
  産業廃棄物の野積みや野外焼却等の不適正処理の未然防止を図るため、排出事業者や処理業者に対し、産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付の徹底等による産業廃棄物の適正処理を指導するとともに、土地所有者等への土地の適正管理等の啓発・指導を行っています。また、廃棄物処理法と循環型社会形成推進条例を効果的に運用し、不適正処理の迅速な解決を図っています。

画像です。産業廃棄物の不適正処理現場

産業廃棄物の不適正処理現場

〇放置自動車対策の推進
  「大阪府放置自動車の適正な処理に関する条例」(平成16年3月制定)に基づき、府の所有地・管理地に放置された自動車の所有者究明を行い、判明した所有者に自主撤去の指導を行うとともに、所有者不明の場合には迅速・適正な処分を行うなど放置自動車の撲滅に努めています。
〇PCB廃棄物対策
  PCB廃棄物の適正な処理を推進するため、事業者に適正保管・処理を指導するとともに、日本環境安全事業株式会社によるPCB廃棄物の広域処理を促進しています。また、国と都道府県が拠出した基金を通じて、中小企業が負担するPCB処理費用を軽減しています。

私たち一人ひとりができること
  • 本当に必要なものかよく考えてから購入しましょう。
  • 「エコショップ」を利用したり、ごみ減量化・リサイクルに配慮した商品や再生資源を使用した商品を購入しましょう。
  • 買い物袋を持参し、包装紙や袋は辞退しましょう。
  • びん、缶、ペットボトル、牛乳パックやトレー、卵パックなどは捨てずにリサイクルに協力しましょう。


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9. 地球環境を守る地域社会に

【地球温暖化やヒートアイランド対策など】

  現在、地球の温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨など地球的規模の環境問題の進行とともに、ヒートアイランド現象のような大都市・大阪特有の環境問題も顕在化しています。次代を担う子どもたちに豊かな環境を引き継ぐために、わたしたち一人ひとりが身近な環境を守ることが地球環境の保全につながるということを認識し、行動していくことが必要です。

温室効果ガスの排出量

  地球温暖化の原因となる温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、代替フロンなど)の2008(平成20)年度の府内における排出量は、1990(平成2)年度から8.4%減少しています。また、温室効果ガス排出量の9割以上を占める二酸化炭素の排出量は5,194万トンで、1990(平成2)年度から0.7%増加していますが前年度から減少しています。大阪府では、2010(平成22)年度の温室効果ガス排出量を1990(平成2)年度から9%削減することを目標に、省エネルギー対策の推進や新エネルギー等の普及促進などの取組みを進めています。

大阪府内の二酸化炭素排出量の推移

画像です。大阪府内の二酸化炭素排出量の推移 

ヒートアイランド現象の状況

  大阪では、過去100年間で平均気温が2.1℃上昇し、全国平均の1.0℃を大幅に上回っており、この差の1.1℃がヒートアイランド現象の影響と考えられています。 また、真夏日、熱帯夜の日数もここ30年間で著しく増加しており、平成21年は真夏日が73日(平成20年:71日)、熱帯夜が27日(平成20年:42日)でした。

大阪・全国における年平均気温の推移(5年移動平均)

大阪・全国における年平均気温の推移

大都市における真夏日数(5年移動平均)

画像です。大都市における真夏日数(5年移動平均)

 大都市における熱帯夜数(5年移動平均) 

画像です。大都市における熱帯夜数(5年移動平均)

 【真夏日】日最高気温が30℃以上の日のこと。
【熱帯夜】夜間の最低気温が25℃以上の日のこと。

 

地球温暖化対策の推進

  「大阪府温暖化の防止等に関する条例」に基づき、事業活動における温室効果ガスや人工排熱の計画的な排出抑制対策を推進するとともに、建築物の省エネルギー等の環境配慮を推進しています。 対策の一層の普及促進を図るため、同条例の規定に基づき、温暖化防止の模範となる特に優れた取組みを行った事業者を「おおさかストップ温暖化賞」として、環境配慮の模範となる建築物を「大阪サステナブル建築賞」として表彰しています。 また、「大阪府庁エコアクションプラン−地球温暖化対策大阪府庁実行計画−」(平成17年9月策定)に基づき、府の事務事業においても温室効果ガスの排出抑制に努めています。 さらに、家庭や企業における省エネルギー行動を促進するため、毎月16日を「ストップ地球温暖化デー」とするとともに、普及啓発の拠点となる「大阪府地球温暖化防止活動推進センター」や地球温暖化防止活動推進員と連携して、府民に対する環境情報の提供や家庭・学校などでの啓発活動を実施しています。

画像です。ストップ地球温暖化デー ポスター
ストップ地球温暖化デー ポスター

家庭でできる取り組み10項目

取り組み

年間CO2削減量

年間節約額

 冷房の温度を1℃高く、暖房の温度を1℃低く設定する

約33kg

 約1,800円

 週2日往復8kmの車の運転をひかえる

約184kg

 約9,200円

 毎日5分間のアイドリングストップを行う

約39kg

 約1,900円

 待機電力を50%削減する

約60kg

 約3,400円

 シャワーを1日1分家族全員が減らす

約69kg

 約7,100円

 毎日風呂の残り湯を洗濯に使いまわす

約7kg

 約4,200円

 毎日、ジャーの保温を止める

約34kg

 約1,900円

 家族が同じ部屋で過ごし、暖房と照明の利用を2割減らす

約238kg

 約10,400円

 毎日買い物袋を持ち歩き、省包装の野菜を選ぶ

約58kg

 −

 テレビを見る時間を1日1時間利用を減らす

約14kg

 約800円

出展:全国地球温暖化防止活動推進センター<2007.4改訂版>

 

〇大阪版カーボン・オフセット制度推進事業
  温室効果ガス排出削減クレジットの売り手(中小事業者)のシーズと買い手(大規模事業者等)のニーズをマッチングする大阪独自のカーボン・オフセット制度を構築し、中長期の温暖化対策に不可欠な中小事業者の温室効果ガス排出削減対策を推進しています。
〇民間事業者省CO2設備導入支援事業
  大阪府グリーンニューディール基金を活用し、民間事業者が高効率ボイラーやLED照明等の省CO2設備を導入する際の資金の一部を補助することにより、民間事業者の地球温暖化対策を推進しています。
〇自然公園のLED等省エネ照明の率先導入事業
  大阪府グリーンニューディール基金を活用し、明治の森箕面国定公園の中核施設であるビジターセンターにおいて、省エネ効果の高いLED照明器具を率先導入しました。これにより、CO2の排出を削減するとともに、府民への地球温暖化防止の意識啓発に繋げていきます。

画像です。箕面ビジターセンターのLED照明

箕面ビジターセンターのLED照明

環境に配慮したエネルギー利用の促進

〇エコ燃料実用化地域システム実証事業
  自動車の二酸化炭素排出削減策として有効なバイオエタノール3%混合ガソリン(E3)の普及拡大を図るとともに、E3よりさらに大幅な二酸化炭素削減効果の見込める高濃度バイオ燃料(E10等)への導入に向けた実証事業を実施しています。 現在、E3については18か所で一般販売中です。高濃度バイオ燃料については、知事公用車をはじめ34台のE10対応車を用いて走行実証を実施しています。

