大阪府保健医療計画(平成20年8月一部変更版)−第2章第3節 医療圏及び基準病床数

更新日:平成21年8月5日

1.医療圏とは
(1)趣 旨
 大阪府は、2番目に狭い都道府県であり、交通網は高度に発達しており、都市機能の集積度も極めて高い。このため、市町村間における地域特性の差異の幅は他の都道府県と比較すれば大きくなく、人口移動や患者の動向も複合的、多層的に展開されているという特性を有している。
 こうした大阪府の特性を踏まえ、地域における患者の受療動向や日常の生活行動等を踏まえ、包括的な保健医療サービスを効率的に提供するにふさわしい地理的広がりを持った医療圏を設定し、医療圏域の保健医療機関がその機能に応じ効率的に配置され、地域において健康づくりから疾病の予防、診断治療、さらに、リハビリテーションに至る保健医療サービスを包括的、継続的に提供するなど、府民にとってより利便性が高く、かつ質の高い医療が受けられる体制の確保を図ってきたところである。
 住民の日常生活に最も密着した身近な保健医療サービスを提供する一次医療圏、特殊または高度専門的な分野を除き、原則として入院を必要とする医療が充足され、一般的な保健医療サービスが完結的に提供される二次医療圏、先端的な技術や特殊な機器等を必要とする高度医療や府内全域を対象とする保健医療サービスを提供する三次医療圏と定義し、各圏域を設定してきた。

2.一次医療圏
(1)一次医療圏における保健医療サービス
 一次医療圏は、地域医療のシステム化を推進し、包括的な保健医療体制の体系的整備を図る上で、住民の日常生活に密着した地域的単位である。
 この圏域では、診療所において、かかりつけ医等により一般的な疾病や外傷等に対する外来診療機能を確保するとともに、主として内科系の急病発生に対応するため市町村における休日(夜間)急病診療所での初期救急医療体制の整備を図る。
 また、老人保健事業における壮年期からの健康づくり対策や、母子保健事業など対人保健サービスを主体として、福祉分野との連携を図りつつ、住民の日常生活に身近な地域保健医療体制を確保していく。

(2)設定に係る基本的考え
 一次医療圏は、住民にとって身近で利用しやすい保健医療サービスが提供されることが可能な地域範囲である必要がある。
 老人保健事業、介護保険制度、母子保健事業の実施、及び休日急病診療所の設置などは市町村ごとに進められている。
 以上のことから、一次医療圏は原則として市町村の区域とすることが適切であると考えられるが、府内の各市町村における人口、面積及び医療施設の配置状況等に差異、偏在がみられるため、地区医師会の所管区域も含めて今後別途定める地域的単位として引き続き検討していく。

3.二次医療圏
(1)二次医療圏における保健医療サービス
 二次医療圏は医療法第30条の4第2項第10号に規定する区域として、精神病床、感染症病床及び結核病床を除いて、主として病院及び診療所の病床の整備を図るべき地域的単位である。
 この圏域で、急病患者の入院医療を担当する二次救急医療体制、市町村域を越える体制整備を進めてきたところである。また、地域医療支援病院はこの圏域においてかかりつけ医(歯科医)等への支援を通じた地域医療の体系化を確立することを目的としたものである。
 本圏域を単位とし、一般的な保健医療サービスの推進を図っていくことを目的として設置した保健医療協議会において、「大阪府保健医療計画」の中の地域特性を反映するとともに、計画を推進のための具体的方策を実施しながら検証していくことが求められる。
 二次医療圏では、一次医療圏の機能を十分に発揮させ、その円滑な推進と必要な連携を図ることとし、特に、紹介患者の円滑な受入れや退院後の治療等、診療所と病院との診療機能の連携について十分確保を図るものとする。
(2)設定に係る基本的考え
 二次医療圏は、一次医療圏の機能を支援することから、広域的な対応が円滑に行われることが可能な地域的範囲である必要がある。このため保健医療活動の推進については、昭和51年9月に大阪府衛生対策審議会において定められて以来、一定の実績が認められる地域医療に関するブロックに沿って設定することが最も適当である。
 また、この圏域設定が、医師会ブロックや保健所所管地域、及び高齢者保健福祉圏と合致していることにより、保健・医療・福祉の各分野において整合性の取れたサービスを提供することが可能となる。
 さらに、平成12年度より、この圏域をブロックとして病院群輪番制による二次救急医療体制を府内全域で実施したところであり、この圏域を地域医療に関するブロックとすることにより、これら二次救急医療対策事業や感染症発生動向調査事業等の現行施策を変更することなく、その水準を維持し、向上を目指すことができる。
 なお、府内においては、平成17年2月に堺市と美原町が合併したことにより、今回、堺市医療圏と南河内医療圏の圏域を見直すこととした。
(3)二次医療圏の範囲
 以上の基本的考え方に基づき、引き続き下記のとおり圏域を設定した。

