第2 勧告

更新日:平成29年10月17日

 1 勧告

職員の給与の決定条件に関する調査の結果は以上のとおりであり、職員給与と民間給与との較差、物価・生計費及び人事院勧告の内容等を総合的に勘案すると、下記により職員の給与を改定する必要があると認められるので、所要の措置をとられるよう勧告する。

 記

(1)  改定の内容

ア 給料表

職員の給与に関する条例に定める現行の給料表を別記 [Excelファイル/130KB]のとおり改定すること。

イ 期末手当及び勤勉手当

(ア)   (イ)、(ウ)及び(エ)以外の職員
    6月及び12月に支給される勤勉手当の支給割合をそれぞれ0.9月分(再任用職員にあっては、それぞれ0.425月分)とすること。

(イ)   特定管理職員
    6月及び12月に支給される勤勉手当の支給割合をそれぞれ1.1月分(再任用職員にあっては、それぞれ0.525月分)とすること。

(ウ)   指定職給料表の適用を受ける職員
    6月及び12月に支給される勤勉手当の支給割合をそれぞれ0.95月分(再任用職員にあっては、それぞれ0.5月分)とすること。
 
(エ)   任期付研究員及び特定任期付職員
    6月及び12月に支給される期末手当の支給割合をそれぞれ1.65月分とすること。

ウ 初任給調整手当

医療職給料表(一)の適用を受ける医師及び歯科医師に対する支給月額の限度を人事院勧告及び本府の実情等を考慮して引き上げること。

エ 単身赴任手当

再任用職員に対して単身赴任手当を支給すること。

(2) 改定の実施時期

 この改定は、平成29年4月1日から実施すること。ただし、(1)エについては平成30年4月1日から実施すること。

2 勧告の考え方

(1) 本年の給与改定について

ア 経済状況及び民間の賃金動向

平成29年4月時点の経済状況を示した月例経済報告(平成29年6月内閣府)では、企業収益や雇用情勢の改善、整備投資の持ち直しなどの状況を踏まえ、「景気は、緩やかな回復基調が続いている」との基調判断が示されており、政府においては、好調な企業収益を、投資の増加や賃上げ・雇用環境のさらなる改善等につなげ、地域や中小・小規模事業者も含めた経済の好循環のさらなる拡大を実現することとしている。                                                                                                 このような中で、今春の賃金改定関連の調査結果を見ると、厚生労働省調査(対象規模:資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の企業)によると2.11%、6,570円の引上げ、日本労働組合総連合会(連合)調査によると1.98%、5,712円の引上げ、うち組合員数300人未満の組合では1.87%、4,490円の引上げの報告がなされている。府内においては、大阪府総合労働事務所の賃上げ一時金調査結果によると1.94%、5,629円の引上げの報告がなされている。

イ 職員給与の状況

本府の職員給与については、平成23年度に「大阪府版公務員制度改革」として、職務給の原則に、より即した本府独自の給料表を導入し、併せて給料表における職務の級の適用や昇格制度について、大幅な見直しを行ったところであるが、その結果、昇給が実質的に停止となる「最高号級」適用者は、逓減しているものの未だ相当数存在している状況にある。さらに、平成26年に本委員会が勧告した「給与制度の総合的見直し」において、職員の生活の影響に配慮するための経過措置が実施されず、直ちに給与月額が引き下げられ、また、平成27年に本委員会が勧告した民間との給与較差に基づく給料表等の改定が見送られている。                                                           なお、平成28年は、職員と民間従業員との給与水準の比較方法を見直し、その結果、給料表の引下げ改定の勧告を行ったところであるが、勧告した実施時期を早めて改定が行われたところである。

ウ 給与較差の状況

本委員会において、本年も、4月時点における職員と民間従業員との給与水準について、ラスパイレス方式を用いて、給与決定の主要な要素である役職段階や年齢、学歴を同じくする者同士を比較したところ、職員給与が民間給与を230円(0.06%)下回っていることが明らかになった。

