第32回 大阪府人権施策推進審議会

更新日:2023年3月8日

第32回大阪府人権施策推進審議会 議事概要

【日 時】平成30年2月28日(水曜日)15時から17時
【場 所】プリムローズ大阪2階 鳳凰西
【出席者】有村委員、大谷委員、善野委員、中井委員、
     樋口委員、福岡委員、毛利委員、森田委員

【配布資料】
資料1-1大阪府人権施策推進審議会規則 [Wordファイル/27KB]
資料1-2大阪府人権施策推進審議会規則 新旧対照表 [Wordファイル/44KB]
資料2  平成28年度人権施策の状況(人権白書)(別ウインドウで開きます)
資料3-1性的マイノリティの人権問題についての理解増進に向けた取組【概要版】 [Wordファイル/65KB]
資料3-2性的マイノリティの人権問題についての理解増進に向けた取組 [Wordファイル/72KB]
資料3-3平成29年度理解増進に向けた取組状況 [Wordファイル/57KB]
資料3-4平成29年度理解増進に向けた取組一覧 [Excelファイル/78KB]

【議事概要】
○開会
  大阪府府民文化部人権局長あいさつ
○議題
(1) 委員改選後の会長の選任について
会長 森田 英嗣
質疑応答なし

(2)「大阪府人権施策推進審議会規則」の改正について
質疑応答なし

(3) 平成28(2016)年度人権施策の状況について
【質疑応答】
(委員)    (P2)コーディネーターやファシリテーターは養成された後、どのように活動をされているのか。
(事務局)  入門編として「人と人との豊かな関係づくり講座」を行い、その後「コミュニティ・コーディネーター養成講座」や「人権啓発
      ファシリテーター養成コース」を受講していただき、活動に活かしてもらうことを想定しているが、主に市町村または府の職員
      で人権研修を担当する者が「人権啓発ファシリテーター養成コース」を受講している。
       「コミュニティ・コーディネーター養成講座」は、まちづくりに人権尊重の視点を入れていただくためのもので、市町村のまち
      づくりの中心となって自治会や地域のテーマ別のNPOなどで活動している方が受講している。この受講された方々が継続的
      に学びながら実際活動していくためのサポートが課題となっている。
       また、学び直しの機会について、行政としてどこまで予算を確保してやっていくのかが課題となる。特にまちづくりということ
      になると、限られた地域のこととなるので府だけでは難しく市町村の協力が必要。まちづくりの中心となる方に対し市町村で
      こういう講座を取り入れて学んでいっていただくことが必要と考えているが、養成人数を見ればわかるとおり、厳しいことであ
      ることは自覚している。
(委員)   人権意識と地域ケアシステムを取り込んでいく地域包括ケアであってほしい。人権啓発施策については充実を図っていって
      ほしい。
(委員)   課題も報告いただいてはいるが、専門家が地域行政に携わっていく方向性はすごく面白い。是非継続していってほしい。
(委員)   コミュニティ・コーディネーターやファシリテーター養成講座は何回ぐらい行われているのか。連続した講座なのか1回きりの
      講座なのか。
(事務局)  コミュニティ・コーディネーターに関しては1日3時間の4回講座で行っている。
       ファシリテーター養成コースは3日から4日となっている。ファシリテーターの場合は一度受講しても自分でそのプログラムを
      回すというところまではなかなか行かず、学び直しも非常に大事であり、またファシリテーター同士の交流が必要ということも
      あって、スキルアップコースを1日で集中的に行っている。
(委員)   受講生がかなり少ないように思うが、受講生をどのような形で募集されているのか。講座を受ける費用はどうなっているか。
(事務局) 受講料については無償。府で予算を確保している。
       人権総合講座で行っているファシリテーター養成コースは委託実施であり、ホームページでの応募が中心になるが、各市町
      村や人権関係の団体を通じて府民に案内している。
       ご指摘のとおりファシリテーター養成講座の参加者数がなかなか伸びない。人権総合講座では別途、人権相談員の養成講
      座も行っているが、それに比べて非常に少ない。
