【平成10年度】 環境の状況並びに豊かな環境の保全及び創造に関して講じた施策に関する報告(概要)

更新日:平成28年8月15日


1998年度【平成10年度】

目次

  1. 生活環境
  2. 自然環境
  3. 都市環境 
  4. 地球環境 
  5. 豊かな環境の保全及び創造に関して講じた施策
  6. 豊かな環境の保全と創造に関する基本的施策の推進
  7. 府民が健康で豊かな生活を享受できる社会の実現
  8. 自然と共生する豊かな環境の創造
  9. 文化と伝統の香り高い環境の創造
  10. 地球環境保全に資する環境に優しい社会の創造
  11. 今後の課題と方向
  12. 豊かな環境の保全と創造に関する基本的施策の推進
  13. 府民が健康で豊かな生活を享受できる社会の実現
  14. 自然と共生する豊かな環境の創造
  15. 文化と伝統の香り高い環境の創造
  16. 地球環境保全に資する環境に優しい社会の創造

1.生活環境

(1)自動車

  • 府内の自動車保有台数は約377万台で、この10年間に1.24倍となっており、車種別では乗用車の増加が大きい。また、窒素酸化物などの排出量の多いディーゼル車の占める割合が、昨年度に引き続き減少した。

自動車保有台数の推移

(注)1運輸省調べ(各年度末現在)
乗用車:普通・小型・軽乗用車
貨物車:普通・小型・小型三輪車・軽貨物車及び被牽引車
その他:乗合車・特殊用途車、二輪車

ディーゼル化率の推移
(注)運輸省調べ

(2)廃棄物

[1]産業廃棄物

  • 産業廃棄物の発生量(平成7年度)は、2,038万トンであり、うち83.2%(1,696万トン)が有効利用や中間処理により減量され、16.8%(342万トン)が埋立等最終処分されている。

[2]一般廃棄物

  • 府内で排出されたごみの総量は、ここ数年横ばい傾向であったが、平成9年度は448万トンで、前年度と比べ、3万トン減少した。

ごみ排出総量

(注)直接搬入量を含み、自家処理量を含まない。

(3)大気環境

[1]二酸化窒素

  • 年平均値は、一般環境測定局(一般局)で0.025ppm、自動車排出ガス測定局(自排局)で0.038ppmであり、前年度と比べ、一般局では同じであったが、自排局では0.001ppm減少した。 
  • 環境保全目標は、一般局では有効測定局81局中68局(前年度は81局中66局)、自排局同37局中16局(前年度は38局中13局)で達成した。

二酸化窒素濃度

[2]光化学オキシダント及び光化学スモッグ

  • 光化学オキシダントの環境保全目標は、前年度に引き続き全局で未達成であった。
  • 光化学スモッグの発生状況は、予報29回、注意報25回で、前年度と比べ、予報、注意報ともに22回増加した。また、光化学スモッグによると思われる被害の訴えは、2件2名であった。

[3]浮遊粒子状物質

  • 年平均値は、一般局で0.036mg/m3、自排局で0.044mg/m3であり、前年度と比べ、一般局、自排局ともに0.002mg/m3減少した。
  • 環境保全目標(長期的評価)は、一般局では有効測定局81局中55局(前年度は80局中33局)、自排局では同30局中8局(前年度は31局中4局)で達成した。

浮遊粒子状物質

[4]二酸化硫黄及び一酸化炭素

  • 環境保全目標は、前年度に引き続き、有効測定局全局で達成した。

(4)水環境

[1]河川

  • 健康項目のカドミウム等23項目について98河川138地点で調査を実施し、すべての地点で環境保全目標を達成した。
  • 生活環境項目について、生物学的酸素要求量(Bod)では、73河川水域中45河川水域で環境保全目標を達成した。なお、達成率が5割を超えたのは7年ぶりである。

BOD
達成率(%)=(環境保全目標達成河川水域数/環境保全目標当てはめ河川水域数)×100

[2]海域

  • 健康項目については、すべての測定地点・項目で環境保全目標を達成した。
  • 生活環境項目について、化学的酸素要求量(Cod)の表層の値では、前年度と同様、C海域では全地点で環境保全目標を達成したが、A海域の全地点及びB海域の2地点で達成しなかった。
  • 全窒素については、3及び4の海域で環境保全目標を、2の海域で暫定目標を達成した。また、全燐については、全ての海域で環境保全目標を達成した。

COD

大阪湾の全窒素・全燐に係る環境保全目標達成状況

類型

全窒素

全燐

環境保全目標値

海域内年平均値

環境保全目標値

海域内年平均値

地点数

暫定目標値

8年度

判定

9年度

判定

10年度

判定

暫定目標値

8年度

判定

9年度

判定

10年度

判定

2の海域

0.3

0.39

×

0.37

×

0.35

×

0.03

0.035

×

0.034

×

0.03

10地点

0.42

0.034

×

3の海域

0.6

0.64

×

0.58

0.57

0.05

0.055

×

0.052

×

0.047

7地点

0.68

4の海域

1

0.84

0.78

0.8

0.09

0.076

0.071

0.069

5地点

1.2

<単位 : mg/L>
* 類型は「大阪湾の全窒素及び全燐の係わる環境基準」によるもの。
対象海域内の大阪府、兵庫県の全測定地点平均値を評価。 
類型3の海域と4の海域に関しては全燐の暫定目標値はない。 

大阪湾水域類型

大阪湾水域類型

(5)騒音

[1]環境騒音

  • 環境騒音の状況を環境保全目標の平均達成率でみると、道路に面しない地域は70.1%、道路に面する地域は17.3%であった。
  • 道路に面する地域の環境保全目標の達成率の推移をみると、朝、昼間、夕及び夜間の4時間帯のすべてが環境保全目標を達成している割合は、ここ数年ほぼ横ばいに推移しており、平成10年度は7.6%であった。

環境騒音

[2]航空機騒音

  • 大阪国際空港における、3局の常時測定結果では、平成6年度及び7年度は関西国際空港の開港に伴う発着回数の減少により航空機騒音レベルは減少したが、その後横ばいないし増加の傾向で推移している。8地点の随時測定結果では、1地点で環境保全目標を達成した。
  • 関西国際空港においては、大阪湾沿岸地域等の18地点全ての地点で環境保全目標を達成した。

航空機騒音

(6)有害化学物質

[1]有害大気汚染物質

  • 18項目の測定を24地点で行った。そのうち、ベンゼンの平均濃度は、一般環境で
    0.00258mg/m3、発生源周辺で0.00350mg/m3、沿道で0.00451mg/m3であったが、環境保全目標は、24地点中16地点(一般環境10地点中3地点、発生源周辺4地点全て、沿道10地点中9地点)で未達成であった。また、トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンの平均濃度は、それぞれ0.00238mg/m3、0.00222mg/m3であった。
    *環境保全目標値(1μgは1/1000mg)
     ベンゼン・・・0.003mg/m3、トリクロロエチレン・・・0.2mg/m3、テトラクロロエチレン・・・0.2mg/m3

[2]ダイオキシン類

  • 一般環境大気測定を51地点(府7、関係市等44)で行った。これらの地点におけるダイオキシン類濃度の年平均値は、0.038から0.63pg-Teq/m3の範囲であり、大気環境指針値(年平均値0.8pg-Teq/m3以下)を上回った地点はなかった。
  • 平成10年度に河川水9地点(府2、関係市等7)、河川底質6地点(全て関係市等)、海水6地点(大阪湾内(府4、関係市等2))及び地下水3地点(全て府)の調査を実施した。その結果、河川水は0.035から2.6(pg-Teq/L)、河川底質は0.074から2.7(pg-Teq/g)、海水については0から0.027(pg-Teq/L)、地下水については0から0.023(pg-Teq/L)の範囲でダイオキシン類が検出された。
  • 平成10年度に、一般環境土壌中の調査を129地点(府5、関係市等124)で実施した結果、0.0076から58(pg-Teq/g)の範囲であり、いずれも暫定指針値(1,000(pg-Teq/L))を下回っていた。

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2.自然環境

生態系の多様性

[1]生息鳥獣

  • 府内の野生鳥獣については、明治の森箕面国定公園内に生息する天然記念物のニホンザルや北摂山系の渓流に生息する貴重種のカワネズミをはじめ、33種の獣類と365種の鳥類が確認されている。

[2]魚類

  • 府内には約60種類の淡水魚が生息しており、そのうちイタセンパラ、アユモドキ(ともに天然記念物)及びニッポンバラタナゴは環境庁から絶滅の危惧種に指定されている。

[3]植生

  • 府内を暖温帯と冷温帯に分けると、暖温帯ではミミズバイ−スダジイ群落、府指定天然記念物のシリブカガシ群落等の貴重な自然植生が残存している。また、冷温帯の自然植生としては、和泉�@城山のブナ林が国の天然記念物に指定(大正12年)されている。

[4]その他

  • 府域では、特別天然記念物オオサンショウウオが、北摂山系等の河川に生息している。

(2)多様な自然環境

[1]自然海岸

  • 自然海岸として、府南部の泉南市と阪南市の境に河口干潟が、岬町に岩礁がそれぞれ見られるが、府の海岸線に占めるこれら自然海岸の割合はわずか1%程度である。

[2]森林・農地

  • 府域の森林については、南河内等の生産性の高い林業経営が行われている地域を除いて、資産保持的な傾向が強く、他用途への転用により森林面積は漸減の傾向にある。
  • 農地については都市化の進展に伴い、毎年減少の一途をたどっている。

森林面積及び耕地面積の推移(単位:ha)

平成610
森林面積57,12957,08357,04657,00857,008
耕地面積17,40017,20017,00016,40016,000

[3]ため池

  • 府内には約1万1千か所のため池が点在し、その大半は堺市、松原市及び八尾市を結ぶ地域から南に集中して分布しており、他は淀川水系の水が利用できない生駒山麓及び北摂丘陵地帯に分布している。

ため池の状況

地域名北部大阪市中部南河内泉州合計
ため池数2,0052,3233,4983,49011,322

(3)自然とのふれあい

[1]国定公園利用者数等

  • 府内には明治の森箕面国定公園と金剛生駒紀泉国定公園の2つの国定公園があり、平成9年の利用状況はそれぞれ215万人と1,311万人であった。また、自然の状況に応じたふれあいのための施設が整備されている。

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3.都市環境

潤いとやすらぎのある都市空間

[1]緑被率

  • 府内における緑被地は、府内面積の52.7%にあたる99,372haであるが、うち市街化区域は、18,847haとなっている。

 

