大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例 解説(全体版)

更新日:平成28年8月31日

大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例 解説(全体版)

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目次  [Wordファイル/36KB]  [PDFファイル/31KB]


1 条例改正の経緯  (資料  [Wordファイル/46KB]  [PDFファイル/50KB]

2 条例の特色 (資料  [Wordファイル/38KB]  [PDFファイル/56KB]

3 条例の概要 (資料 [Wordファイル/51KB]  [PDFファイル/95KB]

4 条例の解説 (資料 [Wordファイル/138KB]  [PDFファイル/279KB]

【参考資料】

・大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例 (資料 [Wordファイル/51KB]  [PDFファイル/123KB]) 

・大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例施行規則 (資料[Wordファイル/460KB]  [PDFファイル/239KB]

・大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例適用基準 (資料 [Wordファイル/42KB]  [PDFファイル/98KB]

・部落差別につながる身元調査をなくする方策について(答申)昭和59年12月 大阪府同和対策審議会 (資料 [Wordファイル/48KB]  [PDFファイル/190KB]


1 条例改正の経緯

昭和50年11月「部落地名総鑑事件」判明
昭和51年3月「部落地名総鑑対策本部」設置→条例化について検討(S54.6)
昭和59年7月「大阪府同和対策審議会」諮問―部落差別につながる身元調査をなくする方策について―
昭和59年12月 「大阪府同和対策審議会」答申―部落差別につながる身元調査をなくする方策について
昭和60年3月27日「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例」公布
昭和60年10月1日「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例」施行
 
平成19年1月府民からの通報(部落差別につながる土地調査の疑いのある会社に対する調査の依頼)
平成20年4月から平成21年3月「大阪府個人情報保護条例」に基づく調査・指導
平成21年4月「土地差別問題庁内対策会議」設置
(差別につながる土地調査問題に係る実態把握と今後の対応について、庁内関係部局で検討)
平成21年5月から11月「土地差別問題庁内対策会議」における実態把握に向けた取組み
(リサーチ、広告、不動産会社に対するアンケート・ヒアリング調査の実施)
平成21年12月「不動産取引における土地調査問題研究会」設置
(行政、関係業界団体、学識経験者等の参画により、実態把握を踏まえた差別につながる土地調査問題解消に向けた方向性を検討)
平成23年3月「不動産取引における土地調査問題研究会」報告書の公表
平成23年3月22日 改正「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例」公布
平成23年10月1日 改正「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例」施行

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2 条例の特色

 本条例の目的は、部落差別につながる調査行為等の規制に関し必要な事項を定めることによって、部落差別事象の発生を防止し、もって府民の基本的人権の擁護に資することです。

昭和59年12月の「大阪府同和対策審議会」答申に述べられているように、部落差別事象をなくすためには、究極的には府民自身の主体的な意識変革にまつべきであり、一義的には啓発・教育に取り組むことが重要であります。
しかし、一方で、啓発・教育による取組等の限界も踏まえ、条例による規制も必要とされたところです。

今般の条例改正によって、これまでの個人調査を行う「興信所・探偵社業者」に加え、新たに「土地調査等」を行う者を規制対象としたことから、条例を章立て構成とし、事業者の営業や府民の自由と権利を不当に侵害しないよう配慮しつつ、差別につながる「個人調査」と「土地調査」をともに規制するとしたことが、本条例の大きな特色になっています。
このような条例は全国初の取組であり、その厳正な運用によって部落差別事象の発生防止に一層寄与するものと考えています。

 今後とも同和問題の解決のためには、府民一人ひとりの意識変革と人権意識の高揚が大切であり、関係する業者全てが本条例の趣旨を誠実に遵守されるよう、大阪府としてもさらなる取組を進めていきます。

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3 条例の概要

目的
部落差別事象を引き起こすおそれのある個人及び土地に関する事項の調査、報告等の行為の規制等に関し必要な事項を定めることにより、部落差別事象の発生を防止し、もって府民の基本的人権の擁護に資する。

責務
興信所・探偵社業者及び土地調査等(府の区域内の土地の取引に関連して事業者が自己の営業のために土地に関する事項を調査し、又は報告することをいう。)を行う者・・・その営業について、社会的責任を自覚し、目的に反する行為をしないよう努めなければならない
大阪府・・・国及び市町村と協力して、目的を達成するため必要な啓発に努める
府民・・・目的に反する調査又は調査の依頼をしないよう努めなければならない

遵守事項等

1.興信所・探偵社業者

【遵守事項】
⑴特定の個人又はその親族の現在又は過去の居住地が、※同和地区にあるかないかについて調査し、又は報告しないこと。

⑵同和地区の所在地の一覧表等の提供及び特定の場所又は地域が同和地区にあることの教示をしないこと。

【違反に対して】
指示 ⇒ 営業停止命令 ⇒ 罰則(懲役又は罰金)
 ↑(聴聞)   三月以下の懲役・十万円以下の罰金
 報告の徴収・立入検査
 罰則は両罰規定(行為者及び法人等に対して適用)を採用

【自主規制】
・構成員に遵守事項を遵守させるため、必要な規約の設定、届出
・構成員に対する遵守の指導

2.「土地調査等」を行う者

【遵守事項】
⑴調査又は報告の対象となる土地及びその周辺の地域に同和地区があるかないかについて調査し、又は報告しないこと。

⑵同和地区の所在地の一覧表等の提供及び特定の場所又は地域が同和地区にあることの教示をしないこと。

【違反に対して】
報告の徴収(必要な限度で、必要な事項の報告又は資料の提出を求めることができる。)
⇒ 勧告(遵守事項に違反したとき、当該違反に係る行為を中止し、必要な措置を講ずべきことを勧告)
⇒ 事実の公表(報告の徴収に正当な理由なく応じなかったとき、又は勧告に従わなかったとき)
 ※事実の公表をするときは、公表に係る者にあらかじめ通知し、釈明及び資料の提出の機会を与える。(意見聴取)

 ※「同和地区」とは、この条例において、「歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域」と定義されています。

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4 条例の解説

【条例の構成】

第1条目的

第2条定義

第3条府、興信所・探偵社業者及び土地調査等を行う者並びに府民の責務

第4条適用上の注意

第二章 興信所・探偵社業者

第5条自主規制

第6条届出

第7条遵守事項

第8条帳簿等の備付け

第9条指示、営業停止及び聴聞

第10条指導及び助言

第11条報告の徴収等

第三章 土地調査等

第12条遵守事項

第13条指導及び助言

第14条報告の徴収

第15条勧告

第16条事実の公表

第四章 雑則

第17条規則への委任

第18、19、20条罰則

第21条両罰規定

附則 施行期日、経過措置

 

第一章 総則


(目的)

第1条 この条例は、同和地区に居住していること又は居住していたことを理由になされる結婚差別、就職差別等の差別事象(以下「部落差別事象」という。)を引き起こすおそれのある個人及び土地に関する事項の調査、報告等の行為の規制等に関し必要な事項を定めることにより、部落差別事象の発生を防止し、もって府民の基本的人権の擁護に資することを目的とする。
(平23条例22・一部改正)

 【解説】

本条は、この条例の目的を明らかにしています。
 この条例では、現に同和地区に居住していることや過去に居住していたことを理由として結婚に反対したり、婚約を破棄したりするなどの結婚差別、採用試験において不利な取扱いをしたり、採用しないなどの就職差別等の部落差別事象の発生を防止することを直接の目的としています。
 また、究極の目的として「府民の基本的人権の擁護」を掲げ、人権擁護のための立法であることを明記しています。

 目的達成のための手段として「部落差別事象を引き起こすおそれのある調査、報告等の行為の規制等に関し必要な事項を定める」ことを掲げています。
なお、「興信所・探偵社業者」に関する規定は第2章及び第4章において、また、「土地調査等」に関する規定は第3章において、それぞれ規定しています。

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(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 同和地区 歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域をいう。

(2) 興信所・探偵社業 府の区域内において、他人の依頼を受けて、個人調査、法人調査その他いかなる名目の調査であるかを問わず、特定の個人についてその信用、資産、経歴、素行その他の個人に関する事項を調査し、かつ、報告する営業をいう。

(3) 興信所・探偵社業者 興信所・探偵社業を営む者をいう。

(4) 土地調査等 府の区域内の土地の取引に関連して事業者が自己の営業のために土地に関する事項を調査し、又は報告することをいう。
(平23条例22・一部改正)

【解説】

本条は、「同和地区」、「興信所・探偵社業」及び「興信所・探偵社業者」並びに「土地調査等」について、定義しています。

1 この条例上、「同和地区」は、「歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域」と定義しています。
 この表現は、昭和44年に制定された同和対策事業特別措置法において用いられており、昭和57年に制定された地域改善対策特別措置法においても同様に用いられています。すなわち、昭和40年の同和対策審議会の答申の中に記されている「『日本社会の歴史的発展の過程において形成された身分階層構造に基づく差別により、日本国民の一部の集団が経済的、社会的、文化的に低位の状態におかれ』ている地域を受けたもの」(内閣総理大臣官房地域改善対策室編『地域改善対策特別措置法の解説』)です。
 本条で定義する「同和地区」とは、これらと同じ概念ですので、同じ表現を用いたものです。