エ 給与較差の解消方策

上記のとおり、本年の月例給における較差は230円(0.06%)と小額である。これと類似する状況であった平成20年(較差240円、0.05%)、平成22年(較差199円、0.05%)においては、人事院勧告の取扱いの参考に勧告を行わないとした経過がある。
本年の勧告においては、本府職員の採用環境が厳しい状況(大阪府の有効求人倍率:平成24年度0.81倍から平成28年度1.42倍、大阪府職員採用試験の競争倍率:平成24年度9.9倍から平成28年度6.1倍)にあることに鑑み、人事院勧告において初任給を含む若年層を中心とした改定が行われることも踏まえ、較差の範囲内において、初任給及び若年層の給与月額を引き上げることにより、較差の解消を図ることとした。

(ア) 給料表

平成29年度の「民調」における府内民間従業員の初任給は、大学卒で204,112円、高校卒で167,064円となっており、本府の行政職給料表適用職員の初任給(給料及び地域手当)が、大学卒程度で200,688円、高校卒程度で162,615円であるため、大学卒程度で3,424円、高校卒程度で4,449円民間を下回っている状況にある。

(資54頁:第15表)

さらに、人事院勧告において、総合職試験、一般試験(大卒程度)及び一般試験(高卒者)採用職員の初任給について、民間の初任給との間に差があること等を踏まえ、1,000円引き上げることとし、若年層についても同程度の改定を行い、その他については、それぞれ400円引き上げることとされた。この勧告による改定が実施された場合、大阪市域に勤務する国家公務員の大卒者の初任給(俸給及び地域手当)は、207,872円になると見込まれる。                                                                                                                                                                           以上のことから、行政職給料表については、初任給を2,000円引き上げるとともに、現行の給料表における昇給カーブとのバランスも考慮し、較差の範囲内で20歳台半ばまでの若年層についても引上げ改定を行うこととした。                                                                                                     なお、行政職給料表以外の給料表についても、行政職給料表との均衡を基本として所要の改定を行うこととした。

(イ) 給料表改定に係る実施時期

本年4月時点における職員と民間従業員との給与水準について比較していることから、勧告の実施時期については、4月に遡及することが制度の趣旨に適うものと考えられる。

 

オ 期末手当及び勤勉手当

本委員会は、民間における賞与及び臨時給与など特別給について、前年8月から当年7月までの1年間に支給された支給状況を調査して、同期間における民間の支給割合(月数)を算出し、これを職員の期末手当及び勤勉手当(以下「期末・勤勉手当」という。)の年間平均支給月数と比較した上で、0.05月単位で改定を勧告している。
本年の「民間」において、民間における特別給の合計額が月例給の4.40月分にあたることが明らかになったことから、民間の特別給との均衡を図るため、現在、年間平均支給月数が4.30月分となっている職員の期末・勤勉手当を0.1月分引き上げ、年間4.40月分とする必要があると判断した。

(資68頁:第20表)

引上げにあたっては、民間の特別給の支給状況等を踏まえ、勤勉手当のウエイトをより高めることが適当であると考えるものであり、引上げ分については6月期及び12月期の勤勉手当に均等に配分することとした。

(資68頁:第21表)

また、再任用職員の勤勉手当並びに任期付研究員及び特定任期付職員の期末手当についても、同様に支給月数を引き上げることとした。

カ 初任給調整手当 

人事院勧告では医師に対する初任給調整手当について、医療職俸給表(一)の改定状況を勘案し、所要の改定を行い、本年4月に遡及して実施するとしている。本府においても、これまで国の改定に準じることを基本としてきた経過を踏まえ、人事院勧告と同様に医師の初任給調整手当を改定することとした。

キ 単身赴任手当

再任用職員の給与については、制度導入時(平成13年)に、扶養手当、住居手当、単身赴任手当等の生活関連手当は支給しないこととされ、その後、平成26年の人事院勧告において、転居を伴う異動をする職員の増加と民間事業所における支給状況を踏まえ、再任用職員に単身赴任手当を支給することとされたところである。

