A1: 国立感染症研究所の感染症週報によると、令和3年度(令和3年12月19日まで)に全国で報告されたレジオネラ症発症件数は、2056件でした。
またその中でも大阪府では、131件が報告されています。
A2: レジオネラ属菌は水滴や土ぼこりの飛散などと共に、生活環境に進入し、付着した場所が増殖しやすい場所であればどこでも増殖します。
飛散したレジオネラ属菌を含んだ細かい水滴(エアロゾル)や土ぼこり等を吸い込むことによって空気感染をします。人から人への感染はありません。
A3: レジオネラ属菌を含んだ水滴を吸い込まないようにすることが予防になります。
特に水温の上昇する夏場はレジオネラ属菌が増殖するので、充分な休養、睡眠、食事をとり体力が低下しないよう気をつけることが大切です。
高齢者、新生児や免疫力の低下している人は特に注意が必要です。
A4: 多くの入浴施設では浴槽水を循環させ、ろ過器等で汚れを取り除いています。(循環式浴槽)
浴槽水は温かく、栄養分があるため、衛生管理が適切にできていないと、配管の内部でぬめり(バイオフィルム)が発生してしまいます。
レジオネラ属菌は、そのぬめりの中でアメーバなどの微小な生物に寄生して生息します。
ぬめりの中にいるレジオネラ属菌には、塩素消毒の効果が低く、容易に除去することができません。
また寄生していたアメーバ等の膜が壊れると、中にいたレジオネラ属菌が一気に拡散する原因となります。
さらに気泡発生装置(ジャグジー等)を利用していると、気泡と一緒にレジオネラ属菌が飛び散って、
感染の原因となりやすいことがわかっています。
A5: 水温が上昇すると、水道水中の残留塩素が消失しやすいことと、レジオネラ属菌の発育適温である25℃から43℃の場所が生じるために、
レジオネラ属菌が増殖しやすくなります。
またシャワー等の使用により水滴が飛散すると、それを吸引することでレジオネラ症に感染する可能性があります。
A6: 空調用冷却塔は、6から9月頃まで使用され、その水温は15から30℃を越え、レジオネラ属菌にとって最適温となります。
冷却水には藻類や原生動物、多くの細菌が生息しておりレジオネラ属菌にとって生息しやすい条件がそろいます。
また、水道水を補給水としていても循環水量全体の1%程度であり、水道水の消毒用塩素の影響は受けません。
A7: 月1回の冷却塔の洗浄とレジオネラ属菌の定期的な検査を行います。
洗浄には、過酸化水素、殺菌剤または塩酸、有機酸等の化学洗浄の後、抗レジオネラ用空調水処理剤を投入します。
具体的には専門家による日常の維持管理が大切です。
A8: 水を空気中に飛散させるための仕組みによって、異なります。
加熱して加湿するタイプはレジオネラ属菌が死滅するため問題ありませんが、遠心力や超音波を利用するタイプでは、
加湿水のタンク中でレジオネラ属菌が増殖する場合があります。
そのため、タンクの清掃を行い清潔にすることが大切です。
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健康医療部 生活衛生室環境衛生課 生活衛生グループ
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