化学的酸素要求量、窒素含有量及びりん含有量に係る総量削減計画

更新日:平成24年2月29日

 この総量削減計画は、「水質汚濁防止法」(昭和45年法律第138号)第4条の3等の規定に基づき、「瀬戸内海環境保全特別措置法」(昭和48年法律第110号)第5条第1項及び水質汚濁防止法施行令(昭和46年政令第188号)別表第2第3号に規定する区域のうち大阪府の区域について、水質環境基準の達成を目指す「化学的酸素要求量、窒素含有量及びりん含有量に係る総量削減基本方針(瀬戸内海)」(平成23年6月15日策定)に定められた削減目標量を達成するため、必要な事項を定めるものである。

1 削減の目標

平成26年度を目標年度とする発生源別の削減目標量は次のとおりとする。

(1) 化学的酸素要求量について

表1 発生源別の削減目標量

削減目標量(トン/日)(参考)平成21年度における量
(トン/日)
生活排水5152
産業排水 9 9
そ の 他 5 4
合  計6565

(2) 窒素含有量について

表2 発生源別の削減目標量

削減目標量(トン/日)(参考)平成21年度における量
(トン/日)
生活排水3637
産業排水 8 8
そ の 他1716
合  計6161

(3) りん含有量について

表3 発生源別の削減目標量

削減目標量(トン/日)(参考)平成21年度における量
(トン/日)
生活排水2.12.5
産業排水0.60.6
そ の 他0.90.9
合  計3.64.0

 

2 削減目標量の達成のための方途

2−1 生活系排水対策

 瀬戸内海に流入する汚濁負荷量を効果的に削減するためには、工場・事業場排水はもとより、汚濁負荷量に占める割合の大きい生活排水についての対策を、市町村と協力しながら、重点的に進めていく必要がある。
 このため、「大阪21世紀の新環境総合計画」(平成23年3月策定)に基づき、地域の実情に応じ、下水道や浄化槽、農業集落排水施設等を適切に選択し、生活排水処理施設の効率的で計画的な整備を促進する。
 また、排水処理の高度化の促進並びに適正な維持管理の徹底等の生活排水対策を計画的に推進することにより、汚濁負荷量の削減を図る。
 さらに、生活雑排水対策についての啓発・普及を行うなど、家庭からの生活排水対策についても促進する。

(1)下水道の整備等

 下水道については、「大阪湾流域別下水道整備総合計画」(平成22年8月策定)に基づき、整備を推進するとともに、水洗化を促進する。
 
また、下水道終末処理場については、適切な維持管理により処理水質の安定及び向上に努めるとともに、窒素及びりんの除去を含めた高度処理施設の導入を行う。
 
合流式下水道については、「合流式下水道緊急改善計画」(平成22年3月改定)に基づき、改善事業を進める。
 
整備済みの下水道に未接続の住宅等について、早期に下水道へ接続するよう働きかける。
 
下水道水洗化人口(見込み)を表4に示す。

表4 下水道水洗化人口(見込み)

年度行政人口
(千人) a
下水道水洗化人口
(千人) b

b/a
(%)

268,7198,008
【5,528】※
91.8

※【 】書きは、高度処理人口を示す(内数)。

(2)下水道以外の生活排水処理施設の整備

 浄化槽の設置については、「建築基準法」(昭和25年法律第201号)及び「浄化槽法」(昭和58年法律第43号)に基づき、合併処理浄化槽の適正な設置を指導する。また、くみ取り便槽や単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換を働きかける。
 
特に、市町村が各戸に浄化槽を整備し使用料を徴収して管理・運営する「浄化槽市町村整備推進事業」に対して技術的支援を行うとともに、当該事業を窒素やりんの除去機能を有する高度処理型の浄化槽で実施する場合の府費補助制度の活用等により、その導入を促進する。
 
なお、浄化槽の放流水質の安定及び向上を図るため、浄化槽法及び建築基準法に基づき、浄化槽の適正な設置、維持管理及び水質に関する検査の徹底を図る。
 
農業集落排水施設・漁業集落排水施設及びコミュニティープラントについては、施設の維持管理の徹底を図ることにより、放流水質の安定及び向上に努める。
 
し尿処理施設については、維持管理の徹底を図ることにより、放流水質の安定及び向上に努めるとともに、安定的で効率的なし尿及び浄化槽汚泥の処理体制の整備・促進に努める。
 
また、上記施設のうち水質汚濁防止法等の規制対象となる施設については、法に基づく規制・指導を行う。
 
処理形態別汚水処理人口(見込み)を表5に示す。

表5 処理形態別汚水処理人口(見込み) 