区域面積 【ha】

緑被面積 【ha】

緑被率 【%】

市街化区域

90,085

18,847

20.9

<8,260>

<9.2>

全域

188,625

99,372

52.7

<70,155>

<37.2>

緑被現況 <>は樹林、樹木のみの緑被

注 : 1.緑被地は、樹林・樹木に被われた」区域、草地<芝地を含む>農地、果樹園である。
注 : 2.緑被地の抽出、面積計測は、平成4年度撮影の空中写真、及び地形図による。
注 : 3.総面積は、平成3年末現在<国土地理院>のもの。

[2]公園・緑地

  • 府内には、2か所の自然公園(金剛生駒紀泉国定公園、明治の森箕面国定公園)のほか、都市の中の緑とふれあえる空間として、平成10年3月現在で、4,629か所、総面積4,002haの都市公園(府営公園、市町村公園及び国営公園)が開設されている。
  • 都市公園の開設面積は、全国的にはかなり高水準にあるものの、府民1人あたりでは 4.54m2で、全国平均(7.28m2)を下回っている。

都市公園

[3]道路緑化

  • 平成10年4月1日現在、緑化延長417km、管理本数約240万本となっている。

[4]風致地区

  • 平成11年3月現在、府域(大阪市、堺市を除く)では、11市25地区2,609haを指定している。

(2)景観

[1]景観

  • 周辺環境の向上に役立つ景観上優れた建物や、緑に包まれた潤いのある都市空間のモデルとなる優れた施設を表彰することにより、景観に対する意識の高揚を図っている。平成10年度においても、大阪まちなみ賞やみどりの景観賞の表彰を行った。
大阪まちなみ賞
〔大阪府知事賞〕
Ponte Fico(羽曳野市)
みどりの景観賞
〔大阪府知事賞〕
アサヒビール株式会社吹田工場
ゲストハウス(吹田市)

(3)歴史的文化的環境

[1]史跡・文化財等

  • 大阪は、古くから政治、経済の中心として発展してきたところであり、大坂城跡、難波宮跡、応神・仁徳陵古墳、池上曽根遺跡等、先人の活躍の跡とも言える歴史的文化的遺産が豊富に存在している。その状況は、国及び府指定等の文化財が1,253件、埋蔵文化財包蔵地は8,159件である。

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4.地球環境

地球の温暖化

  • 大気中の二酸化炭素濃度は産業革命以前には280ppm程度であったが、現在では350 ppmを超えており、さらに年0.5%の割合で増加していると推測されている。
  • 府域の二酸化炭素排出量は、1994年度において1,560万炭素換算トンであり、1990年度に比べ約5%増加した。また、この量は全国の4.5%程度を占めている。

大阪府における二酸化炭素排出量
二酸化炭素排出量

(2)オゾン層の破壊

  • クロロフルオロカーボン(Cfc:いわゆるフロンの一種)等の大気中濃度は依然として増加しているが、北半球中緯度においては、最近、Cfc11、12、113等の増加はほとんど止まっており、これは1989年7月から開始されたモントリオール議定書に基づく規制の効果と考えられる。

(3)酸性雨

  • 我が国における酸性雨の現況は、降雨のphの年平均値が4.7から4.9の範囲内にあり、欧米とほぼ同程度の酸性度が観測されている。
  • 府域における降雨pHの年平均値は、国設大阪局で5.28、池田局で4.97であり、前年度と比べて両局とも上昇し、近年、徐々に改善傾向にある。府の調査結果は、国レベルの調査結果とほぼ同程度であった。

週降雨の年平均pH及び出現頻度
週降雨の年平均pH及び出現頻度(国設大阪局)
週降雨の年平均pH及び出現頻度(池田局)


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5.豊かな環境の保全及び創造に関して講じた施策

 近年の環境問題は、自動車による大気汚染、生活排水による水質汚濁等の都市・生活型公害に加え、廃棄物による環境負荷が増大するとともに、地球環境問題、トリクロロエチレン等による土壌・地下水汚染やダイオキシン類等有害化学物質問題などに見られるように、これまでにも増して広域化し、多様化・複雑化している。
 さらに、外因性内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)による汚染で代表されるように、次世代への影響が懸念されるなど、時間的にも拡大しつつある。
 このような環境問題は、府民の日常的なごく通常の活動に起因するものも多く、その解決のためには、現代の大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済社会のあり方を改めて見直し、これを持続可能なものに再編すべく、引き続き、諸施策を展開していくことが不可欠である。
 一方で、潤いのある水辺や豊かなみどり、地域の個性を活かした景観の形成等、身近な自然環境を保全し、より質の高い快適な環境を求める府民ニーズが高まっている。
 これらに対応するため、府は、行政、事業者、府民のそれぞれの責務と、府の施策の基本となる事項を定めた「大阪府環境基本条例」(以下、「環境基本条例」という。)を制定するとともに、平成8年3月に、長期的な目標、施策の大綱及びその推進のための事項を定めた「大阪府環境総合計画」を策定し、「人のこころがかよいあう豊かな環境の保全と創造」を目指す施策を総合的、計画的に展開しているところである。
 豊かな環境の保全と創造に関して平成10年度に講じた施策のとりまとめに当たっては、大阪府環境総合計画の進捗状況の把握の一環として、図に示す施策体系に基づき整理した。
 平成10年度は、これまで取り組んできた施策を引き続き実施するとともに、新たに、府全域を対象としてみどりの確保目標や配置計画等を定めた「大阪府広域緑地計画」の策定、平成10年3月に制定した「大阪府環境影響評価条例」の全面施行に向けた施行規則や技術指針の制定、「大阪府景観条例」の制定、本庁舎を対象にした環境管理の国際規格(ISO14001)の認証取得、大阪府民牧場のリニューアルオープンに向けた施設整備や全国育樹祭の開催準備、地球温暖化防止行動ガイドラインの普及・啓発などに取り組んだ。
 また、平成10年版の本報告第3部「今後の課題と方向」の冒頭で、環境問題を取り巻く今日的な状況に対応するために進めるとした地球温暖化防止に向けた取組、ダイオキシン類等有害化学物質についての包括的な取組、トリクロロエチレン等有機塩素系化合物による地下水汚染対策についての取組及び事業活動における自主的な環境管理の促進については、以下のとおりそれぞれ施策を推進した。

地球温暖化防止に向けた取組

 平成9年の地球温暖化防止京都会議で先進各国ごとの温室効果ガスの排出削減目標(わが国は、1990年を基準に温室効果ガスの総排出量を6%削減する)を掲げた京都議定書が採択されたことを受けて、平成7年3月に策定した「大阪府地球温暖化対策地域推進計画」の改定に向け、国、地方公共団体、事業者、府民等が推進すべき対策を整理した。
 また、「地球温暖化防止対策セミナー」を開催し、「大阪府地球温暖化防止行動ガイドライン」のパンフレットの配付等により普及に努め、府民による具体的な実践活動の促進を図った。さらに、温室効果ガスの一種である二酸化炭素の樹木による吸収・固定量を調査するため、人工衛星からのリモートセンシングデータ等が活用できるよう、樹木データ等の基礎資料の収集・整理を行った。
 また、環境に対する負荷が小さいエネルギーシステムの構築に向け、基本理念や実現方策等を示す「エコエネルギー都市・大阪計画(仮称)」策定の基礎資料として、省エネルギー等に関する技術を府内の具体的な地域に導入した場合の省エネ効果や環境負荷の低減効果を検討した。
 今後は、「地球温暖化対策の推進に関する法律」の制定を受け、庁内関係部局での検討結果や各種調査結果を踏まえ、平成11年度内を目途に、府の温室効果ガス排出抑制等実行計画を策定し、事業者としての府が温室効果ガス排出抑制を図るとともに、「大阪府地球温暖化対策地域推進計画」の改定を進める。また、「エコエネルギー都市・大阪計画(仮称)」を策定する。

ダイオキシン類等有害化学物質についての包括的な取組

 ダイオキシン類による環境の汚染は、大気、水、土壌等の複数の環境媒体にまたがる問題であり、総合的な検討を進める必要があること等から、府において庁内関係部局からなる「大阪府ダイオキシン対策会議」を平成10年4月に設置し、発生源対策や環境調査、食品や母乳中に含まれるダイオキシン類の調査、ダイオキシン類の農作物への吸収・移行調査等を実施した。
 また、ダイオキシン類に関する環境対策等に対し、専門技術的立場から学識者の意見を得ることを目的に平成10年6月「ダイオキシン類に関する環境対策検討委員会」を設置し、豊能郡美化センターでの環境改善対策等について提言を受けるとともに、センタ−周辺の汚染土壌の撤去準備を行った。
 さらに、ごみ処理の広域化により、ごみ焼却施設から発生するダイオキシン類の削減や公共事業のコスト縮減等を図るため、広域化に関する基本的な考え方を取りまとめた「大阪府ごみ処理広域化計画」を平成11年3月に策定するとともに、ダイオキシン類の排出抑制基準が設定されたことや、規制対象となる有害化学物質が増加の傾向にあることから、平成10年4月に学識経験者を交えた「大阪府有害大気汚染物質検査分析体制検討委員会」を設置し、極めて低濃度ではあるが毒性の強い化学物質に対する府としての検査分析体制のあり方について検討した。
 今後とも、国等との連携のもと、ダイオキシン類等有害化学物質の対策に取り組んでいく。

トリクロロエチレン等有機塩素系化合物による地下水汚染対策についての取組

 平成9年3月に地下水の水質汚濁に係る環境基準が設定されるとともに、同年4月から汚染原因者に汚染された地下水の浄化措置を命ずることができる制度が導入され、主として過去に使用されたトリクロロエチレン等有機塩素系化合物による地下水汚染が地方公共団体に報告されるケースが増加する等、大きな社会問題になっている。
 このため、有機塩素系化合物による地下水汚染について常時監視を継続するとともに、汚染が発見された地区については、「大阪府地下水質保全対策要領」に基づき原因究明等の調査を実施した。
 また、過去に有機塩素系化合物の使用履歴のある事業場の汚染事例を基に、専門家で構成する「大阪府地下水汚染総合対策検討委員会」を設置し、適切な調査方法や効果的な浄化対策について検討し、それらの留意事項を取りまとめた。今後、これらの成果や平成11年1月に環境庁が作成した「土壌・地下水質に係る調査・対策指針」等に基づき、事業場が実施する調査・対策に対し適切に指導するなど地下水汚染対策の一層の推進に取り組んでいく。