       人権相談員養成講座は講義・座学が多く、ファシリテーターの方では、講義がほとんどなく参加型でプロのファシリテーターの
      方にスキルを学び、参加者同士で学びを進める形で行っている。その関係で講義型の講座よりも定員を少なくしているが、課題
      として認識している。だが、受講者を増やすべく個別の働きかけている担当者として今痛感しているのは、市町村職員がファシ
      リテーターのスキルを学んでも、市民の前で実際に参加体験型のプログラムを回していくレベルになかなかいかないということ。
       それならばと言うことで、市民向けの講座はプロのファシリテーターにお願いしているのが現状。市町村職員はファシリテーター
      として学んでも3年ほどで異動してしまうことも受講を躊躇される点と思う。
       ただこのままでは実際にステップを踏んで学び伝える方が増えない状況になるので、市民向けのファシリテーターとはいかない
      までも、職員間の職場研修で参加体験型講座の場数を踏み、スキルをあげていっていただかねばならないと思っている。このよ
      うなアプローチも引き続きやっていきたい。
(委員)   非常に取り組みとしてはすばらしいと思う。できるだけ継続して、多くの方に認知してもらえるようになればいいと思う。
(委員)   資料の話になるが、現状と大阪府の取組が続いて書かれているので、それぞれ現状と取組を分ける、グラフを入れるなど、読
      み取りやすい形にしてもらいたい。文字だけでは情報が入ってきにくい。
(事務局)  ご指摘を踏まえて検討したい。
(委員)   経年比較して参加者は増加傾向にあるのか。今後、このことを周知していくために、特定の地域での効果があった具体例は
      ないか。また、府内参加者の母数が少ないとは思うが参加者の割合に地域の偏りがあれば教えてほしい。今後データとしてグ
      ラフ化すると要望にあったが、今現在で把握していたら教えてほしい。
(事務局)  全体的な傾向としては変わっていない。コミュニティ・コーディネーターに関しては、府内1箇所で府域全体から人を集めて講
      座を展開するのは難しいと感じており、開催時間帯も昨年度と同じ平日の昼間である。そうなると参加者層が限られる。もともと
      自治会レベルでの養成ということで、仕事を退職された方や地域にいらっしゃる方を対象とし、平日開催を想定してきたが、まち
      づくりという観点で中心になってもらう方、となると4日間の講義は無料でも来ていただくのが難しかった。関係団体への働きか
      けも、社会福祉協議会や新しいPR先を加えたが効果がほとんどなかった。
(委員)   「職場で活かす研修」、「自治体・地域等で活かす研修」と、何らかの分類をした内容に課題整理をされているとのことなので、
      次の段階へ一層充実していただき、人数のみならず、実施の有効性、参加者の変容なども経年比較を通して今後報告いただ
      ければと思う。
(事務局)  人権問題の解決には参加体験型の研修、講義だけではなく参加者同士で考えるスタイルの研修が有効と考え、ファシリテー
      ターの養成をあわせて進めていっている。先ほどコミュニティ・コーディネーターの話をしたが、人権総合講座のファシリテーター
      養成講座は市町村職員の受講者が多いのになかなか次のステップである参加体験型研修講師の養成に進めないという状況を
      把握している。市町村で参加体験型講座がなかなか進まないことについて市町村職員の方といろいろとディスカッションするとと
      もに、今、大阪府では教材として参加体験型プログラムを、毎年ではないが整えて、実際に市民や職員向けの研修で使ってもら
      ったりしている。市町村ではどちらかというと講義型が多いので、市町村と共同で参加体験型の出前講座を実施し、市民向け、
      職員向け参加体験型プログラムを展開している。そうすることで市町村職員に参加体験型プログラムを直接体験、若しくは市民
      が体験しているのを見てもらい、その有効性を認めて取り入れていってもらうことをあわせてやっている。地道にではあるが、
      市町村職員を中心にファシリテーターをちょっとやってみようかと思わせるような形で取り組んでいけるようになったらと思う。
