高齢者への思いやり <自分たちにできること>

更新日:平成21年8月5日

(2)高齢者への思いやり <自分たちにできること>

単元名
  ○「おばあちゃんがいるといいのにな」(人権教育読本 小学校低学年用『ひと いのち』)
  ○自分たちにできることをしよう(特別活動、生活科)
観 点
  ◎思いやり
  ○生命の尊重 ◎社会貢献 ○共に生きる ○コミュニケーション力
ねらい
  ○幼少期から高齢者とかかわる場面を増やし、それを通して、他者へのいたわりや思いやりの気持ちを育てるとともに、高齢者への尊敬の念を深めるよう意識づける。
  ○展開例1では、主人公や祖母の表情や動作に着目させながら、祖母の存在や祖母に対する気持ちを読みとらせ、高齢者に対するやさしさやいたわる気持ちを育み、命の尊さに気づかせ、生命を尊重する心を育てる。
  ○展開例2では、学んだことや感じていることなどを通して、周囲に積極的に関心をもち、社会の一員として子ども自身の視点から自分でできることに気づき、自ら進んでかかわろうとする態度と行動力を育て、社会貢献の基礎となる力を育む。

展開例1
 「おばあちゃんがいるといいのにな」<高齢者への思いやりや尊敬の心を育むから>

学習活動指導者の働きかけ・留意点予想される反応
「おばあちゃんがいるといいのにな」という題から、どうしていいのか、予想してみる。○「おばあちゃんがいるといい」という言葉に着目する。
○自分の経験と重ね合わせるようにし、おばあちゃん・おじいちゃん、どちらでもよいことをおさえる。
自分のおばあちゃんやおじいちゃん、近所のおばあちゃんやおじいちゃんとのいい思い出や体験を話す。○子ども自身の祖父母や高齢者とのかかわりの中で、楽しかった思い出等を振り返るようにする。
○「おばあちゃんやおじいちゃんと一緒にいて、楽しかった、おもしろかった、すごいと思ったことがあるかな?」
○自分の体験をしっかり話せるようにする。
・幼稚園で昔遊び教えてもらった。
・やさしいし、ずっとお話を聞いてくれるよ。
3 1の場面
「いえのなかに でーんと ひとり おばあちゃんがいると いい」のはどうしてか、考える。
○1の場面に注目する。
○家のなかにでーんとひとりおばあちゃんがいる様子を各自やってみる。
○他の人の発表を聞く態度を身につける。
・おばあちゃんがいないからわからない。
(⇒事前に高齢者との交流等をもつといい)
4 2から6の場面の中から1場面を選んで、おばあちゃん役・ぼく役をやってみる。
*2(みんなを迎えてくれる)
 3(縁側で編み物)
 4(怒られたらそばに行く)
 5(前掛けのちり紙で鼻をふく)
 6(おかゆ)
○2人1組になって、二人の会話を考える。
○二人の会話に吹き出しをつける。
○うれしそうな表情、悲しそうな表情等、二人の表情やかかわり、会話等から、おばあちゃんに対する気持ちを読みとる。
○しっかり発表できるように励ます。
○他のグループの発表のよいところを見つける。
・私も同じことしてたよ。
・○○さんはゆっくりしゃべって、おばあちゃんらしかった。
・役をやっておばあちゃんがもっと好きになった。
5 7の場面(亡くなる)
主人公の気持ちを考える。
おばあちゃんに手紙を書く
○悲しそうな表情等から、おばあちゃんに対する気持ちを考える。・いなかのおばあちゃんにも書こうっと。

展開例2
自分たちにできることをしよう
学習活動指導者の働きかけ・留意点予想される反応
1 自分たちにできることを考える

2 今までいいことをしてほめられたことを出してみる

3 まちをよくするためにできることを考える

4 計画を立てる

○それまでにお年よりから聞いた話や、困っている人のことをふりかえるようにする。
○子どもの目線を大事にして、一つひとつの意見にうなづきながら、発言するのを励ます。
○人の役に立てることは気持ちのいいことで喜びと思えるように、いい発言や行動には感心する。
○ふだんから身近なところや家庭の中でできることを進んでするようにすすめる。
○教師自身がふだんから子どものモデルになれるように意識する。
・おばあちゃんたちの肩を叩いてあげよう。
・学芸会や運動会におばあちゃんたちを招待しよう。(一人ぐらしの方も)
・幼稚園・保育園の子に遊びを教えてあげよう。
・池や川にごみを捨てないように、ってポスターを描こう。
・校区のごみを拾おう。


プログラム例

第1次 「おばあちゃんがいるといいのにな」
○「おばあちゃんがいるといいのにな」
○手紙を書こう
(展開例1)

第2次 おじいちゃん・おばあちゃんと遊ぼう
○地域に住んでいるお年よりにも声をかけよう
○交流し、教えてもらおう
○出し物をしよう

第3次 まちのことを調べよう
○お話を聞こう(昔のこと、自然や環境、町の歴史、願い)
○まちのことを調べよう

第4次 自分たちにできることをしよう
○自分たちにできることを考えよう
○実行しよう
(展開例2)

<参考>
 ♪ おじいちゃんのこもりうた♪  作詞・作曲 みなみらんぼう(NHKみんなのうた より)
1 ぼくのおじいちゃんの 話をきいてくれ
  毎晩ぼくの ふとんに入ってきて
  むかしは川が きれいでよかったとか
  森には鳥が いっぱいだったとか
  おとうさんが結婚して ぼくが生まれて
  おばあちゃんが死んで さみしくなったとか
  かったるい話で ぼくがねたふりすると
  いつも先に おじいちゃんがねてしまう
2 ある日おじいちゃんが 病気になっちゃって
  見舞いに行くたび うるさく言うんだよ
  植木に水やれ タマネギをもっと食え
  退院したら 海を見に行こう
  一方的に約束して 笑ってたのに
  おばあちゃんの国へ 一人で行っちゃった
  ポケットの中に だからおじいちゃんの写真
  ホラ 青い海ですよ おじいちゃん
Jasrac 出0405866-401