事業活動における自主的な環境管理の促進

 今日の環境問題は、府民の日常的なごく普通の活動に起因するものも多く、その解決のためには、事業者をはじめ府民自ら環境負荷の低減に向けた取組を積極的に行うことが求められる。
 大阪府環境総合計画では、府も事業者、消費者の立場から、府の事業活動に環境への配慮の浸透を図ることとしている。このため、府では、平成9年3月、「環境にやさしい大阪府庁行動計画」を作成し、率先して省エネルギー・省資源、グリーン購入等の取組を推進しており、この取組を一層充実強化するため、平成11年2月、本庁舎において環境管理の国際規格であるISO14001(環境ISO)の認証を取得した。
 また、新たな大規模事業における環境への影響を未然に防止するため、平成10年3月に制定した「大阪府環境影響評価条例」の全面施行に向けた取組として、「大阪府環境影響評価条例施行規則」及び「環境影響評価及び事後調査に関する技術指針」を制定した。今後とも、事業活動における自主的な環境管理を促進するよう取り組んでいく。


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6.豊かな環境の保全と創造に関する基本的施策の推進

 豊かな環境の保全と創造に向けて、それぞれの環境分野に共通した基本となる施策として、環境基本条例を中心とする各種の条例・規則等を制定し、厳正に運用するとともに、大阪府環境審議会、大阪府環境行政推進会議、豊かな環境づくり大阪府民会議等の推進体制等の適切な運営を通じ、規制的手法や環境影響評価、環境教育等の各種の施策を総合的に推進した。

第1節 総合的・計画的な施策推進

■みどりの大阪21推進プランの推進

 みどりあふれる環境の中で心の豊かさを実感できる世界都市大阪を実現していくため、「文化的でアメニティ豊かな都市の実現」、「自然と人間が共生するエコ社会の構築」、「安全な都市づくり」の3つを基本目標とした「みどりの大阪21推進プラン」(平成8年2月策定)に基づき、府、市町村、事業者、府民が、それぞれの立場で役割を担い、相互に連携を保ちながら、本プランを推進するための施策を実施した。
 また、同プランを受け、府全域を対象とした広域的観点から、みどりの確保目標水準や配置計画等を定めた「大阪府広域緑地計画」を平成11年3月に策定した。

■グリーン購入の推進

 環境にやさしい大阪府庁行動計画に基づき、平成9年度から事務用品について実施しているグリーン購入(環境にやさしい商品の優先購入)について、白色度70のコピー用紙への一部切替えなど、対象品目の拡充を図り、積極的な購入を推進した。

■ISO14001の認証取得

 環境にやさしい大阪府庁行動計画に基づく取組を一層、充実強化するため、平成11年2月、本庁舎において環境管理の国際規格であるISO14001(環境ISO)の認証を取得した。

■村野浄水場環境ISO認証取得

 地球環境にやさしい水道事業体として、環境負荷の少ない水づくりを推進するため、府営水道の約8割の水をつくる村野浄水場において、平成11年度でのISO14001の認証取得を目指した取組を行った。
 平成10年度は、予備調査を完了するとともに、環境マニュアルの策定を行った。

第2節 事業活動における環境への配慮

■環境影響評価条例の全面施行に向けた取組 

 「大阪府環境影響評価条例」(平成10年3月制定)に基づき、「大阪府環境影響評価条例施行規則」及び「環境影響評価及び事後調査に関する技術指針」を制定するとともに、平成11年3月から条例を一部施行した。

■エコビジネス取組への支援

 今後、新たな展開が期待される環境分野のビジネス振興を図るため、環境保全技術情報の交流を促進する「Apec環境技術交流促進事業」において、環境関連の府内の中小企業の支援として、ホームページを作成し、情報発信を行う方策の検討を行った。

■新産業分野の育成手法の検討

 大阪経済白書において、環境・エネルギー関連分野を今後成長が期待される新産業分野として提示するとともに、その育成を図るための手法について検討を行った。

第3節 自主的な活動の促進

■授業、クラブ活動等での環境教育への取組

 大東市立泉小学校、大東市立住道中学校、寝屋川市立宇谷小学校及び東大阪市立玉川小学校の4校を大阪府研究学校として委嘱し、全校あげての環境教育への取組を進めた。
 また、学習指導要領の趣旨に沿って、環境教育が推進されるよう指導した。

■教員向け手引書等の指導書の開発・作成・提供

 子どもたちの環境学習を推進するため、児童・生徒と教職員が、学校生活において環境に配慮した行動に取り組むためのプログラム「Ecopal探検隊−環境にやさしい学校生活推進の手引き」を作成した。

第4節 環境情報の活用

■インターネット等の活用による情報の発・受信

 大阪府の環境ホームペ−ジ「エコギャラリー」をトップペ−ジとして、環境イベント情報や大阪の環境施策等について情報発信を行うとともに、「大阪府環境技術情報」をApec域内の環境保全技術情報の交流を促進するホームペ−ジである「Apec環境技術交流バーチャルセンター」を通じて提供を行うほか、府民参加型の環境ホームペ−ジである「かんきょう交流ルーム」の運営や、環境教育や環境活動に関する情報を発信するためのポータルサイト「エコあらかると」(外部サイト)を開設し、環境情報の交流を促進した。

第5節 調査研究の推進

■研究開発の推進

 公害監視センターにおいて、排水性舗装による道路騒音の低減に関する調査及び化学物質、農薬に関する調査研究を行った。

■環境と調和した産業技術・システムに関する研究

 農林技術センター、水産試験場や淡水魚試験場において、農林水産業に関する総合的試験研究を行い、生産性向上及び経営の近代化促進に努めるとともに、自然環境との関わりについての府民の関心の高まりを受け、環境保全型農業生産技術や、自然環境の保全と緑創出技術、水域環境の向上を図るための水産資源生存環境及び生態等に関しての調査研究等を実施した。


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7.府民が健康で豊かな生活を享受できる社会の実現

 大気、水、土壌等を良好な状態に保持することにより人の健康の保護及び生活環境の保全を図り、府民が健康で豊かな生活を享受できる社会を実現するため、自動車公害の防止、廃棄物・リサイクル対策の推進、大気環境・水環境・地盤環境の保全、騒音・振動の防止、有害化学物質対策の推進、環境保健対策等の推進を図った。

第1節 自動車公害の防止

■総量削減計画の推進

 「自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」(以下「自動車NOx法」という。)に基づき、平成5年11月に特定地域(府内38市町)における二酸化窒素に係る環境基準を平成12年度までに概ね達成することを目標とする「大阪府自動車排出窒素酸化物総量削減計画」を策定した。
 同計画に基づき、自動車の単体規制、車種規制、低公害車の普及、物流・人流・交通流対策や局地汚染対策等の諸施策を、関係機関と密接な連携を図りながら推進するとともに、計画の進行管理を行った。

■土壌や光触媒を用いた大気直接浄化手法の実用化調査の実施

 大気汚染濃度が高い交差点等における沿道環境改善対策として、土壌を用いた大気浄化手法の実用化に向け、平成8年度に設置した実用化プラント(吹田市泉町:国道479号、東大阪市山手町:第二阪奈道路中央換気塔)において、その運転管理手法や周辺の環境改善効果等を把握するための土壌脱硝調査を実施した。
 また、従来の遮音機能に加えて光触媒による窒素酸化物の低減効率を上げるよう工夫した新型遮音壁を開発し、自動車排出ガスや騒音等の低減効果を把握するため、道路沿道(泉大津市臨海町:府道大阪臨海線)に設置した。

■排出量の把握等

 特定地域における窒素酸化物排出量の把握のため、ディーゼル貨物車等の排出ガス量の調査及び全国道路交通情勢調査のデータ等をもとに、交通量及び窒素酸化物排出量の算定を行った。
 なお、平成2年度においては、自動車NOx法の特定地域における自動車からの窒素酸化物排出量は31,380トンであったが、平成9年度においては、27,670トンであった。

第2節 廃棄物・リサイクル対策の推進

■建設副産物の再生利用の促進

 建設副産物の処理に関し、「大阪府建設リサイクル行動計画」(平成10年8月策定)に基づき、発生の抑制、再利用の促進、適正処分の徹底に努めた。

■下水汚泥の有効利用の推進

 有効利用についての情報交換と施策の検討のため、大阪府をはじめ2府6県3政令市及び日本下水道事業団大阪支社事業部で「下水道リサイクルネットワーク関西」を結成し、活動を開始した。
 有効利用を民間との連携で行うことを展望して、「共同研究」制度を発足させた。平成10年度は7社と共同研究を行った。

■ごみ処理広域化計画の策定

 ごみ処理の広域化により、ごみ焼却施設から発生するダイオキシン類の削減、リサイクルの推進、公共事業のコスト縮減等を図るため、府内を6ブロックに区分し、広域化に関する基本的な考え方をとりまとめた「大阪府ごみ処理広域化計画」を平成11年3月に策定した。

■建設工事等における産業廃棄物の処理に関する要綱の施行

 リサイクル等の減量化の推進と適正処理の確保の観点から、新たに減量化目標値の達成制度・廃棄物アセスメント制度・工事関係者の責務及び元請責任の強化(大阪ルール)等の内容を盛り込んだ「建設工事等における産業廃棄物の処理に関する要綱」を策定し、平成10年4月から施行した。
 また、大阪ルールに関し元請業者の処理責任の具体的方途を定めた「建設工事等における産業廃棄物に係る元請業者の処理責任に関する指導指針」を策定し、平成10年11月から施行した。

■改正廃棄物処理法の普及・啓発

 廃棄物の適正処理を確保するため、事業者等に対し、改正法の内容を周知した。

第3節 大気環境の保全

■浮遊粒子状物質総合対策の検討

 浮遊粒子状物質(Spm)に関する総合的な対策を検討するための基礎資料を得るため、Spm(粒径10μm以下)の中でも特に粒径の小さい粒子(PM2.5(粒径2.5μm以下の粒子))について、その測定法等に関する調査を行った。

第4節 水環境の保全

■大和川流域水環境保全対策の実施

 建設省所管全国一級河川の中で水質ワースト1(平成8年)となった大和川の水質改善に資するため、大和川流域の水質汚濁機構の調査を行った。また、平成10年11月に府民3,200人参加の河川敷イベント「大和川・石川まつり」を、平成11年3月には、府民11,500人が参加した河川敷清掃「大和川・石川クリーン作戦」を行った。

■生活排水対策重点地域の指定

 平成11年3月31日に柏原市南部(大和川流域)を生活排水対策重点地域に指定した。また、生活排水対策推進計画策定事業に対して羽曳野市に、生活排水対策の啓発に携わる指導員の育成等の事業に対して東大阪市に補助を行った。