(委員)   気持ちを込めて施策を展開していくわけだが、それがどういう経緯・経過をたどっているのかを単純にしたほうがわかりやすくな
      るかなと思う。
(委員)   2ページ、3ページでファシリテーターの研修について、同一内容が記載されている。2ページでは指導者の養成とひもづけて
      いると分かるが、3ページでは同じ研修が人権擁護に資する施策にひもづけられているのが少しわからないので補足してほしい。
(事務局)  ご指摘のとおり、「人権ファシリテーター養成講座」19人は同一の内容。これ以外の事業についても再掲のものがある。どち
      らに重点をおいた事業かで書くべきと思う。ファシリテーターについては、P2の方が深く関わっていると思うので、今後精査して
      記載する。
(委員)   意識改革や啓発のための施策であり効果の測定が難しいと思うが、折角予算をとってリーフレット、HP等を作成しているので、
      その結果はどうなったのか。次に向けての方向性が見えてくれば私たち委員も意見が言いやすい。
(事務局)  府民向けの事業、講演会などを行った時には必ずアンケートをとっており、また5年に1回行っている府民意識調査で、5年間
      の事業についての府民の方の評価といいますか、認知度という結果となっていると思う。平成27年の府民意識調査の結果とし
      ては、いろいろな緊急課題の中でも性的マイノリティの人権課題について認知度が低いということで現在集中的に取り組んでい
      るところ。
(委員)   効果、成果が気にかかる。白書の作り方とともに中身・内容の理解のしやすさが追求されると思う。
(委員)   12ページにヘイトスピーチに関する啓発活動の充実について国に働きかけるとあり、また18ページにもインターネットについて
      国に有効な法規制を求めていると書いてあるが、具体的にどのような要望をしているのか。
(事務局)  大きく分けて2つの要望があります。どちらも7月に直接法務省へ要望に伺ったものです。一つは大阪府と市町村と三者要望
      として7月26日に伺い、もう一つは人権施策に関わる都道府県・市町村とともに全国人権同和行政促進協議会として翌日の2
      7日に伺いました。
        三者要望については、昨年成立したヘイトスピーチ解消法の趣旨を踏まえて、法に基づく国の責務を踏まえた対策を講じると
      ともに、地方公共団体が取り組むために必要な財政措置を要望しました。この法に基づく国の責務とは人権啓発の部分が多く、
      国は「ヘイトスピーチ許さない」というポスター・リーフレットを作成し、地方自治体・企業に配付して広く普及を行っている。
        さらに新たに子ども向けの「漫画の冊子」を作成し、府のホームページでは国のこうした取り組みのページをリンクさせてその
      啓発の普及に努めている。
        次に、大阪府の取り組みとして、12月の人権週間にJR大阪駅のデジタルサイネージで「ヘイトスピーチ許さへん」という画面
      を掲示しました。そのPRは、知事が記者会見でも触れたこともあり、一定の注目を集めたところ。
        法に基づく国と地方自治体とで役割分担のもと、連携して取り組んでいきたい。
(事務局)  また、三者要望ではインターネットの削除等対応について、現行法等では、有効な手段をとれない状況を踏まえ、法的措置を
      含め実効性のある対策を講じることを要望してきた。
        昨年、総務省はプロバイダが契約者と交わす契約約款のモデル条項の解説を改定し、ヘイトスピーチやいわゆる同和地区の
      所在情報をインターネット上に流通させる行為が不当な差別を助長する等の行為とすることとした。
        なお、プロバイダが自主的な判断で情報を削除した場合に、行為者がこれを不服として訴えを起こす可能性に対して免責する
      プロバイダ責任制限法の改正等の要望は引き続き行っていく。
(委員)   文字情報が多いと感じる。円グラフを入れる等体裁を整えてほしい。
(事務局)  府民にわかりやすく見ていただける構成にしていく。
(委員)   書きぶりについて。虐待問題が大きな課題であるが、その施策について5、10ページにある記載の件数などを合わせて統一
      するとわかりやすいと思う。
(事務局)  確かに言葉だけの羅列になっているので実態を踏まえた件数等関係部局と調整して検討したい。
   
