職員ロングインタビュー【保健師】

更新日:2021年3月1日

保健師

  四條畷保健所 企画調整課
  佐藤 由衣  Sato Yui

   平成23年 入庁

保健師 佐藤 由衣

 【配属歴】

 平成23年 枚方保健所 地域保健課
 平成27年 岸和田保健所 地域保健課
 平成31年 四條畷保健所 企画調整課

ある1日の仕事のながれ

保健師を志したきっかけを教えてください。

高校時代は、臨床心理学などにも興味をもっていました。人と関わり支える仕事をしたいと考えた際、母が以前に企業で産業看護師をしていたこともあり、保健師という仕事に魅力を感じ、大学では看護学部に進学し、保健師を志すようになりました。

大阪府に入庁した理由を教えてください。

行政保健師と、産業保健師のどちらをめざすか、最後まで迷ったのですが、大学時代の恩師に「大阪府の保健師は歴史が長く、学べるものも多いはず」というアドバイスをもらい、大阪府への入庁を決めました。

大学の看護学部で学んだことは役立っていますか?

看護の基礎的な知識などは、仕事に応用できる部分がたくさんあります。しかし、実際の仕事を通して学ぶ事も多く、より身に付きやすいと感じています。保健師は、相談の内容によってさまざまな支援制度の紹介をし、必要な機関へ橋渡しをします。どの方も一様に同じ状態ではなく、年齢や症状、家族形態など様々です。ただ問題点を解決しようとするのではなく、本人の気持ちに寄り添った支援が大切であることを、入庁後に改めて感じました。

入庁後に携わった仕事について教えてください。

平成23年に枚方保健所地域保健課の難病チームへ配属され、難病の方の支援をしていました。主にALSやパーキンソン病といった神経筋難病の方を対象に、支援を行っていました。

そこで3年間経験を積んだ後、岸和田保健所地域保健課の感染症チームで1年間働き、その後母子・難病・地域ケアチームで支援業務を行っていました。

現在の仕事内容を教えてください。

現在は、四條畷保健所企画調整課に在籍しています。企画調整課では健康増進計画等に基づいた健康づくりの推進を行っており、私は主にたばこ対策や地域・職域連携推進事業など、地域の「健康づくり」に携わっています。

たばこ対策は、管内の医療機関で禁煙治療を実施している病院の情報をまとめ、たばこをやめたい方への周知を図っています。また、管内にある大学と連携して、喫煙やアルコールの健康被害、適切な栄養摂取といったテーマで学内啓発イベントを企画したりもします。要望に応じて、出前講座をすることもあります。

今年度は、地域・職域連携では、市町村や職域の担当者と、主にがん検診の受診率向上を目指した取り組みについて意見交換を行いました。

現在感じている仕事のやりがいを教えてください。

喫煙をはじめとする健康関連の啓発は、現在、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のためほとんど開催できていませんが、地域の健康課題をもとに、自分なりにアイデアを出しながら、企画できることにやりがいを感じています。

地域・職域連携推進事業は、国も力を入れています。大阪府は、他の都道府県に比べて、がん検診の受診率が突出して低いのですが、職域においてがん検診は義務付けられていないため、オプションとしてがん検診の受診を勧めているところとそうではないところがあり、足並みが揃っていません。職域におけるがん検診については、まだまだ課題は多いですが、がん検診の重要性を広め、受診率を上げることは府民全体の健康に直結する仕事なので、やりがいのある仕事だと思っています。がん検診事業を行っている市町村と連携し保健所の保健師として何が出来るのかを考えていきたいと思います。

これまでの業務の中で、特に印象に残っている仕事について教えてください。

一番印象に残っているのは、入庁して最初に配属された枚方保健所地域保健課の難病チームで、難病の方の支援を行っていた時のことです。新人でも、一人の保健師として支援しなければなりませんが、当時は「私で良いのか」「自分に何ができるのか」といった葛藤がありました。それでも自分なりにわからないことを調べて、試行錯誤を繰り返していた時、当時担当していた方から「佐藤さんのおかげです。たくさん支えてくれてありがとう。」という言葉をいただきました。できないことが多くても、自分なりに向き合っていたら、思いが通じることがわかり、保健師として自信がつくきっかけになりました。

仕事のスキルを伸ばすために取り組んでいることはありますか?

大学時代の同期と、保健や看護分野についての情報を交換したり、大学教授が主催する外部の研修にも参加しています。

また、大阪府の保健師の研修で、PDCAサイクルについて学んだ経験は、とても役立っています。自己学習が大切なのはもちろんですが、研修として学べる機会をいただけることは、とてもありがたく感じています。

仕事をする上で、心がけていることを教えてください。

仕事の中で心がけていることは、相手の立場に立って物事を考え、伝えることです。「自分ならどう対応してもらったら嬉しいか」を考えて、対応するようにしています。保健師の仕事は、新型コロナウイルス感染症への対応で以前より知られるようになりましたが、それまでは保健師の役割をなかなか理解してもらえないこともありました。そのようなときは、保健師とは困りごとの解決策を共に考えて支援する存在であることを少しずつ理解していただけるような関係性を築けるように丁寧に向き合っていくことを心がけています。

また、現在は子育て中なので、仕事と家庭の両立を意識しています。先を見越して働きやすい環境にいるので、前もってスケジュールを組んだり、ToDoリストを使って仕事量を把握しやすくするなど、自分なりに工夫しています。

今後、府民の方にどのように貢献していきたいと思いますか?

「相談してよかった」「安心した」と思ってもらえるような保健師でありたいと思っています。対象者の方が地域で孤立せず、本人がその人らしく過ごしていくために支援し、また地域の実情に合わせてネットワークの構築をしていくことが保健所保健師の仕事の一つです。一方的な支援にならないように、寄り添い「一緒に考えていきましょう」というスタンスを持ち続けたいと思います。

大阪府で働くことを検討されている方にメッセージをお願いします。

保健師として働きたいけど、どの地域で働きたいか決まっていない人もいらっしゃると思いますが、前向きに何事にもチャレンジする気持ちがあれば、地元の地域でなくても、保健師としてやりがいをもって働くことはできます。私自身も、地元ではありませんが、大阪府に入庁してよかったと思っています。保健師活動の歴史がある大阪府だからこそ、先輩方から学べることも多いです。研修なども充実していて、保健師としてのスキルを磨いていくことができます。

また、キャリアの中で出産や子育てがしやすい環境でもあると思います。私は2回の出産を経験し、産前産後休暇や育児休業を取得後、仕事と家庭の両立への不安もありましたが、職場の皆さんの暖かいサポートもあり、職場復帰をすることができました。とても恵まれている環境だと感じています。
ぜひ大阪府で一緒に働きましょう。

  【ある1日の流れ】

   8時45分 情報収集・業務の整理
     9時15分 ミーティング
     9時30分 電話相談対応
   10時30分 啓発イベント用パネル作成
   12時15分 昼休み
   13時00分 啓発イベント用パネル・啓発グッズ 積み込み
   14時00分 啓発イベント会場設営
   14時30分 2g減塩レシピ集打合せ
   17時00分 保健所帰所 
   17時15分 退勤

保健師 佐藤 由衣

※掲載されている職員の職務内容、所属及び所属名称は配属当時のものです。

このページの作成所属
人事委員会事務局 人事委員会事務局任用審査課 任用グループ

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