■下水処理水の利用

 散水等への処理水の活用を図るべく、処理水供給施設を新たに猪名川下流流域下水道原田処理場に設置し、全体で11流域処理場に設置済となった。なお、平成10年度末における下水処理水の再利用率は、約11%であった。摂津市の「ガランド水路」の整備が完成し、安威川流域下水道中央処理場の下水処理水の供給を開始した。

第5節 地盤環境の保全

■地下水浄化手法の検討

 水質汚濁防止法の改正に伴い、地下水汚染に係る浄化措置制度が導入されたため、平成10年度に学識経験者からなる「大阪府地下水汚染総合対策検討委員会」を設置し、浄化措置制度の適正な運用を行うため、有機塩素化合物による汚染の浄化対策事例をもとに、浄化対策手法を検討した。

■土壌浄化対策等の検討

 土壌・地下水汚染についての原因究明、浄化、監視体制のあり方について、「大阪府地下水汚染総合対策検討委員会」を設置し、検討した。

第6節 騒音・振動の防止

■関西国際空港に係る航空機騒音の環境監視

 関西国際空港周辺における航空機騒音に係る環境保全目標の達成状況を把握するため、関係市町と連携し、大阪湾沿岸部等18地点において航空機騒音測定を行った結果、全地点で環境保全目標達成を確認した。

■調査・研究の推進

 関西国際空港へのアクセス特急の沿線において、関係市と連携し騒音・振動対策の効果把握のための調査を行った。対策の効果としては、対策の施工前後に調査した結果、例えば防音壁では騒音で10から12デシベルの低減が見られた。

第7節 有害化学物質対策の推進

■化学物質データベースの構築

 化学物質の有害性や管理手法等の外部データベースを用いて、キーワード検索や日本語による利用について検討した。

■環境情報システムの構築

 化学物質データベース専用のサーバを設置し、イントラネットを用いて情報の共有化を行った。

■環境調査(汚染状況)

 大気中における未規制有害物質の実態調査や、上水道水源である淀川・石川の支川における農薬等の水質調査、地下水質の実態調査等を実施した。
 また、水質・底質・水生生物及び大気中の環境ホルモンの実態について、環境庁が実施した平成10年度環境ホルモン緊急全国一斉調査に係る地点選定と試料のサンプリング等を受託し、調査を行った。

■大気汚染物質排出量総合調査(有害大気汚染物質排出量把握調査)

 府内3,840事業所を対象として、ベンゼン、トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンの排出状況等についてアンケート調査を実施した。

■「大阪府ダイオキシン対策会議」の設置

 ダイオキシン類問題について、総合的な対策を推進するため、庁内関係課からなる「大阪府ダイオキシン対策会議」を4月に設置し、発生源対策や環境調査等を実施した。

■ダイオキシン類に関する環境対策検討委員会の設置

 大阪府が行うダイオキシン類に関する環境対策等に対し、専門技術的立場から学識者の意見を得ることを目的に、平成10年6月5日に「ダイオキシン類に関する環境対策検討委員会」を設置し、豊能郡美化センター敷地法面環境改善対策、能勢高校農場敷地内土壌等の環境改善事業、豊能郡美化センター焼却施設内高濃度汚染物質除去対策等について、提言を受けた。


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8.自然と共生する豊かな環境の創造

 自然と共生する豊かな環境を創造するため、希少な野生動植物が生息する和泉市の湿地において、土砂のしゅんせつ、乾燥地植物の除去等を行い、ビオトープの保全・回復を実施したほか、水生生物や鳥類の新たな生息空間の創造と、府民が海に親しむ場を提供するため、阪南港阪南2区において人工干潟整備の基礎調査を行った。
 また、大阪府みどりの基金の運用、(財)大阪みどりのトラスト協会との連携等により、環境保全活動推進のための体制整備に努め、「みどりすと」や「緑の少年団」等、府民の自主的な環境保全活動の支援を行った。

第1節 生態系の多様性の確保

■オオサンショウウオ・イタセンパラ・アユモドキ等の保護

 北摂地域における河川改修や安威川ダム建設に先立ち、オオサンショウウオの生息調査を実施するよう指導するとともに、オオサンショウウオの生息環境が保全されるような設計や工法等について事業者に指導を行った。
 また、アユモドキ等の種の保存及び増殖対策を講ずるために、アユモドキとニッポンバラタナゴの保護・増殖技術の開発試験とタナゴ類が産卵するために必要な二枚貝類の生産・増殖試験を行った。
 さらに、イタセンパラの保護増殖を図るため、既存知見・情報の収集整理を行うとともに、理想的な生息環境及びその保全のあり方の検討を行った。

■ビオトープの保全・回復

 槇尾川や金熊寺川等の改修事業において、隠し護岸(連節ブロック)及び魚道の設置等による生態系に配慮した川づくりの実施等の各種事業において、野生動植物の生息等に配慮したビオトープの保全・回復に努めた。
 また、府内に残された良好で貴重な湿地の保全を図るため、放置しておくと陸地化・乾燥化等により、改変・消失するおそれのある和泉市の湿地を対象に、土砂のしゅんせつ、乾燥地植物の除去等を行った。

■環境共生都市「水と緑の健康都市」の整備

 事業地及びその周辺の豊かな自然環境を保全・育成するため、現地の植生を考慮した樹木の育成実験や指標生物としてのオオムラサキ、モリアオガエルの移植実験や育成状況調査を行い、それらの結果をとりまとめ、自然環境復元計画を策定した。

第2節 多様な自然環境の保全・回復、活用

■緑地環境保全地域の指定と保全

 貴重なミドリシジミ類の蝶(通称ゼフィルス)の生息する能勢町三草山東尾根部やラン科植物等貴重な動植物が生息・生育する能勢町地黄湿地の適正な保全管理を図るため、(財)大阪みどりのトラスト協会が実施する事業に対して助成した。

■棚田地域の保全

 府内の棚田地域の保全・利活用を支援するため、「棚田・ふるさと保全基金」の積立を行った。

■府民牧場の整備

 平成11年9月23日のリニューアルオープンに向け、平成10年度は、子牛や羊・やぎ・アヒル・うさぎ等の動物と直接ふれあったり、乳しぼりやバター・チーズ作り等が体験できる施設や、家畜排せつ物を完熟たい肥に変換するコンポストプラント等により、環境問題について学習できる施設の本体工事を実施した。
 なお、工事に伴い、公開開放事業を休止した。

■阪南港阪南2区における人工干潟の整備

 阪南港阪南2区に整備を計画している人工干潟・海浜について、環境創造の効果を向上させる構造及び形状等を検討するための基礎調査を行った。

第3節 自然とふれあう場と機会づくり

■自然公園整備・管理・運営事業の推進

 自然公園において豊かな自然環境を保全するとともに、利用者が、自然にふれあうことのできる場を確保するため、緑の文化園の遊歩道新設(四條畷市)、東海自然歩道の修復(高槻市)を実施した。
 また、自然公園施設の管理や利用者への自然解説を行った。

■金剛生駒紀泉国定公園拡大地域の整備

 金剛生駒紀泉国定公園の拡大地域(平成8年10月拡大指定)における自然景観、生態系の保全及び府民の自然とのふれあいと憩いの場の創出のため、自然景観の修復、防火、防災対策及び施設の整備、改良等総合的に整備を図った。

■海に親しむ府営公園の整備

 岬町と阪南市の海浜部にまたがる「せんなん里海公園」において、施設等の整備を行った。

第4節 自然環境の保全・創造のための活動の推進

■大阪府みどりの基金の運用

 大阪府みどりの基金の運用益を活用して、緑化樹の配付(14万本)や民間施設の緑化(11か所)に対して補助するなど、緑化の推進及び良好な自然環境の保全を図った。
 また、(財)大阪みどりのトラスト協会の事業活動に助成した。

■緑化・森林づくり情報の収集・提供

 府民が行う森林づくりボランティア活動に対して、参加者と受入側をつなぐ情報ネットワークを整備するため、インターネットにホームページを作成し、情報の発信を行った。

■みどりの人材銀行運営事業の推進

 (財)大阪みどりのトラスト協会が実施する、自然環境の保全や身近なみどりの充実を担うリーダーやボランティア(みどりすと)の登録・派遣やみどりすとを対象とする講習会の開催、また、みどりに関する情報を収集・提供する情報センターの運営に対して助成した。

■緑の少年団育成事業の推進

 緑と親しみ、育てる活動を通じて少年が、心豊かに成長することを目的とした緑の少年団の活動の輪を広げ、次代の緑のボランティアの育成を図るため、(財)大阪みどりのトラスト協会が大阪府緑の少年団連盟の交流事業に対して助成する育成事業に対して助成した。


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9.文化と伝統の香り高い環境の創造

 文化と伝統の香りの高い環境を創造するため、平成11年10月開催の「全国育樹祭」の式典会場となる府営蜻蛉池公園を整備したほか、河川再生事業等の推進による河川環境の整備、大阪施設緑化賞(みどりの景観賞)の表彰による緑化運動の推進等、水や緑に親しむことのできる潤いと安らぎのある都市空間の形成を図るとともに、府民、事業者、行政が適切に役割を分担しながら、総合的、計画的な景観施策を展開するために、「大阪府景観条例」を制定するなど、地域の個性を活かした美しい景観の形成に努めた。また、富田林寺内町の町並みの保存や価値の高い文化財を良好な状態で保存するための史跡・名勝等の指定、狭山池ダム資料館(仮称)の建設等歴史的文化的環境づくりに努めた。

第1節 潤いと安らぎのある都市空間の形成

■健康と生きがいを支える府営公園の整備

 府営服部緑地他6公園の維持管理を行うとともに、蜻蛉池公園等の開設面積の拡大を図った。

■全国育樹祭の開催準備等

 国土緑化の推進を目的として、平成11年に府営蜻蛉池公園等において開催する「全国育樹祭」の諸準備を進めるとともに、プレイベント、広報事業、緑の少年団の結成促進等を行い、みどりづくりの機運醸成に努めた。

■河川環境整備事業の推進

 芥川、石川、安威川等において階段護岸や高水敷、遊歩道、桜づつみの整備等の河川の環境整備事業を実施した。

第2節 美しい景観の形成

■二色の浜海岸緑地の整備

 阪南6区において、海とふれあい、緑に親しむゾーンとして海浜緑地の整備を進めた。

■景観条例の制定

 「美しい世界都市・うるおいのある生活都市」の実現に向け、府民、事業者、行政が、適切に役割を分担しながら、総合的、計画的な景観施策を展開するため、平成10年10月に大阪府景観条例を制定した。