画像です。知事公用車(E10対応車)の納車式

知事公用車(E10対応車)の納車式

〇燃料電池自動車普及促進事業
  水素は、次世代のクリーンエネルギーとして注目されており、水素を燃料とする燃料電池は、環境対策、さらには産業振興の面から普及が期待されています。大阪府は、平成16年度から公用車に燃料電池自動車(Fcv)を率先導入し、府内の各種イベントに参加して、試乗会等を実施するとともに、在阪の産学官13団体で構成する「おおさかFcv推進会議」(事務局:大阪府)の活動を通じて、水素・燃料電池の普及啓発を行っています。 また、国の「水素・燃料電池実証プロジェクト」を推進するため、平成19年度に設置された大阪府庁と関西国際空港の2か所の水素ステーションの活用や、燃料電池車いすやカートなど各種燃料電池機器の実証実験への協力を行っています。

画像です。燃料電池自動車と水素ステーション

燃料電池自動車と水素ステーション

〇バイオマスの利活用の推進
  生物由来の有機性資源であるバイオマスの利活用は、地球温暖化対策として注目されています。平成16年3月に「森林バイオマス利用推進行動計画」を策定し、公共事業での木材の利用促進をはじめ、木質ペレット化によるエネルギー利用の推進を行うなど、森林から得られる間伐材などの利用を進めています。 また、平成18年3月に「大阪府バイオマス利活用推進マスタープラン」を策定し、多岐にわたるバイオマスの利活用を総合的に進めています。
〇民間資金活用型ESCO(Energy Service Company)事業の推進
  民間の資金・ノウハウを活用して、既存の庁舎・病院などの省エネルギー化改修を図り、省エネにより削減された光熱水費の一部で改修費用を償還するとともに、残余を府の経費削減効果とする事業であり、大阪府が全国自治体で初めて事業を開始しました。初期投資を行うことなく、省エネによる環境対策や光熱水費削減が図れます。自己資金型ESCO事業を含めると、平成22年4月時点で、母子保健総合医療センターや男女共同参画・青少年センターなど20施設でESCO契約しており、二酸化炭素削減量は約1万3千トン−CO2/年(計画値)に達しています。

画像です。ESCO事業の経費と利益配分

ESCO事業の経費と利益配分

オゾン層保護対策の推進

  オゾン層を破壊し、地球温暖化にも影響を及ぼすフロンガスの排出を抑制するため、「フロン回収・破壊法」や「自動車リサイクル法」に基づきフロン類回収業者の登録を行うとともに、立入検査の実施などにより、フロン類の回収を徹底しています。

ヒートアイランド対策の推進

  平成16年6月に、2025年までに住宅地域の熱帯夜数を3割削減することなどを目標とした「大阪府ヒートアイランド対策推進計画」を策定し、建築物の敷地や屋上の緑化促進、校庭の芝生化、高反射塗装、透水性舗装、下水高度処理水や農業用水などを活用した打ち水、雨水利用の促進、公園緑地の整備など、総合的かつ計画的に施策を推進しています。 平成21年度は、これまで実施してきた「モデル事業」の成果を活用し、「ヒートアイランド対策ガイドライン」の普及に取り組みました。大阪市中心部のモデル街区(大阪駅周辺・中之島・御堂筋周辺街区)においては、国の補助事業を活用した民間事業者によるヒートアイランド対策の集中的な取組みを大阪市、地球温暖化防止活動推進センターと連携して促進しています。 産学官民の連携組織である「大阪ヒートアイランド対策技術コンソーシアム」においては、対策技術の研究・普及などに取り組んでいます。 また、自然環境保全条例に基づき、一定規模以上の敷地における建築物の新築、増改築を行う建築主に対し緑化を義務付け、温暖化の防止等に関する条例に基づき、事業者の事業活動に伴う人工排熱の抑制や、建築物の新築、増改築を行う建築主にヒートアイランド対策を促進しています。 さらに、地元市、NPO等と連携して、北大阪地域や東大阪市の荒本などにおいて、下水高度処理水や雨水を利用した打ち水の取組みなど、エコアクションの実践を呼びかける啓発活動を実施しました。

打ち水の様子     ジオ千里桃山台

打ち水の様子                              ジオ千里桃山台

大西本社ビル          八尾リサイクルセンター

株式会社大西本社ビル                      八尾市立リサイクルセンター

おおさか優良緑化賞 大阪府知事賞(3施設)

 私たち一人ひとりができること

  • 自らの行動スタイルを見つめなおしてみましょう。
  • 買い物や外出は、自転車や公共交通機関を利用しましょう。
  • 水を出しっぱなしにするのはやめましょう。
  • テレビやあかりなどのつけっぱなしはやめましょう。
  • エコマーク商品や省エネ型商品などグリーン商品を選びましょう。
  • 冷房温度は28度、暖房温度は20度を目安にしましょう。
  • 環境保全活動に参加してみましょう。


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10. きれいな空気で、静かなまちに

【大気環境の保全、騒音対策など】

  きれいな空気で、静かなまちを目指して、新たな手法も取り入れながら、環境保全の取組みを進めています。特に、私たちの生活に便利な自動車による大気汚染や騒音・振動が社会問題となっており、府民、事業者、民間団体、行政がお互いに協力して、さまざまな対策を進めていくことが求められています。

大気・騒音の状況

〇二酸化窒素(No2)
  年平均濃度は緩やかな改善傾向にあり、平成21年度の環境保全目標達成率は、一般環境大気測定局で7年連続100%、及び自動車排出ガス測定局で94.4%でした。

二酸化窒素濃度(年平均値)の推移

画像です。二酸化窒素濃度(年平均値)の推移

 

二酸化窒素の環境保全目標達成状況の推移

画像です。二酸化窒素の環境保全目標達成状況の推移

〇浮遊粒子状物質(Spm)
  年平均濃度は緩やかな改善傾向にあり、平成21年度は、平成20年度に引き続き、一般環境大気測定局及び自動車排出ガス測定局の全ての測定局で環境保全目標を達成しました。なお、平成21年9月に新たに環境基準が設定された微小粒子状物質(PM2.5)については、今後測定体制を整備していきます。

浮遊粒子状物質濃度(年平均値)の推移

画像です。浮遊粒子状物質濃度(年平均値)の推移

〇騒音の状況
  平成21年度の環境保全目標の達成率は、一般地域では77.2%、道路に面する地域では91.9%でした。

騒音に係る環境保全目標達成状況(平成21年度)

画像です。騒音に係る環境保全目標達成状況(平成21年度)

自動車排出ガス対策

  府域の自動車保有台数は約370万台と、平成17年度をピークに減少傾向にあり、環境負荷の大きいディーゼル車の割合も、平成8年度をピークに減少しています。 二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境保全目標達成に向けて、平成15年7月に「大阪府自動車Nox・PM総量削減計画」を策定し、低公害車などの普及促進やグリーン配送など、ディーゼル車を中心とした対策を推進しています。また、生活環境の保全等に関する条例により、車種規制が適用されていない対策地域外からの流入車規制を、平成21年1月から実施しています。

自動車保有台数とディーゼル車の割合の推移

画像です。自動車保有台数とディーゼル車の割合の推移

〇低公害車などの普及促進
  天然ガス自動車などの低公害車普及のため、府の公用車への率先導入、大阪府の本庁駐車場における低公害車の駐車料金割引制度などに取り組んでいます。 さらに、排出ガス性能が良く二酸化炭素排出量の少ない多様なエコカーの普及拡大に向けて、大阪自動車環境対策推進会議において、包括的な戦略である「大阪エコカー普及戦略」を平成21年12月に策定しました。

