セアカゴケグモ毒性試験の概要

更新日:2010年3月11日

今回の年齢の異なったマウスを用いた一連の毒性試験結果によって、以下の結論が得られた。

1)平成18年夏期に採取されたセアカゴケグモの毒性は発見当時(平成8から平成9 年)のクモと同程度であり、健康な成人が咬まれた場合には直ちに生命に関わる事はないと推測される。しかし免疫力が弱い幼児や老齢者あるいは成人でも体力の落ちた者が被害にあった場合には、健康な成人と比較して重症となる可能性もある事が示唆された。これらの年齢の人たちへの注意喚起が改めて必要であると考えられる。

2)2度目に咬まれた場合においては、一部に懸念されていたようなアナフィラキシー(注1)ショック等のアレルギー反応は認められなかった。特に健康な成人の場合、その中毒症状は1 度目の咬傷時よりも軽症になることが推測される。しかし免疫機能が未成熟な幼児等では、1度目以上に重篤になることはないが、同様に重症となる可能性が示唆され、この点も含め十分な注意が必要であろう。

  (注1)アナフィラキシーとは、ハチ毒や食物、薬物等が原因で起こる急性アレルギー反応の1つで、あるアレルゲンで免疫を得た主体が同じアレルゲンの再投与に対してショック症状などの過敏な反応を示すこと。

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健康医療部 生活衛生室環境衛生課 生活衛生グループ

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