2 「興信所・探偵社業」とは、「府の区域内において、他人の依頼を受けて、個人調査、法人調査その他いかなる名目の調査であるかを問わず、特定の個人についてその信用、資産、経歴、素行その他の個人に関する事項を調査し、かつ、報告する営業」と定義しています。
 すなわち、この条例上、興信所・探偵社業とは、府の区域内に営業の恒常的な拠点を有し、府の区域内において、次の一連の行為を行う営業を指すものです。
 (1) 他人の依頼を受けること
 (2) 特定の個人に関する事項を調査すること
 (3) (2)の調査結果を報告すること
 したがって、前記(1)、(2)又は(3)のいずれかの行為が欠けている場合は、本条の興信所・探偵社業には該当しません。
 例えば、いわゆるダイレクトメール業であれば、上記(1)及び(3)の要件に該当する営業行為は行いますが、(2)に関しては、特定の個人について調査するのではなく、一定の階層、一定の要件に属する人々について調査することが通常です。その点において(2)の要件には当らないため、本条の「興信所・探偵社業」には該当しません。
 また、もっぱら、他の「興信所・探偵社業者」(本条第3号に規定する者をいう。以下同じ)から調査を受託する者(いわゆる下請業者)であっても、自らの営業所を有し、独立した営業実態がある場合は、本条の「興信所・探偵社業」に該当します。
 「自らの営業所」とは、第三者から元請業者と異なる興信所・探偵社業者の調査活動の拠点(居住の用に供していると否とを問いません。)と認識され得るものを言い、元請業者と異なる名称の看板や電話番号を使用していたり、その名称での郵便物が到着するなどの事実から判断します。
 「独立した営業形態」とは、自らの調査活動の実施を企画し得ることを言い、複数の元請業者と取引があったり、自己の調査活動の全部又は一部を他人を使用し、又は、他人に委託して行っているなどの事実から判断します。
 なお、府の区域外に本社を置く者であっても、支店、営業所その他の名称の如何を問わず、府の区域内に営業の恒常的な拠点があるときは、本社を含めた当該法人の営業が本条の「興信所・探偵社業」となります。

3 「興信所・探偵社業者」とは、「興信所・探偵社業を営む者」をいいます。したがって、第6条第1項の「興信所・探偵社業」の届出の有無を問わず、第2号に該当する営業を行う者であれば該当します。

4 「土地調査等」とは、「府の区域内の土地の取引に関連して事業者が自己の営業のために土地に関する事項を調査し、又は報告することをいう。」と定義しています。
「土地調査等」は、特定の業界・業種に限って行われるものではなく、あらゆる業界の事業者が行う本来の営業行為に関連して行われる可能性があるため、すべての事業者を対象としています。 
 一方で、すべての事業者が対象となる行為規制であることから、「府の区域内の土地の取引に関連して事業者が自己の営業のために土地に関する事項を調査し、又は報告すること」に絞って規制対象としたものです。

 本条における「府の区域内の土地の取引に関連して」とは、「府の区域内での土地の調査、報告行為」であること、及び「府の区域内の土地の取引」であることを指しています。

 また、「事業者が自己の営業のために土地に関する事項を調査し」とは、直接営業のために行う土地調査だけでなく、例えば、営業所の拡張、販路開拓など、本来の営業目的に関連・付随して行われる間接的な業務の中で行われる土地調査も含まれます。

 さらに、「土地に関する事項を調査し」とは、不動産鑑定や土地測量などの土地そのものの調査に限らず、例えば調査対象地からの最寄駅や都心部へのアクセスなどの利便性、生活利便施設の設置状況などの立地特性の調査に伴う土地に関する調査など、様々なものを含みます。

 「土地調査等」を行う者である限り、個人又は法人を問わずこの定義に該当し、府内に事業所があるか否かに関わらず、全国すべての事業所に適用されます。ただし、自己の営業のためではなく、個人的に土地を購入する際に自ら行う土地の調査等は、本条例の「土地調査等」の定義には該当しません。

 また、「自己の営業のために」と定義しているため、公益目的のために設立された社団、財団法人といった公益法人や非営利法人であるNPO法人等については本定義には該当しません。

 なお、後述(第12条・遵守事項)のとおり、本条例は事業者が行う「土地調査等」行為一般を規制するものではなく、同和地区があるかないかの調査や報告等をしないよう義務づけた遵守事項(第12条)に違反した場合に限って規制するものです。

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(府、興信所・探偵社業者及び土地調査等を行う者並びに府民の責務)

第3条 府は、国及び市町村と協力して、第一条の目的を達成するため必要な啓発に努めるものとする。

2 興信所・探偵社業者及び土地調査等を行う者は、その営業について、社会的責任を自覚し、第一条の目的に反する行為をしないよう努めなければならない。

3 府民は、第一条の目的に反する調査又は調査の依頼をしないよう努めなければならない。
(平23条例22・一部改正)

【解説】

 本条は、この条例の目的を達成するために必要な府、「興信所・探偵社業者」及び「土地調査等」を行う者並びに府民それぞれの責務の内容を定めています。

1 府の責務の内容は、「国及び市町村と協力して、第1条の目的を達成するため必要な啓発に努める」ことです。
 この条例の目的達成のためには「部落差別につながる身元調査をなくする方策」についての府の同和対策審議会答申(昭和59年12月)に述べられているように「究極的には府民自身の主体的な意識変革にまつべき」であり、そのためには啓発を行っていくことが重要であるとの観点から、府は今後も啓発に取り組むべきことを明記したものです。

2 「興信所・探偵社業者」及び「土地調査等」を行う者の責務の内容は、「第1条の目的に反する行為をしないよう努める」ことです。
 「興信所・探偵社業者」については第7条第1項において、また、「土地調査等」を行う者については第12条第1項において、それぞれ遵守しなければならない事項を具体的に規定していますが、それ以外の行為についても第1条の目的に反する行為をしないように努力義務として求めたものです。
 例えば、自ら調査をすることなく第三者に調査の依頼をする行為についても、第1条の目的に反する行為となります。

3 府民の責務の内容は、第1条の目的に反する調査又は依頼をしないよう責務として求め、府民一人ひとりが自らの課題として取り組むことを期待して訓示規定としています。例えば、府民が市役所等に対し、同和地区の問合せをする行為などは、第1条の目的に反する行為であり、この規定に抵触します。

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(適用上の注意)

第4条 この条例の適用に当たっては、興信所・探偵社業者及び土地調査等を行う者並びに府民の自由と権利を不当に侵害するようなことがあってはならない。
(平23条例22・一部改正)

【解説】

 本条は、この条例の施行において権利の濫用を厳しく戒めるために規定しています。
 本条は、大阪府同和対策審議会答申(昭和59年12月)の中での「条例を制定したとしても、その運用にあたっては決して府民の権利と自由を不当に侵害しないよう留意すべきである」との提言を具体化したものです。
 また、本条の趣旨をさらに明確にするために、府では「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例適用基準」を定めており、担当職員は、この適用基準にのっとり条例の施行にあたることとなっています。
(別添参照)

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第二章 興信所・探偵社業者


(自主規制)

第5条 興信所・探偵社業者の組織する団体は、その構成員である興信所・探偵社業者に次に掲げる事項を遵守させるため必要な規約を設定するよう努めなければならない。

(1) 特定の個人又はその親族の現在又は過去の居住地が、同和地区にあるかないかについて調査し、又は報告しないこと。

(2) 同和地区の所在地の一覧表等の提供及び特定の場所又は地域が同和地区にあることの教示をしないこと。

2 興信所・探偵社業者の組織する団体は、その構成員である興信所・探偵社業者に前項の規約を遵守させるため必要な指導を行うよう努めなければならない。

3 興信所・探偵社業者の組織する団体は、第1項の規約を設定したときは、速やかに、当該規約の内容その他の規則で定める事項を知事に届け出なければならない。その届出に係る事項を変更し、又はその届出に係る規約を廃止したときも、同様とする。

 【解説】

 本条は、興信所・探偵社業者の組織する団体(以下、「業者団体」という。)に自主規制のための規約の設定を求めています。

 1 第1項は、「業者団体」に対し本条第1項第1号、第2号それぞれに掲げる事項を、その構成員である「興信所・探偵社業者」に遵守させるため、必要な規約を設定する努力義務を課し、「業者団体」を通じた「興信所・探偵社業者」自らの自主的な取組を求めています。