画像です。電気自動車

電気自動車

〇グリーン配送の推進
  大阪府が購入する物品についてグリーン配送(物品の配送にあたり環境負荷の少ない車を使用すること)を導入するとともに、民間事業者へ普及拡大させるため、「大阪グリーン配送推進運動」を進めています。
〇事業者に対する指導の強化
  自動車Nox・PM法に基づき、30台以上の自動車を使用する事業者から提出のあった自動車使用管理実績報告書などにより、低公害車の導入・車両走行量の削減や環境にやさしい運転(エコドライブ)の取組みを指導しています。
〇流入車対策の推進
  総量削減計画の目標である二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境保全目標の確実な達成を図るため、平成21年1月1日から、自動車Nox・PM法の排出基準を満たさないトラック・バス等が府域の対策地域を発着地とする運行を規制しています。

画像です。適合車等標章(ステッカー)

適合車等標章(ステッカー)

騒音・振動対策

〇自動車騒音・振動対策
  遮音壁や低騒音舗装の敷設などの道路構造対策や最高速度規制などの交通流対策など、関係機関の連携のもと実施しています。

木製低層遮音壁

地球温暖化対策としても期待される間伐材を有効活用した「木製低層遮音壁」

〇近隣騒音対策
  深夜におけるカラオケ装置などの音響機器の使用を原則として禁止しているほか、商業宣伝を目的とした拡声機の使用について制限を設けています。また、ピアノや自動車の空ぶかしなどの生活騒音の防止のための啓発などに努めています。 

 私たち一人ひとりができること

  • 通勤・通学には電車・バスを利用しましょう。(毎月20日は「ノーマイカーデー」です。)
  • より低公害な自動車に乗り換えましょう。
  • おだやかなアクセル操作や無用なアイドリングの停止など、エコドライブを心がけましょう。
  • 夜間、早朝のテレビ、オーディオなどの音量はできるだけ小さくしましょう。
  • ピアノなどの楽器の練習は窓を閉め、時間帯に気をつけましょう。


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11. きれいな水、潤いとやすらぎのある水辺に

【水循環の再生、水環境の保全など】

  自然の大きな水循環は、水の汚れを浄化するとともに、豊かな水の流れを生み出します。水循環の再生や潤いとやすらぎのある水辺環境を保全・創造するために、水質の改善はもとより、より一層の水源のかん養や水の効率的な利活用などに取り組む必要があります。

河川の環境

  河川の水質は全体的に改善の傾向がみられます。河川の汚れ具合を示すBod(生物化学的酸素要求量)の環境保全目標達成率は、平成21年度は82.5%と前年度に引き続き、調査開始以来最高の達成率となりました。

 府内主要河川のBod(年平均値)の推移

画像です。府内主要河川のBod(年平均値)の推移

海の環境

  海(大阪湾)の汚れ具合を示すCod(化学的酸素要求量)の値は長期的には概ね横ばいで、依然として、環境保全目標未達成の地点があります。平成21年度のCod環境保全目標達成率は40.0%でした。要因としては、河川などからの汚濁物質の流入に加えて、窒素・りんなどの栄養塩の流入による湾内での植物プランクトンの増殖がCodを増加させることが考えられます。

大阪湾のCod(大阪府測定点・表層年平均値)の推移

画像です。大阪湾のCod(大阪府測定点・表層年平均値)の推移

水循環の再生

〇雨水利用の促進
  雨水を活用したまちづくりを推進するため、「おおさかレインボウぷろじぇくと!」を推進し、平成17年度から3年間、府民、NPO等と協働で雨水利用のモデル事業を実施しました。現在は、モデル事業の成果を活用し、市民団体及び市町村等と連携を図り、雨水タンクの設置促進や出前講座の実施等、より広く府民への普及啓発を行っています。 これらの取組みは、ホームページなどで広く情報発信し、雨水利用の普及啓発を進めています。

画像です。保育園での環境学習

保育園での環境学習

〇寝屋川流域水循環系の再生
  「寝屋川流域水循環系再生構想」(平成15年6月策定)を基に、寝屋川流域の水質・水量の回復を図るための短期的施策として、地域住民などとの連携により10年間で流域全体でのBod5mg/Lを目標とする「第二期水環境改善緊急行動計画」(清流ルネッサンスIi)を平成16年5月に策定しました。 主な施策内容は、下水道の整備促進、高度処理の推進、合流式下水道の改善、下水高度処理水や他河川からの導水、多自然浄化、ヘドロの浚渫などです。
〇健全な水循環の構築に向けた取組み
  見出川において、水質の改善や、健全な水循環の再生をめざし、見出川流域水循環再生協議会(平成19年度設立:地元市民団体、小学校、学識経験者、行政等で構成)が中心となって、水循環再生計画を策定するとともに、清掃活動や普及啓発を実施しています。

画像です。見出川の清掃活動

見出川の清掃活動

水環境の保全

〇生活排水対策
  『洗剤 お風呂 洗い物 ちょっとの工夫できれいな川に』 台所、風呂、トイレなどから出る私たちの生活排水が河川や海を汚す主な原因となっています。 このため、下水道の整備や合併処理浄化槽の設置促進などを進めるとともに、2月を生活排水対策推進月間と定め、各家庭での一人ひとりの取り組みを呼びかけています。

くらしの汚れはどれくらい?

画像です。くらしの汚れはどれくらい?

〇下水道の整備
  生活排水を適切に処理する主要な対策として、下水道の整備を推進しています。平成21年度末現在の下水道普及率は府内全体で93.7%となっています。
〇浄化槽整備事業の推進
  生活排水対策やトイレの水洗化による生活環境の改善に効果的な浄化槽の設置を促進するため、個人が浄化槽を設置する際の費用の一部を助成する「浄化槽設置整備事業(個人設置型)」及び市町村が主体となって各戸に浄化槽を設置し、住民から使用料を徴収して管理運営する「浄化槽市町村整備推進事業(市町村設置型)」を実施する市町村に対して、引き続き府費補助金を交付するなど、より一層の浄化槽整備を図っています。
〇大阪湾の再生
  「大阪湾再生推進会議」(国と関西10府県市等により構成)において策定された「大阪湾再生行動計画」に基づき、海の環境の回復に向けて、漁業者やNPO等と連携した「魚庭(なにわ)の海づくり大会」や藻場の造成等の取組みを実施しています。 また、大阪湾の汚濁機構の解明や、多様な主体の参画による環境モニタリングネットワークの構築のため、産官学民が連携して「大阪湾再生水質一斉調査」を実施しています。 さらに、将来を担う子どもたちに大阪湾の環境の大切さを引き継ぐことをテーマに、大阪湾沿岸23自治体で構成する「大阪湾環境保全協議会」において平成20年度に作成した「大阪湾かるた」等を用い、参加型の普及啓発事業を実施しています。

画像です。大阪湾かるた

大阪湾かるた

 たち一人ひとりができること

  • 食べ残しや飲み残しが出ないよう、料理は必要な分量を作り、食器には食べきれる(飲みきれる)分だけを入れましょう。
  • 食器や鍋の汚れは紙などで拭き取ったり、ヘラでかき取ってから洗いましょう。
  • 調理くずや食べ残しが流れてしまわないように水切り袋などを使いましょう。