一般行政部門における再任用職員については、退職者の知識・経験のより一層の活用及び適正な組織運営を図る観点から、公募による上位職階への任用が拡大される予定であり、今後、転居を伴う広域な人事異動も想定されることを踏まえ、国と同様に、異動に伴い単身赴任となった再任用職員に対して単身赴任手当を支給することとした。

(2)国家公務員給与との均衡について

地方公務員法において、職員給与は国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従業員の給与等を考慮して定めることとされている(均衡の原則)。                                                                                             国家公務員給与との均衡のあり方に関しては、給与制度(給料表の構造や手当の種類・内容等)は、国家公務員の給与制度を基本とし、給与水準については、地域の民間給与との均衡を図りつつ、それぞれの地域における国家公務員の給与水準も目安とすべきとされている。また、国家公務員の給与水準との比較にあたっては、本給のみの比較によるラスパイレス指数を用いる方法、各団体の地域手当支給率を加味した地域手当補正後ラスパイレス指数を用いる方法があるとされている(総務省の研究会報告書(平成18年3月)及び一般財団法人自治総合センターの調査研究会報告書(平成29年3月))。                                                                    本府の給与制度について見ると、まず、給料表の構造については、国家公務員の給料表とは異なる独自の給料表であり、一つの職階に一つの級を割り当てることを基本とするとともに、級間の給与の重なりをできる限り縮小するなど「職務給の原則」を徹底したものとなっている。また、民間との給与較差の対象となる諸手当の種類・内容については、相当する国家公務員の諸手当に準じたものとなっている。                                                                                                                                             本府の給与水準については、「民調」に基づく府域の民間給与水準に依拠して勧告を行うこととしている。                                                                                              なお、平成28年4月1日現在の府域のおける国家公務員の給与水準とも関係で見ると、本給を比較対象としたラスパイレス指数では101.5と国家公務員の水準を上回っているが、地域手当を含めた補正後のラスパイレス指数では99.4と国家公務員の水準を下回っている状況にある。

(資49頁:第13表)

(3) 賃金センサスの活用・研究 

賃金構造基本統計調査(以下「賃金センサス」という。)においては、公民の給与比較において対象外としている通勤手当が含まれていることに加えて、前年分の月例給についての調査結果であることなど、一定の制約があるものの、一般的な給与決定要素と考えられる役職段階や年齢等に応じた給与水準等の民間給与の傾向を把握する上で有用であると考えられることから、本年の給料表の改定にあたっても、賃金センサスを活用し、民間給与の分析を行った。
役職段階ごとに企業規模、年齢及び勤続年数を加味した給与モデルを比較したところ、民間従業員の年齢等を基準とした場合は、部長級、課長級の人数に大きな差異があり、昇任スピードや役職制度の違いも見られるところである。

(資79頁:第31表、資80頁:第32表)

さらに、役職段階及び企業規模別に民間と本府の給与水準を比較したところ、部長級及び課長級では本府がやや高めとなっており、係長級及び非役職者は概ね均衡している状況であった。

(資81頁:第33表、資82頁:第34表、資83頁:第35表、資84頁:第36表)

また、平均給与月額を比較したところ、20歳台前半では民間を上回り、20歳台後半から30歳台前半は民間とほぼ均衡し、それ以降の年齢階層においては、本府が民間を下回っている。

(資78頁:第30表)

こうした状況も参考にしつつ、本年の給与勧告にあたって検討を行ったところ、先に述べたとおり、本府職員の採用環境が厳しい状況にあることに鑑み、有為な人材の確保の観点から、初任給及び若年層の給与月額を改定することとしたところである。                                                                                       本府では、職員基本条例において、人事委員会は直近の賃金センサス等を参考として活用するものとされていることを踏まえ、引き続き、研究・検討を重ねていくこととする。

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人事委員会事務局 人事委員会事務局給与課 給与グループ

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