取組例(小学校)

やさしさ  “花さき山に花を咲かそう
 3年生はみな「自分が大事」と思っているが、「自分だけ」という気持ちが強かった。集団の中にいて集団から認められる自分を育てるために、自らを振り返る“目”を育てていくことが大切だとして取り組んだ。
 まず、自分の思っていることを自分の言葉として素直に出すことに慣れるよう、構成的エンカウンターを取り入れ、「いいところさがし」「見ていたよ(=自分への手紙)」等を取り組むなかで、今まであまり意識していなかった自分の姿を改めて認識できた。
「やさしさの花さかそう」
 『花さき山』(斎藤隆介)の読み聞かせをし、みんなで「自分たちの花さき山」を作ることにした。画用紙に自由に花を描き、その花に自分のやさしかった時の様子を短く書き込んでいった。一枚の大きな紙に並べると見応えのある作品ができた。この絵をきっかけに、生活の中で見つけたやさしさを集めようと「やさしさポスト」が登場した。
やさしさについて本気を出して考えてみた
 一人ひとりが自分で決めた課題について、それぞれの方法で調べ始めた。数日から一週間の短いサイクルでグループ単位の報告で交流した。「やさしさ」という言葉でくくっても、そのとらえ方は実にさまざまで、それら多様な価値観を互いに刺激し合っていた。
 マイテーマ=家族、お母さん、友だち、兄弟姉妹、おばあちゃん、親戚、保育所、お父さんの店、お母さんの仕事、2班、手伝い、担任の先生、庭掃除、お米洗い、お姉ちゃんの夢、……
 自分の力でなされた結果を仲間に認めてもらうことは、どれほど大きな自信につながるかあらためて感じた。

人の役に立てることが励みに
 交流をしているおじいちゃん・おばあちゃんに、子どもとして何ができるかみんなで考えた。「いつもいろんなことを教えてもらっているから、何かお返ししよう」と、話し合った。「今度の音楽発表会に招待しよう」「花づくりを教えてもらったから、お花をあげよう」……、いくらでもアイデアが出てきた。「足が悪くて来れない人もいるよ」「じゃあ、お花と作品を持っていってあげよう」 子どもたちは、高齢者のゆったりした雰囲気は、ほっとできるので、大好きなのだ。
 学校や町に対してできることも考えた。「花を町に植えたらきれいだよ」「ついでにごみを拾ったらきれいになるね」「学校のみんなにも呼びかけようよ」と、発想は広がっていった。人の役に立てるのがうれしい、喜んでもらえることが励みになるという素直な気持ちを大切にしていきたい。

まちづくりの取り組みの中で、友だちとの新しい関係が!
<もとめ、伝えあい、つながりながら>
 (「自分を出発点に、よりよい社会づくりに参加する子どもたち」を育てることを目標に「もとめる・伝えあう・つながる」力を伸ばそうと実践を積み重ねてきた。今回、「自分のまち」を好きになり、誇りともしてほしいという願いで「まちづくり」についての総合学習に取り組んだ。)
 積極的だが友だちと意見を調整し合意していくことが苦手なAは、バリアフリーについての強い問題意識から、地域に住む目の不自由な方に自らコンタクト。点字パンフレットを作りたいという思いを提示し、みんなの賛同を得ることができた。その結果、話を聞く場の設定や点字道具の手配など、着実にチームの動きをつくり、みんなに受けとめられていった。

取組例(幼稚園)

高齢者と遊んだよ  人とかかわる力を育てる
(前年度は行事的な参加が主であったが、今年度はゆったりした時間の中でかかわりたいとの思いから、毎月一回、朝の遊びに時間に交流している。)
<この日の内容>戸外:木工遊び、スライム、シャボン玉、室内:絵描き、折り紙
<ようすと成果>
 「おばあちゃんもここにすわり」“やっこさん知ってる?”「知らん」“それじゃ一緒に折ってみようか”「うん、教えて教えて」……とてもゆったりした口調での会話が聞かれる。老人会の人たちのやさしい言葉がけやかかわり方に、子どもたちが安心して活動に取り組む姿が見られた。
 日頃、友だちとかかわりにくいと思われていた子どもが、小中学生や高齢者との交流の中で進んでかかわるなど、子どもの素晴らしい一面にふれることができ、教師の新たな子ども理解へとつながった。

<参考>
♪ 大きな古時計 ♪作詞・作曲 H.C.ワーク 訳詞 保富康午
1 大きなのっぽの古時計 おじいさんの時計
  百年いつも動いてた ご自慢の時計さ
  おじいさんの生まれた朝に 買ってきた時計さ
  今は もう 動かない その時計
2 何でも知ってる古時計 おじいさんの時計
  きれいな花嫁やってきた その日も動いてた
  うれしいことも悲しいことも みな知ってる時計さ
  今は もう 動かない その時計
 ※百年休まずに チクタクチクタク
  おじいさんといっしょに チクタクチクタク
  今は もう 動かない その時計
3 真夜中にベルが鳴った おじいさんの時計
  お別れの時が来たのを みなに教えたのさ
  天国へのぼるおじいさん 時計ともお別れ
  今は もう 動かない その時計
 ※印(くりかえし)
  今は もう 動かない その時計

Jasrac 出0405866-401

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教育庁 人権教育企画課 人権教育グループ

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