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12. 化学物質を適正に取り扱うために

【自主管理の促進、汚染の調査・対策など】

  私たちのまわりでは、多くの化学物質が使用され、便利な生活を与えてくれる一方、取り扱い方をまちがえると、環境中に大量に放出され、思わぬ環境汚染を引き起こす場合があります。こうしたことにならないよう、排出規制や汚染の調査・対策を進めるとともに、事業者自らも化学物質を適正に管理することで排出を抑制していくことが重要です。

ダイオキシン類対策

  ダイオキシン類対策特別措置法に基づき、工場・事業場の立入検査を実施して、ダイオキシン類の排出量削減対策の徹底を指導するとともに、大気、水質などの状況を調査しています。 平成21年度における府内でのダイオキシン類の排出量は6.0gで、環境保全目標の達成率は大気、海域水質・底質、地下水、土壌が100%、河川水質が95.5%、河川底質が97.0%でした。

画像です。府内でのダイオキシン類の排出量

府内でのダイオキシン類の排出量

土壌・地下水汚染対策 

〇土壌・地下水汚染対策
  土壌・地下水汚染による府民の健康への影響を防止するため、「土壌汚染対策法」と「大阪府生活環境の保全等に関する条例」に基づき、土壌・地下水汚染に関する調査や対策が適切に行われるよう土地所有者などに対する指導を行っています。平成22年3月に上記条例を改正し、汚染区域の指定の二区分化や、汚染土壌の搬出規制の追加などを行いました。
〇地盤沈下対策
  地盤沈下を未然に防止するため、地盤沈下観測所で地下水位・地盤沈下量を常時監視するとともに、府内の地下水採取量の把握と適正な採取の指導を行っています。

アスベスト対策

〇アスベスト飛散防止対策
  中皮腫や肺がんなどの原因と言われているアスベストから府民の健康を守るため、「大気汚染防止法」、「生活環境の保全等に関する条例」に基づく建築物解体作業現場などの立入検査や、府有施設における吹付アスベストの除去などの対策を進めています。 また、府内における大気環境中のアスベスト濃度の実態調査や、アスベストの健康影響などの調査を実施するとともに、 アスベスト対策のホームページやリーフレット配布を通じて、府民への情報提供を行っています。

画像です。アスベスト解体現場パトロール

アスベスト解体現場パトロール

〇府有施設のアスベスト対策
  アスベストによる健康被害を防ぐため、府有施設において使用されている吹付けアスベストの除去対策工事を進めるとともに、空気環境測定等の定期点検を実施しています。 
〇民間建築物アスベスト対策の促進
  吹付けアスベスト等が使用されている建築物について、順次、立入検査を実施し、劣化等により、衛生上著しく有害となる恐れがあると認められる場合には、建築基準法に基づき、所有者等に対して、除去等必要な措置を講じるよう指導しています。

化学物質に係る自主的管理の改善の促進

  「Prtr法」に基づく化学物質の排出量等の届出とともに、「大阪府生活環境の保全等に関する条例」に基づき、平成21年度から取扱量等の届出を開始し、事業者による化学物質の自主的管理を促進しています。 平成20年度の府域におけるPrtr法と府条例による化学物質の届出排出量は14,114トンでした。また、Prtr法による化学物質の届出排出量と届出外排出量の合計は19,642トンで、全国の約4.0%を占めていました。

Prtr

 Prtr(Pollutant Release and Transfer Register)とは、人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質の環境中への排出量などを把握するしくみです。
 事業者は自ら化学物質の管理を行うとともに、排出量・移動量を把握して国に届け出ます。国は届出データの集計・届出以外の排出量の推計を行い、公表しています。

府域における化学物質の届出排出量・移動量・取扱量

府域における化学物質の届出排出量・移動量・取扱量(平成20年度分のPrtr法及び府条例による届出集計結果)


府域における化学物質の排出量

 府域における化学物質の排出量(平成20年度分のPrtr法による届出排出量及び届出外排出量の合計) 


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13. 公害の苦情やその解決のために

〇大阪府域における苦情の状況
  公害等調整委員会の公害苦情調査結果によると、依然として公害に関する多くの苦情が市町村等に寄せられています。

 府域における公害の種類別苦情件数の推移(他機関からの移送分を含む)府域における公害の種類別苦情件数の推移

〇公害審査会
  公害に関する紛争の解決手段の一つとして大阪府には公害審査会が設置されています。公害審査会は弁護士及び学識経験者で構成され、典型七公害に係る紛争を解決するため、あっせん、調停、仲裁を行っています。


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14. 豊かな自然との共生や文化が実感できるまちに

【都市と自然が共生する魅力ある地域づくりなど】

  自然や歴史・文化、景観は、地域の魅力を決めるバロメーターであり、府民、事業者、民間団体、行政といったすべての主体の協働のもと、これらを守り、育て、活用して、都市と自然が共生した個性的で魅力あふれる地域の実現を目指します。

種の多様性の保全

  府域には1万種を超える生物が生息・生育していると予想され、中には、北摂山系に棲む特別天然記念物のオオサンショウウオや淀川のわんどに棲む天然記念物のイタセンパラなどもいます。種の多様性の保全のため、イタセンパラなどの希少種の保護・増殖技術の開発や淀川のわんどにおける密漁などに対するパトロールなどの保護活動を行っています。

淀川のわんど

〇ビオトープの保全・創出
  いきものが生息する空間(ビオトープ)を確保し、創造するため、湿地の保全を進めるなどビオトープの保全・回復・創出や、ビオトープの基本的な考え方、適用事例を紹介し、普及・啓発に努めています。

貴重な自然の保全

  府域に残された貴重な自然環境を有する自然環境保全地域やミドリシジミ類の蝶(通称ゼフィルス)、ラン科植物など貴重な動植物が生息・生育する緑地環境保全地域について適正な保全・管理を図っています。

森林環境の保全

  地球温暖化防止や生物多様性確保など、森林の公益的な役割に対する府民の期待が一層高まっていることから、治山事業や造林事業などの森林整備対策を推進する一方、アドプトフォレストによる企業参加の森づくりや、おおさか「山の日」を通じて府民協働による森林整備を進めるなど、多様な主体の連携・協働による森づくりを推進しています。 また、生駒山系花屏風構想の取組みを推進しています。大阪の市街地から見渡せる生駒山系を屏風に見立て、府民との協働で花木や紅葉の美しい樹木を植樹し、府民に愛される自然資源として整備することにより、森林への関心を高めるとともに、放置森林問題への理解を深めてもらいます。

画像です。植栽活動の様子

植栽活動の様子 

自然環境の保全と創出

〇自然公園の整備・管理
  明治の森箕面国定公園、金剛生駒紀泉国定公園などの自然公園における自然景観、生態系の保全や“自然とのふれあいの場”の創出のため、自然公園施設の整備・管理を行っています。
〇「共生の森」づくりの推進
  府民やNPOなど多様な主体との協働により、大阪府堺臨海部の廃棄物最終処分場(堺第7−3区)での大規模な森林・ビオトープ空間などの自然環境の創出再生を目指した「共生の森」の整備に向け、森づくり活動などを進めています。

