人権学習シリーズ みえない力 DVを切り口に力関係を考える/1.導入

更新日:2016年2月12日

DVを切り口に力関係を考える(めやす90分)

ねらい

・ 「夫婦げんか」とドメスティック・バイオレンス(以下、「DV」という)の違いを考え、改めてDVとはどんなものかを考える。

・ 起こっていることだけでなく、そこに働いている力、その影響などに着目する。

・ DV を現象面だけなく、構造−力の濫らんよう用によるコントロールであることを理解する。

キーワード

恐怖、コントロール、力関係

準備物

•ワークシート 1人1枚
•共通資料 1人1枚
•ホワイトボードと専用マジック

プログラムの流れ

導入(5分):安全な場にする責任を確認する

ウォーミングアップ(10分):「家族」のイメージを振り返る

夫婦げんかとDV、何が違う?(70分)
  1)Aさんの気持ち/行動は?(40分):恐怖や固定的な力関係、日常的に与えている影響などに着目する
  2)DV とはどんなものか?(30分):DVの構造を理解する

まとめ(5分)
 

1 導入

動き(プログラムの流れ)

ポイント

(5分)
★最近は「DV」という言葉もずいぶん浸透してきました。しかし、DV=身体的暴力だと思われていたり、被害者の気持ちや行動が理解されず二次被害が繰り返されたりするなど、表面的な理解しかされていないところもあるのではないでしょうか。今日は改めてDVとはどんなものかを考え、そこに働いている力やその影響をみていきます。

• DVとは、「配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者からふるわれる暴力」である。「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」においては、被害者を女性には限定していないが、配偶者からの暴力の被害者は、多くの場合女性である(P25資料
参照)。参加者の層によっては、このことを最初に押さえておく必要がある。

※ 暴力とは、身体的なものだけでなく心身に有害な影響を及ぼす言動なども含む。
詳しくはワークシート2コラム参照。

★今回は、一方的な講座ではなく一緒に考え話し合いながら進めていきます。話し合いのルールは、「参加・守秘・尊重」です。

●「安全な場にするために ・参加 ・守秘 ・尊重 」と板書する。

★DVは身近な問題です。内閣府の調査では、約3人に1人の女性がDV被害を経験していることがわかっています。ということは、ここに○人の当事者の方がいるとも考えられます。そのことも意識しながら、一人ひとりがこの場を安全な場にすることに責任を持って参加してください。また、今日は個人の体験を話したり、解決を考えたりする場ではなく、DV構造や力関係について理解を深めるという趣旨であることを理解しておいていただきたいと思います。

こちらを参照して、ルールについて詳しく伝えるのもよい。

• この場で参加者が傷つくような状況を防ぐため、参加者一人ひとりにも責任があることを押さえておく。また、当事者の安全でない自己開示を避けるためにも、趣旨を強調する。それでも、個人の体験を詳しく話し出す人がいたら、今回は個人を癒いやす場としては設定していないこと、具体的なことは後ほど事例を通して考える時間を用意しているので、それで考えていくことを説明し、適切な介入を行う。

 

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このページの作成所属
府民文化部 人権局人権企画課 教育・啓発グループ

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