年度処理形態処理人口(千人)
26浄化槽511

農業集落排水施設
漁業集落排水施設 
コミュニティープラント 

  2

(3)一般家庭における生活排水対策

 一般家庭からの生活排水による汚濁負荷量を削減するため、平成18年度に開設した生活排水に関するホームページ等を活用し、家庭での取組みにつながる情報を提供するなど、「水質汚濁防止法」、「大阪府生活環境の保全等に関する条例」(平成6年大阪府条例第6号)及び「大阪府生活排水対策推進要綱」(昭和63年4月制定)に基づき、市町村と協力し、家庭でできる雑排水対策についての啓発・普及を行う。また、毎年2月の「生活排水対策推進月間」をはじめ、関係機関が連携し、生活排水に関する府民啓発の取組みを効率的に実施する。
 
さらに、特に対策の実施が必要な地域を生活排水対策重点地域に指定し、計画的かつ総合的な生活排水対策を推進する。

2−2 産業系排水対策

(1)総量規制基準の設定

 指定地域内事業場については、個々の事業場の排水実態、排水処理技術水準の動向、過去の汚濁負荷量の削減努力、費用対効果等を勘案し、公平性の確保に努めながら適切な総量規制基準を定め、立入検査、水質検査等でその遵守を徹底することにより、汚濁負荷量の削減を図る。
 
特に、特定施設を新設・増設する指定地域内事業場については、最新の処理技術の導入等が可能であることから、原則としてより厳しい総量規制基準を設定することにより、汚濁負荷量の削減を図る。
 
C値については、「化学的酸素要求量についての総量規制基準に係る業種その他の区分及びその区分ごとの範囲」(平成18年環境省告示第134号、平成23年一部改正)、「窒素含有量についての総量規制基準に係る業種その他の区分及びその区分ごとの範囲」(平成18年環境省告示第135号、平成23年一部改正)及び「りん含有量についての総量規制基準に係る業種その他の区分及びその区分ごとの範囲」(平成18年環境省告示第136号、平成23年一部改正)により定めることとし、一部の業種については、排出実態等を踏まえ細分化することで適切に設定する。
 
また、除去効果の高い排水処理施設の導入、排水処理施設の維持管理の徹底、工程内で使用される添加物の低減及び副原料の転換等を指導することにより汚濁負荷量の削減を図る。
 

(2)総量規制基準が適用されない工場又は事業場に対する対策

 総量規制基準が適用されない工場又は事業場のうち、「水質汚濁防止法第3条第3項の規定による排水基準を定める条例」(昭和49年大阪府条例第8号)又は「大阪府生活環境の保全等に関する条例」の排水規制の対象となっているものについては、立入検査、水質検査等により排水基準の遵守を徹底するとともに、汚濁負荷量の削減についての指導を行う。
 
その他の工場又は事業場については、排出水の特性等について、その実態把握に努めるとともに、「小規模事業場排水処理の手引き」(平成7年3月制定)や「小規模事業場排水対策マニュアル」(平成13年3月環境省環境管理局)に基づき、実情に即した除去効率の高い排水処理施設の設置の指導や啓発を行うことにより、汚濁負荷量の削減を図る。

2−3 その他の汚濁発生源に係る対策

 その他の汚濁発生源については、地域における発生特性を踏まえた対策を講じるとともに、発生源が多岐にわたることから汚濁負荷の実態に応じた削減努力を促し、汚濁負荷量の削減を図る。

(1)農地からの負荷削減対策

 「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律」(平成11年法律第110号)、「環境と調和のとれた農業生産活動規範」(平成17年農林水産省)、「有機農業の推進に関する法律」(平成18年法律第112号)、「大阪エコ農業推進基本方針」(平成13年3月策定)等に基づき、施肥量の適正化、化学肥料の使用の抑制、大阪エコ農産物の認証等による環境負荷の軽減などに配慮した環境保全型農業を一層推進することにより、農地に由来する汚濁負荷量の削減を図る

(2)畜産排水対策

 畜産排水については、「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」(平成11年法律第112号)に基づき、家畜排せつ物の適正な処理及び有効利用を推進すること等により、家畜排せつ物に由来する汚濁負荷量の削減を図る。

(3)養殖漁場の改善

 養殖漁場の環境改善を図るため、「持続的養殖生産確保法」(平成11年法律第51号)に基づき、給餌量の低減、汚濁負荷の少ない飼餌料の使用の促進等により、養殖漁場の環境管理の適正化を推進するとともに、漁場内の水質及び底質の改善を図るため、地域の実情に応じて適切な措置を講じる。

