【平成09年度】 環境の状況並びに豊かな環境の保全及び創造に関して講じた施策に関する報告(概要)

更新日:令和2年2月20日

 

 

 
 
 


1997年度【平成09年度】

目次

  1. 生活環境
  2. 自然環境
  3. 都市環境 
  4. 地球環境 
  5. 豊かな環境の保全及び創造に関して講じた施策
  6. 豊かな環境の保全と創造に関する基本的施策の推進
  7. 府民が健康で豊かな生活を享受できる社会の実現
  8. 自然と共生する豊かな環境の創造
  9. 文化と伝統の香り高い環境の創造
  10. 地球環境保全に資する環境に優しい社会の創造
  11. 今後の課題と方向
  12. 豊かな環境の保全と創造に関する基本的施策の推進
  13. 府民が健康で豊かな生活を享受できる社会の実現
  14. 自然と共生する豊かな環境の創造
  15. 文化と伝統の香り高い環境の創造
  16. 地球環境保全に資する環境に優しい社会の創造

 

1.生活環境

(1)自動車

  • 府域の自動車保有台数は約378万台で、この10年間に1.29倍となっており、車種別では乗用車の増加が大きい。また、窒素酸化物などの排出量の多いディーゼル車の総台数に占める割合は、上昇を続けてきたが、平成9年度は前年度に比べ若干減少した。

自動車保有台数の推移

(注)1運輸省調べ(各年度末現在)
乗用車:普通・小型・軽乗用車
貨物車:普通・小型・小型三輪車・軽貨物車及び被牽引車
その他:乗合車・特殊用途車、二輪車

ディーゼル化率の推移
(注)運輸省調べ

(2)廃棄物

[1]産業廃棄物

  • 産業廃棄物の発生量(平成7年度)は、2,038万トンであり、前回実態調査を行った昭和62年度に比べて1割弱減少している。また、発生量のうち83.2%(1,696万トン)が有効利用や中間処理により減量され、16.8%(342万トン)が埋立等最終処分されている。

[2]一般廃棄物

  • 府域で排出されたごみの総量は、平成5年度以降増加傾向であったが、平成8年度は451万トンで、前年と同じであった。

産廃発生量の推移

(注)直接搬入量を含み、自家処理量を含まない。

(3)大気環境

[1]二酸化窒素

  • 年平均値は、一般環境測定局(一般局)で0.025ppm、自動車排出ガス測定局(自排局)で0.039ppmであり、前年度と比べ、一般局では0.001ppm、自排局では0.002ppm減少した。
  • 環境保全目標は、一般局では有効測定局81局中66局(前年度は82局中73局)、自排局同38局中13局(前年度は37局中11局)で達成した。

二酸化窒素濃度の推移

[2]光化学オキシダント及び光化学スモッグ

  • 光化学オキシダントの環境保全目標は、前年度に引き続き全局で未達成であった。
  • 光化学スモッグの発生状況は、予報7回、注意報3回で、前年度に比べ予報は8回、注意報は7回減少した。また、光化学スモッグによると思われる被害の訴えはなかった。

[3]浮遊粒子状物質

  • 年平均値は、一般局で0.038mg/‰、自排局で0.046mg/‰であり、前年度と比べ、一般局では0.003mg/‰、自排局では0.005mg/‰減少した。
  • 環境保全目標(長期的評価)は、一般局では有効測定局80局中33局(前年度は81局中50局)、自排局では同31局中4局(前年度は30局中7局)で達成した。

浮遊粒子状物質

[4]二酸化硫黄及び一酸化炭素

  • 環境保全目標(二酸化硫黄は長期的評価のみ)は、引き続き、有効測定局全局で達成した。

(4)水環境

[1]河川

  • 健康項目のカドミウム等23項目について98河川138地点で調査を実施し、すべての河川で環境保全目標を達成した。
  • 生活環境項目について、生物化学的酸素要求量(Bod)では、73河川水域中35河川水域で環境保全目標を達成した。

BOD
達成率(%)=(環境保全目標達成河川水域数/環境保全目標当てはめ河川水域数)×100

[2]海域

  • 健康項目については、すべての測定地点で環境保全目標を達成した。
  • 生活環境項目について、化学的酸素要求量(Cod)の表層の値では、C海域では全地点で環境保全目標を達成したが、A海域及びB海域では全地点で達成しなかった。
  • 全窒素、全燐については、4の海域で双方の環境保全目標を達成し、2の海域で双方の暫定目標を達成した。また、3の海域では全窒素の環境保全目標を達成したが、全燐の環境保全目標は達成しなかった。

COD

大阪湾の全窒素・全燐に係る環境保全目標達成状況

類型

全窒素

全燐

環境保全目標値

海域内年平均値

環境保全目標値

海域内年平均値

地点数

暫定目標値

8年度

判定

9年度

判定

暫定目標値

8年度

判定

9年度

判定

2の海域

0.3

0.39

×

0.37

×

0.03

0.035

×

0.034

×

10地点

0.42

0.034

×

3の海域

0.6

0.64

×

0.58

0.05

0.055

×

0.052

×

7地点

0.68

4の海域

1

0.84

0.78

0.09

0.076

0.071

5地点

1.2

<単位 : mg/L>
* 類型は「大阪湾の全窒素及び全燐の係わる環境基準」によるもの。
対象海域内の大阪府、兵庫県の全測定地点平均値を評価。 
類型3の海域と4の海域に関しては全燐の暫定目標値はない。

大阪湾水域類型

画像です。大阪湾水域類型

(5)地盤環境

[1]地盤沈下

  • 水準点535点について測量を行ったが、年間沈下量が1cm以上の沈下点はなく、全般的に沈静化の傾向にある。

[2]地下水汚染

  • 府域の全体的な地下水質の概況を調査するため、86地点の井戸水を調査したところ、5地点で環境保全目標を達成しなかった。

[3]土壌汚染

  • 農用地の土壌汚染については、基準を超える汚染は認められなかった。

(6)ダイオキシン類等

[1]有害大気汚染物質

  • 16項目の測定を23地点(府4、関係市19)で行った。そのうち、ベンゼンの平均濃度は、一般環境で0.00335mg/m3、固定発生源周辺で0.00293mg/m3、また、沿道で0.00511mg/m3であり、トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンの平均濃度は、それぞれ0.00230mg/m3、0.00234mg/m3であった。

    一部を除き通年測定を行っていないので、年平均値として設定している環境保全目標との比較・評価は、今後行うこととする。
    *環境保全目標値 ベンゼン・・・0.003mg/m3、トリクロロエチレン・・・0.2mg/m3、テトラクロロエチレン・・・0.2mg/m3

[2]ダイオキシン類

  • 一般環境大気測定を34地点(府11、関係市23)で行った。そのうち、27地点(夏季と冬季2回測定地点)におけるダイオキシン類濃度の年平均値は、0.13から1.3pg-Teq/m3であり、6地点で指針値(年平均値0.8pg-Teq/m3以下)を上回った。

<単位 : pg-Teq/㎥>

所在地

測定地点

平均値

所在地

測定地点

平均値

枚方市

 1北河内府民センタービル

0.33

堺市

 1少林寺局

0.17

大阪市

 2旧府立公衆衛生専門学校

0.64

 2金岡局

0.24

堺市

 3府立泉陽高等学校

0.81

 3浜寺局

0.16

堺市

 4府臨海公園事務所

0.14

 4深井局

0.13

寝屋川市

 5寝屋川市役所

0.32

 5登美丘局

0.19

池田市

 6豊能府民センタービル

0.24

 6若松台局

0.24

藤井寺市

 7藤井寺市役所

0.60

枚方市

 1王仁公園局

0.18

富田林市

 8富田林市役所

0.28

 2楠葉局

0.40

泉大津市

 9泉大津市役所

1.20

 3香里局

0.87

貝塚市

 10貝塚市消防署

0.47

 4尊延寺

0.66

泉南市

 11泉南市役所

1.00

東大阪市

 1西保健所

0.31

*: 上記の測定値点は、大阪府所管である。

豊中市

 1市役所局

<0.19>

 2千成局

<0.21>

大阪市

 1菅北小学校<北区>

0.36

吹田市

 1北消防署<藤白台>

<0.17>

 2平尾小学校<大正区>

0.84

 2簡易裁判所<寿町>

<1.40>

 3淀中学校<西淀川区>

0.64

高槻市

 1高槻市役所<桃園町>

<0.79>

 4茨田北小学校<鶴見区>

1.30

 2高槻南局<芝生町>

<0.82>

 5摂陽中学校<平野区>

0.72

 3高槻北局<大蔵司>

<0.31>

  • 平成9年9月に、河川2地点(淀川下流及び大和川下流)及び海域4地点(大阪湾)で調査を実施し、河川については、淀川下流で0.2pg-Teq/L、大和川下流で0.4pg-Teq/Lのダイオキシン類が検出されたが、海域については、4地点のいずれでも検出されなかった。

調査区分

調査地点

調査結果

河川

 淀川下流<毛馬閘門>

0.2

 大和川下流<遠里小野橋>

0.4

海域<大阪湾>

 公共用水域調査地点

調査結果

 C-3<大阪港沖>

0.0

 B-3<堺市沖>

0.0

 A-2<泉大津市沖>

0.0

 A-6<泉佐野市沖>

0.0

(7)騒音(P33から42)

[1]環境騒音

  • 環境騒音の状況を環境保全目標の平均適合率でみると、道路に面しない地域は71.4%、道路に面する地域は16.5%であった。
  • 道路に面する地域の環境保全目標の適合率の推移をみると、朝、昼間、夕及び夜間の4時間帯のすべてが環境保全目標に適合している割合は、平成6年度以降やや低下傾向にあったが、平成9年度は前年度に比べやや上昇し、7.3%であった。

環境騒音

[2]航空機騒音

  • 大阪国際空港においては、3局の常時測定結果では、平成6年度及び7年度は関西国際空港の開港に伴う発着回数の減少により航空機騒音レベルは減少したが、平成9年度は前年度とほぼ同程度であった。8地点の随時測定結果では、2地点で環境保全目標を達成した。
  • 関西国際空港においては、大阪湾沿岸地域等の15地点全てにおいて環境保全目標を達成した。