 この条例が、単に規制のみでなく府民をはじめ各界各層の自主的な取組に期待している点からも本条は、その中心的な役割を果たすものといえます。

 なお、本項の規約の設定については自主規制であるため罰則による担保はせず、第10条において知事が指導及び助言をすることができるとしています。

 また、本項に掲げる事項は、第7条第1項において「興信所・探偵社業者」が遵守しなければならない事項にもなっています。

(1) 第1項第1号は、個人に関する調査、報告行為に関して、この条例の目的達成のために「興信所・探偵社業者」が遵守すべき行為を規定しています。

 すなわち、「居住地が同和地区にあるかないかについて」の調査行為や「居住地が同和地区にある、又はない」ということの報告行為をしないことを遵守事項としています。

 これは、依頼を受けた場所が府の区域内であるか否かを問わず、府の区域内でこのような調査又は報告のいずれかを行った場合が該当します。(第2条第3号に該当する「興信所・探偵社業者」である限り、府の区域外の営業所の従事者が行う調査又は報告についても該当します。)

 この場合、報告した内容の真偽に関わらず部落差別事象を引き起こすおそれのあることは明らかであるところから、同和地区にある又はないという報告を行えば、その真偽にかかわらず本号に該当します。

  また、「親族」とは、民法第725条に規定されている親族のことであり、具体的には6親等内の血族、配偶者及び3親等内の姻族です。

(2) 第1項第2号は、第1号に関連し、いわゆる部落地名総鑑の発行など同和地区の所在を明らかにする行為に関して、「興信所・探偵社業者」が遵守すべき行為を規定したものです。

 すなわち、「同和地区の所在地の一覧表等」の提供及び「特定の場所又は地域が同和地区にある」ことの教示をしないことを遵守事項としています。これは、同和地区の所在地が府の区域内にあるか否かを問わず、府の区域内でその情報を提供及び教示したときは該当します。

 この場合、第1号と同様、教示の内容の真偽にかかわらず該当し、さらに、単に「同和地区」という表現だけでなく、その同義の表現を用いた教示も該当します。

 「一覧表等」とは、一覧表のほか、同和地区の所在地を明らかにした図書、地図などが含まれます。

 また、「提供」とは、「他人が利用し得る状態に置くこと」を言い、具体的には、「販売、賃貸、交換、贈与等」があげられます。また、「教示」については、文書、口頭、電子メール等による形態を問いません。

 2 第2項は、「業者団体」がその構成員に対して、第1項の規約を遵守させるための指導を行うことを努力義務として規定しています。

 「業者団体」は、その構成員に対して、団体の内部的規律保持のための一般的な指導権限は有しますが、特に本項で「規約」の遵守についての指導を義務づけることにより、「業者団体」の積極的な取組を促したものです。

 

3 第3項は、第1項の規約を設定したときは、知事に届け出ることを義務づけています。また、届出事項を変更したり、規約を廃止したときも同様としています。

 なお、届出事項及び届出の書類は、大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例施行規則(以下「施行規則」という。)第2条及び第3条(様式第1号、第2号、第3号)で規定しています。

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(届出)

第6条 興信所・探偵社業を営もうとする者は、あらかじめ、次に掲げる事項を知事に届け出なければならない。

(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

(2) 営業所の名称及び所在地

2 前項の規定による届出をした興信所・探偵社業者は、同項各号に掲げる事項に変更を生じたとき、又はその営業を廃止したときは、その日から10日以内に、その旨を知事に届け出なければならない。

 【解説】

 本条は、興信所・探偵社業を営もうとする者に対して、知事への届出を義務づけています。

1 本条は、営業規制の中で最もゆるやかな届出制を採用し、業者の営業の自由について配慮を行っています。これまで、興信所・探偵社業は全くの自由参入業種でしたが、この条例において初めて届出制を設けたことにより、業界の実態把握に寄与すると考えられます。
 届出事項は、本条第1項第1号及び第2号で、届出書類は「施行規則」第4条第1項(様式第4号)で規定しています。

2 届出事項に変更を生じたときや、興信所・探偵社業を廃止したときは、その日から10日以内に知事に届け出ることを義務づけています。
 この場合の届出書類は、「施行規則」第4条第2項(様式第5号及び第6号)で規定しています。
本条第1項又は第2項の規定に違反した者に対しては、第20条の罰則(科料)が適用されます。

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(遵守事項)

第7条 興信所・探偵社業者は、その営業に関し、第5条第1項各号に掲げる事項を遵守しなければならない。

2 興信所・探偵社業者は、その営業に関し従業者に第五条第一項各号に掲げる事項を遵守させるため必要な指導及び監督を行わなければならない。

  【解説】

 本条は、「興信所・探偵社業者」に第5条第1項に掲げる二つの事項を遵守することを義務づけるとともに、従業者に対する指導、監督を義務づけています。

1 「興信所・探偵社業者」が第5条第1項第1号に反する行為、又は第1項第1号と第2号にともに反する行為を行えば、本条第1項違反となります(第5条の頁参照)。
なお、第5条第1項第1号は同和地区にあるかないかの調査、報告の行為を、同条第1項第2号は第1号に関連して同和地区の所在地の一覧表等の提供及び特定の場所又は地域が同和地区にあることの教示等の行為を規制することで部落差別事象の発生を防止しようとするものであり、「興信所・探偵社業者」が調査、報告等した内容の真偽にかかわらずこの場合には、部落差別事象を引き起こすおそれがあることから、同和地区にあるかないかという調査、報告や同和地区にあることの教示等を行えば、本項に該当し、さらに、単に「同和地区」という表現だけでなく、同義の表現を用いた場合も該当します。
 第1項は、この条例の規制面においては中心的な部分であり、第1項に違反した場合が第9条第1項に規定する指示の要件となっています。

2 第2項は、興信所・探偵社業における従業者の役割の重要性に鑑み、第5条第1項各号を遵守させるための指導、監督を行うことについて規定したものです。
 第2項における興信所・探偵社業を行う者の従業者への指導及び監督について、知事は、「興信所・探偵社業者」に対し指導及び助言をすることができることとなっています(第10条の頁参照)。

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(帳簿等の備付け)

第8条 興信所・探偵社業者は、規則で定めるところにより、その営業所ごとに、その営業に関する帳簿及び従業者名簿を備え、規則で定める事項を記載しなければならない。

 【解説】

 本条は、この条例を施行し、条例の目的を達成していく上で必要と思われる関係書類等の備付けを「興信所・探偵社業者」に義務づけたもので、具体的には「施行規則」第6条及び第7条で規定しています。
「営業に関する帳簿」とは、「結婚、就職等個人調査記録簿」(様式第8号)のことで、具体的な記載事項は、「施行規則」第7条第1項第1号に規定しており、調査の依頼を受けた年月日、調査の依頼の概要、報告をした年月日、報告の概要及び調査担当者の氏名のことです。
 「従業者名簿」とは、「従業者名簿」(様式第9号)のことで、具体的な記載事項は、「施行規則」第7条第1項第2号に定める氏名、住所、性別、生年月日、採用年月日及び退職年月日のことです。
  保存期間は、「結婚、就職等個人調査記録簿」にあっては最終の記載をした日から1年間、「従業者名簿」にあっては従業者の在職期間及び退職後1年間としています。
 本条の規定に違反した者に対しては、第20条の罰則(科料)が適用されます。

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(指示、営業停止及び聴聞の特例)

第9条 知事は、興信所・探偵社業者が第七条第一項の規定に違反したときは、当該興信所・探偵社業者に対し必要な指示をすることができる。

2 知事は、興信所・探偵社業者が前項の指示に従わないときは、当該興信所・探偵社業者に対し、一月を超えない範囲内で期間を定めて、その営業の全部又は一部の停止を命ずることができる。

3 知事は、前項の規定による処分をしようとするときは、大阪府行政手続条例(平成7年大阪府条例第2号)第13条第1項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。

(平7条例3・改正)

【解説】

 本条は、第7条第1項の規定に業者が違反したときに、知事がとるべき手段・手続を定めています。

1 「興信所・探偵社業者」が第7条第1項の規定に違反したときは、知事は、当該興信所・探偵社業者に対して、必要な指示をすることができます。
 この場合の「指示」とは、当該違反行為の是正のため又は当該違反行為の再発防止のために必要なものという観点から行うものです。
 本条の「指示」は、強い行政指導にあたるもので、いわゆる行政処分ではありません。

2 「興信所・探偵社業者」が第1項の指示に従わないときには、知事は、1月以内の期間を定めて当該興信所・探偵社業者の営業の全部又は一部の停止を命ずることができます。
 「営業」とは、第2条第2号に定義している興信所・探偵社業であり、「興信所・探偵社業者」が興信所・探偵社業以外に営んでいる営業があっても、それらの営業は含みません。
 「全部又は一部」については、指示内容、指示違反の情状を総合的に勘案し定めるものです。また、一部の停止とは、府下の特定の地域、特定の営業所又は特定の調査部門について行うことになります。
 営業停止の期間については、全部又は一部の判断と同様の観点から判断することになります。
 なお、営業停止命令の対象となるのは、当該営業停止命令の到達以後に依頼があった事案についての営業活動です。