3 その他汚濁負荷量の削減に関し必要な事項

(1)大阪湾再生の取組みの推進

 大阪湾への流入負荷の軽減に加え、美しく親しみやすい豊かな大阪湾の再生を図るため、「大阪湾再生推進会議」や「大阪湾環境保全協議会」等を通じ、「大阪湾再生行動計画」(平成16年3月、平成20年11月改訂)の推進などの大阪湾流域の自治体やNPOなどと互いに連携・協力した取組みを推進する。

(2)人工海浜、干潟等の造成・保全

 堺2区における人工干潟の造成や、りんくうタウン地先での藻場造成など、藻場・干潟等の浅海域の造成・保全等のほか、海域での緩傾斜護岸の導入、多自然川づくりなど、自然が有する水質浄化機能の積極的な活用を図る。

(3)水質浄化事業の推進

ア 河川・水路の浄化施設整備等

 水質汚濁の進んだ河川・水路等の水質を改善するため、寝屋川流域、大和川流域等における浄化施設の整備や適切な維持管理を推進する。

イ 底質改善事業の推進

 底質汚泥による水質の悪化を防止するため、泉州諸河川、大阪市内河川、大阪港港湾区域等において、しゅんせつ等を実施する。

ウ 窪地対策

 大阪湾には埋め立て土砂の採掘跡である大規模な窪地が点在しており、貧酸素水塊の発生要因の一つとされていることから、窪地の埋め戻しを促進する。

(4)循環型社会における資源リサイクルの推進

 工場において、製造工程で使用する窒素及びりんの回収利用を促進することにより汚濁負荷量の削減を図るとともに、工場又は事業場での水の循環再利用や家庭での節水型水利用を促進するなど、社会全般における循環型社会の実現に向けた取組みを促進する。

(5)健全な水循環の回復

 森林や農地等の貯留浸透・涵養能力の保全・回復・増進や、平常時の河川流量の確保、下水の高度処理水の河川還元、雨水利用の促進等の健全な水循環の回復に向けた取組みを進めることにより河川等の水質の改善を図る。

(6)水質改善に資する養殖等の取組の推進

 水質改善に資する取組として、海域中の自然にある栄養塩や餌を利用して行う藻類養殖等を推進するとともに、漁業について、漁獲量の管理、資源回復計画の推進などにより、水生生物の安定的な漁獲を図る。

(7)監視体制の整備

 公共用水域の水質汚濁の状況及び汚濁負荷量の削減状況を正確に把握し、有効かつ適切な対策を講ずるため、河川及び海域の水質監視並びに指定地域内事業場等に対する立入検査の実施及びその他の発生源に対する指導等、効果的な監視体制の充実を図る。

(8)教育、啓発等

 水質総量削減をより効果的に推進するには、府、市町村、事業者、府民、民間団体及び関係機関の各主体間の連携を強化するとともに、各々の理解と協力を得ることが必要である。このため、自治体の広報紙、ホームページ等の様々な媒体を活用し、総量削減の趣旨及び内容についての情報を提供するほか、大阪湾に関する学習機会の提供などにより、広く正しい理解を求め、協力体制の強化を図ることにより、汚濁負荷量の削減に努める。
 
府民に対しては、家庭でできる浄化対策の実践等に努めるよう啓発等を行うとともに、児童及び生徒に対しては、水質保全に対する正しい知識が得られるよう、環境教育等を通じて、水質保全意識の普及・啓発を行うなど、自ら汚濁負荷量削減のための行動を実践するような気運づくりに努める。
 
事業者に対しては、業界団体が実施する研修会等を通じ、本計画の趣旨及び内容の周知徹底に努め、総量規制基準の遵守はもとより、汚濁負荷量の削減に向けた事業者による自主的な取組みを促進する。
 
また、陸域から流入する汚濁負荷量の削減、藻場・干潟の整備や海岸清掃などの人の手を適切に加えることにより生物多様性、生物生産性が高まる里海をめざし、里海の概念や重要性について啓発を図るとともに、海の恵みを実感できる「人と海との関わり」を回復するため、パブリックアクセスの向上を図る。
 

(9)調査研究の推進

 府及び市町村等の試験研究機関において、環境保全に関する調査研究を引き続き実施し、環境保全に関する技術開発や海域における内部生産機構の解明等に努める。

(10)中小企業者への助成措置

 公害防止対策を行う必要がある中小企業者に対し、資金の融資あっ旋及び技術指導に努め、水質汚濁防止施設の整備等を促進するものとする。

4 進行管理

 発生負荷量管理等調査を活用し、毎年、適切な進行管理、点検評価を行う。
 
なお、社会情勢に大きな変動があるなど目標達成が困難と予想される場合は、施策の追加等の見直しを行う。

用語集

このページの作成所属
環境農林水産部 環境管理室環境保全課 環境計画グループ

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