(4)性的マイノリティの人権問題についての理解増進に向けた取組について
【質疑応答】
(委員)   性的マイノリティの問題への社会的関心は近年特に高まってきたところだが、何を目指すのかが不明確なところがある。
       アメリカでも20年ほど前までは、同性愛行為自体が犯罪と捉える州もあったのが、その後異性婚を認めるのであれば同性婚
      も認めないと違憲であるという判決が出るなどすごい変わり様である。同じアジア圏の台湾でも同様の判決が出たと聞く。大阪
      府として人権の取り組みで「何を目指すのか」を考えておく必要があるのではないか。差別を認めないということは最低限のとこ
      ろだが、性的マイノリティの方々から求められているのは「差別されない」ということにとどまらない。大阪府は人権問題として、ど
      ういう風に取り組もうとしていて、どのあたりまで行こうとしているのか。
(事務局)  ご指摘のとおり、同性婚の問題など法律や制度そのものに関わるものが多くある。本日資料3−1、3−2で説明したのは、
      この問題に対する理解増進に向けた取り組み。平成27年の府民意識調査で認知度が一番低いという状況と、もうひとつ前提と
      して自殺率の高さ、自殺念慮、自殺企図がハイリスクであると出ている。この部分に関しては誤解、偏見、差別が影響している
      と考えられる。以上から理解増進、つまり教育・啓発の部分でしっかりと取り組んでいかなければならないということでまとめさせ
      てもらった。ご指摘の部分は資料3−2の最後11ページの「終わりに」のなお書きのところで、「なお当事者が抱える課題は様々
      な分野にわたっており、その解決には婚姻制度をはじめ法制度の見直しや社会的コンセンサスの必要なものもある。このような
      課題については、国等における国民的議論の動向を踏まえ、適切に対応していく。」と書いているとおり時間がかかるもの。一度
      法案が上程されたが廃案になっている。今後も国会等で性的マイノリティに関する法案が提出されると思うがそれまでは、大阪
      府としては、教育・啓発による理解増進にしっかり取り組んでいくことが大事と考えており、これが全ての基礎となると考えている。
(委員)   資料3−1の認知度の表の整理について。子どもの人権問題としては85.3%で、性的マイノリティの人権問題に関しては15
      項目中最下位の43.3%と報告されているが、子どもの人権問題における学校でのいじめの要因の一つに校内における性的マ
      イノリティの人権問題というものが重複しているという事例もあるのではないか。一点目に幼児期に親が与える服装に違和感を覚
      える子ども、女の子の服装に違和感があるという事例。二点目に小中高になると、男子のパンツ、ズボン、女子のスカートという
      制服に対する抵抗、選択の自由のなさ。3点目にリーフレットの当事者の声にもあるが、自認する性のトイレが使えず膀胱炎にな
      った事例。事実、多目的トイレが整備されていない学校が多い。そういう点で校内において制服やトイレへの抵抗というものがあ
      り、そのことが友人や仲間からのいじめの要因ともなっている。この「子どもの人権」と「性的マイノリティの人権」を別のものとして、
      1位と15位に分類するのはいかがなものか。むしろ子ども時代にこそ、生涯このことを抱えて悩んでいくことがないように、子ども
      の人権問題の一つとして早期に解決していくべきではないか。さきほどもはるな愛さんが自殺を考えたとお話しされたのも、やは
      り子ども時代のことだった。今でこそアーティストとしていろんな分野で活躍され、カミングアウトされている状況であるが、そうでは
      なかった幼少期の状況を明らかにされているのに、どうもこの表を見ると、そうした認識が感じられず、分離されているように感じる
      ので、府の認識を再確認したい。
        教育の中で早期に啓発し教育していくことこそがこの問題の解決。PDCAが示されてないので具体的な質問には至らないが、
      認識についてのお考えを聞き、前に進めればと思う。
(事務局)  府民意識調査について説明。平成27年度に府内全域20歳以上の個人を対象とし3,550人に対して実施。有効回収率は
      39.1%。ここの認知度に関しては「あなたは次の人権問題を知っていますか?」という問いに知っているものに丸をしてもらう
      形式の質問。委員の指摘のあった子どもの人権問題のひとつとしていじめがあると思う。その背景に性的マイノリティの子どもた
      ちへのいじめやからかいなどが入っていると認識。色々な人権課題がある中で性的マイノリティの問題に取り組むに当たって、
      府民意識調査での認知度の低さを理由として掲げているだけであって、私どもの認識として子どもの人権問題の中に性的マイ
      ノリティの問題が入っていないという風に考えているわけではないことはご承知いただきたい。制服の問題、トイレの問題、この
      あたりにつきましてはそれだけではなく文部科学省から各教育委員会を通じて、学校における性的マイノリティの子どもたちへの
      配慮についての例示や、具体的な取り組みがそれぞれ工夫して進められている。多目的トイレがないところでは、職員トイレを使
      うなどしている。こうした配慮の事例を紹介していく中で、その学校で考えて取り組みを進めてもらっているところ。
              教育・啓発ということで学校の先生方に対する研修については大阪府教育センターをはじめ、随時取り組み、リーフレット等で具
      体的取り組みを紹介している。教育委員会とも協力して進めていく。
(委員)   人権局の資料として、子どもの人権については進んでいるが、この問題が進んでいないと見えて誤解を生じてはいけないという
      ことで説明いただく機会をもらった。
(委員)   資料3−2のP11に、再度、点検見直しを行うと書いてあるが、やったのかどうか。
(事務局)  現時点では性別記載の点検・見直しはできていない。準備しているところで、年度明け4月ないし5月に各部局を通じて点検、
      見直しに着手したい。全国的な取組状況を別途調査したが、この課題がクローズアップする中、取り組みも増えてきている。不必
      要な男女の問いかけがないかどうか点検、見直しを進めていきたい。
(事務局)  平成27年の府民意識調査においても性別を聞いているが、男性、女性と答えることに抵抗を感じるという項目を、それ以外の
      意見をお持ちの方の意向を反映できるようにしたところ、その項目を選択する方もいたので、私たちの身近にもそういう方がおられ
      るということで府民の啓発を進めていきたい。

このページの作成所属
府民文化部 人権局人権企画課 企画グループ

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