3 第2項の営業停止を命ずるときは、大阪府行政手続条例(平成7年大阪府条例第2号)第13条第1項に定める意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければなりません。
 第2項の規定による命令に違反した者に対しては、第18条の罰則(3月以下の懲役又は10万円以下の罰金)が適用されます。

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(指導及び助言)

第10条 知事は、興信所・探偵社業者の組織する団体に対し第5条第1項の規約の設定について、興信所・探偵社業者に対し第7条第2項の指導及び監督について必要な指導及び助言をすることができる。

【解説】

 本条は、知事の指導及び助言について規定しています。
 知事は、「業者団体」の第5条第1項の規約の設定について、指導及び助言ができます。
第5条第1項は、「業者団体」の自主的な取組規定のため、あくまで権力的なものでなく知事の指導、助言によって実効をあげようとするものです。
 また、知事は、第7条第2項で規定している「興信所・探偵社業者」の従業者に対する指導及び監督についても指導及び助言ができます。
 第7条第2項は、従業者に対する指導及び監督の重要性から規定していますが、当該規定についても権力的なものではなく、指導、助言によって担保しています。

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(報告の徴収等)

第11条 知事は、第7条の規定の実施に必要な限度において、興信所・探偵社業者に対しその営業に関し報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、興信所・探偵社業者の営業所に立ち入り、帳簿及び書類(これらの作成又は備付けに代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成又は備付けがされている場合における当該電磁的記録を含む。)の検査をさせ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

(平17条例4・一部改正)

【解説】

 本条は、この条例の執行を確保し、条例の目的を十分に達成することができるよう「興信所・探偵社業者」に対する報告の徴収等や職員の立入検査等の規定を設けたものです。

1 報告の徴収等や立入検査等をすることができる場合は、「第7条の規定の実施に必要な限度」においてです。したがって、第7条の遵守事項に違反している疑いがある場合に、その事実の確認のために行うものですので、具体的な必要性がないのにむやみに報告等を徴したり、立入検査等をすることは許されません。
さらに、報告や資料の提出を求め、又は立入検査や質問を行うことができる範囲も、当該違反行為の事実確認のために必要な範囲に限られます。
 電子計算機による情報処理の用に供されるものとは、パソコンやサーバなど電子計算機におけるハードディスク等の記憶装置のほか、磁気ディスク(フロッピーディスク等)、光ディスク(CD−ROM等)等に記録されたものをいいます。
 また、質問の対象となる「関係者」とは、当該興信所・探偵社業者及び違反の疑いがある事案の担当従事者等のことです。
2 立入検査をする職員は、「施行規則」第8条(様式第10号)で定める身分証明書を携帯し、関係者に提示しなければなりません。
 第1項の報告等をしなかったり、虚偽の報告等をした者、あるいは立入検査や質問を正当な理由なく拒否等した者に対しては、第19条の罰則(3万円以下の罰金)が適用されます。

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第三章 土地調査等


(遵守事項)

第12条 土地調査等を行う者は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 調査又は報告の対象となる土地及びその周辺の地域に同和地区があるかないかについて調査し、又は報告しないこと。
(2) 同和地区の所在地の一覧表等の提供及び特定の場所又は地域が同和地区にあることの教示をしないこと。

2 土地調査等を行う者は、その営業に関し従業者に前項各号に掲げる事項を遵守させるため必要な指導及び監督を行わなければならない。 
(平23条例22・一部改正)

【解説】

 本条は、「土地調査等」を行う者に、第1項に掲げる二つの事項を遵守することを義務づけるとともに、第2項において、従業者に対する指導、監督を義務づけています。
第2条第4号の「土地調査等」とは、「府の区域内の土地の取引に関連して事業者が自己の営業のために土地に関する事項を調査し、又は報告することをいう。」と定義しています。
本条において、事業者が行う営業活動に関連した土地調査を対象としているのは、部落差別につながる土地調査を「商い」とする事業者が存在することが明らかとなり、そのような行為は許されないとの考えから、営利目的で土地調査を行う事業者を対象としているものです。

1 「土地調査等」を行う者が第1項第1号及び第2号に反する行為を行えば、本条第1項違反となります。
 第1項は、この条例の規制面においては中心的な部分であり、第1項に違反した場合が第15条に規定する勧告の要件となっています。
  なお、本項は、事業者の行う「土地調査等」一般を規制するものではなく、本条第1項第1号及び第2号に違反した場合に限って規制するものです。

(1) 第1項第1号は、調査又は報告の対象となる土地及びその周辺の地域の調査、報告行為に関して、この条例の目的達成のために「土地調査等」を行う者が遵守すべき行為を規定したものです。
 すなわち、「調査又は報告の対象となる土地に同和地区があるかないかについて」及び「その周辺の地域に同和地区があるかないかについて」の調査、報告行為をしないことを遵守事項としています。
 これは、府の区域内でこのような調査又は報告を行った場合が該当するものです。第2条第4号に該当する「土地調査等」を行う者である限り、府の区域内の営業所の存否に関わらず全国どこの事業者であっても、当該「土地調査等」を行う者の従事者が行う調査又は報告についても該当します。
 本号は、同和地区があるかないかを調査し、又は報告する行為そのものを規制することで部落差別事象の発生を防止しようとするものであり、報告した内容の真偽にかかわらず部落差別事象を引き起こすおそれがあることから、同和地区があるかないかという調査、報告を行えば、本号に該当し、さらに、単に「同和地区」という表現だけでなく、同義の表現を用いた場合も該当します。
 例えば、「他府県に事務所を置く会社の従業員が、大阪府内において、土地の売買、譲渡、交換などの府の区域内の土地の取引に関連して、自己の営業のために調査する土地及びその周辺の地域に同和地区があるかないかを調査又は報告」したのであれば本号の遵守事項違反となり、条例規制の対象となります。

(2) 第1項第2号は、同和地区の所在地の一覧表など同和地区の所在を明らかにする行為に関して、「土地調査等」を行う者が遵守すべき行為を規定したものです。
 すなわち、「同和地区の所在地の一覧表等」の提供及び「特定の場所又は地域が同和地区にある」ことの教示をしないことを遵守事項としています。これは、同和地区の所在地が府の区域内にあるか否かを問わず、府の区域内でその情報を提供及び教示したときが該当するものです。
 この場合、第1号と同様、教示等の内容の真偽にかかわらず該当し、さらに、単に「同和地区」という表現だけでなく、同義の表現を用いた教示も該当します。
 「一覧表等」とは、一覧表のほか、同和地区の所在地を明らかにした図書、地図などが含まれます。また、「提供」とは、「他人が利用し得る状態に置くこと」を言い、具体的には、「販売、賃貸、交換、贈与等」があげられます。また、「教示」については、文書、口頭、電子メール等による形態を問いません。
 例えば、大阪府内や他府県の「土地調査等」を行う者が、府の区域内の土地の取引に関連して、府の
区域内で特定の場所又は地域(府内・府外を問わない)が同和地区にあることを教示したのであれば、本号の遵守事項違反となります。

2 第2項は、「土地調査等」を行う者における従業者の役割の重要性に鑑み、第1項を遵守させるための指導、監督を行うことについて規定したものです。
 第2項における「土地調査等」を行う者の従業者への指導及び監督について、知事は、「土地調査等」を行う者に対し指導及び助言をすることができることとなっています(第13条の頁参照)。

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(指導及び助言)

第13条 知事は、土地調査等を行う者に対し、前条第2項の指導及び監督について必要な指導及び助言をすることができる。
(平23条例22・一部改正)

【解説】

 本条は、知事の指導及び助言について規定しています。
 知事は、「土地調査等」を行う者に対して、その「土地調査等」を行う者が従業者に対して行う指導及び監督について、指導及び助言ができます。
 第12条第2項は、従業者に対する指導及び監督の重要性から規定していますが、当該規定についても権力的なものではなく、指導及び助言によって担保しています。

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(報告の徴収)

第14条 知事は、第12条の規定の実施に必要な限度において、土地調査等を行う者に対し、必要な事項の報告又は資料の提出を求めることができる。
(平23条例22・一部改正)

【解説】

 本条は、この条例の執行を確保し、条例の目的を十分に達成することができるよう「土地調査等」を行う者に対する報告又は資料の提出を求めることができる規定を設けています。
 報告又は資料の提出を求めることができる場合は、「第12条の規定の実施に必要な限度」においてです。したがって、第12条の遵守事項に違反している疑いがある場合に、その事実の確認のために行うものですので、具体的な必要性がないのにむやみに報告又は資料の提出を求めることは許されません。
 さらに、報告又は資料の提出を求めることができる範囲も、当該違反行為の事実確認のために必要な事項に限られます。