航空機騒音


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2.自然環境

(1)生態系の多様性

[1]生息鳥獣

  • 府域の野生鳥獣については、明治の森箕面国定公園内に生息する天然記念物のニホンザルや北摂山系の渓流に生息する貴重種のカワネズミをはじめ、33種の獣類と360種の鳥類が確認されている。

[2]魚類

  • 府域には約60種類の淡水魚が生息しており、そのうちイタセンパラ、アユモドキ(ともに天然記念物)及びニッポンバラタナゴは環境庁から絶滅の危惧種に指定されている。

[3]植生

  • 府域を暖温帯と冷温帯に分けると、暖温帯ではミミズバイ−スダジイ群落、府指定天然記念物のシリブカガシ群落等の貴重な自然植生が残存している。また、冷温帯の自然植生としては、和泉��城山のブナ林が国の天然記念物に指定(大正12年)されている。

[4]その他

  • 府域では、特別天然記念物オオサンショウウオが、北摂山系等の河川に生息している。

(2)多様な自然環境

[1]自然海岸

  • 自然海岸として、府南部の泉南市と阪南市の境に河口干潟が、岬町に岩礁がそれぞれ見られるが、府の海岸線に占めるこれら自然海岸の割合はわずか1%程度である。

[2]森林・農地

  • 府域の森林については、南河内等の生産性の高い林業経営が行われている地域を除いて、資産保持的な傾向が強く、他用途への転用により森林面積は漸減の傾向にある。
  • 農地については都市化の進展等に伴い、毎年減少している。
森林面積及び耕地面積の推移(単位:ha)
平成5
森林面積57,18057,12957,08357,04657,008
耕地面積17,50017,40017,20017,00016,400

[3]ため池

  • 府域には約1万1千か所のため池が点在し、その大半は堺市、松原市及び八尾市を結ぶ地域から南に集中して分布しており、他は淀川水系の水が利用できない生駒山麓及び北摂丘陵地帯に分布している。
ため池の状況
地域名北部大阪市中部南河内泉州合計
ため池数2,0052,3253,4983,49411,328

(3)自然とのふれあい

[1]国定公園利用者数等

  • 府域には明治の森箕面国定公園と金剛生駒紀泉国定公園の2つの国定公園があり、平成8年の利用状況はそれぞれ215万人と1,300万人であった。また、自然の状況に応じたふれあいのための施設が整備されている。

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3.都市環境

(1)潤いとやすらぎのある都市空間

[1]緑被率

  • 府域における緑被地は、府域面積の52.7%にあたる99,372haである。

緑被現況 < >は樹林・樹木飲みの緑被

総面積【ha】

緑被面積 【ha】

緑被率 【%】

188,625

99,372

52.7

<70,155>

<37.2>


注 : 1.緑被地は、樹林・樹木に被われた」区域、草地<芝地を含む>農地、果樹園である。
注 : 2.緑被地の抽出、面積計測は、平成4年度撮影の空中写真、及び地形図による。
注 : 3.総面積は、平成3年末現在<国土地理院>のもの。

[2]公園・緑地

  • 府域には、2か所の自然公園(金剛生駒紀泉国定公園、明治の森箕面国定公園)のほか、都市の中の緑とふれあえる空間として、平成9年3月現在で、4,524か所、総面積3,902haの都市公園(府営公園、市町村公園及び国営公園)が開設されている。
  • 都市公園の開設面積は、全国的にはかなり高水準にあるものの、府民1人あたりでは 4.43m2で、全国平均(7.28m2)を下回っている。

都市公園

[3]道路緑化

  • 平成9年4月1日現在、緑化延長412km、管理本数約227万本となっている。

[4]風致地区

  • 平成10年3月現在、府域(大阪市、堺市を除く)では、11市25地区2,609haを指定している。

(2)景観

[1]景観

  • 周辺環境の向上に役立つ景観上優れた建物や、緑に包まれた潤いのある都市空間のモデルとなる優れた施設を表彰することにより、景観に対する意識の高揚を図っている。平成9年度においても、大阪まちなみ賞やみどりの景観賞の表彰を行った。
大阪まちなみ賞
〔大阪府知事賞〕
泉佐野市総合文化センター(泉佐野市)
みどりの景観賞
〔最優秀賞〕
江坂公園(花とみどりの相談所、図書館、駐車場)(吹田市)

(3)歴史的文化的環境

[1]史跡・文化財等

  • 大阪は、古くから政治、経済の中心として発展してきたところであり、大坂城跡、難波宮跡、応神・仁徳陵古墳、池上曽根遺跡等、先人の活躍の跡とも言える歴史的文化的遺産が豊富に存在している。その状況は、国及び府指定等の文化財が1,241件、埋蔵文化財包蔵地は8,141件である。

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4.地球環境

(1)地球の温暖化

  • 大気中の二酸化炭素濃度は産業革命以前には280ppm程度であったが、現在では350 ppmを超えており、さらに年0.5%の割合で増加していると推測されている。
  • 府域の二酸化炭素排出量は、1994年度において1,560万炭素換算トンであり、1990年度に比べ約5%増加した。また、この量は全国の4.5%程度を占めている。

大阪府における二酸化炭素排出量

画像です。大阪府における二酸化炭素排出量

(2)オゾン層の破壊

  • クロロフルオロカーボン(Cfc:いわゆるフロンの一種)等の大気中濃度は依然として増加しているが、北半球中緯度においては、最近、Cfc11、12、113等の増加はほとんど止まっており、これは1989年7月から開始されたモントリオール議定書に基づく規制の効果と考えられる。

(3)酸性雨

  • 我が国における酸性雨の現況は、降雨のphの年平均値が4.5から5.8の範囲内にあり、欧米とほぼ同程度の酸性度が観測されている。
  • 府域における降雨pHの年平均値は、国設大阪局で5.22、池田局で4.88であり、前年度と比べて両局とも上昇傾向を示した。府の調査結果は、国レベルの調査結果とほぼ同程度であった。

週降雨の年平均pH及び出現頻度

週降雨の年平均pH及び出現頻度(国設大阪局)

週降雨の年平均pH及び出現頻度(池田局)


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5.豊かな環境の保全及び創造に関して講じた施策

 大阪府域は、古くから産業、商業の集積地として賑わってきたところであるが、昭和40年代には、日本の高度経済成長とともに、大規模発生源によってもたらされた大気汚染、水質汚濁等の産業公害が深刻な様相を呈するようになった。
 これらに対処するため、工場・事業場等の固定発生源に対する公害対策を総合的に推進した結果、府域の環境は、一時期の危機的な状況を避けることができた。
 しかしながら、移動発生源である自動車による大気汚染、生活排水による水質汚濁等の都市・生活型公害や廃棄物問題が顕在化し始めるとともに、地球の温暖化、オゾン層の破壊等の地球的規模の環境問題が提起されてきた。
 これらの問題は、府民一人ひとりの生活や社会経済活動と密接に関係していることから、ライフスタイルやエネルギーシステムまでを見据え、環境への負荷を与える、より根本的な原因にまで遡って、対策を講じる必要がある。
 一方で、潤いのある水辺や豊かなみどり、地域の個性を活かした景観の形成等、身近な自然環境を保全し、より質の高い快適な環境を求める府民ニーズも高まってきた。
 これらに対応するため、大阪府は、行政、事業者、府民のそれぞれの責務と、府の施策の基本となる事項を定めた「大阪府環境基本条例」(平成6年大阪府条例第5号。以下、「環境基本条例」という。)を制定するとともに、平成8年3月に、長期的な目標、施策の大綱及びその推進のための事項を定めた「大阪府環境総合計画」を策定し、「人のこころがかよいあう豊かな環境の保全と創造」を目指す施策を総合的、計画的に展開することとした。
 豊かな環境の保全と創造に関して平成9年度に講じた施策のとりまとめに当たっては、大阪府環境総合計画の進捗状況の把握の一環として、図に示す施策体系図に基づき整理した。
 平成9年度は、環境アセスメント手続きの公正さや透明性の向上等を図り実効性を高めていくために「大阪府環境影響評価条例」(平成10年大阪府条例第3号)を制定するとともに、「生活環境保全条例」の改正を行い、大気汚染や地球温暖化の防止につなげるために駐車時における自動車のアイドリングの規制を推進することとした。
 また、平成9年版の本報告第3部「今後の課題と方向」の冒頭で、環境問題を取り巻く今日的な状況に対応するために十分留意するとした地球温暖化防止に向けた取組、微量有害化学物質による環境汚染の未然防止に向けた取組及び環境学習の一層の推進に向けた取組については、以下のとおりそれぞれ施策を推進した。

地球温暖化防止に向けた取組

 「大阪府地球温暖化対策地域推進計画」に基づき、府民の地球温暖化対策への理解を深め、ライフスタイルの変革を図るために、平成9年12月に実施された地球温暖化防止京都会議に合わせて、「大阪府地球温暖化防止対策シンポジウム」を開催し、あわせて、「大阪府地球温暖化防止行動ガイドライン」を策定して、府民や事業者に対し、地球温暖化防止につながる具体的な行動の実践を呼びかけた。
 また、オゾン層の破壊性を持ち温室効果ガスでもあるフロン、四塩化炭素等の揮発性有機塩素化合物のモニタリング調査を実施し、今後の地球温暖化対策に資する情報を収集した。
 また、「エコエネルギー都市・大阪計画」策定の基礎となる、府域のエネルギー使用の実態調査や、省エネルギー技術の導入効果の検討を進めるとともに、太陽光発電等の自然エネルギーや、下水の熱エネルギー利用技術導入のため、関係部局で構成する研究会を設置し、府が取り組むべき課題の整理や施策の方向性、更には、計画中の公共施設への率先導入について全庁的な検討を開始した。
 今後は、研究会の検討結果や各種調査結果を踏まえ、環境にやさしいエネルギーシステムの構築に向け、平成11年度を目途に、基本理念や目標、実現方策等を示す「エコエネルギー都市・大阪計画」の策定に取り組んでいく。