表3の3の1二次医療圏
圏域名と区域の市町村名を示す
豊能医療圏、池田市、箕面市、豊中市、吹田市、豊能町、能勢町
三島医療圏、摂津市、茨木市、高槻市、島本町
北河内医療圏、枚方市、寝屋川市、守口市、門真市、大東市、四條畷市、交野市
中河内医療圏、東大阪市、八尾市、柏原市
南河内医療圏、松原市、羽曳野市、藤井寺市、富田林市、河内長野市、大阪狭山市、河南町、太子町、千早赤阪村
堺市医療圏、堺市
泉州医療圏、和泉市、泉大津市、高石市、岸和田市、貝塚市、泉佐野市、泉南市、阪南市、忠岡町、熊取町、田尻町、岬町
大阪市医療圏、大阪市

 なお、大阪市域については、従前より、4つの基本保健医療圏ごとに地域保健医療協議会が組織されてきており、そのまま4つの基本保健医療圏を維持することとする。

表3の3の2 大阪市二次医療圏内、基本保健医療圏
圏域名と区域の区名を示す。
北部基本保健医療圏、北区、都島区、淀川区、東淀川区、旭区
西部基本保健医療圏、福島区、此花区、西区、港区、大正区、西淀川区
東部基本保健医療圏、中央区、天王寺区、浪速区、東成区、生野区、城東区、鶴見区
南部基本保健医療圏、阿倍野区、住之江区、住吉区、東住吉区、平野区、西成区


4.三次医療圏
(1)三次医療圏における保健医療サービス
 三次医療圏は、二次医療圏で一般的な医療サービスが充足される場合であっても、先端的な技術や高度な医療機器等を利用する特別な医療を行う地域的単位としてきた。
 高度で特別な分野に属する医療サービスについては、府内全域の医療需要に対応するものとしており、現在、大阪府では我が国の最高水準を誇るナショナルセンターとしての国立循環器病センターと、大阪大学医学部をはじめとする5ヵ所の医育機関や府立成人病センターなど計7ヶ所の特定機能病院が設置されている。また、総合病院や専門病院も数多く集積しており、全国的にみても高水準の医療体制が確保されている。

(2)設定に係る基本的考え
 三次医療圏における高度医療は、組織的かつ体系的な病歴管理、豊富な臨床例に基づく調査研究、先端的な手術技法の開発、集中強化治療の実施、専門医療スタッフの確保、高度専門病床や高額医療機器の設置等、あらゆる面での診療機能の充実を図る必要がある。
 しかし、これらの高度医療提供体制による診断・治療等は、極めて不採算性の高い部門であるため、府内各地で個々に整備することは非効率である。
 大阪府域は全国で2番目に狭く、広域的な都市交通網も高度に発達しているという地域特性を考慮すれば、高度で特殊な診療機能を相当広い範囲の需要に対応して提供することが可能であるため、三次医療圏は府内全域を対象とすることが最も適当である。
 なお、平成17年に実施された厚生省(現厚生労働省)の「患者調査」によると、大阪府における病院の患者数のうち他府県からの流入患者が、1日当たり外来で約5,800人、入院で約6,500人にのぼっており、大阪府の医療施設の診療圏は他府県にまで広がっている。これは、その診療機能が相当高度な水準に達していることを表していると考えられる。