■マスターアーキテクト方式による魅力あるまちなみ形成の推進

 阪南スカイタウンにおいて、一人の建築家(マスターアーキテクト)が中心となり、まちの景観を調整し、魅力あるまちなみの形成に努めた。

第3節 歴史的文化的環境の形成

■歴史的建造物群の保存

 富田林寺内町(伝統的建造物群)は、平成9年10月31日、本府初の国の重要伝統的建造物群保存地区として選定を受けた(全国で47地区)。平成10年度は、寺内町の保存整備事業、台風7号の被害による災害復旧事業を行った。

■史跡・名勝等の指定による文化財の保全

 廿山古墳及び二本松古墳(富田林市)、伝大江時親邸跡(河内長野市)を大阪府文化財保護条例によって府史跡に指定した。また、国宝・重要文化財・史跡名勝天然記念物等の国及び府指定の文化財について、保存修理や防災施設の整備等に対し、所有者への助成を行った。

■狭山池ダム資料館(仮称)の建設

 狭山池の堤体断面そのものや発掘された遺跡、遺構を保存、展示するため、狭山池ダム資料館(仮称)の建設を進めた。平成10年度においては、昨年度に引き続き、建築工事及びレプリカ・模型・映像等資料館の展示物の製作を行った。


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10.地球環境保全に資する環境に優しい社会の創造

 地球環境保全に資する環境に優しい社会の創造をめざし、「豊かな環境づくり大阪行動計画」(地球環境を守る大阪府民のローカルアジェンダ21)に基づき、協働による行動を一層推進するとともに、インターネットを活用した環境技術情報の発信、国際協力事業団(JICA)との連携による研修生の受け入れ等の国際技術協力を行った。
 また、「大阪府地球温暖化対策地域推進計画」に掲げる諸施策の普及啓発を図るとともに、オフィスや家庭等の民生分野での省エネルギー行動の実践に向けて府民意識の向上を図るため、「地球温暖化防止対策セミナー」を開催するなど、地球環境保全に資する取組を推進した。
 また、府有施設への太陽光エネルギー等の自然エネルギーを利用した発電設備の設置や、下水熱エネルギー等の未利用エネルギーの活用導入を進めるとともに、エネルギー利用に伴う環境への負荷の低減を目的とした「エコエネルギー都市・大阪計画(仮称)」の策定に向けた検討を行うなど、環境に優しい地域づくりの取組を推進した。

第1節 地球環境保全に資する取組の推進

■豊かな環境づくり大阪行動計画(地球環境を守る大阪府民のローカルアジェンダ21)の策定・推進

 「豊かな環境づくり大阪府民会議」において、「地球環境保全行動指針」の具体化を図るため、平成10年5月に更新した「豊かな環境づくり大阪行動計画−地球環境を守る大阪府民のローカルアジェンダ21」に基づき、それぞれの立場での実践活動を展開した。

■環境教育・学習の推進

 府民の地球環境に対する理解と認識を深め、自発的な取組を推進するために、学校において児童・生徒と教職員が、学校生活において環境に配慮した行動に取り組むプログラム「Ecopal探検隊−環境にやさしい学校生活推進の手引き」を作成したほか、地域で環境保全活動に取り組む団体の支援を図るため、リーダー等を対象に「環境活動リーダー支援講習」を平成10年9月から10月までの間で計5回実施した。

■「大阪府地球温暖化対策地域推進計画」の推進

 「大阪府地球温暖化対策地域推進計画」に掲げる諸施策の普及啓発を図るとともに、オフィスや家庭等の民生分野での省エネルギー行動の実践に向けて府民意識の向上を図るため、12月に「地球温暖化防止対策セミナー」を開催した。
 また、気候変動枠組条約第3回締約国会議(Cop3)の結果を受け、「大阪府地球温暖化対策地域推進計画」の改定について検討を行った。

■フロンの回収・破壊処理の促進

 「大阪府フロン対策協議会」を通じ、関係業界に回収協力事業所の登録及びフロン回収・処理システムの構築を働きかけるとともに、府内市町村の回収事業を支援するために、フロン回収機及びボンベの貸与を行った。
 また、回収フロン保管施設を設置し、「大阪府フロン対策協議会」と協力して回収フロンを破壊処理施設に搬送し、フロンの回収・破壊処理の支援を行った。

■酸性雨対策の実施

 酸性雨の原因物質である窒素酸化物、硫黄酸化物の排出を抑制するため、大気汚染防止法に基づく工場・事業場の規制・指導を行うとともに、地域冷暖房システムの導入等に努めた。

■海外友好提携都市との交流・協力

 府がこれまで蓄積してきた環境保全対策の経験や技術を提供することにより、開発途上国等における環境問題の解決を図るため、友好交流関係にある中国上海市から研修生2名を7日間受け入れ、上海市域の水環境を保全するための「上海市域水環境計画」策定に向けた共同研究を実施した。
 また、フランス・ヴァルドバーズ県へ職員を派遣し、環境保全技術に関する交流を行った。

■JICA(国際協力事業団)との連携

 JICAが行う「有害金属汚染対策コース」研修に対して、(財)地球環境センターとともに協力し、開発途上国からの研修生6名を約2か月間受け入れ、法令等の講義、分析実習等の研修を実施した。

■Apec環境技術交流促進事業

 関西の自治体、経済界が、ポストApec事業として提案し、インターネットを利用したバーチャルセンターを通して、環境技術情報の交流を促進する「Apec環境技術交流促進事業」に参画するとともに、標記事業の拡充を目的とするワークショップの開催等に積極的に協力した。

第2節 環境に優しい地域づくり

■環境エネルギー部会の運営

 庁内のエネルギー関係課で構成するエネルギー問題研究会に設置した「環境エネルギー部会」を通じて、環境にやさしいエネルギーシステムの府内への導入や、自然エネルギーや未利用エネルギーの活用について検討を行った。

■エコエネルギー都市・大阪計画(仮称)の検討

 エネルギー利用に伴う環境への負荷の低減を目的とするエネルギー利用の中長期的ビジョン「エコエネルギー都市・大阪計画(仮称)」の平成11年度策定をめざし、最新省エネルギー技術の効果試算を行うとともに、新エネルギーの活用技術の導入可能性調査等を踏まえ、都市エネルギーシステムのあり方について検討を行った。

■村野浄水場コージェネレーション事業

 (財)大阪府水道サービス公社が、村野浄水場において、高効率型天然ガスコージェネレーション設備を設置し、電力・熱を供給する事業に対して、「新エネルギー・産業技術総合開発機構」からの補助金を活用し、環境負荷の少ない水づくりの推進を図った。

■水道施設における未利用エネルギーの活用

 受水圧力エネルギー(郡家ポンプ場)及び水位差エネルギー(村野浄水場階層系浄水施設)を有効利用し、水力発電を行った。

■下水熱エネルギーの活用

 大和川下流流域下水道今池処理場等、3処理場において、ヒートポンプを用いて回収した下水熱エネルギーを管理棟の冷暖房に利用した。また、汚泥処理の廃熱を活用した温水プール施設「番田熱利用センター」が淀川右岸流域下水道高槻処理場そばでオープンした。

■化製場集約化の推進

 化製場集約化を推進するため、組合が行う実施設計及び集約化予定地の地質調査に対し、補助を行った。

■剪定枝のリサイクル

 地球温暖化やダイオキシンの発生を防止するため、公園樹木や街路樹の剪定枝を焼却処分とせず、チップ化し、再利用を図った。

■大阪府建設リサイクル行動計画の策定

 平成10年8月に、建設リサイクルを総合的に進め、資源循環型社会の構築を目指す「大阪府建設リサイクル行動計画」を策定し、2000年における建設廃棄物・建設発生土(利用率)のリサイクル目標を80%と定めた。

■水道残渣の減量化

 産業廃棄物として埋立処分を要する水道残渣を乾燥、減量化するため、(財)大阪府水道サービス公社が村野浄水場に高効率型天然ガスコージェネレーション設備を設置し、電力・熱を供給する事業に対して、「新エネルギー・産業技術総合開発機構」からの補助金を活用し、廃棄物の発生抑制を推進した。

■阪南港阪南2区整備事業の推進

 阪南港阪南2区において、既成市街地の住工混在を解消するための工場移転用地、ごみ処理を適正に行うための清掃工場用地、水辺環境を創出するための干潟・親水緑地等の整備を行い、快適な都市環境の創出を図るため、公有水面埋立免許を取得し工事に着手した。

■公共輸送機関の整備、充実

 モノレールについては、インフラ等の整備を図り、平成9年8月22日に大阪空港−門真市間が全線開業し、平成10年10月1日には、万博記念公園から阪大病院前間が開業した。府内の交通体系整備の一環として、大阪外環状線鉄道の建設、片福連絡線の建設、大阪市営地下鉄の市域外延伸、泉北高速鉄道延伸及び耐震補強工事に対する助成を行った。
 さらに、府民の足を確保するため、鉄道軌道近代化設備整備費補助金、地方バス路線運行に対する助成等を行った。


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11.今後の課題と方向

 府内の環境問題については、依然として自動車による大気汚染や騒音をはじめ、生活排水による河川の水質汚濁などの都市・生活型公害や廃棄物問題の克服が課題であり、また、温室効果ガスの大量排出に伴う地球温暖化現象に代表される地球環境問題や、ダイオキシン類等有害化学物質問題等、多様化・複雑化した諸課題への対応が求められている。
 一方で、府民のニ−ズが物質的豊かさから「ゆとり」や「ふれあい」のある質の高い生活を求める精神的豊かさへと変化していることから、自然と人間との豊かなふれあいの場をひろげ、将来にわたって府民がその豊かな自然の恵みを引き続き受けられるよう施策を推進するとともに、緑豊かな生活環境の実現や地域の個性を活かした都市景観の創造、さらには文化や伝統も視野に入れた、より質の高い環境を保持し、創造していかなければならない状況にある。
 このような状況を踏まえた諸施策については、第2部で報告したとおり、個々の施策目標に対して一定の成果を上げているものの、なお一層環境の状況を全体として改善するには、それぞれの施策の効果を高めるとともに、相互に連携した施策の取組強化が不可欠である。
 加えて、大阪府環境総合計画の長期目標である「豊かな環境都市・大阪」の構築を目指して、同計画の進捗状況を適切に把握するとともに、大阪府環境影響評価条例や大阪府景観条例の施行後における環境汚染の未然防止や美しい景観づくりに向けた取組、経済的手法をとりいれた環境施策のあり方や新産業分野として期待されているエコビジネスの促進方策の検討といった新たな施策の展開についても検討を進める必要がある。
このようなことから、大阪府環境総合計画で体系化した環境の保全及び創造に関する施策についての今後の課題と方向を第3部としてとりまとめた。
 また、環境行政を取り巻く今日的な状況として、平成11年7月に「ダイオキシン類対策特別措置法」や「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(以下、「Prtr法」という。)が制定されるなど、ダイオキシン類等有害化学物質による環境汚染の未然防止を図る包括的な取組がなお一層必要となってきたこと、また、平成11年4月に地球温暖化対策の推進に関する法律が施行されたことを受け、地方公共団体が自ら排出する温室効果ガスの排出抑制等のための実行計画の策定など早急な対応が求められていることがある。これら法整備の充実の他、循環型社会の構築に向けた具体的な取組が求められている。
 このような状況に対処するため、次のような観点からの施策について横断的に取組を進める。