微量有害化学物質による環境汚染の未然防止に向けた取組

 平成8年度に環境基準が設定されたベンゼン等3物質を含め測定方法が既に確立している16の有害大気汚染物質について、汚染の状況を把握するため、モニタリングを開始した。
 また、特に人体への影響が懸念されているダイオキシン類については、大気、水、土壌等の複数の環境媒体にまたがる問題であり、健康影響の未然防止の観点から、大気汚染防止法及び廃棄物処理法の政省令改正により排出規制の対象となったことを受け、「大阪府廃棄物焼却炉に係る指導指針」を策定するとともに、各種発生源の排出実態、大気、水や食品、母乳等に含まれるダイオキシン類の濃度等に関する調査を実施するなど総合的な対策を推進した。
 今後とも、排出抑制対策をはじめ、環境調査等総合的な対策に取り組んでいく。

環境教育・学習の一層の推進に向けた取組

 小学校教員が「特別活動」で環境教育を進めるための冊子「環境教育プログラム集−地球はみんなの運動場−」の作成・配布、地域における環境保全に関する活動のリーダー的役割を果たす人材を育成するための「環境ゼミナール」の開催等を行うとともに、平成9年6月には環境ホームページ「かんきょう交流ルーム」を開設し、環境情報と府民相互に交流できる場を提供した。
 今後とも、一人ひとりが環境保全の重要性を理解し、環境に配慮した生活・行動を実践できるよう、市町村や民間団体と連携・役割分担を図りながら、子供からお年寄りまであらゆるライフステージに応じた、様々な学習資料・学習機会・環境情報の提供や人材育成等、環境教育・学習の一層の推進に取り組んでいく。


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6.豊かな環境の保全と創造に関する基本的施策の推進

 豊かな環境の保全と創造に向けて、それぞれの環境分野に共通した基本となる施策として、環境基本条例を中心とする各種の条例・規則等を制定し、厳正に運用するとともに、大阪府環境審議会、大阪府環境行政推進会議、豊かな環境づくり大阪府民会議等の推進体制等の適切な運営を通じ、規制的手法や環境影響評価、環境教育等の各種の施策を総合的に推進した。

第1節 総合的・計画的な施策推進

■環境にやさしい大阪府庁行動計画の推進

 大阪府が、事業者、消費者の立場からあらゆる事務事業に環境への配慮を徹底していくことを目指して、平成9年3月に策定した「環境にやさしい大阪府庁行動計画(府庁エコアクションプラン)」に基づき、環境推進員の設置等の環境管理の庁内体制を整備するとともに、省エネルギーやリサイクル等の取組を推進した。また、環境管理に関する国際規格である環境ISO(ISO14001)の認証取得について検討を行った。

■クリアー作戦「ハートフル・ハ−フ運動」

 平成9年7月から、事務改善の一環として、作成段階からの文書の減量化に取り組んでいる。主な取り組みは、ワンペーパー化(簡易な文書の作成)の促進や両面コピーの徹底である。庁内啓発として、次長会議での全庁への周知、啓発標語の募集、ポスター・シ−ルの作成・掲示等を行った。

■大阪地域公害防止計画の策定

 内閣総理大臣の指示を受け、大阪地域(島本町、豊能町、能勢町、太子町、河南町及び千早赤阪村を除く)を対象として第6次「大阪地域公害防止計画」(計画期間:平成9年度から平成13年度)を大阪府環境総合計画との整合性に配慮しながら、平成10年2月に策定した。

第2節 事業活動における環境への配慮

■環境影響評価条例の制定

 本府の環境影響評価制度の在り方について、府環境審議会に諮りながら、手続面・制度面の見直しを検討し、平成10年3月に「大阪府環境影響評価条例」を制定した。

第3節 自主的な活動の推進

■各種月間行事、啓発、イベントに対する参加の促進

 「環境の日」の6月5日を含む毎年6月を「環境月間」とし、広く府民、事業者等に対して環境問題に関する意識の向上を図るため集中的に環境啓発行事を実施しているが、平成9年度においては環境月間のメイン行事として「エコライフ・フェスティバル'97」等の行事を実施した。
また、府民・事業者による環境の保全・創造に向けた行動の輪を広げていくため、7月に「豊かな環境づくり大阪府民の集い」を開催し、「おおさか環境賞」の表彰式や環境に関する講演会等を行った。

第4節 環境情報の活用

■インターネット等の活用による情報の発・受信

 大阪府の環境ホームページのトップページとなる「エコギャラリー」を作成し、Apec環境技術交流促進事業の一環として、平成8年11月に開設した「大阪府環境技術情報」等と、府民参加型の環境ホームページとして平成9年6月、新たに開設した「かんきょう交流ルーム」とリンクさせ、環境イベント情報や大阪の環境施策等について情報発信を行った。

■府民参加型の環境ホームページ「かんきょう交流ルーム」の開設

 インターネットを利用して、いつでも自由に大阪の環境について情報提供や意見交換ができる、府民参加型のホームページ「かんきょう交流ルーム」を開設し、同交流ルームへの会員募集とあわせて、府民、事業者による自主的な環境情報の交流を促進した。

第5節 調査研究の推進

■環境の保全と創造に関する実証研究

 産業廃棄物の最終処分場(堺第7−3区)において、土質改良方策を土地利用形態別に調査し、長期的な視点に立脚した土壌浄化技術の可能性についても検討した。


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7.府民が健康で豊かな生活を享受できる社会の実現

 大気、水、土壌等を良好な状態に保持することにより人の健康の保護及び生活環境の保全を図り、府民が健康で豊かな生活を享受できる社会を実現するため、自動車公害の防止、廃棄物・リサイクル対策の推進、大気環境・水環境・地盤環境の保全、騒音・振動の防止、有害化学物質対策の推進、環境保健対策等の推進を図った。

第1節 自動車公害の防止

■大阪府天然ガス塵芥車研究会の運営

 低公害車の公的部門への率先導入を促進するため、学識経験者、大阪府、府内13市、大阪ガス(株)により、平成9年4月に大阪府天然ガス塵芥車研究会を発足、仕様の標準化を図ったテスト用塵芥車を各市1台ずつ導入し、先行調査等を通じて大量普及方策について検討を行った。

■事業者に対する指導

 各事業所からの自動車排出窒素酸化物の総量を抑制するため、平成9年9月に策定した府自動車排出窒素酸化物総量抑制指導要綱に基づき、国の指導と連携を図りながら、貨物自動車を大量に使用する事業者に対して、積載率の向上や低公害車の導入等により自動車排出窒素酸化物の計画的な削減を図るよう指導した。

■土壌や光触媒を用いた大気直接浄化手法の実用化調査の実施

 大気汚染濃度が高い交差点等における沿道環境改善対策として、土壌を用いた大気浄化手法の実用化に向け、平成8年度に設置した実用化プラント(吹田市泉町:国道479号、東大阪市山手町:第二阪奈道路中央換気塔)において、その運転管理手法や周辺の環境改善効果等を把握するため、「土壌脱硝システム総合調査」を実施した。また、「光触媒によるNox浄化建材の実用化調査」を国道43号沿道の西淀川区出来島で実施した。

■駐車時におけるアイドリングの規制

 駐車中の自動車がエンジンをかけ続けるいわゆるアイドリングは、直接的に付近の住民に大気汚染や騒音の問題を引き起こすとともに、府域の環境保全の観点から無視できないものとなっていることから、平成10年3月に生活環境保全条例を改正し(平成10年7月1日施行)、自動車運転者に駐車中の原動機の停止義務、事業者に従業者等への指導義務、駐車場管理者には利用者への周知義務等を規定した。

■沿道環境対策の推進

 「大阪府道路環境対策連絡会議(会長:建設省近畿地方建設局大阪国道工事事務所長)」が平成9年3月に策定した「大阪府域の沿道環境対策について」に基づき、関係諸機関の連携の下、沿道における環境対策の推進を図った。

■緩衝空間の確保等

 沿道土地利用の状況を踏まえながら、地域地区制度等の規制誘導手法や土地区画整理事業、市街地再開発事業等の面的整備手法を活用し、道路種別や個別の道路沿道環境に適合した土地利用を促進するとともに、緑地や緩衝建築物の整備等の緩衝空間の確保に努めた。

■沿道住宅の防音化の促進

 道路沿いに建設する府営住宅等において、住宅の居住環境が良好に保たれるよう、適切な住棟配置、必要な遮音性能の確保等を図った。

■幹線道路周辺における騒音実態の把握

 道路管理者における騒音対策の推進や啓発等を目的として、府内市町村において実施された自動車騒音の測定結果、幹線道路の配置及び騒音に係る環境基準の地域の類型を重ねて表示した「幹線道路周辺における騒音分布図」を作成した。

第2節 廃棄物・リサイクル対策の推進

■建設業者における産業廃棄物の処理に関する指導要綱の運用・改定

 建設事業者に対して、要綱に基づき処理実績報告書の徴収を行い、産業廃棄物の減量化や適正処理を重点的に指導した。
また、現要綱の見直しを行い、リサイクル等の減量化の推進と適正処理の確保の観点から、新たに減量化目標値の達成制度・廃棄物アセスメント制度・工事関係者の責務及び元請責任の強化(大阪ルール)等の内容を盛り込んだ「建設工事等における産業廃棄物の処理に関する要綱」を策定し、平成10年度から施行することとした。

■改正廃棄物処理法の普及・啓発

 廃棄物の適正処理を確保するため、事業者等に対し、改正法の内容を周知した。

第3節 大気環境の保全

■定期的環境モニタリング

 平成9年2月に環境基準が設定されたベンゼン等3物質を含め、測定方法が既に確立されている16の有害大気汚染物質について、モニタリングを実施し、各種物質による大気汚染状況を把握した。

第4節 水環境の保全

■合併処理浄化槽の設置促進

 下水道整備が相当期間見込めない地域において、生活排水対策に有効な合併処理浄化槽の普及促進を図るため、設置者に補助を実施する市町村にその財源の一部を助成した。平成9年度は、新たに1市1町が加わり、14市町村で補助事業が実施された。
 また、大阪府浄化槽指導要綱を改正し、平成9年10月1日からは、新たに設置される浄化槽を原則として合併処理浄化槽とすることとした。

