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Q1 府がインターネットを利用する方法による縦覧(電子縦覧)について図書作成者の許諾が得られない場合はどうなるのか。
Q2 アセス図書において他人の地図を利用する場合に、図書作成者が留意しなければならない点は。
Q3 他人のアセス図書の大部分を利用する場合に、図書作成者が留意しなければならない点は。
Q4 アセス図書作成者は、インターネット上で図書を自由に掲載することは可能か。
Q5 利用したい著作物について著作者と著作権者が異なる場合、どちらの者に許諾をとればよいのか。
Q6 府がインターネット上にアセス図書を掲載することが可能である理由は。
Q7 アセス図書に掲載されている一部の著作物について、公開してほしくない部分があった場合、どうすればよいか。
Q8 府がインターネット上にアセス図書を掲載する場合、著作権の保護措置を講じてくれるのか。
Q9 アセス図書の縦覧中に府民が写しを請求した場合はどうなるのか。
Q1 府がインターネットを利用する方法による縦覧(電子縦覧)について図書作成者の許諾が得られない場合はどうなるのか。
A1 他人の著作物をインターネット上に掲載する場合には、著作権者の許諾が必要です。
したがって、著作権者である図書作成者から許諾が得られない場合には、従来どおり書面による縦覧のみとし、インターネット上には掲載しない理由を掲載します。
なお、電子縦覧の許諾は書面により図書作成者から求め、その際にアセス図書の電子データの提出を求めることになります。
Q2 アセス図書において他人の地図を利用する場合に、図書作成者が留意しなければならない点は。
A2 地図は図形の著作物(法10条1項6号)にあたり、他人の地図を利用(複製、インターネット上の掲載など)する場合には、私的使用を除いて
著作権者の許諾が必要となります。
しかし、公正な慣行に合致するもので、かつ、正当な範囲内であれば、他人の著作物の一部を引用して自由に利用することができます(法32条)。
ここで「公正な慣行に合致するもので正当な範囲内」については、引用する著作物(アセス図書)と引用される著作物(地図)と間において、
○ 明瞭区分性(必要に応じて出所表示など)
○ 従属性(例えば、アセス図書が主で地図が従の関係)
○ 最小限利用性
○ 著作者の人格への配慮
などを要件とした判例があります(「パロディモンタージュ事件」最高裁判決など)。
しかし、著作権法で具体的な要件が決まっていないことから、地図その他写真等を引用する場合には、必ず著作権者に確認してください。
なお、アセス図書に掲載されている基本地図(地勢図、地形図、空間データ基盤など)は、ほとんど国土地理院が作製したものなので
国土地理院に確認してください。(※1)
※1 国土地理院の地図の利用手続(国土地理院ホームページより) |
Q3 他人のアセス図書の大部分を利用する場合に、図書作成者が留意しなければならない点は。
A3 地域特性や事業特性の類似性が高いなどの理由から、他人のアセス図書を大部分利用したアセス図書は二次的著作物にあたる可能性があります。
二次的著作物に該当した場合には、利用した他人のアセス図書の著作権者の許諾が必要となります(法28条)。
これに対し、基本地図など一部をアセス図書に利用する場合は、二次著作物ではなく著作物の引用にあたります(Q2参照)。
なお、二次的著作物の典型例としては、小説を映画化する場合や英語の小説を日本語に翻訳する場合があります。
Q4 アセス図書作成者は、インターネット上で図書を自由に掲載することは可能か。
A4 著作権には、複製権、自動公衆送信権、展示権、貸与権、譲渡権など多数の権利の集合体(支分権の束)となっています。
これらはそれぞれ独立した権利であるため、インターネット上に掲載する場合には自動公衆送信権(法23条)を有する必要があります。
このため、アセス図書の書面上に掲載する権利である複製権を有していても、自動公衆送信権を有していなければインターネット上で掲載できません。
なお、国土地理院の地図等を引用したアセス図書の場合、具体的な手続等は国土地理院に確認してください。(※2)
※2 インターネット等により情報を提供する場合(国土地理院ホームページより)
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Q5 利用したい著作物について著作者と著作権者が異なる場合、どちらの者に許諾をとればよいのか。
A5 著作権法上で保護される権利には、著作者人格権と著作財産権があります(下図参照)。
一般に著作権と呼ばれるものは、著作財産権のことです。
まず、他人の著作物を全体又は一部をそのまま利用する場合には、著作権者の許諾が必要です。
一方、他人の著作物をそのままではなく改変(追加、削除など)して利用する場合には、同一性が保持されず著作者人格権を害するおそれがあるため著作者の
同意が必要です(法20条)。(※3)
また、公表されていない著作物を利用する場合には、著作者に公表する権利がありますので、著作者の同意が必要となります(法18条)。
アセス図書においては、国土地理院の基本地図を利用することが公正な慣行に照らして引用にあたらない場合には、著作者であり著作権者でもある国土地理院
の許諾が必要となります。
※3 国土地理院の地図について、承認を得て複製・使用した成果を更に複製・使用する場合(二次利用)(国土地理院ホームページより) |
Q6 府がインターネット上にアセス図書を掲載することが可能である理由は。
A6 アセス図書作成者など自動公衆送信権を有する著作権者から同意があれば、府は、インターネット上にアセス図書を掲載することが当然可能となります。
しかし、他人の著作物が含まれている場合には、府は、その他人から自動公衆送信権も取得していることをアセス図書作成者に確認したうえで掲載することと
なります。
例えば、アセス図書のなかに地図、野鳥の写真、フォトモンタージュ写真など他人の著作物を掲載している場合には、アセス図書作成者に必要な著作権を取得
しているか確認することになります。
Q7 アセス図書に掲載されている一部の著作物について、公開してほしくない部分があった場合、どうすればよいか。
A7 著作者には未公表の著作物を公表する権利がありますが、行政機関へアセス図書を提出した場合には、特段の意思表示をした場合を除いて、情報公開法令の
規定により行政機関が公開することについて同意したものとみなされます(法18条3項)。
仮に、アセス図書のうち公表してほしくない部分が、他人の著作物で未公表のもの(例えば設計図など)であって、その他人と公開しないこととする特約があれば、
例外的にその部分を除いて公開するなどで対応します。
Q8 府がインターネット上にアセス図書を掲載する場合、著作権の保護措置を講じてくれるのか。
A8 著作権者や著作者の権利を侵害しないよう、府がアセス図書を掲載する場合にはその旨を周知いたします。
例えば、著作権は事業者にあること、著作権者の許諾を得ないで、複製、販売、貸与等を行うことは禁止されていることを、アセス図書を掲載するホームページ上に
目立つように記述します。
Q9 アセス図書の縦覧中に府民が写しを請求した場合はどうなるのか。
A9 縦覧中であるか否かに関わらず、行政機関に一旦提出されたアセス図書は情報公開条例の対象文書となります。
したがって、府民から写しの請求があった場合には、行政機関はその府民に対してコピーして情報提供することができます。
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このページの作成所属
環境農林水産部 環境管理室環境保全課 環境審査グループ
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