有害化学物質対策についての包括的な取組

 ダイオキシン類のように意図せずに生成され、環境中に排出される有害化学物質による環境汚染が社会問題になっている。これについては、平成10年4月に「大阪府ダイオキシン対策会議」を設置し、発生源対策や環境調査等諸対策を講じてきたところであるが、平成11年7月に「ダイオキシン類対策特別措置法」が制定され、12年1月には施行される見込みであることから、発生源に対する規制・指導や大気・水質・土壌環境中におけるダイオキシン類に対する常時監視等をより一層強化していく必要がある。
 また、排出抑制対策を一層充実させるため、ダイオキシン類等有害化学物質の検査分析体制の整備に努めるとともに、平成11年3月に策定した「大阪府ごみ処理広域化計画」を推進する必要がある。
 自動車から排出されるベンゼン等の有害大気汚染物質については、その排出・汚染実態の把握に努め、国等と連携しながら低減対策を検討する必要がある。
 外因性内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)等有害化学物質は、種々の発生源から大気、水、土壌等の環境媒体を経由するため、その挙動メカニズムも複雑であり、かつ、極めて低濃度でも影響を及ぼすことが懸念されている。
 このため、「大阪府化学物質適正管理指針」(平成7年5月施行)に基づき、事業者による有害化学物質の適正管理を推進するとともに、「Prtr法」の施行をひかえ、化学物質のデータベース化やリスクマネジメント手法等の検討等を行い、各関係機関と連携して多種多様な有害化学物質に対し、包括的に取り組む必要がある。

地球温暖化対策に向けた取組

 地球温暖化問題は、府民の一人ひとりの理解と実践が極めて重要であり、エネルギーと環境に配慮したライフスタイルの実践を促す観点から、「地球温暖化防止対策セミナー」の開催や「大阪府地球温暖化防止行動ガイドライン」のパンフレットを事業者や府民に配付するなど普及に努めてきたが、引き続き強力な広報活動を図る必要がある。
 また、大阪府が、事業者、消費者の立場から、あらゆる事務事業に環境への配慮を徹底していくことを目指して策定した「環境にやさしい大阪府庁行動計画(府庁エコアクションプラン)」に基づき、省エネルギーやリサイクル等の取組を一層推進し、平成11年2月、本庁舎を対象にして、環境管理の国際規格(ISO14001 )の認証を取得したが、これを他の府有施設でも取得できるよう取り組む必要がある。
 あわせて、平成11年4月に施行された地球温暖化対策の推進に関する法律を受け、府の事務事業に関して、温室効果ガス排出抑制等のためにとる措置についての府の実行計画の策定に取り組む必要がある。
 さらに、府内における省資源・省エネルギーの導入効果や、地域特性に応じた自然エネルギーや未利用エネルギーの活用方法等をふまえた「エコエネルギー都市・大阪計画(仮称)」の策定や「大阪府地球温暖化対策地域推進計画」の改定に取り組み、環境負荷の少ない循環型社会への変革を目指す必要がある。

循環型社会の構築に向けた取組

 今日の廃棄物問題をめぐる状況としては、近年の経済活動の多角化や大量生産・大量消費・大量廃棄型を基調とする生活様式の多様化に伴い、発生量の増大とともにごみ質の多様化が進展しており、最終処分場の不足やダイオキシン類による健康影響、不法投棄問題の顕在化など、廃棄物問題は「発生した廃棄物の適正処理」という対応だけでは限界にきている。
 府としては、良好な環境を保全し、持続的発展が可能な社会を創造するため、ごみ処理の広域化の促進、廃棄物の減量化やリサイクルの推進を通じて、環境負荷の少ない省資源・循環型社会の構築を図っていくことが重要であると考えている。
 このため、住民団体・事業者団体・行政の構成により設置した「大阪府廃棄物減量化・リサイクル推進会議」において、府域における減量化目標の設置、会員の自主的な取組の拡充を図っていくための「ごみ減量化・リサイクルアクションプログラム」の見直しを行い、その積極的な推進を図っていく。
 また、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」(以下、「容器包装リサイクル法」という。)に基づく分別収集品目が平成12年度から拡大すること(7品目から10品目)への対応や、平成13年度に本格施行される「特定家庭用機器再商品化法」(以下、「家電リサイクル法」という。)の円滑な推進に努める。
 さらに、社会システムの変革を求めるため、府民の自主的な参画を促進する試みとして、府は、平成6年に府民・事業者団体・行政等で構成する「豊かな環境づくり大阪府民会議」を設置し、実践活動を推進しているところであるが、青少年の頃から環境に配慮した生活・行動を実践していくためには循環型社会システムの具体例を分かり易く示し、それを体験的に学習できる環境教育のプログラム作りに取り組む必要がある。また、そのプログラムを広く環境学習拠点や学校等に普及させ、社会に根づく施策を講じるなど、循環型社会構築に向けて体系的に取り組む必要がある。


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12.豊かな環境の保全と創造に関する基本的施策の推進 

 今日の広範な環境問題に対する基本的施策として、府の機関相互の連携・調整を図る推進体制や行政・事業者・府民等との協働による推進体制を整備するとともに、規制的手法に加えて、環境影響評価、環境教育等の各種施策手法を適切に組み合わせ、施策の効果を高めることが求められている。

第1節 総合的・計画的な施策推進

 府、市町村、事業者、府民がそれぞれの立場で役割を担い、相互に連携を保ちながら、豊かな環境の保全と創造に向けて「大阪府環境総合計画」に基づく施策を総合的かつ計画的に推進していくとともに、「みどりの大阪21推進プラン」を受けて策定した「大阪府広域緑地計画」に示すみどりの将来像の実現に向けて、市町村や府民とも連携し、施策を推進する。
 また、「環境にやさしい大阪府庁行動計画」に基づく取組を一層充実強化するため、平成11年2月に認証取得したISO14001(環境ISO) に基づく取組を推進する。

第2節 事業活動における環境への配慮

 「大阪府環境影響評価条例」を平成10年3月に制定し、平成11年6月から全面施行した。今後は、同条例及び「環境影響評価法」の対象事業について、事業者が実施する環境影響 評価及び事後調査に関し、住民、関係市町村及び大阪府環境影響評価審査会の意見を踏まえて、必要な指導・助言を行う。
 関西国際空港及びその関連事業については、「関西国際空港環境監視機構」(会長:知事)において、事業主体が実施する環境監視データ等を収集・検討し、必要に応じて対策を要請・勧告してきたが、さらに、関西国際空港2期工事の実施、今後の航空機離発着回数や自動車交通量の増加等に伴い、環境面で地域住民の生活に支障が及ぶことのないよう、事業者等に対する各種の働きかけを行う。
 事業者自らが事業活動に伴う環境への負荷の低減を図り、事業活動が豊かな環境の保全及び創造に結びつくよう、ISO14001等の環境規格の普及や、「環境総括責任者」の設置を促進する。また、エコビジネス促進のため、グリーン購入の推進や、情報の提供等の支援を行うとともに、新産業分野として、育成手法を検討していく。

第3節 自主的な活動の促進

 子供からお年寄りに至るあらゆるライフステージにおいて、環境問題に対する関心、知識・技能、実践行動といった段階に応じたメニューを展開するため、市町村、民間団体との連携や役割分担を図りながら、インターネット等を活用した広域的な情報提供・交流の基盤づくり、府民の自主的な環境保全に対する助成・奨励事業等を重点的に展開する。

第4節 環境情報の活用

 種々の環境情報を総合的に活用できるよう体系的なデータベース化を推進し、加えて、各種地理情報や人工衛星データを活用した広域の都市環境モニタリングシステムを検討するとともに、解析・予測等を行うソフトウェアの充実や画像処理装置を利用した表示システムの整備を図る。
 また、インターネット等による環境情報提供システムの整備を進め、府民参加型の環境ホームページである「かんきょう交流ルーム」を通じて、府民、事業者による自主的な環境情報の交流を促進する。

第5節 調査研究の推進

 「大阪府研究開発大綱」に基づき、公害監視センター、公衆衛生研究所、産業技術総合研究所、農林技術センター、水産試験場、淡水魚試験場等の府立の試験研究機関及び府立大学を中心として、広範な調査研究を実施してきたが、さらに、地球環境保全、ダイオキシン類対策、環境と調和した産業技術・システム等、新たな課題に対応した調査研究を行っていく。


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13.府民が健康で豊かな生活を享受できる社会の実現

 府域ではこれまで深刻な産業公害を経験し、これを克服することでより豊かな生活環境を築き上げてきた歴史がある。しかし、生活様式の多様化や社会システムの変化、科学技術の進展等を背景とした新たな環境問題も顕在化しており、今後も継続して必要な対策を行い、生活環境を保全する必要がある。