■生活排水対策重点地域の指定

 平成10年1月30日に羽曳野市及び島本町を生活排水対策重点地域に指定した。また、生活排水対策推進計画策定事業に対して富田林市及び岬町に、生活排水対策の啓発に携わる指導員の育成等の事業に対して、八尾市、柏原市、和泉市及び東大阪市に補助を行った。

■農薬の適正使用の促進

 病害虫発生予察の実施、病害虫防除指針の作成、農薬安全使用講習会の開催等により、農薬の適正使用を指導するとともに、性フェロモン剤を活用した生態防除を府内3カ所で実証し、農薬の使用量の削減に努めた。

■大阪湾大規模油流出事故対策

 平成9年1月に日本海で起きたナホトカ号重油流出事故等を教訓として、大阪湾で同様な事故が発生した場合、環境面での対応を迅速に行えるようにするため、関係機関との夜間、休日を含む情報連絡体制の整備及び環境保全面での対応の整備を図った。

■水循環再生アクションプログラムの策定

 良好な水環境を創造するため、森林域や都市域等地域別の、府民・事業者・行政ごとの健全な水循環の再生と、望ましい水環境の実現に関する具体的な行動指針を示す「水循環再生アクションプログラム」を策定した。

第5節 地盤環境の保全

■地下水浄化手法の検討

 水質汚濁防止法の改正に伴い、地下水汚染に係る浄化措置制度が導入されたため、平成9年度に学識経験者からなる「大阪府地下水汚染対策検討委員会」を設置し、浄化措置制度の適正な運用を行うため、トリクロロエチレンによる汚染の浄化対策事例をもとに、浄化対策手法を検討した。

■土壌浄化対策等の検討

 土壌・地下水汚染についての原因究明、浄化、監視体制のあり方について、「大阪府地下水汚染対策検討委員会」を設置し、検討した。

第6節 騒音・振動の防止

■騒音・振動対策の促進

 新幹線鉄道や在来鉄道について、騒音・振動対策の実施状況を把握するとともに、関係市町と連携しながら鉄道事業者による騒音・振動対策の促進を図った。
 関西国際空港へのアクセス特急による騒音・振動問題については、本問題の解決に向けて協議するため設置された「南海本線・JR阪和線騒音・振動等問題協議会」(運輸省、大阪府、関係市町及び鉄道事業者で組織)において、平成9年5月に騒音・振動対策の中間報告が取りまとめられ、鉄道事業者により、これに基づく防音壁の設置、弾性枕木の敷設、レール削正等の対策が進められている。

■調査・研究の推進

 関西国際空港へのアクセス特急の沿線において、関係市と連携し騒音・振動実態調査や対策の効果把握のための調査を行った。効果把握については、対策の施工前後に調査した結果、例えば防音壁では騒音で10から12デシベルの低減が見られた。

第7節 有害化学物質対策の推進

■リスクアセスメント手法の研究

 有害化学物質による環境汚染を未然に防止するために、その危険性を定量的に評価する手法として、リスクアセスメントについて基礎的な研究を行っている。平成9年度は、これまでの研究成果をもとに、リスクアセスメント等の手法を活用して、地域性を考慮し、府域の実態に即した有害化学物質の環境影響評価手法について検討した。

■ダイオキシン対策検討会の設置

 環境保健部の関係課で組織する「ダイオキシン対策検討会」を設置し、緊急対策として実施すべき発生源対策及び環境調査を盛り込んだ「環境保健部のダイオキシン対策」を取りまとめた。

■ダイオキシン類の発生抑制対策の推進

 大気汚染防止法及び廃棄物処理法の改正政省令(平成9年12月施行)並びに「大阪府廃棄物焼却炉に係る指導指針」(平成9年12月施行)に基づき、ダイオキシン類の発生防止対策指導の徹底を図った。

■ダイオキシン類排出実態調査

 ダイオキシン類の排出抑制指導を推進するため、廃棄物焼却炉等の排ガス・ばいじん・燃え殻について、ダイオキシン類の排出実態調査を実施した。

■府立学校ダイオキシン対策

 文部省通知「学校におけるごみ処理に係る環境衛生管理の徹底等について」により、平成9年12月1日から府立学校での可燃ごみの焼却処理を中止することとし、ごみ置き場の整備、ごみ処理の委託及びごみ分別処理対策等の措置を行った。

■ダイオキシン類環境モニタリング

 平成9年9月に環境庁が、ダイオキシン類の大気環境指針値を設定したことに伴い、府域全体の大気環境濃度の状況及び経年変化の傾向を把握・評価するとともに、発生源の削減対策の効果を検証するため、府内の34地点(府11、関係市23)で夏季・冬季において環境調査を実施した。また、大阪湾4地点及び河川2地点において水質調査を実施した。

■食品等に含まれるダイオキシン類調査

 魚介類及び主要水道水源のダイオキシン類の実態調査を実施した。また、国と連携し、母乳中のダイオキシン類に関する測定調査を実施した。

第8節 環境保健対策等の推進

■的確な対応方策の推進

 平成9年3月に策定した「大阪府地域防災計画」に基づき、「災害に強いまちづくり」に向け、避難地、避難路の確保、火災の延焼防止等の観点から、公園緑地、道路、緑道等の防災空間の整備を図った。

■円滑な実施のための体制整備

 被害を受けた場合における迅速かつ的確な応急復旧活動を行うため、「大阪府地域防災計画」に基づき、関係部局において初動マニュアル等の作成や関係団体との連携強化等、体制の整備を進めた。


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8.自然と共生する豊かな環境の創造

 自然と共生する豊かな環境を創造するため、希少な野生動植物が生息する能勢町の湿地において、土砂の流入防止、流入土砂のしゅんせつ、湿地周辺への進入防止柵の設置等を行い、ビオトープの保全・回復を実施したほか、府民が身近に自然とふれあうことができるような場と機会を提供するため、府民の森ほしだ園地のリニューアルオープンを行った。
 また、農業用水路を府民の身近な水辺として活用するため、長瀬川の維持管理や環境改善について話し合う「第2回いきいき水路・府民フォーラムからきれいな長瀬川を取り戻そうから」を開催した。

第1節 生態系の多様性の確保

■オオサンショウウオ・イタセンパラ・アユモドキ等の保護

 北摂地域における河川改修や安威川ダム建設に先立ち、オオサンショウウオの生息調査を実施するよう指導するとともに、オオサンショウウオの生息環境が保全されるような設計や工法等について事業者に指導を行った。
 また、アユモドキ等の種の保存及び増殖対策を講ずるために、アユモドキとニッポンバラタナゴの保護・増殖技術の開発試験とタナゴ類が産卵するために必要な二枚貝類の生産・増殖試験を行った。
 さらに、イタセンパラの保護増殖を図るため、既存知見・情報の収集整理を行うとともに、理想的な生息環境及びその保全のあり方の検討を行った。

■ビオトープの保全・回復

 石川や穂谷川等の改修事業において、隠し護岸(連節ブロック)及び魚道の設置による生態系に配慮した川づくりの実施等の各種事業において、野生動植物の生息等に配慮したビオトープの保全・回復に努めた。
 また、府域に残された良好で貴重な湿地の保全を図るため、放置しておくと陸地化・乾燥化等により、改変・消失するおそれのある能勢町の湿地を対象に、湿地への土砂の流入防止、流入土砂のしゅんせつ、湿地周辺への進入防止柵の設置等を行った。

■阪南スカイタウンの水辺環境の整備

 阪南スカイタウンの水辺環境の整備の一環として、周辺河川においてホタルの生息状況を調査するとともに、ホタルの繁殖実験を行った。

第2節 多様な自然環境の保全・回復、活用

■農空間整備事業の推進

 農空間の持つ多様な機能を生かした地域整備を進めるため、平成8年度に策定した「農空間整備基本方針」に沿って、5市における農空間整備計画の策定を支援した。

■オアシス整備事業の推進

 府内に散在する多くのため池を農業用施設として活かしつつ、周辺の緑化や遊歩道等の整備を行い、水と緑につつまれたオアシス空間の整備を推進した。平成9年度においては、久米田池をはじめとする10地区で周辺緑地、遊歩道の整備等を実施し、畑大池(柏原市)、狭間池(岸和田市)、小寺池(高槻市)が完成した。

■地域総合オアシス整備事業の推進

 ため池が広範に点在している地域において、ため池を群としてとらえ、ため池の多面的機能を生かした総合整備を実施した。平成9年度においては、泉南地区(泉南市)、熊取地区(熊取町)、三林地区(和泉市)、金岡地区(堺市)、太子地区(太子町)で事業を実施した。

第3節 自然とふれあう場と機会づくり

■金剛生駒紀泉国定公園拡大地域の整備

 金剛生駒紀泉国定公園の拡大地域(平成8年10月拡大指定)における自然景観、生態系の保全及び府民の自然とのふれあいと憩いの場の創出のため、自然景観の修復、防火、防災対策及び施設の整備、改良等総合的に整備を図った。

■海に親しむ府営公園の整備

 岬町及び阪南市において、海浜の立地を生かし、海浜型レクリエーションの拠点となる「せんなん里海公園」の開設を行った(平成9年7月)。

■海の日記念事業の実施

 海の日記念事業として、海岸等の清掃、稚魚の放流等を行った。

第4節 自然環境の保全・創造のための活動の推進

■緑化・森林づくり情報の収集・提供

 府民が行う森林づくりボランティア活動に対して、参加者と受入側をつなぐ情報ネットワークを整備するため、インターネットにホームページを作成し、情報の発信を行った。


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9.文化と伝統の香り高い環境の創造

 文化と伝統の香りの高い環境を創造するため、せんなん里海公園の新規開設、服部緑地のプール改修等府営公園を整備したほか、河川再生事業等の推進による河川環境の整備、大阪施設緑化賞(みどりの景観賞)の表彰による緑化運動の推進等、水や緑に親しむことのできる潤いと安らぎのある都市空間の形成を図るとともに、地区計画制度・総合設計制度等の活用による良好な建築計画の誘導、大阪都市景観建築賞(大阪まちなみ賞)の表彰、まちづくり功労者賞の表彰等を実施した大阪まちづくりフェアの開催等により、地域の個性を活かした美しい景観の形成に努めた。
 また、富田林寺内町の町並みの保存や価値の高い文化財を良好な状態で保存するための史跡・名勝等の指定、狭山池ダム資料館(仮称)の建設等歴史的文化的環境づくりに努めた。