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(勧告)

第15条 知事は、土地調査等を行う者が第12条第1項の規定に違反したときは、当該者に対し、当該違反に係る行為を中止し、その他必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
(平23条例22・一部改正)

【解説】
 本条は、第12条第1項の規定に違反したときに、知事がとるべき手段を定めています。
事業者に対し、本条に基づく違反行為の中止と、その他必要な措置を講ずべきことを勧告するものです。
 この規定を適用する際には、第14条に基づく報告又は資料の提出を受け、違反事実の確認に至った場合に、行政指導としての勧告をすることができます。

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(事実の公表)

第16条 知事は、土地調査等を行う者が第14条の規定による要求に正当な理由なく応じなかったとき、又は前条の規定による勧告に従わなかったときは、その事実を公表することができる。

2 知事は、前項の規定による公表をしようとするときは、当該公表に係る者に、あらかじめ、その旨を通知し、その者又はその代理人の出席を求め、釈明及び資料の提出の機会を与えるため、意見の聴取を行わなければならない。
(平23条例22・一部改正)

【解説】

  本条は、「土地調査等」を行う者が、第14条の必要な事項の報告又は資料の提出要求に正当な理由なく応じなかったとき、又は第15条の勧告に従わないときに、知事は、その事実を公表できることを定めています。
1 「正当な理由なく応じなかったとき」とは、第14条の規定による要求に対し、報告又は資料の提出について正当な理由なく拒否した場合のほか、当該要求に回答しない場合も含まれます。

 また、「勧告に従わなかったとき」とは、第15条の勧告に従わない意思が明白である場合、合理的な期間内に必要な是正措置を講じない場合等をいい、勧告書の不受理、不回答も含まれます。

 「事実の公表」は、府民に情報提供することにより、府民に注意を喚起するとともに、第14条の報告の徴収や第15条の勧告の実効性を担保することにもつながるものです。

 なお、「公表」の内容及び方法については、遵守事項に違反した事業者名、違反行為の内容などについて、大阪府公報登載やホームページ等により行います。

2 公表しようとする場合は、「あらかじめ、その旨を通知し、その者又はその代理人の出席を求め、釈明及び資料の提出の機会を与える」ことにより、「土地調査等」を行う者に対する適正手続きを保障するものです。

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第四章 雑則

(規則への委任)

第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(平23条例22・旧第12条繰下)

 【解説】

本条は、この条例の施行に関して必要な書類の様式等について、知事が規則で定めることを規定しています。

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(罰則)

第18条 第9条第2項の規定による命令に違反した者は、3月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

(平4条例3・一部改正)(平23条例22・旧第13条繰下)

第19条 第11条第1項の報告若しくは資料の提出をせず、若しくは同項の報告若しくは資料の提出について虚偽の報告若しくは資料の提出をし、又は同項の規定による検査若しくは質問を正当な理由なく拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、3万円以下の罰金に処する。

(平4条例3・一部改正)(平23条例22・旧第14条繰下)

第20条 次の各号の一に該当する者は、科料に処する。

(1) 第6条第1項の規定に違反してあらかじめ届出をせず、又は同条第2項の規定に違反して変更若しくは廃止の日から十日以内に届出をしなかった者

(2) 第八条の規定に違反した者
(平23条例22・旧第15条繰下)

 【解説】

本条は、この条例の目的が達成されることを確保するために設けられた罰則規定です。


(両罰規定)

第21条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑又は科料刑を科する。
(平23条例22・旧第16条繰下)

【解説】

 本条は、いわゆる両罰規定です。
 両罰規定とは、法人の場合の代表者又は法人若しくは自然人を問わず、その代理人、使用人その他の従事者が、業務主の業務に関し所定の違反行為をしたときは、その行為者と義務主の双方を罰することを定めたものです。

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附則

(施行期日)

1 この条例は、昭和60年10月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に興信所・探偵社業を営んでいる者に関する第6条第1項の規定の適用については、同項中「あらかじめ」とあるのは、「昭和60年11月30日までに」とする。

附 則(平成4年条例第3号)
この条例は、平成4年4月1日から施行する。
附 則(平成7年条例第3号)
 この条例は、平成7年10月1日から施行する。
附 則(平成17年条例第4号)
 この条例は、平成17年4月1日から施行する。
附 則(平成23年条例第22号)
 この条例は、平成23年10月1日から施行する。

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大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例 
昭和六十年三月二十七日
大阪府条例第二号
一部改正 平成二十三年三月二十二日
大阪府条例第二十二号
目次
第一章 総則(第一条−第四条)
第二章 興信所・探偵社業者(第五条−第十一条)
第三章 土地調査等(第十二条−第十六条)
第四章 雑則(第十七条−第二十一条)
附則

   第一章 総則

(目的)
第一条 この条例は、同和地区に居住していること又は居住していたことを理由になされる結婚差別、就職差別等の差別事象(以下「部落差別事象」という。)を引き起こすおそれのある個人及び土地に関する事項の調査、報告等の行為の規制等に関し必要な事項を定めることにより、部落差別事象の発生を防止し、もって府民の基本的人権の擁護に資することを目的とする。
    (平二三条例二二・一部改正)

(定義)
第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 一 同和地区 歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域をいう。
 二 興信所・探偵社業 府の区域内において、他人の依頼を受けて、個人調査、法人調査その他いかなる名目の調査であるかを問わず、特定の個人についてその信用、資産、経歴、素行その他の個人に関する事項を調査し、かつ、報告する営業をいう。
 三 興信所・探偵社業者 興信所・探偵社業を営む者をいう。
 四 土地調査等 府の区域内の土地の取引に関連して事業者が自己の営業のために土地に関する事項を調査し、又は報告することをいう。
    (平二三条例二二・一部改正)

(府、興信所・探偵社業者及び土地調査等を行う者並びに府民の責務)
第三条 府は、国及び市町村と協力して、第一条の目的を達成するため必要な啓発に努めるものとする。
2 興信所・探偵社業者及び土地調査等を行う者は、その営業について、社会的責任を自覚し、第一条の目的に反する行為をしないよう努めなければならない。
3 府民は、第一条の目的に反する調査又は調査の依頼をしないよう努めなければならない。
    (平二三条例二二・一部改正)


(適用上の注意)
第四条 この条例の適用に当たっては、興信所・探偵社業者及び土地調査等を行う者並びに府民の自由と権利を不当に侵害するようなことがあってはならない。
    (平二三条例二二・一部改正)


   第二章 興信所・探偵社業者

(自主規制)
第五条 興信所・探偵社業者の組織する団体は、その構成員である興信所・探偵社業者に次に掲げる事項を遵守させるため必要な規約を設定するよう努めなければならない。
 一 特定の個人又はその親族の現在又は過去の居住地が、同和地区にあるかないかについて調査し、又は報告しないこと。
 二 同和地区の所在地の一覧表等の提供及び特定の場所又は地域が同和地区にあることの教示をしないこと。
2 興信所・探偵社業者の組織する団体は、その構成員である興信所・探偵社業者に前項の規約を遵守させるため必要な指導を行うよう努めなければならない。
3 興信所・探偵社業者の組織する団体は、第一項の規約を設定したときは、速やかに、当該規約の内容その他の規則で定める事項を知事に届け出なければならない。その届出に係る事項を変更し、又はその届出に係る規約を廃止したときも、同様とする。

(届出)
第六条 興信所・探偵社業を営もうとする者は、あらかじめ、次に掲げる事項を知事に届け出なければならない。
 一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
 二 営業所の名称及び所在地
2 前項の規定による届出をした興信所・探偵社業者は、同項各号に掲げる事項に変更を生じたとき、又はその営業を廃止したときは、その日から十日以内に、その旨を知事に届け出なければならない。

(遵守事項)
第七条 興信所・探偵社業者は、その営業に関し、第五条第一項各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
2 興信所・探偵社業者は、その営業に関し従業者に第五条第一項各号に掲げる事項を遵守させるため必要な指導及び監督を行わなければならない。

(帳簿等の備付け)
第八条 興信所・探偵社業者は、規則で定めるところにより、その営業所ごとに、その営業に関する帳簿及び従業者名簿を備え、規則で定める事項を記載しなければならない。


(指示、営業停止及び聴聞の特例)
第九条 知事は、興信所・探偵社業者が第七条第一項の規定に違反したときは、当該興信所・探偵社業者に対し必要な指示をすることができる。
2 知事は、興信所・探偵社業者が前項の指示に従わないときは、当該興信所・探偵社業者に対し、一月を超えない範囲内で期間を定めて、その営業の全部又は一部の停止を命ずることができる。
3 知事は、前項の規定による処分をしようとするときは、大阪府行政手続条例(平成七年大阪府条例第二号)第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
    (平七条例三・一部改正)