第1節 自動車公害の防止

 近年の自動車保有台数の増加や都心部への自動車交通の集中は、排出ガスによる大気汚染や騒音等の深刻な自動車公害をもたらし、平成7年7月の西淀川公害訴訟大阪地裁判決や国道43号線訴訟最高裁判決等において、自動車公害に対する国等の責任と対策の必要性を認めた司法判断がなされるなど、沿道環境の改善をはじめとする自動車公害の防止は、現下の急務となっている。
 このため、「大阪府自動車排出窒素酸化物総量削減計画」に基づき、発生源対策の強化、低公害車の普及促進、自動車使用の合理化等の諸施策を関係機関の連携の下に総合的に推進するとともに、個別の事業者に対する自動車排出窒素酸化物の削減指導や、京阪神6府県市共同による低NOx車の普及促進等、窒素酸化物削減対策をより一層強力に推進する。あわせて、自動車走行量を抑制するための交通需要マネジメント(TDM)等の新たな対策について、関係機関とともに検討していく。
 局地的に窒素酸化物濃度や騒音レベルの高い交差点等においては、渋滞交差点の立体交差化、バイパス道路の整備等の道路構造の改良、環境施設帯等の緩衝帯の確保等、沿道環境改善方策の導入を推進するとともに、土壌や光触媒を活用した大気浄化システムの早期実用化を図る。
 また、毎月20日に実施しているノーマイカーデー等の府民運動を「大阪自動車公害対策推進会議」等の諸活動を通じて展開するとともに、駐車時におけるアイドリング停止の周知徹底を図る。自動車から排出されるベンゼン等の有害大気汚染物質については、その排出・汚染実態の把握に努め、国等と連携しながら低減対策を検討する。
 自動車騒音については、「大阪府道路環境対策連絡会議」で策定した「大阪府域の沿道環境対策について」に基づき、関係機関と連携し、発生源対策や道路構造対策等、総合的な対策を推進する。

第2節 廃棄物・リサイクル対策の推進

 廃棄物の発生抑制については、「ごみ減量化・リサイクルアクションプログラム」の実践啓発等を通じて、生活様式の見直し、事業者による製品の生産・流通等の各段階における発生抑制や再生利用等が容易な製品づくりを促進する。
 リサイクルの推進については、平成8年11月に策定した「大阪府分別収集促進計画」により、広域的な視点から市町村への助言・指導等に努める。また、「容器包装リサイクル法」に基づく分別収集品物が、平成12年度から拡大すること(7品目から10品目)への対応や、平成13年度に本格施行される「家電リサイクル法」の円滑な推進に努める。
 さらに、リサイクルセンターやリサイクル関連施設等の整備を促進するとともに、再使用、再生利用を推進するため、リサイクルルートの確保と府民意識の向上を図る。
 廃棄物の適正な処理の推進については、廃棄物処理法や「大阪府産業廃棄物管理計画」に基づき、排出事業者・処理業者等への指導を徹底する。また、「大阪府ごみ処理広域化計画」に基づき、府内6ブロックにおける施設整備や減量化・リサイクルの推進に関する実施計画を策定し、その推進に努めるとともに、市町村が行うごみ処理について、ダイオキシンの排出抑制等も含めた技術的な援助等を行う。
 廃棄物の適正管理(発生抑制、リサイクル、適正処理)のための基盤づくりを進めるため、ウェイストデータバンクの充実を図るとともに、近畿圏産業廃棄物情報管理ネットワーク事業への参画と産業廃棄物発生量等の推計手法の検討を行う。
 また、廃棄物処理法改正や国の建設廃棄物処理ガイドライン改訂の動向を踏まえつつ、平成9年12月に策定した「建設工事等における産業廃棄物の処理に関する要綱」(平成10年4月施行)及び「建設工事等における産業廃棄物に係る元請業者の処理責任に関する指導指針」(平成10年11月施行)に基づき、リサイクル等の減量化の推進や適正処理の確保を図る。
 また、廃棄物の減量化・リサイクルの推進、施設の信頼性・安全性の向上及び不法投棄対策等の総合的な対策として平成9年6月に廃棄物処理法が改正・公布されたが、この法改正にあわせ、排出事業者・処理業者等に対し産業廃棄物の適正管理を指導していく。
 特に最近発生している大量の産業廃棄物の野積み等、悪質な違法行為を防止するため、「大阪府産業廃棄物不適正処理対策要綱」(平成10年11月施行)に基づき、早期の勧告・命令による改善指導の徹底を図るとともに、告発を含め、警察との連携による指導の強化を行っていく。

第3節 大気環境の保全

 大気汚染物質の削減対策について、窒素酸化物については、自動車排出ガス対策とあわせて工場等に対する法・条例に基づく規制や要綱等に基づく指導を引き続き積極的に実施し、排出抑制を図っていく。
 また、近年普及しつつあるコージェネレーションシステムについても同様に排出抑制を図る。さらに、中小工場や一般家庭等の群小発生源に対しても、低Nox機器の普及促進、良質燃料の使用や省エネルギー等のエネルギー面の対策も含めたきめ細かい対策を講じて、環境保全目標の早期達成を目指す。
 また、浮遊粒子状物質については、発生機構や発生源別の寄与等の解明に努めるとともに、工場・事業場からのばいじんや粉じんの排出抑制や、自動車から排出される粒子状物質の低減等の対策を推進する。
 大気汚染防止法の改正(平成8年5月)により有害大気汚染物質についての基本的枠組みが構築されたことから、環境基準が設定されたベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの3物質をはじめ、その他の有害大気汚染物質についても、モニタリングを実施して環境中の濃度を把握し、排出抑制対策を推進する。
 悪臭防止対策については、悪臭を発生させないように事業者・府民の意識高揚を図っていくとともに、規制事務が委任されている市町村に対し、悪臭防止法の改正(平成8年4月施行)により導入された嗅覚測定法の活用等、規制業務が円滑に推進するための適切な技術的助言・指導を行う。また、生活環境保全条例に基づき、ゴム、皮革、ピッチ、合成樹脂等の屋外燃焼行為に対する規制を行うとともに、その他の物質の屋外燃焼行為による苦情に対する指導方法等を検討する。

第4節 水環境の保全

 大阪の河川や大阪湾の水質改善のため、Bod汚濁負荷の約8割を占めている生活排水の対策として、2001年に向け、生活排水の適正処理100%達成を目標として、下水道の整備や下水の高度処理、合併処理浄化槽の普及、農業・漁業集落排水処理施設の設置を推進する。また、生活排水対策重点地域の追加指定を検討するとともに、生活排水対策指導員育成事業等を行う市町村に対して支援を行う。
 産業排水については、工場・事業場に対する排水濃度規制を引き続き徹底するとともに、Cod汚濁負荷量の総量削減の計画的な推進、窒素及び燐の排出に対する規制、指導の強化を行う。
 水環境の保全と創造については、汚泥のしゅんせつや浄化用水導入事業等を実施するとともに、多自然型川づくりによる護岸形成を行うなど生態系にも配慮した環境づくりを行う。また、大阪湾においては、干潟・浅場の造成等失われた自然環境を取り戻す施策の検討を進める。
 水質の改善や快適な水環境の保全及び創造には、地表面・地下にまたがるスケールで健全な水環境を再生することが必要であることから、「水循環再生アクションプログラム」を活用し、関係機関の意識啓発を図るとともに、雨水の浸透促進等による水源のかん養機能の向上や、雨水、下水処理水、地下水等の適正利用を推進する。

第5節 地盤環境の保全

 地盤沈下に関しては、府内全域の地下水の水位、水質、採取量等の基礎データを収集・解析し、地盤沈下を起こさない安全揚水量をはじめとする地盤沈下機構の解明に関する調査・研究を実施し、地盤環境に係る総合的な地下水管理手法の検討を行い、地盤沈下の未然防止を目指す。
 地下水汚染に関しては、工場・事業場に対し法令による規制・指導の徹底に努めるとともに、環境監視を行うほか、専門家からなる大阪府地下水汚染対策検討委員会での検討結果を踏まえ事業場を指導するなど、地下水汚染対策を推進していく。

第6節 騒音・振動の防止

 大阪国際空港周辺における航空機騒音については、発生源対策及び周辺環境対策の一層の推進を国に要望するとともに、大阪国際空港周辺緑地(利用緑地)の早期整備に努める。また、住宅移転補償、移転跡地を活用した地区整備、防音工事に対する補助事業等の一層の推進を図っていく。
 一方、関西国際空港は、今後さらに飛行便数の増加が考えられるため、航空機騒音の環境監視を継続し、その実態把握に努める。また、関西国際空港へのアクセス特急による騒音・振動については、「南海本線・JR阪和線騒音・振動等問題協議会」の中間報告に基づく鉄道事業者の対策の促進を図る。

第7節 有害化学物質対策の推進

 府民への健康影響を未然に防止するため、環境調査の充実や化学物質の管理促進や環境中への排出抑制を図っていくが、平成11年7月13日に「Prtr法」が、また、平成11年7月16日に「ダイオキシン類対策特別措置法」が公布されたこと等から、国をはじめとする関係機関と連携を図りつつ法の円滑な施行に努めるとともに、府域におけるより効果的な有害化学物質の排出抑制対策の検討及び実施に努める。さらに、排出抑制対策の一環として、ごみ処理の広域化計画を推進するとともに、事業者に対する財政支援措置等について国に要望する。
 大気環境に係る有害物質対策については、有害大気汚染物質モニタリング体制の整備、排出実態の把握、法令に基づく規制基準の遵守徹底及び大阪府廃棄物焼却炉に係る指導指針に基づく排出抑制指導並びに大阪府化学物質適正管理指針に基づく排出抑制の促進等に努める。
 水質環境に係る有害物質対策については、法令に基づく規制基準の遵守徹底を図るとともに、公共用水域のモニタリング体制の整備等に努める。また、上水道水源地域の淀川、大和川水系での水質調査を行うとともに、農薬使用者への農薬の適正使用等について指導し、あわせてゴルフ場に対しては、「大阪府ゴルフ場農薬適正使用等指導要綱」に基づき、低毒性農薬の使用等の指導や水質の監視を行う。
 地下水及び土壌については、土壌汚染の状況把握や有害物質を含む汚水等の地下浸透の禁止などにより、汚染の未然防止を図るとともに、汚染が判明した地下水については、原因究明調査をし、汚染者の特定とともに地下水の浄化を図る。また、土壌については、ダイオキシン類対策特別措置法の施行に伴い、環境基準を満たさない地域については土壌の除去等の対策を行う等、土地の利用等により人の健康に係る被害が生ずることのないよう防止に努める。

第8節 環境保健対策等の推進

 環境汚染による健康被害の未然防止の観点から、環境汚染と健康影響の継続的な調査の実施や科学的知見の集積等を図るとともに、できるだけ早期に適切な予防措置を講じるための環境保健サーベイランスシステムの構築を図るため、環境汚染による健康影響等の監視体制、環境保健に関する調査研究や情報管理体制の整備を推進する。
 また、災害時における生活環境を保全するため、平成9年3月に策定した「大阪府地域防災計画」に基づき、災害に強いまちづくりに向け、災害による環境への影響を未然に防止するための予防策や、環境への影響が生じた場合における応急対策の体制整備を今後とも推進するとともに、復興段階における環境配慮の組み込み等についての調査検討等を行う。