第1節 潤いと安らぎのある都市空間の形成

■河川環境整備事業の推進

 芥川、石川、安威川等において階段護岸や高水敷、遊歩道、桜づつみの整備等の河川の環境整備事業を実施した。

■都市海岸高度化事業の推進

 堺旧港地区と浜寺地区において、高潮対策の推進と耐震対策や津波対策等地震時における安全性の向上を図るとともに、高齢者等の利用にも配慮した親水性護岸の整備を行った。

■海に親しむ府営公園の整備

 岬町及び阪南市において、海浜の立地を生かし、海浜型レクリエーションの拠点となる「せんなん里海公園」の開設を行った(平成9年7月)。

第2節 美しい景観の形成

■景観条例の検討

 「美しい景観づくり府民会議」の提言を踏まえ、府民、事業者、行政が、適切に役割を分担しながら、総合的、計画的な景観施策を展開するため景観条例の制定について検討した。

■マスターアーキテクト方式による魅力あるまちなみ形成の推進

 阪南スカイタウンにおいて、一人の建築家(マスターアーキテクト)が中心となり、まちの景観を調整し、魅力あるまちなみの形成に努めた。また、桃の木台中央公園において、シンボルとなる噴水モニュメントを設置した。

第3節 歴史的文化的環境の形成

■史跡・名勝等の指定による文化財の保全

 久米田寺境内(岸和田市)を大阪府文化財保護条例によって府史跡に指定した。また、国宝・重要文化財・史跡名勝天然記念物等の国及び府指定の文化財について、保存修理や防災施設の整備等に対し、所有者への助成を行った。

■歴史の息づく水辺空間の整備

 石川の河川環境整備事業「石川あすかプラン」の中で、自然ゾーンの護岸整備等を行い、また飛鳥川について、「ふるさとの川整備事業」を実施した。

■狭山池ダム資料館(仮称)の建設

 狭山池の堤体断面そのものや発掘された遺跡、遺構を保存、展示するため、狭山池ダム資料館(仮称)の建設を進めた。平成9年度においては、4月にレプリカ・模型・映像等資料館の展示物の製作に着手し、6月に資料館建築工事に着工した。


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10.地球環境保全に資する環境に優しい社会の創造

 地球環境保全に資する環境に優しい社会の創造をめざし、「豊かな環境づくり大阪行動計画」(地球環境を守る大阪府民のローカルアジェンダ21)に基づき、協働による行動を一層推進するとともに、インターネットを活用した環境技術情報の発信、国際協力事業団(JICA)との連携による研修生の受け入れ等の国際技術協力を行った。
 また、「大阪府地球温暖化対策地域推進計画」に掲げる諸施策の普及啓発を図るとともに、オフィスや家庭等の民生分野での省エネルギー行動を促進するため、「大阪府地球温暖化防止行動ガイドライン」を策定した。
 特に、気候変動枠組条約第3回締約国会議(Cop3)が開催されることを踏まえ、府民意識の向上を図るため、「地球温暖化防止対策シンポジウム」を開催するなど、地球環境保全に資する取組を推進した。
 また、府有施設への太陽光エネルギー等の自然エネルギーを利用した発電設備の設置や、下水熱エネルギー等の未利用エネルギーの活用導入を進めるとともに、エネルギー利用に伴う環境への負荷の低減を目的とした「エコエネルギー都市・大阪計画」の策定に向け、調査を実施するなど、環境に優しい地域づくりの取組を推進した。

第1節 地球環境保全に資する取組の推進

■豊かな環境づくり大阪行動計画(地球環境を守る大阪府民のローカルアジェンダ21)の策定・推進

 「豊かな環境づくり大阪府民会議」において、「地球環境保全行動指針」の具体化を図るため、平成8年6月に策定し、平成9年6月に改定した「豊かな環境づくり大阪行動計画−地球環境を守る大阪府民のローカルアジェンダ21」に基づきそれぞれの立場での実践活動を展開した。

■「大阪府地球温暖化対策地域推進計画」の推進

 「大阪府地球温暖化対策地域推進計画」に掲げる諸施策の普及啓発を図るとともに、オフィスや家庭等の民生部門での省エネルギー行動を促進するため、「大阪府地球温暖化防止行動ガイドライン」を策定した。
 また、気候変動枠組条約第3回締約国会議(Cop3)が、12月に京都で開催されるに際して、府民意識の向上を図るため、11月に「地球温暖化防止対策シンポジウム」を開催した。

■酸性雨対策の実施

 酸性雨の原因物質である窒素酸化物、硫黄酸化物の排出を抑制するため、大気汚染防止法に基づく工場・事業場の規制・指導を行うとともに、地域冷暖房システムの導入等に努めた。

■海外友好提携都市との交流・協力

 府がこれまで蓄積してきた環境保全対策の経験や技術を提供することにより、開発途上国等における環境問題の解決を図るため、友好交流関係にあるインドネシア・東ジャワ州から研修生を1名12日間受け入れ、水質保全及び森林保護に関する研修を実施した。
 また、同じく友好交流関係にある中国上海市から研修生2名を10日間受け入れ、上海市域の水環境を保全するための「上海市域水環境計画」策定に向けた共同研究を実施した。

■JICA(国際協力事業団)との連携

 JICAが行う「有害金属汚染対策コース」研修に対して、(財)地球環境センターとともに協力し、開発途上国からの研修生6名を約2ヶ月間受け入れ、法令等の講義、分析実習等の研修を実施した。

■Apec環境技術交流促進事業

 関西の自治体、経済界が、ポストApec事業として提案し、インターネットを利用したバーチャルセンターを通して、環境技術情報の交流を促進する「Apec環境技術交流促進事業」に参画するとともに、標記事業の拡充を目的とするワークショップの開催等に積極的に協力した。

第2節 環境に優しい地域づくり

■省エネルギー化の促進

 オフィスや家庭等の民生部門での省エネルギー行動を促進するため、「大阪府地球温暖化防止行動ガイドライン」を策定した。また、大気汚染防止法及び生活環境保全条例等に基づく規制・指導等に併せて温室効果ガスの排出抑制につながる省エネルギー型施設の導入等について指導・啓発を行った。

■エコエネルギー都市・大阪計画の検討

 エネルギー利用に伴う環境への負荷の低減を目的として、平成11年度を目途に策定するエネルギー利用の中長期的ビジョン「エコエネルギー都市・大阪計画」を検討するために、府内のエネルギー消費量等の基礎調査を行った。

■阪南スカイタウンの太陽光発電施設、風力発電施設の設置

 環境との共生をめざしたまちづくりを行う阪南スカイタウンにおいて、地区内の展望緑地に太陽光発電施設(定格出力2Kw)、風力発電施設(定格出力500W)を設置した。

■廃熱利用と未利用エネルギーの活用

 平成9年2月に策定した「大阪府廃熱の有効利用及び未利用エネルギーの活用の促進に関する指針」に基づき、関係業界等を通じて普及啓発を行った。

■上水圧力エネルギー及び水位差エネルギーの活用

 郡家ポンプ場(高槻市)に受水圧力を利用した発電機を設置した。また、村野浄水場(枚方市)の階層浄水場において、水位差を利用した発電を行った。

■下水熱エネルギーの活用

 大和川下流流域下水道今池処理場等、3処理場において、ヒートポンプを用いて回収した下水熱エネルギーを管理棟の冷暖房に利用した。

■環境共生住宅の促進

 府営河内長野木戸住宅において、環境と共生するまちづくりを推進するため、太陽光発電を利用した街灯等の設置や、住棟の中央部に風洞を設けて通風を高め、空調エネルギーの省力化を図る「風の道」を設置した。


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11.今後の課題と方向

 府域の環境問題は、依然として都市・生活型公害や増大する廃棄物の克服が課題であり、また、二酸化炭素の大量排出に伴う地球温暖化現象に代表されるように、府域の人為的な活動が地球的規模で影響を及ぼしている現象も生じている。
 一方、府民のニーズが、物質的豊かさから「ゆとり」や「ふれあい」のある質の高い生活を求める精神的豊かさへと変化していることから、自然とのふれあいの場をひろげていくとともに、緑豊かな生活環境の実現や美しい景観の創造、さらには文化や伝統も視野に入れた、より質の高い環境を保持し、創造していかなければならない状況にある。
 これらの状況を踏まえて、講じた諸施策については、個々の施策目標に対して一定の成果を上げているものの、環境の状況を全体としてさらに改善するには、それぞれの施策の効果を高めるとともに、相互に連携した取組強化が不可欠である。
 加えて、「環境負荷の少ない循環型システムへの変革」や「自然が調和できる活力のある都市の構築」等、大阪府環境総合計画に掲げた長期的な目標の実現に向け、同計画の進捗状況を適切に把握するとともに、経済的手法をとりいれた環境施策のあり方の検討等の新たな施策の展開についても検討を進める必要がある。
 このようなことから、大阪府環境総合計画で体系化した環境の保全及び創造に関する施策についての今後の課題と方向を第3部としてとりまとめた。
 府域の環境行政を取り巻く今日的な状況として、地球温暖化防止京都会議が平成9年12月に開催され、二酸化炭素等温室効果ガス排出量の削減目標等を内容とする京都議定書が採択されたことにより、削減目標の達成に向けた取組が求められること、ダイオキシン類等の有害化学物質による環境汚染の未然防止を図る包括的な取組及びトリクロロエチレン等有機塩素系化合物による地下水汚染対策についての取組がなお一層必要となってきたこと、また、府自らが国際規格である環境ISO(ISO14001)の認証を取得するなど、環境保全を促す行動の動機づけとなる取組が重要となってきたことが挙げられる。
 したがって、これらの今日的な環境の状況に対処するため、次のような観点からの施策について横断的に取組を進める。

