BNCTについて

更新日:平成28年7月21日

1. がん治療における4つ目の選択肢(がん治療の類型におけるBNCTの位置づけ)

 BNCTとはどのような治療法なのでしょうか。がん治療には大きく分けて放射線治療、化学療法、外科療法の3つがあります。BNCTは、中性子とホウ素の反応を利用してがん細胞のみを選択的に破壊するという有効性と安全性の点で、従来の放射線治療とは次元の異なる特長を有する画期的ながん治療法で、将来のがん治療を担う4つ目の治療法として有望です。

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2.  「中性子捕獲反応」を応用したBNCTの原理

   

中性子捕獲反応のがん治療への応用のアイデアは、1936年に米国の物理学者Locherによって出されました。それは、10Bと熱中性子の核反応によって放出されるHe原子核(α粒子)と7Li原子核によってがん細胞を破壊するというものです。熱中性子は様々な原子核によって捕獲されますが、中でもホウ素原子核が捕獲する確率(捕獲断面積:cm-2)は窒素(14N)のそれの約2000倍で、生体を構成する他の元素に比べて桁違いに大きいことがわかっています。さらに反応後に放出される2つの粒子はいずれも飛程がごく短く、一般的な細胞の径を超えません。がんに選択的、かつ十分量が集積するホウ素化合物があれば、これを投与した後に中性子を照射することでがんだけを破壊することが可能になります。

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3.  BNCT治療の流れ

  • がん細胞に集積する特性を持ったホウ素薬剤を投与します
  • 原子炉や加速器から取り出した熱(外)中性子線を患部に照射し、手術することなく、がん細胞を選択性良くかつ効率的に破壊する治療法です

 

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 4.  加速器による中性子照射イメージ (出典:住友重機械工業株式会社プレスリリースより抜粋)

 

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 5.  BNCTの主な特長

  • 中性子とホウ素の反応を利用しがん細胞を選択的に破壊する    
  • 正常細胞にほとんどダメージがなく安全性が高い
  • 個別臓器全体に広がったがんや浸潤がんなど治療が難しいがんにも延命・治癒の効果が期待できる
  • 放射線治療後に再発したがんも対象にできる
  • 効果は患部の深浅やホウ素薬剤の集積度に影響される
  • 照射は1から2回、30分から60分程度                
  • 切開や切除を行わないので患者のQOLにも貢献           
  • 制がん剤、抗がん剤を用いないので副作用が少ない
  • PET検査による治療効果予測が可能

6.  放射線治療における位置付け

 がん放射線治療の主軸は広いがん種や病期をカバーするX線治療であり、このことは将来も変わらないと考えられます。BNCTは原理上、細胞選択的照射が可能であり、X線治療や粒子線治療で対応が困難ながんや病期などにも適応の可能性があります。

 

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政策企画部 広域調整室事業推進課 事業推進グループ

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