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14.自然と共生する豊かな環境の創造

 府内の自然は、府民にとって、かけがえのない貴重な財産であり、多様性のある豊かなみどりの創出や生態系の多様性の確保によって、その豊かな恵みを受けることができる。
 このため、自然環境の保全・回復及び活用を進めるとともに様々な場の中で、自然と人間との豊かなふれあいを保ち、自然と人間との共生を図ることによって、将来にわたって府民がその豊かな自然の恵みを引き続き受けられるよう、大阪府環境総合計画、みどりの大阪21推進プラン及び大阪府広域緑地計画に示す施策の大綱に沿って、以下の施策を推進していく。

第1節 生態系の多様性の確保

 府内には、シカ、ニホンザル等の33種の獣類、365種の野鳥をはじめ、特別天然記念物として指定されているオオサンショウウオや、天然記念物のアユモドキやイタセンパラといった野生動植物が生息している。
 今後は、府内における野生動植物の分布、生息・生育状況を把握し、第8次鳥獣保護事業計画の推進をはじめ、希少な動植物の保護・保全を図る。また、野生動植物の生息等に配慮し、ビオトープの保全・回復に努めるほか、都市部等の自然の少ない地域にあっては、新たなビオトープの創出を図る。さらに、点在するビオトープを多自然型川づくりの推進、緑道の整備等で有機的に結ぶことにより、多様な生態系を確保・創出する。

第2節 多様な自然環境の保全・回復、活用

 農空間の保全については、中山間地域の棚田を農村の原風景としての保存、多様な生態系の保全、雨水の一時貯留による国土保全という観点から、基金の積み立てにより、府民と地域が一体となった保全活動を推進する。
 水辺環境については、周辺の環境や地域整備と一体となった河川改修を行い、生き物にやさしい、自然環境に配慮した多自然型川づくり等の整備を実施する。また、農業用水路を従来の農業用水のほか、安全なまちづくり、水と緑豊かな水辺づくり等、府民に身近な水辺として活用するため、親水・景観保全施設等の整備を推進する。さらに、港湾地域においては、環境と共生する港湾(エコポート)を目指し、人工干潟、底質改善、親水緑地等、海・陸双方にわたる港湾環境インフラの総合的な整備を図る。

第3節 自然とふれあう場と機会づくり

 金剛生駒紀泉国定公園の拡大地域において、和泉葛城山ブナ林とその周辺地域の自然環境を保全・修復するために施設整備を実施するほか、河川において、自然環境に配慮しながら、遊歩道や広場階段護岸の整備等を進める。
 また、「山地美化キャンペーン月間」「河川愛護月間」「ため池愛護月間」「海岸愛護月間」等により、森林、河川、ため池及び海辺でのふれあいの場と機会づくりを図り、府民に自然環境の保全、資源保護の重要性について広報啓発活動を行い、モラルの向上を図る。

第4節 自然環境の保全・創造のための活動の推進

 府民に、自然に対する正しい理解を普及するため、自然環境に関する教育及び学習の振興に努め、自然環境保全指導員の巡視活動に資する研修会の開催、みどりに関するより高度なボランティアとしての「みどりすと」や身近な緑化推進活動のリーダーとなる「緑アドバイザー」の養成、緑の少年団の拡大により、自主的な活動を促進する人材の養成を促進する。
 また、平成11年度開催の「全国育樹祭」を契機とし、広く府民のみどりに対する意識を啓発するとともに、みどりづくりの機運を醸成する。
さらに、啓発冊子の配付先の工夫等、より効果的なみどり施策の発信に努めるほか、インターネット等の多様な情報チャンネルを活用した自然環境に関する情報の収集・提供に努める。


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15.文化と伝統の香り高い環境の創造

 都市が、経済的にも文化的にも活気にあふれる場所であり続け、人々を引きつける魅力をもち、人々が集まる賑わいそのものが都市の魅力をさらに増幅させるという、賑わいに満ちた都市空間を創り出すためには、都市に潤いや安らぎを持たせ、地域の個性を活かした都市景観の向上を図るとともに、歴史的文化的遺産を保全し、その活用を図るなど、文化を演出する多彩な空間を創出することが必要である。

第1節 潤いと安らぎのある都市空間の形成

 蜻蛉池公園や府営大泉緑地の拡大等、府営公園の整備を実施する。また、庁舎・府営住宅・府立学校等の公共施設を緑化するとともに、民間施設の緑化推進を誘導するため、「大阪府緑化支援隊」等の緑化推進事業の活用を図る。
 水辺環境については、河川環境整備事業や都市海岸高度化事業等を実施することにより、周辺の環境と調和した整備を行うとともに、府民の誰もが親しめるような安全性の高い水辺環境を創出する。
 さらに、歩道や広場等の公共性の高い空間についても、防災や福祉のまちづくりの観点から、高齢者や障害者、子供等、誰もが利用しやすく、災害時には避難地や延焼防止空間、避難路等となるよう総合的な環境づくりを進める。

第2節 美しい景観の形成

 「大阪府景観条例」に基づき、府有施設や道路等公共施設の整備にあたっては、周辺環境との調和を図り、まち全体の景観向上を推進するような施設づくりを進めるとともに、府民・事業者・行政が適切に役割を分担しながら、総合的、計画的な景観施策を展開し、美しい景観づくりを推進する。
 また、府民・事業者・行政の協働による美しい世界都市大阪の実現のため、「大阪美しい景観づくり推進会議」を核として、景観づくりに取り組んでいる団体の連携を強化していくとともに、まちづくり功労者の表彰やイベント等の啓発事業により、美しい景観づくりに対する府民の意識高揚を図る。

第3節 歴史的文化的環境の形成

 大阪には、古代から現代に至るまでの歴史的文化的遺産の象徴とも言えるものが点在しており、地域の特色となるこれらの要素を周囲の環境も含めて活かし、歴史的文化的雰囲気が保全・再生されるよう配慮する必要がある。
 今後は、史跡・名勝等の文化財の調査・保全を図るとともに、地域の歴史的文化的環境の核として重要な史跡等に対し、指導・助成を行う。また、狭山池の改修工事に伴い、発掘された各時代の最先端土木技術遺産を展示し、日本の土地開発の歴史の様々な情報を発信する「狭山池 ダム資料館(仮称)」の開設を目指す。
 さらに、歴史・文化に対する多様な府民のニーズを適切にくみ取り、博物館の展示やイベント開催により、大阪の風土や歴史、文化について身近にふれあえる機会の提供及び啓発に努める。


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16.地球環境保全に資する環境に優しい社会の創造

 地球環境問題は、人類の生存基盤に関わるものとして、国際社会全体が協力して取り組むべき重要な課題である。地球環境を保全しつつ持続的な発展が可能な社会の実現を図るために、府民の日常生活や社会経済活動が環境への負荷の要因となっているという認識の下に、環境への配慮が十分になされる地域社会の構築を目指す必要がある。

第1節 地球環境保全に資する取組の推進

 すべての主体の協働による行動の推進のために、府、市町村、事業者、民間団体等で構成する「豊かな環境づくり大阪府民会議」によって策定した「地球環境保全行動指針」の普及啓発に努めるとともに、行動指針の具体化を図るために毎年見直し、策定する大阪府版ローカルアジェンダ21「豊かな環境づくり大阪行動計画」に基づいた実践活動を展開していく。
 地球温暖化対策については、平成9年12月に「地球温暖化防止京都会議」で、採択された京都議定書を受け、平成7年3月に策定した「大阪府地球温暖化対策地域推進計画」の改定を行うとともに、「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づき、府の事務及び事業に関し、温室効果ガスの排出の抑制等のための措置に関する計画(実行計画)を策定する。
 また、近年特に、二酸化炭素の排出量が増加している民生部門での削減を促進するため、平成9年度に策定した「大阪府地球温暖化防止行動ガイドライン」の普及啓発を行い、府民の理解を深め、ライフスタイルの変革に取り組んでいく。
 オゾン層保護対策については、フロン回収等の促進についての啓発や市町村への支援を実施するとともに、関係業界、行政、学識経験者等で構成される「大阪府フロン対策協議会」を通じて、オゾン層保護対策のための適切なフロン回収・処理システムの構築を関係業界等に働きかける。
 国際技術協力の推進としては、府の環境保全技術や公害防止施策のノウハウ、環境モニタリング手法等を開発途上国等に移転するため、JICA(国際協力事業団)との連携による技術研修等を実施する。
 また、関西の自治体・経済界と連携して、「Apec環境技術交流促進事業」を通じて本府が蓄積してきた環境技術情報の発信等を図るなど、国際的な情報ネットワークへ参加し、環境保全情報の受発信を図る。

第2節 環境に優しい地域づくり

 府内における省資源・省エネルギーの導入効果、地域特性に応じた自然エネルギーや未利用エネルギー活用方策等を踏まえた「エコエネルギー都市・大阪計画(仮称)」を策定し、環境負荷の少ない循環型システムへの変革を目指す。
 廃棄物の発生抑制及びリサイクルの推進としては、事業者・住民・行政の果たすべき役割と具体的な行動を取りまとめた「ごみ減量化・リサイクルアクションプログラム」及び事業者責任の原則のもと、排出管理・減量化・適正管理を基本目標とする「大阪府産業廃棄物管理計画」に基づく廃棄物の発生抑制、再生利用、中間処理等の推進や、建設副産物、浄水処理過程で発生する汚泥(水道残渣)や流域下水道から発生する処理水・汚泥等のリサイクルを行う。
 また、府有建築物の建設工事について、「建設副産物等リサイクル推進要領」(平成9年3月策定)に基づき、建設副産物等のリサイクルを推進していくとともに環境共生建築技術の府有施設への導入を図る。
 環境にやさしい地域の基盤整備としては、都市のヒートアイランド現象を緩和するため、緑と水の保全と創出として、公園・緑地及び道路等の公共施設についての緑化を推進するとともに、市街地の大部分を占める民間施設についての緑化を支援及び意識啓発等により促進する。また、二酸化炭素の吸収源である森林の適切な保全管理及び造成事業を推進する。
 また、「環境にやさしい大阪府庁行動計画」に基づき、府の施設及び事業等について、地球環境保全の観点から、省資源、省エネルギーやリサイクルの推進、新エネルギーの導入、自然エネルギー・未利用エネルギーの活用及び緑と水の保全と創出等について検討し、実施に努める。


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環境農林水産部 環境農林水産総務課 企画グループ

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