(指導及び助言)
第十条 知事は、興信所・探偵社業者の組織する団体に対し第五条第一項の規約の設定について、興信所・探偵社業者に対し第七条第二項の指導及び監督について必要な指導及び助言をすることができる。

(報告の徴収等)
第十一条 知事は、第七条の規定の実施に必要な限度において、興信所・探偵社業者に対しその営業に関し報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、興信所・探偵社業者の営業所に立ち入り、帳簿及び書類(これらの作成又は備付けに代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成又は備付けがされている場合における当該電磁的記録を含む。)の検査をさせ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
    (平一七条例四・一部改正)

   第三章 土地調査等

(遵守事項)
第十二条 土地調査等を行う者は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
 一 調査又は報告の対象となる土地及びその周辺の地域に同和地区があるかないかについて調査し、又は報告しないこと。
 二 同和地区の所在地の一覧表等の提供及び特定の場所又は地域が同和地区にあることの教示をしないこと。
2 土地調査等を行う者は、その営業に関し従業者に前項各号に掲げる事項を遵守させるため必要な指導及び監督を行わなければならない。
    (平二三条例二二・追加)


(指導及び助言)
第十三条 知事は、土地調査等を行う者に対し、前条第二項の指導及び監督について必要な指導及び助言をすることができる。
    (平二三条例二二・追加)
(報告の徴収)
第十四条 知事は、第十二条の規定の実施に必要な限度において、土地調査等を行う者に対し、必要な事項の報告又は資料の提出を求めることができる。
    (平二三条例二二・追加)

(勧告)
第十五条 知事は、土地調査等を行う者が第十二条第一項の規定に違反したときは、当該者に対し、当該違反に係る行為を中止し、その他必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
    (平二三条例二二・追加)

(事実の公表)
第十六条 知事は、土地調査等を行う者が第十四条の規定による要求に正当な理由なく応じなかったとき、又は前条の規定による勧告に従わなかったときは、その事実を公表することができる。
2 知事は、前項の規定による公表をしようとするときは、当該公表に係る者に、あらかじめ、その旨を通知し、その者又はその代理人の出席を求め、釈明及び資料の提出の機会を与えるため、意見の聴取を行わなければならない。
    (平二三条例二二・追加)


   第四章 雑則

(規則への委任)
第十七条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
    (平二三条例二二・旧第一二条繰下)

(罰則)
第十八条 第九条第二項の規定による命令に違反した者は、三月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
    (平四条例三・一部改正)(平二三条例二二・旧第一三条繰下)

第十九条 第十一条第一項の報告若しくは資料の提出をせず、若しくは同項の報告若しくは資料の提出について虚偽の報告若しくは資料の提出をし、又は同項の規定による検査若しくは質問を正当な理由なく拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、三万円以下の罰金に処する。
    (平四条例三・一部改正)(平二三条例二二・旧第一四条繰下)

第二十条 次の各号の一に該当する者は、科料に処する。
 一 第六条第一項の規定に違反してあらかじめ届出をせず、又は同条第二項の規定に違反して変更若しくは廃止の日から十日以内に届出をしなかった者
 二 第八条の規定に違反した者
    (平二三条例二二・旧第一五条繰下)

(両罰規定)
第二十一条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑又は科料刑を科する。
    (平二三条例二二・旧第一六条繰下)

附 則
(施行期日)
1 この条例は、昭和六十年十月一日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際現に興信所・探偵社業を営んでいる者に関する第六条第一項の規定の適用については、同項中「あらかじめ」とあるのは、「昭和六十年十一月三十日までに」とする。
附 則(平成四年条例第三号)
この条例は、平成四年四月一日から施行する。
附 則(平成七年条例第三号)
 この条例は、平成七年十月一日から施行する。
附 則(平成十七年条例第四号)
 この条例は、平成十七年四月一日から施行する。
附 則(平成二十三年条例第二二号)
この条例は、平成二十三年十月一日から施行する。

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大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例施行規則

昭和六十年八月二日
大阪府規則第五十二号
 (趣旨)
第一条 この規則は、大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例(昭和六十年大阪府条例第二号。以下「条例」という。)の施行に関し必要な事項を定めるものとする。

(自主規制の規約に係る届出事項)
第二条 条例第五条第三項の規則で定める事項は、次に掲げる事項とする。
一 名称、主たる事務所の所在地及び代表者の氏名
二 構成員である興信所・探偵社業者の氏名(法人にあつては、名称及び代表者の氏名)及び住所
三 条例第五条第一項の規約(以下「自主規制の規約」という。)の内容及び実施年月
 日

(自主規制の規約に係る届出)
第三条 条例第五条第三項の規定による届出は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める書類を提出することにより行わなければならない。
一 自主規制の規約を設定した場合 自主規制の規約設定届出書(様式第一号)
二 自主規制の規約の設定の届出に係る事項に変更を生じた場合 自主規制の規約変更届出書(様式第二号)
三 自主規制の規約を廃止した場合 自主規制の規約廃止届出書(様式第三号)

(興信所・探偵社業に係る届出)
第四条 条例第六条第一項の規定による届出は、興信所・探偵社業届出書(様式第四号)を提出することにより行わなければならない。
2 条例第六条第二項の規定による届出は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める書類を提出することにより行わなければならない。
一 興信所・探偵社業の届出に係る事項に変更を生じた場合 興信所・探偵社業変更届出書(様式第五号)
二 興信所・探偵社業を廃止した場合 興信所・探偵社業廃止届出書(様式第六号)

(興信所・探偵社業届出済証)
第五条 知事は、条例第六条第一項の規定による届出を受理したときは、興信所・探偵社業届出済証(様式第七号)を交付する。
2 条例第六条第一項の規定による届出をした興信所・探偵社業者は、その営業を廃止したときは、速やかに、興信所・探偵社業届出済証を知事に返納しなければならない。

(帳簿等の保存期間等)
第六条 条例第八条の営業に関する帳簿は、結婚、就職等個人調査記録簿(様式第八号)とし、同条の従業者名簿は、従業者名簿(様式第九号)とする。
2 興信所・探偵社業者は、結婚、就職等個人調査記録簿を最終の記載をした日から一年間保存しなければならない。
3 興信所・探偵社業者は、従業者名簿を従業者が退職した場合においてもその日から一年間保存しなければならない。

(帳簿等の記載事項)
第七条 条例第八条の規則で定める事項は、次の各号に掲げる書類の区分に応じ、当該各号に定める事項とする。
一 結婚、就職等個人調査記録簿 調査の依頼を受けた年月日、調査の依頼の概要、報告をした年月日、報告の概要及び調査担当者の氏名
二 従業者名簿 氏名、住所、性別、生年月日、採用年月日及び退職年月日

(身分証明書)
第八条 条例第十一条第二項の証明書は、身分証明書(様式第十号)とする。

附 則
この規則は、昭和六十年十月一日から施行する。
附 則(平成八年規則第八号)抄
(施行期日)
1 この規則は、平成八年四月一日から施行する。
附 則(平成九年規則第七五号)
(施行期日)
1 この規則は、平成九年十月一日から施行する。
(経過措置)
2 この規則による改正前の規則で定める様式により作成した用紙は、当分の間、所要の調整をした上、この規則による改正後の規則で定める様式により作成した用紙として使用することができる。


様式 略

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大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例適用基準

昭和60年8月制定
平成23年9月一部改正
1 目的
 この適用基準は、大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例(昭和60年3月27日大阪府条例第2号、平成23年3月22日大阪府条例第22号)。(以下「条例」という。)中、興信所・探偵社業者及び土地調査等を行う者の義務に係る規定の実施に関し必要な事項を定め、もって業者及び府民の自由と権利を不当に侵害することなく、適正な条例の施行に資することを目的とする。