地球温暖化防止に向けた取組

 平成9年12月に開催された地球温暖化防止京都会議において、京都議定書が採択され、温室効果ガスの総排出量の削減について、平成20年から平成24年の間に達成すべき法的拘束力のある数値目標が、先進各国ごとに定められた。
 この会議の開催を契機に、平成10年は、地球温暖化防止対策への府民意識の一層の向上を図り、府民一人ひとりが自らの問題として対策に取り組む第一歩となる年である。
 国においては、削減目標の達成に向けた取組として、地球温暖化対策の推進に向けた立法化が図られようとしており、本府においても、国の動向を踏まえながら、地球温暖化防止に寄与する緑化の推進をはじめ、なお一層の取組を検討し推進する必要がある。
 府としては、「大阪府地球温暖化防止行動ガイドライン」(平成9年度)の策定等に取り組んできたところであるが、府域の実態に合う新エネルギーや最新の省エネルギー技術の活用等、「エコエネルギー都市・大阪計画」の策定をはじめとして、大量生産、大量消費、大量廃棄型社会に代わる適正消費、極小廃棄、リサイクル、省資源・省エネルギー及び製品寿命の長期化という環境負荷の少ない循環型社会への変革を一層推進していく必要がある。

ダイオキシン類等有害化学物質についての包括的な取組

 廃棄物焼却施設等から排出されるダイオキシン類による汚染が全国的に大きな社会問題となっており、府においても平成9年度に「大阪府環境保健部ダイオキシン対策検討会」を設置し、諸対策を講じてきたところであるが、引き続き一層の取組の強化が必要であることから、発生源及び大気・水・土壌等についてモニタリングを行うとともに、大気汚染防止法、廃棄物処理法の改正政省令(平成9年12月施行)及び「大阪府廃棄物焼却炉に係る指導指針」(平成9年12月施行)等に基づき、発生源に対して適切な規制・指導等を行い、あわせて、ごみ処理の広域化計画を策定するなどの対策を講じる必要がある。
 また、新たな問題となっている、日常生活の中で暴露を受ける微量な化学物質及び人や野生生物のホルモン作用を攪乱し、様々な影響を及ぼすことが懸念されている外因性内分泌攪乱化学物質についても、国等と連携しつつ実態把握を行うなど、適切な対策を講じていくための知見の充実に努める必要がある。

トリクロロエチレン等有機塩素系化合物による地下水汚染対策についての取組

 地下水汚染対策については、これまで水質汚濁防止法に基づいた地下水質の環境監視を行うことにより府域における地下水汚染の状況を把握するとともに、事業場に対し有害物質の地下浸透の防止を指導する等、地下水質の保全に努めてきたところである。
 また、国においては、平成9年3月に地下水の水質汚濁に係る環境基準を制定するとともに、同年4月から汚染原因者に汚染された地下水の浄化措置を命ずることができる制度が導入された。一方、事業場においても、地下水汚染調査が実施され、主として過去に使用されたトリクロロエチレン等有機塩素系化合物による地下水汚染が自治体に報告されるケースが増加する等、全国的にも大きな社会問題となっている。
 府域でも、同様な状況にあり事業場による地下水汚染調査や浄化対策の実施に向けた取組が必要となってきている。府としては、大阪府地下水質保全対策要領に基づく地下水汚染が判明した場合の原因究明等の調査や、新たに設置する専門家で構成する大阪府地下水汚染総合対策検討委員会の検討結果を踏まえ、事業者が実施する地下水汚染調査や浄化対策について指導し、地下水汚染対策の推進に努める必要がある。

事業活動における自主的な環境管理の促進

 今日の環境問題は、通常の事業活動や日常生活に起因する部分が大きく、その解決のためには、事業者をはじめ府民自ら、規制の遵守や問題への事務的対応に止まらず、予防的な面から、環境への負荷の少ない取組を積極的に行うことが求められる。
 こうした観点から、大阪府環境総合計画では、事業者に対し、新たな大規模事業における環境影響評価の実施、事業者における自主的積極的な環境管理の促進、事業活動における環境への配慮を促進することとしており、平成10年3月に制定した「大阪府環境影響評価条例」の全面施行に向けた取組を進める必要がある。
 また、「グリーン購入ガイドライン(仮称)」を発行し、グリーン購入(環境への負荷が少ない商品やサービスを優先して購入すること)を推進する必要がある。


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12.豊かな環境の保全と創造に関する基本的施策の推進

 今日の広範な環境問題に対する基本的施策として、府の機関相互の連携・調整を図る推進体制や行政・事業者・府民等との協働による推進体制を整備するとともに、規制的手法に加えて、環境影響評価、環境教育等の各種施策手法を適切に組み合わせ、施策の効果を高めることが求められている。

第1節 総合的・計画的な施策推進

 府、市町村、事業者、府民がそれぞれの立場で役割を担い、相互に連携を保ちながら、「大阪府環境総合計画」、「大阪地域公害防止計画」及び「みどりの大阪21推進プラン」に基づき、豊かな環境の保全と創造、みどりあふれる環境の中で心の豊かさを実感できる世界都市大阪の実現に向けて、総合的かつ計画的に施策を推進する。
 また、「環境にやさしい大阪府庁行動計画」に基づく取組を一層充実強化するため、庁内に国際標準に則した環境管理システムを導入し、環境ISOの認証取得を推進する。

第2節 事業活動における環境への配慮

 平成10年3月に制定した「大阪府環境影響評価条例」について、普及・啓発を進めるとともに、円滑な手続の実施のための規則の制定、環境影響評価及び事後調査が適正に行われるための技術指針の策定等、全面施行に向けた準備を進める。
 関西国際空港及びその関連事業については、今後の航空機離発着回数や自動車交通量の増加等に伴い、環境面で地域住民の生活に支障が及ぶことのないよう、「関西国際空港環境監視機構」において、事業者等に対する各種の働きかけを行う。
 経済活動の主要な担い手である事業者に対しては、国際標準化機構(ISO)が中心となって、自主的な環境マネジメントシステム・環境監査が規格化されたことを受け、府としても、事業者自らが事業活動に伴う環境への負荷の低減を図り、事業活動が豊かな環境の保全及び創造に結びつくよう、ISO14001等の環境規格の普及を通じて「環境総括責任者」の設置を促進する。
 また、経済的手段による環境負荷の低減として、製品・サービスの価格に環境保全の費用を適切に反映させることにより、都市・生活型公害の防止、廃棄物の抑制、二酸化炭素排出抑制等につながる誘導策等についての調査検討を進める。

第3節 自主的な活動の促進

 子供からお年寄りに至るあらゆるライフステージにおいて、環境問題に対する関心、知識・技能、実践行動といった段階に応じたメニューを展開するため、市町村、民間団体との連携や役割分担を図りながら、インターネット等を活用した広域的な情報提供・交流の基盤づくり、環境保全に向けた行動力まで養成できる新しい教材づくり、環境活動のリーダーを対象とした講習等の専門的な事業等を重点的に展開する。

第4節 環境情報の活用

 種々の環境情報を総合的に活用できるよう、体系的なデータベース化を推進し、加えて、各種地理情報や人工衛星データを活用した広域の都市環境モニタリングシステムを検討するとともに、解析・予測等を行うソフトウェアの充実や画像処理装置を利用した表示システムの整備を図る。
 インターネット等による環境情報提供システムの整備を進め、府民参加型の環境ホームページである「かんきょう交流ルーム」を通じて、府民、事業者による自主的な環境情報の交流を促進する。
 また、環境の状況の把握・評価や、大阪府環境総合計画の主要施策の進捗状況が府民等に確認しやすくするため、「環境総合指標」の開発を進める。

第5節 調査研究の推進

 「大阪府研究開発大綱」に基づき、府立の試験研究機関及び府立大学を中心として、環境の保全及び創造の観点から、新たな課題に対応した調査研究を行う。
 特に、温室効果ガス等のモニタリング調査をはじめ、大阪湾の富栄養化や、化学物質・農薬に関する調査、有機性廃棄物の再生肥料化技術の開発等を進める。


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13.府民が健康で豊かな生活を享受できる社会の実現

 府域ではこれまで深刻な産業公害を経験し、これを克服することでより豊かな生活環境を築き上げてきた歴史がある。しかし、生活様式の多様化や社会システムの変化、科学技術の進展等を背景とした新たな環境問題も顕在化しており、今後も継続して必要な対策を行い、生活環境を保全する必要がある。

第1節 自動車公害の防止

 近年の自動車保有台数の増加や都心部への自動車交通の集中は、排出ガスによる大気汚染や騒音等の深刻な自動車公害をもたらし、平成7年7月の西淀川公害訴訟大阪地裁判決や国道43号線訴訟最高裁判決等において、自動車公害に対する国等の責任と対策の必要性を認めた司法判断がなされるなど、沿道環境の改善をはじめとする自動車公害の防止は、現下の急務となっている。
 このため、「大阪府自動車排出窒素酸化物総量削減計画」に基づき、発生源対策の強化、低公害車の普及促進、自動車使用の合理化等の諸施策を関係機関の連携の下に総合的に推進するとともに、個別の事業者に対する自動車排出窒素酸化物の削減指導や、京阪神6府県市共同による低Nox車の普及促進等、窒素酸化物削減対策をより一層強力に推進する。
 あわせて、自動車走行量を抑制するための交通需要管理手法等の新たな対策について、関係機関とともに検討していく。局地的に窒素酸化物濃度や騒音レベルの高い交差点等においては、渋滞交差点の立体交差化、バイパス道路の整備等の道路構造の改良、環境施設帯等の緩衝帯の確保等、沿道環境改善方策の導入を推進するとともに、土壌や光触媒を活用した大気浄化システムの早期実用化を図る。
 また、毎月20日に実施しているノーマイカーデー等の府民運動を「大阪自動車公害対策推進会議」等の諸活動を通じて展開するとともに、駐車時におけるアイドリング停止の周知徹底を図る。
 自動車から排出されるベンゼン等の有害大気汚染物質については、その排出・汚染実態の把握に努め、国等と連携しながら低減対策を検討する。
 自動車騒音については、「大阪府道路環境対策連絡会議」において策定された「大阪府域の沿道環境対策について」に基づき、道路構造対策や交通流対策等、総合的な対策を推進する。