自然環境とのふれあいの場の活用

〇オアシス整備事業・いきいき水路整備事業
  地域の貴重な環境資源であるため池を、水と緑に包まれたオアシスとして総合的に整備するなど、地域の快適な環境づくりを推進しています。 また、農業用水路の改修においても、防災対策を実施するとともに親水護岸や水生植物帯などを設け、周辺小学校の環境学習の場としての活用など、地域が一体となった水辺環境づくりを推進しています。 

オアシス整備事業 狭山副池(大阪狭山市)          小学生による活動の様子 長瀬川(八尾市)

オアシス整備事業 狭山副池(大阪狭山市)          小学生による活動の様子 長瀬川(八尾市)

 

緑豊かなまちづくりの推進

  「みどりの風を感じる大都市」の実現に向けた今後のみどり施策の推進方向や実現戦略を示すため、「みどりの大阪21推進プラン」及び「大阪府広域緑地計画」の2計画を統合し、「みどりの大阪推進計画」を平成21年12月に策定し、府民が実感できるみどりづくりに取り組んでいます。 周辺山系やベイエリアの豊かな自然が街をつつみ、それらの自然が河川や道路を軸として街へと導かれ、そして街の中でも都市公園をはじめとする緑の拠点が緑道や街路樹などでつなげられている「みどりのネットワーク」を形成します。 特に、「みどりのネットワーク」において、効果的にクールスポットを形成するため、海と山が近接し、海陸風が吹いている大阪の地形特性とみどりが持つクーリング効果を活かして、河川や道路などの空間、その周辺をみどりでつなぐことによる「みどりの風の軸」の形成を目指します。 そのため、主要道路や河川を軸に、実感できるみどりを増やすため、沿線の民有地を含めた区域を「みどりの風促進区域」として定め、軸となる道路等への緑化の重点化、沿線の民有地における都市計画上の規制緩和等による緑化誘導、府民や企業等との協働等による緑化の推進により、都市施設等と民有地とが一体となった緑化空間を重点的に創出します。 また、民有地のみどりの保全、創出のため、建築物緑化促進制度の推進や、助成事業による新たなみどりの創出に努めています。

〇民間施設等のみどりづくり
  緑化スペースの確保が困難な都市部の緑化の推進を図るため、地域のモデルとなる公共性・公開性のある民間施設の接道部・屋上・壁面などの緑化や学校の運動場を芝生化するなどの地域緑化活動に対して助成をおこなっています。また、地域の人々が協働して行う緑化活動などへの樹木の配付や、学校や道路等の緑化への活用を目的とした、小中学校での花苗育成活動の支援(みんなで育てる花いっぱいプロジェクト)など多様な都市緑化の普及・啓発に努めています。
〇都市公園の整備・管理
  都市内の身近な緑地であり、自然の拠点である都市公園の面積は、平成20年度において、4,541haで、府民1人あたり5.2m2となり、全国平均の9.5m2を下回っています。このため、環境学習や憩い、やすらぎの場や、生きものとふれあえる場の創出のため、都市公園の整備・管理を行っています。

農空間の保全と活用

 農空間の持つ防災、景観形成、環境保全などの公益的機能を保全していくため、平成20年4月施行の「大阪府都市農業の推進及び農空間の保全と活用に関する条例」に定める農空間保全地域制度に基づき、農業者、府民が一体となった農空間の保全と活用に取り組んでいます。

〇農空間保全地域制度の推進
  都市農業と農空間の公益的機能の発揮、府民の健康的で快適な暮らしの実現、安全で活気と魅力に満ちたまちづくりを目標に、多くの府民が公益的機能を実感し、その恩恵を享受できるよう、遊休農地の利用促進を図ります。このため、農道や用水路などの整備により、耕作条件の改善を図るとともに、遊休農地の貸し借りによる農地の利用促進など、農空間の保全と活用を進めていきます。 

画像です。学習農園づくり 喜志地区(富田林)

学習農園づくり 喜志地区(富田林)

 美しい景観づくりの推進 

〇美しい景観への関心づくり
  府民の積極的なまちづくりへの参加を促し、魅力あるまちづくりを進めるため、まちづくり功労者の表彰などを実施しています。 また、個性あふれる美しい景観づくりを推進するため、「大阪都市景観建築賞(大阪まちなみ賞)」を設け、景観上優れた建築物やまちなみを表彰しています。

淀屋橋 odona

「淀屋橋 odona」(第29回大阪都市景観建築賞 大阪府知事賞)

  さらに、府内にある美しいまちなみを改めて見つめなおし、守り育てるため、また、国内外から大阪を訪れる人々に感動を与えるような、景観上優れたまちなみなどを広く知ってもらうため、「大阪まちなみ百景」の選定を行い、ホームページを通じ、広く紹介しています。 

〇景観づくり活動の展開
  地域に愛され、大切にされる美しい道路づくり、川づくり、海岸づくりを目指し、快適な道路や河川・海岸環境を創出するため、大阪府では市町村と協力して、地元自治会や企業などの団体が、自主的に行なう清掃や緑化などのボランティア活動を支援する『アドプト・プログラム』を実施しています。

人と野生鳥獣との共生

  人と野生鳥獣が適切な関係を構築し共存できるよう、「第10次鳥獣保護事業計画」に基づき、鳥獣保護区の指定、傷病鳥獣の救護、狩猟や有害鳥獣捕獲の適正な実施を指導するなど野生鳥獣の保護管理に努めています。また、生態系等に被害を与える外来生物(アライグマ等)の防除を推進しています。

歴史的文化的環境の形成

〇歴史的文化的遺産の保存と活用
  史跡・建造物・美術工芸品などの歴史的遺産を指定し、整備、修理や防災事業に助成しています。また、開発などにより埋蔵文化財が失われないよう調整し、発掘調査などの措置を講じた上で、資料の保存と活用を図っています。
〇歴史的文化的遺産にふれる場と機会づくり
  豊かな文化的環境の創造に資するため、弥生文化博物館(和泉市)、近つ飛鳥博物館(河南町)、日本民家集落博物館(豊中市)で、様々な資料や情報を収集・展示し、講座、体験学習などを多彩に行っています。また、近つ飛鳥風土記の丘では、豊かな自然の中に残された多くの古墳をご覧いただけます。また、狭山池博物館(大阪狭山市)では、狭山池ダム建設工事に伴う調査で発見された「1400年間の歴史を刻む堤体断面や東樋・木製枠工」などの貴重な土木遺産を展示・紹介しています。

私たち一人ひとりができること
  • 一人一鉢、花や木を育てましょう。
  • 自然の中で生きている虫や草花などは採らずに観察するだけにしましょう。
  • 山、川、海などにごみを捨てないようにしましょう。●ハイキングなどで持っていった物はすべて持ち帰りましょう。
  • 家のまわりやまちに緑をふやしましょう。
  • 地域の景観づくり、まちづくりに積極的に参加しましょう。
  • 外来生物を屋外に放すことは止めましょう。


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15. すべての主体が積極的に参加し行動する社会に

【環境配慮のためのしくみづくり】

 循環型社会の構築には、環境に配慮したライフスタイルや経済社会システムへ変えていかなければなりません。このためには、府民、事業者、民間団体そして行政などすべての主体が環境に配慮した行動を自主的積極的に取り組むとともに、パートナーシップをもって取り組む必要があります。