2 基本原則
 条例の適用にあたっては、条例第4条(適用上の注意)の趣旨をふまえ、適正かつ慎重に行わなければならない。

3 基準
1 第7条第1項の「遵守事項」について
 興信所・探偵社業者の行為が、条例第7条第1項の遵守事項違反に該当するかどうかの判断は、資料等に基づく客観的事実によって行うものとする。このため、その判断に際しては、まず、調査依頼の内容も含め必要な資料収集や事情聴取に努めるものとする。
(1) 遵守事項第1号について
 第1号違反となるのは、結婚、就職等の調査部門において「居住地が同和地区にあるかないか」について明らかに調査し、又は「居住地が同和地区にある、又はない」ということを報告書に記載するなどにより報告した場合である。したがって、本号は「同和地区かどうかの調査又は報告」を規制しようとするものであり、「同和地区における調査又は報告」を規制しようとする趣旨ではないことに留意する必要がある。
 この場合、「同和地区」とは、条例第2条第1号において定義しているとおりであるが、単に「同和地区」という表現だけでなく、「被差別部落」等同義の表現を用いた調査、報告行為についても違反となる。
(2) 遵守事項第2号について
 第2号違反となるのは、販売、賃貸等により「同和地区の所在地の一覧表等を提供」した場合や、文書・口頭を問わず「特定の場所又は地域が同和地区にあることの教示」をした場合である。
 この場合においても、単に「同和地区」という表現だけでなく、その同義の表現を用いて行った場合も違反となる。
2 第9条第1項の「指示」について
 第9条第1項の指示は、興信所・探偵社業者が第7条第1項の遵守事項に違反したことが明白な場合に、その違反行為の是正及び再発防止のために行うものである。
(1)「明白な場合」とは、前記1に基づき違反の事実が資料等により客観的に認められた場合のことであり、社団法人大阪府調査業協会から資料を添付するなどにより、明確な違反の事実について自主的な申告を受けた場合も含まれるものである。
(2)指示は、個々の事案に応じた適切なものとし、具体的内容を文書によって行うものとする。
3 第9条第2項の「営業停止」について
 第9条第2項の営業停止は、第9条第1項の指示に従わないことが明白な場合で、かつ従わないことを放置し得ない場合に行うものとする。
(1) 営業停止の範囲は、指示内容及び指示違反の情状を総合的に勘案し、第7条第1項にかかる違反行為が発生した調査部門等に限定するなど過大なものとならないよう配慮して定めるものとする。
(2) 営業停止の期間は、指示内容及び指示違反の情状を総合的に勘案し、実効性を確保できる最小限度のものとする。
4 第11条の「第7条の規定の実施に必要な限度」について
 第11条に基づく立入検査等は、興信所・探偵社業者が第7条第1項の遵守事項に違反している疑いが明白と認められる場合に、その必要性を十分吟味した上で、当該違反事実を客観的に確認するために必要最小限度の範囲において実施するものとする。
 なお、社団法人大阪府調査業協会から違反の疑いについて自主的な申告を受けた場合も同様とする。
5 第12条第1項の「遵守事項」について
 土地調査等を行う者の行為が、条例第12条第1項の遵守事項違反に該当するかどうかの判断は、資料等に基づく客観的事実によって行うものとする。このため、その判断に際しては、まず、調査依頼の内容も含め必要な資料収集や事情聴取に努めるものとする。
(1) 遵守事項第1号について
 第1号違反となるのは、土地調査等を行う者が、「調査又は報告の対象となる土地及びその周辺の地域に同和地区があるかないか」について調査し、又は「同和地区がある、又はない」ということを報告書に記載するなどにより報告した場合である。
 土地調査等を行う者である限り、府の区域内に営業所がある、なしに関わらず、当該土地調査等を行う者が行う調査又は報告についても該当する。したがって、本号は「同和地区かどうかの調査又は報告」を規制しようとするものであり、「同和地区における調査又は報告」を規制しようとする趣旨ではないことに留意する必要がある。
 この場合「同和地区」とは、条例第2条第1号で定義しているとおりであるが、単に「同和地区」という表現だけでなく、「被差別部落」等同義の表現を用いた調査、報告行為についても違反となる。

(2) 遵守事項第2号について
 第2号違反となるのは、販売、賃貸等により「同和地区の所在地の一覧表等を提供」した場合や、文書・口頭を問わず「特定の場所又は地域が同和地区にあることの教示」をした場合である。これは、同和地区の所在地が府の区域内にあるか否かを問わず、府の区域内でその情報の提供及び教示をしたときが該当する。
この場合においても、単に「同和地区」という表現だけでなく、「被差別部落」等同義の表現を用いて行った場合も違反となる。
6 第15条の「勧告」について
 勧告を行う際には、第14条の規定に基づき、土地調査等を行う者が第12条第1項の遵守事項に違反していることが客観的事実として明白であることを確認する必要がある。


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部落差別につながる身元調査をなくする方策について(答申)

昭和59年12月 大阪府同和対策審議会

はじめに
 昭和21年、基本的人権の尊重を理念とする日本国憲法が制定され、また、国際的にも、昭和23年に国連で世界人権宣言が採択されたのをはじめ国際人権規約などの人権関係諸条例がつくられるなど、第2次世界大戦後は内外において人権尊重の取組が着実に進められてきた。そうしたなかにあって、わが国における重大な人権問題である同和問題の解決に向けて、昭和40年、国の同和対策審議会の答申が出され、本審議会においても昭和44年10月、初の答申を提出した。
 その後、府においては、積極的に同和対策事業を推進し、今日、生活環境改善等の面において、相当の成果をみるに至った。しかし、部落差別の重要な側面である心理的差別への対策の成果は、けっして十分であるとはいえない状況にある。なかでも、すでに種々の啓発事業や行政指導が行われてきたにもかかわらず、依然として部落差別につながる身元調査が後を絶っていない。人生の重要な門出となる結婚や就職に際して行われるこのような差別的な身元調査は、人権侵害の最たるものであり、同和地区出身者の人生に決定的な打撃を与えるものである。また、このことと関連して、部落地名総鑑は、昭和50年末に発覚して以来、発行種類は9種類、購入者数は、表面化しただけでも200余りに達しており、現在においても、ひそかに利用されていると考えられる。もともと差別的な身元調査は、表面化しにくい性質のものであるにもかかわらず、毎年事件の発生をみている。すでに昭和40年の国の同和対策審議会答申のなかで、「差別」は重大な社会悪であることが指摘されている。なお、最高裁判所は、昭和50年4月4日の判決において、この種の身元調査が、憲法14条の精神に反するものであり、公の秩序に反し、違法であるとした原判決を認めている。
 このような現状をみるならば、同和問題の解決のためには、このような悪質な調査や報告行為を防止するための総合対策がぜひとも急がれるところである。

1 啓発活動の充実について
 部落差別につながる身元調査を防止していく上において、このような身元調査を依頼する府民の差別意識を根絶し、心理的差別の解消を図ることが不可欠である。そのためには広く府民に対し、同和問題を正しく理解し、自らの偏見を克服するよう、教育・啓発活動を地道に根気よく進めなければならない。
 本審議会は同和問題に関する啓発事業について、昭和56年5月にその現状と問題点、及び啓発のあり方について答申し、府ではこの答申に基づき種々の啓発事業を行ってきている。
 本来、府民が同和問題を正しく理解し、その偏見を克服していくことは、他から強制されるべきことではなく、府民自身が主体的に取り組むべき課題である。府の役割は、府民一人ひとりが同和問題の解決を自らの課題として受けとめ、積極的に行動していくための条件整備を行うことであり、とくに身元調査が社会の因習として行われている傾向があることを考えると、部落差別につながる身元調査が重大な社会悪であるという気運の醸成に努めることが肝要である。
 府民の自主的な運動により昭和54年12月人権啓発推進大阪協議会が結成され、企業や宗教団体の啓発組織などとの連携のもとに、広範な府民啓発活動をくりひろげてきている。
 このような啓発活動の推進により、府民の同和問題に対する理解と認識はある程度進みつつあると考えられる。啓発活動は、悪質な身元調査の防止対策として、直ちに効果が望めないとしても、心理的差別の克服には教育・啓発が中心的役割を果たすべきである。
 今後とも、本審議会の啓発答申や地域改善対策審議会の啓発活動のあり方についての意見具申(昭和59年6月)の趣旨にのっとり、府民に対する啓発活動を一層広範・効果的なものとするよう努めるべきである。

2 現行制度の活用について
 わが国の法制度の現状をみると、現在、部落差別につながる身元調査を正面から規制する現行法は存在しない。しかし、間接的な規制あるいは被害者の救済に役立っている制度として以下のようなものがある。
 まず、人権を侵害された人を救済するために、人権擁護委員法による人権擁護委員制度と法務省の人権侵犯事件調査処理規程による人権侵犯処理制度がある。また、日本弁護士連合会や各弁護士会においても、被害者救済などの人権擁護活動を行っており、地方公共団体でも各種相談のなかで人権の保護が図られるよう努めている。
 次に、身元調査にあたって関係の深い戸籍法や住民基本台帳法についてみると、現在、戸籍法、住民基本台帳法の運用にあたって、差別につながる身元調査や各種リストを作ることを目的にした大量閲覧など不当な目的に利用されることを防止するため、市町村では、戸籍謄本の交付の制度や住民基本台帳の閲覧等の制度などが行われている。今後、府は市町村と連携して、引き続き運用の徹底をはかるとともにその法的整備等について国に要望していくべきである。
 なお、差別調査によって受けた被害が民法709条(不法行為)や刑法230条(名誉毀損)などに該当する場合には、それらの条項を活用することも可能である。しかし、この種の身元調査は被害者本人の知らないうちに行われることが多いと思われるので、それらの条項を活用することは困難と考えられる。とくに、刑法230条は、「公然性」を要件としており、通常の身元調査は依頼者に報告されるにとどまるので、この要件に該当することはなく、活用できるケースは非常に少ないものとなろう。
これら現行制度は、「部落差別につながる身元調査」を直接規制するものでないため、その防止対策としては限界があるが悪質な身元調査の事前防止や被害者の法的救済の上で一定の役割を果たすものであるから、可能なかぎり活用をはかるべきである。