(3)三次医療圏の範囲
 府内全域

(4)三次医療を担当する主な医療施設
  1大学医学部及び医科大学の附属病院
  2国が設置するナショナルセンター及び基幹医療施設並びに専門医療施設
  3府などが設置する調査研究施設等を有する総合診療病院及び専門診療病院
  4調査研究・研修等の機能を有する民間医療機関における特定専門診療科

(5)三次医療の範囲
 (例  示)
  1経皮的カテーテル心筋焼灼術、腎移植等の先進的技術を必要とする医療
  2高圧酸素療法、持続的血液濾過透析等特殊な医療機器の使用を必要とする医療
  3先天性胆道閉鎖等発生頻度が低い疾病に関する医療
  4広範囲熱傷、指肢切断、急性中毒等の特に専門性の高い救急医療

5.基準病床数
 医療法第30条の4第2項第12号により、基準病床数に関する事項を医療計画において定めることとされている。基準病床数は、平成12年12月の医療法改正により、従前の「必要病床数」の用語を呼び改めたものである。
 また、基準病床数の算定方法や算定する区域については、医療法施行規則により定められており、「療養病床及び一般病床」については二次医療圏ごとに、「精神病床」、「結核病床」及び「感染症病床」については都道府県の区域ごとに算定することとされている。
 今回は、平成17年に実施された国勢調査(指定統計1号)による「性別及び年齢階級別人口」や平成17年実施の患者調査(指定統計66号)による「流入・流出患者数」及び病院報告(承認統計)による「病院入院患者数」、並びに平成17年11月29日付け厚生労働省告示第496号による「病床利用率」、「平均在院日数」及び「入院・入所需要率」「年齢階級別一般病床退院率」及び平成18年3月28日付け厚生労働省告示第161号による「病床利用率」、「平均残存率」及び「現退院率」「新規入院率」「入院率」などに基づき算定した。
 また、平成19年1月1日以降に設置された診療所の一般病床のうち、病床規制の例外として医療法施行規則第1条の14第7項第1号又は第3号に該当し医療法施行令第3条の3及び同第4条第2項により病床設置を届け出たものについては、次のアドレスに当該診療所の名称等を記載することとした。
   http://www.pref.osaka.lg.jp/iryo/iji1/index.html
 なお、基準病床数は地域ごとにどの程度の病床数を整備すべきかという整備目標であるとともに、それ以上の病床の増加を抑制する基準であり、病床過剰であるからといって当該地域にある医療機関に、病床削減の義務が課されるわけではない。
 各病床の基準病床数及び既存病床数については、次のとおりである。

表3の3の3 基準病床数
病床種別ごとに、二次医療圏、基準病床数、平成19年10月1日現在の既存病床数の順に示す。
療養病床及び一般病床
豊能医療圏、7,517、7,981
三島医療圏、5,474、6,579
北河内医療圏、7,864、9,810
中河内医療圏、5,418、6,086
南河内医療圏、5,591、6,845
堺市医療圏、8,590、9,661
泉州医療圏、6,985、8,860
大阪市医療圏、22,148、33,434
計、69,587、89,256
精神病床、府内全域、16,512、19,217
結核病床、府内全域、814、1,061
感染症病床、府内全域、78、78

(参考)基準病床数の算定について
 基準病床数の算定に当たっては、それぞれの病床区分により以下の数値等を使用して算定した。療養病床及び一般病床は、両者を合算して基準病床数を算定した。
 なお、医療法第30条の4第6項に係る特別な事情(急激な人口増加、特定の疾患の り患者が多い、高度な医療を提供する病院の集中等)は見受けられないので同規定による基準病床数の算定の特例は算入しなかった。