パートナーシップによる環境保全活動の促進

〇環境情報交流のための施設整備
  環境に関する情報提供をはじめ、府民、環境NPOなどの環境保全活動を支援するための施設として、環境農林水産総合研究所内に「環境情報プラザ」(情報コーナー・研修室・小会議室・環境実験室)を開設し、環境関連図書・ビデオ・パネルなどの貸出しやセミナー・環境教室などの活動の場として広く府民に提供しています。 また、環境NPO、自治体などで構成する交流団体「かけはし」において、府が事務局となり情報交流を促進し、メンバーとともに交流会・セミナー等を協働開催するなど、パートナーシップの構築に努めています。

かけはし

 URL:http://www.kannousuiken-osaka.or.jp/kakehashi/(外部サイト)

画像です。環境実験室の利用風景

環境実験室の利用風景

 環境アセスメントの推進

  規模が大きく、環境影響の程度が著しいものとなるおそれがある事業について、事業者において適正な環境配慮がなされるよう、環境影響評価法及び大阪府環境影響評価条例に基づき、住民、市町村長、学識経験者の意見を聴き、必要な指導や助言を行っています。

環境教育・環境学習の推進 

〇学校などにおける環境教育の取組みの推進
  大阪府環境教育等推進方針に基づき、学校・地域などの様々な場における環境教育を進めるため、市町村やNPO・企業などと連携しながら事業を実施しています。府域の環境活動の取組みを推進するため、環境資源に関する情報をデータベース化し、インターネットを活用して提供する総合環境資源情報ポータルサイト「エコあらかると」を開設しました。
〇体験型環境学習のフィールドづくり
  「人と自然との共生」をテーマに、里山での生活体験や自然体験などを通じて、自然に対する府民の認識や理解を深めるための拠点的施設として、泉南市内に里山の自然学校「紀泉わいわい村」を開設し、様々な体験プログラムを提供しています。
〇おおさか身近な生きもの調査
  小学校の児童を主体にした環境学習として、自然環境の指標となる身近な動植物等の生息状況調査を実施しています。調査結果及びその考察等は、小学校等での事後の学習教材や府域の自然環境の“現状”と“時系列変化”の把握のための資料として役立てることができます。

環境監視・分析および調査研究の推進

  環境農林水産総合研究所では、浮遊粒子状物質の発生機構及び組成に関する研究や、スギの大気浄化機能を活用したスギ木口の内装材の開発研究などを行うとともに、大気汚染、酸性雨など環境に関する測定や検査・分析、有害化学物質の分析手法の開発などに取り組んでいます。 また、環境基準が設定された粒径2.5μm以下の微小粒子状物質(PM2.5)について、質量濃度や成分の分析を行い、汚染状況の実態把握を行っています。 さらに、資源循環や環境負荷の低減を目的とした様々な調査研究を行っています。  

乳牛とリサイクル飼料               飛ばないナミテントウ

乳牛にリサイクル飼料(梅酒漬け梅)を与える技術の開発     害虫であるアブラムシの天敵農薬としての飛ばないナミテントウの実用化

環境技術の普及支援

  大阪が抱える環境問題の克服に役立つ技術を中心に、府の関係機関などと連携して、研究開発の奨励や技術情報の提供など、環境技術の普及に関する支援に取り組んでいます。 おおさかエコテック(環境技術評価・普及事業)では、大阪発の優れた環境関連技術の普及の促進を目的として、一定以上の評価を受けた技術について、広くユーザーに情報提供しています。

おおさかエコテックロゴマーク

おおさかエコテックロゴマーク

府自らの環境配慮への取組み

  大阪府自らも事業者、消費者の立場であることから率先して環境配慮の取組みを進めていきます。  

〇「府庁エコアクションプラン」の推進
  「大阪21世紀の環境総合計画」を踏まえ、府職員が率先して取り組む行動計画として、「大阪府庁エコアクションプラン−地球温暖化対策大阪府庁実行計画−」に基づき、省エネルギーや省資源の取組みを推進するなど、環境配慮の徹底に努めています。
〇環境マネジメントシステムの取組みの推進
  平成11年2月から環境マネジメントシステムの国際規格である「ISO14001」認証登録を継続してきましたが、10年にわたる運用によりシステムの定着が図れたことから、平成21年3月末をもってISO認証を返上しました。 平成21年4月からは、府独自の環境マネジネントシステムに移行し、全庁を対象に自らの事務事業活動に伴う環境負荷の低減に努めています。
〇大阪府グリーン調達方針の推進
  環境負荷の低減に資する物品の調達に関する方針を毎年度策定し、大阪府におけるグリーン購入の推進を図っています。平成21年度は、紙類、文具類、家電製品、公共工事などの20分野について目標を定め、グリーン購入に努めています。

グリーン調達(購入)

 商品やサービスを購入する際に、価格・機能・品質などだけでなく「環境」の視点を重視し、環境への負荷ができるだけ少ないものを選んで優先的に調達(購入)することです。

 大阪府庁の事務事業における環境負荷データは、「エコギャラリー おおさかの環境ホームページ」に掲載しています。

URL:http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/11815/00061175/h22_05-14.pdf


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16. 主要課題の進捗状況及び今後の方向性

  「大阪21世紀の環境総合計画」において長期的な目標を定めた6つの主要課題について、施策の進捗状況を評価して今後の方向性を検討するとともに、個別の計画目標の達成状況について毎年度把握し、外部の意見も取り入れながら計画を進行管理していきます。

(1)資源循環 

【進捗状況の評価】
  平成19年3月に改定した「大阪府廃棄物処理計画」では、廃棄物の最終処分量を2010(平成22)年度までに1997(平成9)年度比で概ね半減するため、2010(平成22)年度における最終処分量を一般廃棄物については56万トンに、産業廃棄物については53万トンに削減することなどを目標としています。 一般廃棄物の最終処分量は、平成20年度には59万トンとなっており、目標の56万トンには3万トンの削減が必要です。
【今後の方向性】
  平成22年度目標の達成に向け、平成19年3月に改定した「大阪府廃棄物処理計画」に基づき、府民団体や事業者団体、行政からなる大阪府リサイクル社会推進会議の「リサイクルアクションプログラム」の推進など、廃棄物の発生抑制、再使用、再生利用の3Rを進めるための施策を総合的かつ計画的に推進します。 また、循環型社会形成推進条例に基づき、認定したなにわエコ良品(大阪府認定リサイクル製品)のインターネット販売をはじめ、リサイクルの一層の推進のための施策を展開していきます。 加えて、平成17年7月に国から承認を受けた「大阪府エコタウンプラン」の推進を図ります。

(2)水循環 

【進捗状況の評価】
  健全な水循環を再生するため、水循環に関するホームページを開設し広く情報発信するとともに、雨水浸透施設や貯留施設の設置、多自然川づくりや河川浄化事業などの河川環境整備を進めました。寝屋川流域においては、平成16年5月に策定した「寝屋川流域清流ルネッサンスIi(水環境改善緊急行動計画)」に基づき、河川の水質浄化のため下水処理水を導水するなど、水循環の再生のモデル流域としての取り組みを進めています。 また、樹木への灌水、散水や道路への散水等への下水処理水の有効利用を一層図るため、処理水供給施設「Q水くん」を11箇所の水みらいセンターに設置しており、平成21年度末の下水処理水の有効利用率は約19%となっています。
【今後の方向性】
  今後とも、水環境の保全を図るとともに、下水高度処理水の有効利用推進、森林保全による水源涵養の促進、農地やため池等の保全・活用による保水・遊水機能の向上、また府民協働による雨水利用の促進を通じた啓発や水文化の育成等、健全な水循環の再生に向け、総合的な施策の展開を図ります。