第2節 廃棄物・リサイクル対策の推進

 廃棄物の発生抑制については、「ごみ減量化・リサイクルアクションプログラム」の実践啓発や「リサイクルフェア」の開催等を通じて、生活様式の見直し、事業者による製品の生産・流通等の各段階における発生抑制や再生利用等が容易な製品づくりを促進する。
 リサイクルの推進については、廃家電リサイクル事業を行うとともに、平成8年11月に策定した「大阪府分別収集促進計画」により、広域的な視点から市町村への助言・指導等に努める。
 廃棄物の適正な処理の推進については、廃棄物処理法や「大阪府産業廃棄物管理計画」に基づき、排出事業者・処理業者等への指導を徹底するとともに、市町村が行うごみ処理施設の計画的な整備や維持管理について、ダイオキシンの排出抑制等も含めた技術的な援助等を行う。
 廃棄物の適正管理(発生抑制、リサイクル、適正処理)のための基盤づくりを進めるため、ウェイストデータバンクの充実を図るとともに、近畿圏産業廃棄物情報管理ネットワーク事業への参画と産業廃棄物発生量等の推計手法の検討を行う。
 また、廃棄物処理法改正や国の建設廃棄物処理ガイドライン改訂の動向を踏まえつつ、平成9年12月に策定した「建設工事等における産業廃棄物の処理に関する要綱」に基づき、リサイクル等の減量化の推進や適正処理の確保を図る。
 また、廃棄物の減量化・リサイクルの推進、施設の信頼性・安全性の向上及び不法投棄対策等の総合的な対策として平成9年6月に廃棄物処理法が改正・公布されたが、この法改正にあわせ、排出事業者・処理業者等に対し産業廃棄物の適正管理を指導していく。
 特に最近発生している大量の産業廃棄物の野積み等、悪質な違法行為を防止するため、早期の勧告・命令による改善指導の徹底を図るとともに、告発を含め、警察との連携による指導の強化を行っていく。

第3節 大気環境の保全

 大気汚染物質の削減対策について、窒素酸化物については、自動車排出ガス対策とあわせて工場等に対する法・条例に基づく規制や要綱等に基づく指導を引き続き積極的に実施し、排出抑制を図っていく。
 さらに、中小工場や一般家庭等の群小発生源に対しても、低Nox機器の普及促進、良質燃料の使用や省エネルギー等のエネルギー面の対策も含めたきめ細かい対策を講じて、環境保全目標の早期達成を目指す。
 また、浮遊粒子状物質については、発生機構や発生源別の寄与等の解明に努めるとともに、工場・事業場からのばいじんや粉じんの排出抑制や、自動車から排出される粒子状物質の低減等の対策を推進する。
 大気汚染防止法の改正(平成8年5月)により有害大気汚染物質についての基本的枠組みが構築されたことから、環境基準が設定されたベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの3物質をはじめ、その他の有害大気汚染物質についても、モニタリングを実施して環境中の濃度を把握し、排出抑制対策を推進する。
 悪臭防止対策については、悪臭を発生させないように事業者・府民の意識高揚を図っていくとともに、規制事務が委任されている市町村に対し、悪臭防止法の改正(平成8年4月施行)により導入された嗅覚測定法の活用等、規制業務が円滑に推進するための適切な技術的助言・指導を行う。また、生活環境保全条例に基づき、ゴム、皮革、ピッチ、合成樹脂等の屋外燃焼行為に対する規制を行うとともに、その他の物質の屋外燃焼行為による苦情に対する指導方法等を検討する。

第4節 水環境の保全

 大阪の河川や大阪湾の水質改善のため、Bod汚濁負荷の約8割を占めている生活排水の対策として、2001年に向け、下水道普及率を概ね90%に高めるとともに、生活排水の適正処理100%達成を目標として、下水道の整備や下水の高度処理、合併処理浄化槽の普及、農業・漁業集落排水処理施設の設置を推進する。
 また、生活排水対策重点地域の追加指定を検討するとともに、生活排水対策指導員育成事業等を行う市町村に対して支援を行う。
産業排水については、工場・事業場に対する排水濃度規制を引き続き徹底するとともに、Cod汚濁負荷量の総量削減の計画的な推進、窒素及び燐の排出に対する規制、指導の強化を行う。
 水環境の保全と創造については、汚泥のしゅんせつや浄化用水導入事業等を実施するとともに、多自然型川づくりによる護岸形成を行うなど生態系にも配慮した環境づくりを行う。また、大阪湾においては、干潟・浅場の造成等失われた自然環境を取り戻す施策の検討を進める。
 水質の改善や快適な水環境の保全及び創造には、地表面・地下にまたがるスケールで健全な水環境を再生することが必要であることから、「水循環再生アクションプログラム」を活用し、関係機関の意識啓発を図るとともに、雨水の浸透促進等による水源のかん養機能の向上や、雨水、下水処理水、地下水等の適正利用を推進する。

第5節 地盤環境の保全

 地盤沈下に関しては、府内全域の地下水の水位、水質、採取量等の基礎データを収集・解析し、地盤沈下を起こさない安全揚水量をはじめとする地盤沈下機構の解明に関する調査・研究を実施し、地盤環境に係る総合的な地下水管理手法の検討を行い、地盤沈下の未然防止を目指す。
 地下水汚染に関しては、工場・事業場に対し法令による規制・指導の徹底に努めるとともに、環境監視を行うほか、専門家からなる大阪府地下水汚染総合対策検討委員会での検討結果を踏まえ事業場を指導し、地下水汚染対策を推進していく。

第6節 騒音・振動の防止

 大阪国際空港周辺における航空機騒音については、発生源対策及び周辺環境対策の一層の推進を国に要望するとともに、大阪国際空港周辺緑地(利用緑地)の早期整備に努める。
 また、移転跡地を活用した地区整備、防音工事に対する補助事業等の一層の推進を図っていく。一方、関西国際空港は、今後さらに飛行便数の増加が考えられるため、航空機騒音の環境監視を継続し、その実態把握に努める。
 また、関西国際空港へのアクセス特急による騒音・振動については、「南海本線・JR阪和線騒音・振動等問題協議会」の中間報告に基づく鉄道事業者の対策の促進を図るとともに、騒音・振動対策の効果把握に努める。

第7節 有害化学物質対策の推進

 大気環境に係る有害物質対策については、法令に基づく規制基準の遵守徹底を指導するとともに、「大阪府化学物質適正管理指針」に基づき、事業者による有害化学物質の適正管理の推進を図るとともに、大気汚染防止法の改正を受けて導入された有害大気汚染物質のモニタリング等、国の有害大気汚染物質対策と整合を図りつつ、有害大気汚染物質の排出抑制対策に努める。
 水質環境に係る有害物質対策については、上水道水源の保全対策として、法令に基づく指導を行うとともに、要監視項目として環境庁が指定した25物質(平成5年3月)の発生源実態調査を行い、排出抑制方法の検討を進めるほか、水道水源の水質調査を実施していく。
 また、農地やゴルフ場に散布される農薬による水質汚濁の未然防止を図る。なお、農薬については、地球的規模の流通が行われている大阪の食品の安全性確保の観点から、食品中残留農薬のモニタリングシステムの開発を進める。
 また、マイクロエレクトロニクス、新素材、バイオテクノロジー産業を中心に多種類の化学物質が取り扱われることから、Prtrの導入の検討をはじめ、化学物質のデータベース化、プライオリティーリストの作成、環境調査、リスクアセスメント・マネジメント手法の検討等を行い、各関係機関と連携して多種多様な化学物質に対し包括的に対応できる体制を構築するよう努める。
 特に、ダイオキシン類対策については、大気環境指針値以下にすることを目標として、廃棄物焼却施設等に対し、排出抑制指導を徹底するとともに、廃棄物焼却炉からの排出実態の把握に努め、効果的な指導を行うための技術マニュアルを作成する。
 また、これら排出抑制対策を一層充実させるため、引き続き環境モニタリング調査を進め、汚染実態及び経年変化の傾向を把握・評価する。さらに、排出抑制対策の一環としてごみ処理の広域化計画を策定するとともに、事業者に対する財政支援措置等について国に要望する。

第8節 環境保健対策等の推進

 環境汚染による健康被害の未然防止の観点から、環境汚染と健康影響の継続的な調査の実施や科学的知見の集積等を図るとともに、できるだけ早期に適切な予防措置を講じるための環境保健サーベイランスシステムの構築を図るため、環境汚染による健康影響等の監視体制、環境保健に関する調査研究や情報管理体制の整備を推進する。
 また、災害時における生活環境を保全するため、平成9年3月に策定した「大阪府地域防災計画」に基づき、災害に強いまちづくりに向け、災害による環境への影響を未然に防止するための予防策や、環境への影響が生じた場合における応急対策の体制整備を今後とも推進するとともに、復興段階における環境配慮の組み込み等についての調査検討等を行う。


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14.自然と共生する豊かな環境の創造

 府域の自然は、府民にとって、かけがえのない貴重な財産であり、多様性のある豊かなみどりの創出や生態系の多様性の確保によって、その豊かな恵みを受けることができる。このため、自然環境の保全・回復及び活用を進めるとともに様々な場の中で、自然と人間との豊かなふれあいを保ち、自然と人間との共生を図ることによって、将来にわたって府民がその豊かな自然の恵みを引き続き受けられるよう、みどりの大阪21推進プラン及び環境総合計画に示す施策の大綱に沿って、以下の施策を推進していく。