(1)療養病床
 二次医療圏ごとに(ΣAB―G+C−D)/E+Hで算定
 Aは、当該二次医療圏の男女別、5歳ごとの年齢階級別人口。平成17年実施の国勢調査人口を使用した。
 Bは、男女別、5歳ごとの年齢階級別長期療養入院・入所需要率。
 Cは、当該二次医療圏への他地域からの流入患者数。平成17年実施の国指定統計調査である患者調査及び病院報告をもとに推計値を算入した。
 Dは、当該二次医療圏から他地域への流出患者数。同患者調査及び病院報告をもとに推計値を算入した。
 Eは、病床利用率。平成17年11月29日付け厚生労働省告示の病床利用率0.93を使用した。
 Gは、介護施設等で対応可能な数。ふれあいおおさか高齢者計画2006で示される、平成20年度の指定介護老人福祉施設及び介護老人保健施設の必要入所定員総数を用いた。
 H:基準病床数の加算部については、豊能医療圏における府外流出率が高いことから、
 (都道府県外への流出入院患者数―都道府県内への流入入院患者数)×1/3で求められる187床を豊能医療圏に加算した。
(2)一般病床
 二次医療圏ごとに(ΣAB×F+C−D)/Eで算定
 Aは、当該二次医療圏の男女別、5歳ごとの年齢階級別人口。平成17年実施の国勢調査人口を使用した。
 Bは、男女別、5歳ごとの年齢階級別退院率。
 Cは、当該二次医療圏への他地域からの流入患者数。平成17年実施の国指定統計調査である患者調査及び病院報告をもとに推計値を算入した。
 Dは、当該二次医療圏から他地域への流出患者数。同患者調査及び病院報告をもとに推計値を算入した。
 Eは、病床利用率。平成17年11月29日付け厚生労働省告示の病床利用率0.80を使用した。
 Fは、平均在院日数。平成17年11月29日付け厚生労働省告示の近畿ブロック平均在院日数19.1日を用いた。
(3)精神病床 
 都道府県全域で(ΣAB+C−D)×F/E+(ΣI(1―J)+K―L/E+Hで算定
 Aは、大阪府の男女別、5歳ごとの年齢階級別人口。平成17年実施の国勢調査人口を使用した。
 Bは、男女別、5歳ごとの年齢階級別入院率。平成18年3月28日付け厚生労働省告示の大阪府年齢階級別新規入院率を用いた。
 Cは、大阪府への他府県からの流入患者数。平成17年実施の国指定統計調査である患者調査及び病院報告をもとに推計値を算入した。
 Dは、大阪府から他府県への流出患者数。同患者調査及び病院報告をもとに推計値を算入した。
 Eは、病床利用率。平成18年3月28日付け厚生労働省告示の病床利用率0.95を使用した。
 Fは、平均残存率。平成18年3月28日付け厚生労働省告示の大阪府平均残存率と全国の平均残存率の目標値の平均値0.2675を用いた。
 Hは、大阪府では年齢階級別人口×年齢階級別入院率の総和より、病院の入院患者のうち大阪府に住所を有する者の数が下回るため、他府県への流出入院患者数/病床利用率で求められる数字の1/3を限度とした416床を加算した。
 Iは、大阪府における入院期間が1年以上である年齢階級別入院患者数を平成17年実施の国指定統計調査である患者調査及び病院報告をもとに推計値を算入した。
 Jは、退院率。平成18年3月28日付け厚生労働省告示の大阪府現退院率と全国の退院率の目標値の平均値0.2455を用いた。
 Kは、大阪府における入院期間が1年に達した入院患者の数を平成17年実施の国指定統計調査である患者調査及び病院報告をもとに推計値を算入した。
 Lは、大阪府における長期入院患者退院促進目標数は2,226人を用いた。
(4)結核病床
  都道府県全域でA×B×C×Dにより算定した。
 Aは、1日あたりの大阪府における塗抹陽性結核患者数
 Bは、塗抹陽性結核患者の感染性消失までに要する平均日数
 Cは、大阪府における年間新規塗抹陽性患者発生数は1,396人なので1.2を用いた。
 Dは、都道府県の事情に照らして定める数字は1.5とした。
(5)感染症病床
 「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づき指定されている府内の特定感染症指定医療機関(1施設2床)、第一種感染症指定医療機関(3施設4床)、第二種感染症指定医療機関(5施設72床)の合計病床数78床を基準病床数とした。

このページの作成所属
健康医療部 保健医療室保健医療企画課 企画調整グループ

ここまで本文です。