(3)地球環境(ヒートアイランド対策を含む2つの温暖化対策)

■地球温暖化対策 

【進捗状況の評価】
  「大阪府地球温暖化対策地域推進計画」では平成22年度の府域の温室効果ガス排出量を基準年度から9%削減することを目標としています。平成20年度の温室効果ガス排出量は基準年度と比べ8.4%減少しました。 温暖化の防止等に関する条例に基づき、事業活動や建築物の温暖化対策を推進するとともに、民間事業者の省CO2設備の導入、府有施設や民間へのESCO事業の導入、バイオエタノール3%混合ガソリン(E3)実証事業の実施等、新エネルギーの普及を促進しました。また、地球温暖化防止活動推進センターやNPO、業界団体等で組織する協議会に参画し、省エネルギー機器の普及に努めました。さらに、地球温暖化防止活動推進員と協働し、各地域で地球温暖化防止の普及啓発を行いました。
【今後の方向性】
  「府地球温暖化対策地域推進計画」に基づき、目標の達成に向けて、前出の条例の円滑な運用や、毎月16日の「ストップ地球温暖化デー」を中心としたエコアクションの実践の呼びかけ、カーボン・オフセットの取組みの普及などを通じて、府民、事業者に省エネルギーの取組みを促すとともに、新エネルギーの普及を図ります。 地球温暖化防止活動推進センターや地球温暖化防止活動推進員、府内市町村や近隣府県、NPO等のあらゆる主体と連携し、効果的な温暖化対策を推進していきます。 また、政府の取組みと連動し、府としての新たな温室効果ガス排出削減目標とその達成のための方途を盛り込んだ中長期計画の策定に取り組みます。

■ヒートアイランド対策 

【進捗状況の評価】
  「大阪府ヒートアイランド対策推進計画」に基づき、各主体との連携のもとに諸対策を推進しています。 平成21年度は、19年度に実施したモデル事業の成果を活用し、「ヒートアイランド対策ガイドライン」の普及に取り組みました。大阪市中心部のモデル街区(大阪駅周辺・中之島・御堂筋周辺街区)においては、国の補助事業を活用した民間事業者によるヒートアイランド対策の集中的な取組みを大阪市、地球温暖化防止活動推進センターと連携して促進しました。 「大阪ヒートアイランド対策技術コンソーシアム」においては、対策技術の開発・普及等に取り組みました。 また、改正自然環境保全条例に基づき一定規模以上の敷地における建築物の新築・改築・増築を行なう建築主に対し緑化することを義務付け、温暖化の防止等に関する条例により事業者の事業活動に伴う人工排熱の抑制や、建築物の新築、増改築を行う建築主にヒートアイランド対策を促進しました。 さらに、北大阪地域、東大阪市の荒本などにおいて、下水高度処理水や雨水を利用した打ち水をとおした各種啓発活動を実施するなど、府民、民間企業、NPO等と協働したヒートアイランド対策を実施しました。
【今後の方向性】
  「ヒートアイランド対策ガイドライン」に沿った対策や大阪市中心部のモデル街区におけるヒートアイランド対策の集中した取組みを促進するとともに、自然環境保全条例に基づく「建築物の敷地等における緑化を促進する制度」及び温暖化の防止等に関する条例の適切な運用に努めます。 また、「大阪ヒートアイランド対策技術コンソーシアム」との連携により、諸対策の推進に努めます。 さらに、北大阪地域や東大阪地域等で雨水等を利用した打ち水を実施するなど、府民、市町村、民間企業、NPO等と協働したヒートアイランド対策を引続き実施していきます。

(4)交通環境 

【進捗状況の評価】
  二酸化窒素及び浮遊粒子状物質濃度は緩やかな減少傾向にあります。二酸化窒素については、一般環境測定局では環境保全目標を全局で達成しましたが、自動車排出ガス測定局では2局が未達成でした。浮遊粒子状物質については、一般環境測定局、自動車排ガス測定局ともに環境保全目標を2年連続全局で達成しました。 また、騒音については、低騒音舗装の敷設等の道路構造対策や交通流対策などの各種環境対策を講じていますが、依然として騒音に係る環境保全目標を達成していない状況です。
【今後の方向性】
  二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境保全目標の達成・維持を図るため、平成15年7月に策定した「府自動車NOx・PM総量削減計画」などに基づき、低公害車をはじめとするエコカーの普及促進、自動車走行量の抑制、交通流の円滑化等の諸施策を関係機関等と連携し、計画的、総合的に推進します。さらに、大阪府生活環境の保全等に関する条例に基づく流入車規制を実施し、自動車NOx・PM法の排出基準適合車等に表示が義務付けられているステッカーを交付するとともに条例の実効性を確保するため、事業所への立入検査・指導を実施します。 また、騒音については、「大阪府道路環境対策連絡会議」において道路構造や交通状況に応じて効果的な対策を検討し、環境保全目標の達成に向け、総合的・計画的に対策を推進します。

(5)有害化学物質

【進捗状況の評価】
  2010(平成22)年度までに府内のダイオキシン類の排出量を2005(平成17)年度の目標排出量(2000(平成12)年度から約4割削減)からさらに削減することを目標にしていましたが、これを達成し、平成21年度における排出量は平成12年度から93.3%削減しています。 また、ダイオキシン類の環境濃度は、大気、海域水質・底質、地下水、土壌については、環境保全目標を超過した地点はありませんでしたが、河川の水質・底質で環境保全目標を超過した地点があったことから、関係機関と連携し原因究明調査や周辺事業所の指導等を行いました。
【今後の方向性】
  今後も、ダイオキシン類に関しては廃棄物焼却炉等の発生源を設置している事業者に対する排出抑制指導を徹底します。また、大気、水質、土壌等のダイオキシン類の環境調査を継続するとともに、環境保全目標を達成していない地点については、その原因の究明と対策に努めます。 また、アスベストについても府民の健康を守るため、アスベスト濃度の実態調査を実施するとともに、建築物解体時等における飛散防止対策の徹底を図るため、大気汚染防止法及び府生活環境の保全等に関する条例を運用していきます。 その他の有害化学物質についても、Prtr法に基づいて把握した排出量等の情報や大阪府生活環境の保全等に関する条例に基づく大阪府独自の化学物質管理の仕組みを活用して、事業者による自主的な化学物質の管理を促進します。

(6)エコロジカルネットワーク 

【進捗状況の評価】
  生きものの生息・生育環境の場や移動経路の確保、ゆとりと潤いを共感する景観の形成などに資するエコロジカルネットワーク(周辺山系とベイエリアを結ぶ河川や都市公園を結ぶ緑道などが形成する水と緑のネットワーク)の形成に向けた取組みを実施しています。 平成21年度は周辺山系の森林整備やベイエリアでの共生の森づくり、学校ビオトープの整備など地域の特性に応じた自然環境の保全、回復、創出に取り組みました。
【今後の方向性】
  エコロジカルネットワークの形成に向けて、引き続き自然の連続性に留意しながら多様な自然環境の保全・創造に努めるとともに、府民参加による保全活動を推進していきます。 大阪府の環境に関する情報発信の窓口となるホームページです。イベント情報や各種の行政情報のほか、大気環境の状況や光化学スモッグ注意報などの発令状況に関する情報をリアルタイムで提供し、メールマガジンで配信しています。また、河川などの水質調査結果をデータベース化して公開しています。