第1節 生態系の多様性の確保

 府域には、シカ、ニホンザル等の33種の獣類、360種の野鳥をはじめ、特別天然記念物として指定されているオオサンショウウオや天然記念物のアユモドキやイタセンパラといった野生動植物が生息している。
 今後は、府域における野生動植物の分布、生息・生育状況を把握し、第8次鳥獣保護事業計画の推進をはじめ、希少な動植物の保護・保全を図る。また、野生動植物の生息等に配慮し、ビオトープの保全・回復に努めるほか、都市部等の自然の少ない地域にあっては、新たなビオトープの創出を図る。さらに、点在するビオトープを多自然型川づくりの推進、緑道の整備等で有機的に結ぶことにより、多様な生態系を確保・創出する。

第2節 多様な自然環境の保全・回復、活用

 農空間の保全について、中山間地域の棚田を農村の原風景としての保存、多様な生態系の保全、雨水の一時貯留による国土保全という観点から、基金の創設等により、府民と地域が一体となった保全活動を推進する。
 また、府民が豊かな自然と家畜にふれあうことにより、酪農への理解を深めてもらえるような施設にするため、府民牧場の整備を行う。水辺環境について、周辺の環境や地域整備と一体となった河川改修を行い、生き物にやさしい、自然環境に配慮した多自然型川づくり等の整備を実施する。
 また、農業用水路を従来の農業用水のほか、安全なまちづくり、水と緑豊かな水辺づくり等、府民に身近な水辺として活用するため、親水・景観保全施設等の整備を推進する。
 さらに、港湾地域においては、環境と共生する港湾(エコポート)を目指し、人工干潟、底質改善、親水緑地等、海・陸双方にわたる港湾環境インフラの総合的な整備を図る。

第3節 自然とふれあう場と機会づくり

 金剛生駒紀泉国定公園の拡大地域において、和泉葛城山ブナ林とその周辺地域の自然環境を保全・修復するために施設整備を実施するほか、河川において、自然環境に配慮しながら、遊歩道や広場階段護岸の整備等を進める。
 また、「山地美化キャンペーン月間」「河川愛護月間」「ため池愛護月間」「海岸愛護月間」等により、森林、河川、ため池及び海辺でのふれあいの場と機会づくりを図り、府民に自然環境の保全、資源保護の重要性について広報啓発活動を行い、モラルの向上を図る。

第4節 自然環境の保全・創造のための活動の推進

 府民に自然に対する正しい理解を普及するため、自然環境に関する教育及び学習の振興に努めるとともに、自然環境保全指導員の巡視活動に資する研修会の開催、みどりに関するより高度なボランティアとしての「みどりすと」の養成、緑の少年団の拡大により、自主的な活動を促進する人材の養成を促進する。
  また、平成11年に開催する「全国育樹祭」に向けて、広く府民のみどりに対する意識を啓発するとともに、みどりづくりの気運を醸成する。さらに、啓発冊子の配付先の工夫等、より効果的なみどり施策の発信に努めるほか、インターネット等の多様な情報チャンネルを活用した自然環境に関する情報の収集・提供に努める。


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15.文化と伝統の香り高い環境の創造

 都市が経済的にも文化的にも活気にあふれる場所であり続け、人々を引きつける魅力をもち、人々が集まる賑わいそのものが都市の魅力をさらに増幅させるという、賑わいに満ちた都市空間を創り出すためには、都市に潤いや安らぎを持たせ、都市景観の向上を図るとともに、歴史的文化的遺産を保全し、その活用を図るなど、文化を演出する多彩な空間を創出することが必要である。

第1節 潤いと安らぎのある都市空間の形成

 市町村の公園事業、特に防災上必要な地域の公園整備事業に対し、積極的に補助を行うとともに、平成11年に開催する「全国育樹祭」の会場となる蜻蛉池公園の開設面積拡大等、府営公園の整備を実施する。
 また、庁舎・府営住宅・府立学校等の公共施設を緑化するとともに、民間施設の緑化推進を誘導するため、「大阪府緑化支援隊」等の緑化推進事業の活用を図る。
 水辺環境については、河川環境整備事業や都市海岸高度化事業等を実施することにより、周辺の環境と調和した整備を行うとともに、府民の誰もが親しめるような安全性の高い水辺環境を創出する。
 さらに、歩道や広場等の公共性の高い空間についても、防災や福祉のまちづくりの観点から、高齢者や障害者、子供等、誰もが利用しやすく、災害時には避難地や延焼防止空間、避難路等となるよう総合的な環境づくりを進める。

第2節 美しい景観の形成

 美しい景観づくりを進め、「大阪府都市景観ビジョン」を実現するためには、府民、事業者、行政の役割分担を明確にするとともに、美しい大阪を形成するルールを策定し、府民等の意識の啓発が必要である。
 今後は、府有施設や道路等公共施設の整備にあたっては、周辺環境との調和を図り、まち全体の景観向上を推進するような施設づくりを進めるとともに、「美しい景観づくり府民会議」の提言を踏まえ、府民・事業者・行政が適切に役割を分担しながら、総合的、計画的な景観施策を展開するため、景観条例の制定について検討する。
 また、府民・事業者・行政の協働による美しい世界都市大阪の実現のため、「大阪美しい景観づくり推進会議」を核として、景観づくりに取り組んでいる団体の連携を強化していくとともに、まちづくり功労者の表彰やイベント等の啓発事業により、美しい景観づくりに対する府民の意識高揚を図る。

第3節 歴史的文化的環境の形成

 大阪には、古代から現代に至るまでの歴史的文化的遺産の象徴とも言えるものが点在しており、地域の特色となるこれらの歴史的文化的雰囲気が保全・再生されるよう配慮する必要がある。
 このような状況から、法令に基づく規制・指導を行い、歴史的文化的雰囲気を残しながら、将来も、安全で快適に住み続けられるよう配慮し、地域住民の合意や協力を得て歴史的まちなみの保全・整備を促進するとともに、歴史的文化的環境の保全と活用についての府民の創意工夫を支援する施策を総合的に展開する。
 今後は、史跡・名勝等の文化財の調査・保全を図るとともに、国の重要伝統的建造物群の選定を受けた富田林寺内町の町並みについて、府もあわせて整備事業に対し助成していく。また、狭山池の改修工事に伴い、発掘された各時代の最先端土木技術遺産を展示し、日本の土地開発の歴史のさまざまな情報を発信する「狭山池ダム資料館(仮称)」を建設する。
 さらに、歴史・文化に対する多様化な府民のニーズを適切にくみ取り、博物館の展示やイベント開催により、大阪の風土や歴史、文化について身近にふれあえる機会の提供及び啓発に努める。


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16.地球環境保全に資する環境に優しい社会の創造

 地球環境問題は、人類の生存基盤に関わるものとして、国際社会全体が協力して取り組むべき重要な課題である。地球環境を保全しつつ持続的な発展が可能な社会の実現を図るために、府民の日常生活や社会経済活動が環境への負荷の要因となっているという認識の下に、環境への配慮が十分になされる地域社会の構築を目指す必要がある。

第1節 地球環境保全に資する取組の推進

 すべての主体の協働による行動の推進のため、府、市町村、事業者、民間団体等で構成する「豊かな環境づくり大阪府民会議」によって策定した「地球環境保全行動指針」の普及啓発に努めるとともに、行動指針の具体化を図るために毎年見直し、策定する大阪府版ローカルアジェンダ21「豊かな環境づくり大阪行動計画」に基づいた実践活動を展開していく。
 地球環境問題への取組の推進のため、平成9年12月の「気候変動防止枠組条約第3回締約国会議」で、1990年を基準に我が国の温室効果ガスの排出総量を6%削減すること等を内容とした京都議定書が採択されたことを受け、「大阪府地球温暖化対策地域推進計画」の改定を検討していく。
 近年特に、二酸化炭素の排出量が増加している民生部門での削減を促進するため、平成9年度に策定した「大阪府地球温暖化防止行動ガイドライン」の普及啓発やセミナーの開催等を実施し、府民の理解を深め、ライフスタイルの変革に取り組んでいく。
 また、温暖化防止への緑化の面での取組として、樹木による二酸化炭素吸収能について、人工衛星リモートセンシングデータ等を用いて吸収量を推計し、地球環境に貢献度の高い樹木保全についての検討を行う。
 オゾン層保護対策については、フロン回収等の促進についての啓発や市町村への支援を行う。また、関係業界、行政、学識経験者等で構成される「大阪府フロン対策協議会」を通じて、オゾン層保護対策のための適切なフロン回収・処理システムの構築を関係業界等に働きかける。
 国際技術協力の推進として、府の環境保全技術や公害防止施策のノウハウ、環境モニタリング手法等を開発途上国等に移転するため、研修生の受入れや職員の派遣等を行うとともに、JICA(国際協力事業団)との連携による技術研修を実施する。
 また、関西の自治体・経済界と連携して、「Apec環境技術交流促進事業」を通じて本府が蓄積してきた環境技術情報の発信等を図る。

第2節 環境に優しい地域づくり

 府内における省資源・省エネルギーの導入効果、地域特性に応じた自然エネルギーや未利用エネルギー活用方策等を踏まえた「エコエネルギー都市・大阪計画」を策定し、環境負荷の少ない循環型システムへの変革を目指す。
 廃棄物の発生抑制及びリサイクルの推進として、事業者・住民・行政の果たすべき役割と具体的な行動を取りまとめた「ごみ減量化・リサイクルアクションプログラム」及び事業者責任の原則のもと、排出管理・減量化・適正管理を基本目標とする「大阪府産業廃棄物管理計画」に基づく廃棄物の発生抑制、再生利用、中間処理等の推進や、建設副産物、浄水処理過程で発生する汚泥(水道残渣)や流域下水道から発生する処理水・汚泥等のリサイクルを行う。
 また、府有建築物の建設工事について、「建設副産物等リサイクル推進要領」(平成9年3月策定)に基づき、建設副産物等のリサイクルを推進していくとともに環境共生建築技術の府有施設への導入を図る。
 また、「環境にやさしい大阪府庁行動計画」に基づき、府の施設及び事業等について、地球環境保全の観点から、省資源、省エネルギーやリサイクルの推進、新エネルギーの導入、自然エネルギー・未利用エネルギーの活用及び緑と水の保全と創出等について検討し、実施に努める。


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このページの作成所属
環境農林水産部 エネルギー政策課 環境戦略グループ

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