殺そ剤の系統分類

更新日:平成31年3月29日

殺そ剤の系統分類 

(1)クマリン系殺そ剤

 クマテトラリル・フマリン・ワルファリンがあり、蓄積性の血液凝固阻止作用を持つ。最初に発見されたのはワルファリンで1930年代カナダやアメリカの牧草地帯で牛が原因不明の出血性疾患で死亡する例があり、腐敗したクローバーの中に血液凝固阻止作用を持つダイクマロールが発見された。本剤をマウスに投与すると、1回の投与ではかなり大量に耐えるが、少量ずつ連続摂取されると体腔や皮下組織などに浸潤性の出血を起こして死亡する。投与2から3日は外見上何の変化も見られないが、体内では徐々に出血が起こり、4から5日間連続投与するとその後摂取しなくても動きが鈍くなり耳や四肢が白くなって死んでしまう。このような死に方は他のネズミに異常な警戒心を起こさせない利点があるが、連続して摂取しない場合は致死までの日数が長くなる。人畜に対しても同様の毒性を示し、連続して誤食する可能性が低いため薬害は生じにくい。

 最近では、ワルファリン抵抗性のネズミの出現や遅効性毒性の欠点を補うブロマジオロン製剤(動物用医薬部外品)が開発された。

(2)α−ナフチルチオウレア(アンツウ)

 灰色または青灰色の粉末で水やアルコール・エーテルに溶けにくく、苦みを持っている。毒作用は比較的遅効性で10から24時間後に死亡する。これを食べると肺胞内に体液が満たされ呼吸困難から窒息死するものと思われる。一度本剤を食べて生き残ると忌避性を示したり、抵抗性を獲得したりするため次第に使用されなくなってきている。しかし、ドブネズミに対しては、散粉法などで高い効果があげられる。また、種によって効力差があり、クマネズミよりドブネズミの方が効力が高い(約1/30でよい)。また若い個体より成獣の方が効果が高い。

(3)シリロシド

 地中海沿岸に自生するユリ科の赤海葱の球根に含まれる成分である。本罪は強い強心配糖体でこれを摂取したネズミは、しばらくして歩行変調ののち刺激に敏感になり、走り回ったりする回転性の痙攣を起こし、呼吸麻痺によって死亡する。ネズミの種類によって効力差があり、ハツカネズミ・ドブネズミの方がハタネズミやアカネズミより効果が高い。一度本剤を食べて生き残ると忌避性を示す傾向がある。また、ネズミは嘔吐しないが、他の動物が誤食しても嘔吐作用があるため比較的安全だと言われている。

(4)ノルボルマイド

 白色ないし淡黄色の針状結晶で、水にはほとんど溶けない。きわめて安定な化合物である。毒作用は血管が停滞するために酸素欠乏がおきて死んでしまう。致死時間は早く、多くは1時間以内に死亡する。致死量は、種類によってかなり異なり、Rattus属には特異的に作用する。

 

なお、これらの薬品の使用に際しては、使用上の注意をよく読み、用法・用量を守って正しくお使い下さい。

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健康医療部 生活衛生室環境衛生課 生活衛生グループ

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