2 計画目標と達成状況

 こちらをご覧ください。⇒[PDFファイル/404KB](※この内容はパンフレットには掲載していません。)  

モットちゃんとキットちゃん

3 大阪府環境審議会からの意見

 平成21年度の主要施策の進捗状況について、第41回環境審議会(平成22年12月1日開催)において報告しました。報告に対して委員から寄せられた主な意見と、それに対する府の考え方は以下のとおりです。 

意   見

府の考え方

 平成21年9月に微小粒子状物質(PM2.5)の環境基準が設定された。浮遊粒子状物質の目標は100%達成しているが、PM2.5の目標達成は厳しい状況であると考えられるので、浮遊粒子状物質の状況を示す際、PM2.5の今後の取組みについて示すべきではないか。 府域の微小粒子状物質(PM2.5)濃度は、環境基準を上回っていると推測されます。今後、環境モニタリングとして環境濃度や成分分析を行うために、自動測定機を配備するなど測定体制を整備していく予定であり、その上で、汚染の状況を踏まえながら、より効果的な対策を検討・実施していきます。なお、ご指摘を踏まえ、大阪府環境白書にはPM2.5の今後の取組みについて記載します。
 ヒートアイランド対策について、府民の活動の推進のためにも、実効性の高い対策を具体的に示すのが良いのではないか。 ヒートアイランド現象は都市構造の問題であり、様々な要因が複雑に関係しているため、講じた対策の効果が必ずしも明確に示せるものではありませんが、ご意見も踏まえ、府民の活動推進につながるよう、分かりやすい記述に努めてまいります。
 小学校の芝生化について、芝生化が良いものかどうか、その効果を今後示していくべきではないか。

 平成21年度から実施しております公立小学校の芝生化事業では、平成22年11月30日現在で、110校で芝生化されました。

 芝生化の効果につきましては、各小学校での、

  • 活用事例
  • 芝生化後のアンケート調査
  • 地表温度、湿度等の調査

について、今後、事例集やホームページで、その効果を公表していきます。

 生駒山系花屏風構想の推進について、イベントなどで植樹するだけで自然が戻る場合と戻らない場合がある。里山の管理を通じた再生と新たな森林創出とでは、内容が異なるので、その認識をもって行うべきである。


 生駒山系では、竹林の拡大やクズ・ササの繁茂により荒廃森林が増加し、森林の公益的機能への影響が懸念されております。

 このように荒廃した森林を対象としてNPO・企業等との府民協働の取組みにより、重点的に花木や紅葉の美しい樹木の植樹活動を展開しているところです。

 また、植栽した樹木の保育管理についても、NPOや企業等との協働により適切に実施し、生駒山系の森林を府民に愛される美しい自然資源として整備してまいります。

 環境総合計画の進行管理について、施策を評価し、見直していくというPdcaサイクルを回していることがわかるように示すべきである。 施策の進捗状況を評価して今後の方向性を検討するとともに、個別の計画目標の達成状況について毎年度把握しています。また、環境審議会の委員から頂いた意見を取り入れながら計画の進行管理を行っています。計画の目標年度が今年度までのため、来年度は計画全体の評価を行う必要があり、講じた施策の単なる紹介とならないよう、評価方法を検討し、実施します。


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17. 環境関連ホームページの紹介

 
エコギャラリー からおおさかの環境から
http://www.pref.osaka.lg.jp/kannosuisoken/ecogallery/index.html
 大阪府の環境に関する情報発信の窓口となるホームページで、イベント情報や各種の行政情報のほか、大気汚染の状況や光化学スモッグ注意報などの発令状況に関する情報をリアルタイムで提供し、メールマガジンで配信しています。また、河川など水質調査結果をデータベース化して公開しています。
 
かんきょう交流ルーム
http://www.pref.osaka.lg.jp/chikyukankyo/room/index.html
 大阪府の環境について、いつでも自由に意見交換や情報交流をしていただくためのホームページです。情報の提供や意見の書き込みには会員登録(無料)が必要です。現在会員募集中!(ホームページ画面から申し込めます)

大阪府エコデザイン研究会
http://www.pref.osaka.lg.jp/oidc/ie/society/
 大阪府産業デザインセンターが行う、環境に配慮した商品や仕組づくりを支援するための研究会です。研究会では、環境配慮技術やエコデザインについての見識を深め、企業とデザイナーとのマッチングを図りながら、新たなエコ商品の開発を目指します。

大阪府Emsポータル
 環境マネジメントシステムに関する様々な情報を体系的に整理し、分かりやすく解説しています。家庭から出ているCO2 の量が分かるソフト「おんたま君」など、家庭でできるEmsのコーナーもあります


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18. 情報提供窓口

環境情報プラザ
環境学習や自主的な環境保全活動に役立つ環境関連書籍(ビデオ・DVD など含む)の閲覧や貸出しのほか、インターネットによる環境情報の閲覧ができます。また、環境に関する会議、セミナー、実験などに研修室、小会議室、環境実験室をご利用いただけます。
  • ■電  話 06-6972-6215
  • ■利用時間 午前10時から午後4時30分 ただし、研修室は平日に限り午後6時から午後9時まで利用可(休み:日曜日・祝日・休日、年末年始)
  • ■所 在 地 大阪市東成区中道1丁目3-62 大阪府環境農林水産総合研究所内(JR環状線森ノ宮駅、地下鉄森ノ宮駅5番出口から徒歩5分)
  • ■ホームページ http://www.kannousuiken-osaka.or.jp/shisetsu/plaza/(外部サイト)
(財) 大阪みどりのトラスト協会
みどりや自然などの情報提供を行っているほか、みどりのボランティアの育成、派遣も行っています。
  • ■電  話 06-6949-5705
  • ■利用時間 午前9時から午後5時45分(休み:土曜日、日曜日、祝日・休日、年末年始)
  • ■所 在 地 大阪市中央区馬場町3-35 大阪府農林会館2階(地下鉄中央線・谷町線谷町四丁目駅9番出口から東へ徒歩5分)
  • ■ホームページ http://www.ogtrust.jp/
花と緑の相談所
花や草や木についての講習会、展示会を開催するほか、花と緑の相談を行っています。
(府営服部緑地都市緑化植物園)
  • ■電  話 06-6866-3622
  • ■利用時間 午前10時から午後5時(休み:火曜日(ただし祝日の場合は翌日)、年末年始)
  • ■所 在 地 豊中市寺内1-13-2(北大阪急行緑地公園駅から南西へ徒歩10分)
  • ■ホームページ 
(府営大泉緑地)
  • ■電  話 072-252-3651
  • ■利用時間 午前10時から午後5時(休み:火曜日(ただし祝日の場合は翌日)、年末年始)
  • ■所 在 地 堺市北区金岡町128(地下鉄新金岡駅から東へ徒歩15分、JR堺市駅・南海堺東駅から南海バス北支所前下車、東へ徒歩12分)
  • ■ホームページ http://www.osaka-park.or.jp/nanbu/oizumi/main.html

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環境農林水産部 エネルギー政策課 企画推進グループ

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