3 行政指導の強化と自主規制の促進について
(行政指導)
 部落差別につながる身元調査をなくすために、企業の担うべき役割は大きいものがある。
 府は、企業に対して、とくに、同和問題解決の中心的課題である同和地区住民の就職の機会均等を確保するという観点から、国とも連携して、公正な採用選考を求めるなかで、非合理な身元調査をしないように指導してきた。すなわち、公正な採用選考を期するため、統一応募書類の作成と使用の徹底、社内研修の推進、行政による研修会の開催、啓発冊子の作成等のほか、国ならびに関係機関の協力をえて「就職差別撤廃月間」を設定し、企業をはじめ広く府民に対し啓発を行っている。また指導的役割を担うものとして企業内同和問題研修推進員の設置の指導や企業内同和問題指導者の養成を行っており、企業啓発組織として「大阪企業同和問題推進連絡協議会」等もつくられている。今後とも関係機関と協力して就職差別をしないよう一層指導の徹底をはかるべきである。
 とくに、調査を業とする者については、国(法務省(局))等において、これらの業者に対し、人権の尊重について文書指導等が行われてきた。すなわち、昭和51年7月以来、再三にわたり大阪法務局長名で、府下の興信所・探偵社に対して、就職・結婚の際の身元調査について、部落差別を意図し、又は、助長することのないよう自粛を要望してきており、また、同和問題研修会も実施されているが、今後とも業者に対する指導を一層推進していくことが必要であることはいうまでもない。
(自主規制)
 個人調査を業務のひとつとする興信所・探偵社業界は、当面の問題に関しては特に重要なかかわりをもっている。
 しかしながら、その営業に関しては明治以来の長い歴史を有しているとはいうものの、営業資格はもとより行政への届出も必要としない、全くの自由参入業種として今日にいたっている。そのため、業界の正確な実体が把握できず、連絡すらとれない業者も少なくなく、行政指導にも支障をきたしている。業務内容は、人事調査や経済信用調査等に分かれているが、必ずしも画然と区別されるものではない。
 近年、情報化社会の著しい進展のなかで、本業界に対する社会の需要も大きくなってきたが、同時にまた、今日のプライバシー保護・人権擁護の世論の高まりのなかで、業界としての新たな課題も出てきた。
 こうしたなかにあって、業界の社会的責任を自覚し、健全化をめざす自主規制の動きが現れてきた。人事調査を一切扱わないと言明したり、部落差別につながる調査の拒否とあわせてそうした依頼者に啓発する業者も出てきている。また、業界の社会的地位の向上をめざすとともに自主規制を効果あらしめるため組織化も進んできており、昭和59年9月には、大阪府調査業協会が設立された。
 こうした組織化や自主規制の取組は、業界の主体的な自浄作用として評価すべきであるが、自主規制が真に効果をあげるためには、未組織業者が野放しとならないようにしなければならない。このため、このような業界組織の拡充・発展と今後の役割に期待するところはきわめて大きいといえる。府としても、このような観点から健全な業界の育成のため法人化の方向を指導するなどできるだけの指導や援助について配慮すべきである。
4 法的整備について
 部落差別につながる身元調査をなくするためには、以上述べたとおり、府民に対する啓発活動の充実、現行制度の活用、行政指導の強化、さらに調査を業とする者による自主規制の促進などの方策が基本でなければならない。
 しかし、これらの諸方策が幅広い取組として推進されているにもかかわらず、結婚や就職等の際の部落差別の現状、部落差別につながる身元調査や部落地名総鑑問題が払拭されていない現実を直視したとき、こうした取組だけでは限界のあることを示している。この問題の解決は、基本的には啓発等の非権力的な手段により対処していくべきであるが、そのことと同時に現に発生しつつある事態に対処するためには何らかの強制力を伴う法的措置の必要性を認めざるを得ない。
 現在、差別的な身元調査の法的規制を求める要望が府下の多くの市町村議会をはじめとして、大阪府市長会、大阪府町村長会、大阪府人権擁護委員連合会等から府に対してなされていることも考慮されるべきである。法的整備としては、部落差別につながる身元調査が全国的に行われることから国における立法化がもとより最も有効なものであろう。しかし、現在、国における取組については、ほとんど進展をみていない。一方、部落差別につながる身元調査は重大な人権問題であり、これをなくすことは一日も放置し得ない緊急課題である。
 こうしたことから、府においては引き続き国に対して立法化を強く要請するとともに、府自らが本件ついて必要な規制に取り組むべきであると考える。
 府における法的整備としては、いくつかの形態が考えられるが、悪質な業者に対しては実効性を高める必要性があること、また府民や社会への影響力を考えたとき、広く府民の意志を代表する府議会において審議し、制定される条例によることが最も適切である。
 法的整備の内容としては以下の内容を織り込むことが必要であると考えられる。
 まず、同和問題の解決のため指導的役割を果たすべき府の責務を明確にするとともに、部落差別につながる身元調査が広く個々の府民の意識と行動にかかわる一方、身元調査を営業として行う者とも深くかかわるところから、府民と業者のそれぞれの責務を明記することが必要であると考える。
 とくに業者については、わが国においては現在のところ何らの法制度もなく、全くの自由参入業種となっているが、その業務内容が府民のプライバシーに関連するとともに、営業行為として継続性、反復性をもち、その活動能力の点からも社会的責任は大きいといえる。また、いまだ一部に悪質な業者が存在するという現実からも、一定の義務を法的に負うことは甘受しなければならないものと思われる。外国においては米国のニューヨーク州やカリフォルニア州における私立探偵士法等のように行政の監督下での営業活動になっている例もある。
 業者の業務内容については、憲法上の営業の自由について深くかかわるものであり、条例目的を達成できる範囲でできるだけ限定的な制限にすることが肝要である。
 以下にその主なものを具体的にあげてみる。
 第一に知事に業の届出を行うこと。
 第二に次の2点を遵守することを義務づける 。
1)同和地区居住者又は出身者かどうかの調査、報告をしないこと。
2)同和地区の所在地の一覧表等の提供をしないこと。
 この遵守事項については、まず、業者において、自主的な規制に努めることが必要である。なお、遵守事項については、現実の調査業に携わる従業員にも及ばなくてはならない。そこで、業者遵守事項について、従業員の指導・監督に努めることが必要となってくる。このことは、とくに、本業界の実態からもいえることである。
 以上のようなことを確保するためには、知事が一定の権限をもつことが必要となってくる。その第一は、知事が業者に対して、その義務をはたしていくよう指導や助言を行うことができること。
 二に遵守事項について違反があったとき、違反行為を是正するため必要な指示をすることができ、さらに、指示に従わない悪質な業者に対しては、営業停止を含む行政処分を行うことができることである。また、これら指導、監督のため、必要な限度において、職員に業者の営業所に立ち入り、検査させることなどができるようにすることも必要である。
 以上のようなことを最終的に担保するため、届出義務違反、営業停止処分違反等に罰則を設けることも必要である。
 なお、遵守事項については、最終的には罰則で担保するものであるので、構成要件を明確に規定することが必要である。また、条例の運用にあたっては、行政の主体性の確立に努めるとともに、聴聞手続きを設けるなど業者の営業を不当に侵害することがないよう留意すべきである。
 また、大阪府という限られた領域での取組であるが、条例の運用にあたっては、国の機関や府下市町村とも連携し、幅広い取組をなすことにより、府民各層の意識に対して啓発効果を高めるべきである。

結語
 以上に述べてきたように、結婚や就職等における部落差別につながる身元調査をなくするためには、府民に対する啓発活動の充実、現行制度の活用、行政指導の強化及び業者による自主規制の促進などの諸方策を効果的に推進していくことが重要であり、また、これらの方策の限界を補完するための法的措置として、条例制定が必要であるとの結論に達したものである。本来、この問題の解決のためには、同和問題が府民の前により開かれたものとなることが必要であり、究極的には、府民自身の主体的な意識変革にまつべきものである。したがって、条例を制定したとしても、その運用にあたっては決して府民の権利と自由を不当に侵害しないよう留意し、あくまで府民に対する啓発効果を第一義的に考えるべきである。
 同和問題の解決は、まさに憲法に規定された基本的人権を保障し、自由と平等の理念を実現するものであり、府民一人ひとりの心からの理解と協力が必要であることを付言しておきたい。

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このページの作成所属
府民文化部 人権局人権擁護課 人権・同和企画G

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