○大阪府健康づくり推進条例

平成三十年十月三十日

大阪府条例第八十八号

次に掲げる条例を公布する。

大阪府健康づくり推進条例

目次

前文

第一章 総則(第一条―第十一条)

第二章 健康づくりの推進に関する施策(第十二条―第十六条)

第三章 推進の体制及び方策(第十七条―第二十一条)

附則

生涯を通じて心身ともに健やかで生き生きと暮らすことは、府民共通の願いであり、府民一人ひとりの健康は、明るく活力に満ちた社会を支える基盤である。

近年の急速な少子高齢化の進展や疾病構造の変化、平均寿命の延伸等、府民の健康を取り巻く環境が大きく変わる中で、健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間をいう。)を延伸し、市町村間における健康寿命の差を縮小していくことが求められている。

そのためには、府民一人ひとりが健康への関心と理解を深め、若い世代から働く世代、高齢者までの全ての世代において、生活習慣病の予防や歯及び口くうの健康の保持及び増進、食生活の改善等に生涯にわたって主体的に取り組むとともに、行政をはじめ、事業者、保健医療関係者等の多様な主体が連携し、及び協働することにより社会全体で府民の取組を支援する必要がある。

このように社会全体で府民の健康づくりを積極的に支え、家庭や学校、職場、地域社会等あらゆる場所における健康づくりの気運の醸成を図り、府民一人ひとりが健やかで心豊かに生活できる活力ある社会を実現するため、この条例を制定する。

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、健康づくりの推進について、基本理念を定め、府の責務、市町村との協力並びに府民、事業者、保健医療関係者、医療保険者及び健康づくり関係機関等の役割について定めるとともに、健康づくりに関する施策の基本的な事項を定めることにより、府民の健康づくりを総合的かつ計画的に推進し、もって府民が健やかで心豊かに生活できる活力ある社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 健康づくり 府民が健康に関する知識を習得し、生活習慣の改善を通じた疾病の予防並びに健康診査の受診を通じた疾病の早期発見及び早期治療を行うことにより、主体的に心身の健康の保持及び増進に取り組むことをいう。

 事業者 他人を使用して事業を行う者をいう。

 保健医療関係者 保健医療の専門的な立場から府民に対し健康づくりのために必要な保健医療サービスを提供する者をいう。

 医療保険者 健康増進法(平成十四年法律第百三号)第六条第一号から第六号まで及び第十号に掲げる者をいう。

 健康づくり関係機関等 前二号に掲げる者のほか、健康づくりに資する取組を行う教育機関、研究機関、地域団体その他の健康づくりを推進するものをいう。

(基本理念)

第三条 健康づくりは、府民一人ひとりが健康づくりへの関心と理解を深め、自らの心身の状態に応じた健康づくりに生涯にわたって主体的に取り組むことを旨として行われなければならない。

2 健康づくりは、府、市町村、事業者、保健医療関係者、医療保険者及び健康づくり関係機関等が連携し、及び協働することにより、健康づくりを推進するための必要な支援及び社会環境の整備に取り組むことを旨として行われなければならない。

(府の責務)

第四条 府は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、府が定め、及び作成する健康増進法第八条第一項の計画、歯科口腔保健の推進に関する法律(平成二十三年法律第九十五号)第十三条第一項の基本的事項及び食育基本法(平成十七年法律第六十三号)第十七条第一項の計画において健康づくりの推進に関する目標を設定し、健康づくりに関する施策の総合的な策定及び実施に努めるものとする。

2 府は、府民一人ひとりの健康づくりへの関心と理解を深め、健康づくりの気運の醸成及び府民が健康づくりに取り組みやすい社会環境の整備に努めるものとする。

3 府は、第一項の施策の総合的な策定及び実施に当たっては、健康医療情報(保健及び医療に関連する統計資料その他の健康及び医療に関する情報をいう。)の活用を図るとともに、府、市町村、事業者、保健医療関係者、医療保険者及び健康づくり関係機関等の連携及び協働が促進されるよう総合調整機能の発揮に努めるものとする。

(府と市町村との協力)

第五条 府は、府及び市町村が実施する健康づくりの推進に関する施策を円滑かつ効果的に推進するため、市町村と連携し、及び協力して取り組むものとする。

(府民の役割)

第六条 府民は、基本理念にのっとり、健康づくりに継続して取り組むよう努めるものとする。

2 府民は、特定健康診査(高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)第十八条第一項に規定する特定健康診査をいう。以下同じ。)、がん検診、歯科検診(歯科口腔保健の推進に関する法律第六条の歯科に係る検診をいう。以下同じ。)その他の健康診査の受診、健康づくりに関する相談支援を行う機関の活用及び医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、管理栄養士、歯科衛生士その他の者が提供する保健医療サービスを受けることにより、自らの心身の状態を把握するよう努めるものとする。

3 府民は、家庭において健康づくりに取り組むとともに、学校、職場、地域その他のあらゆる場所における健康づくりの推進に関する活動に参加するよう努めるものとする。

4 府民は、府及び市町村が実施する健康づくりの推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第七条 事業者は、その使用する者に対し、健康づくりに資する情報の提供、健康診査の実施その他の健康づくりの推進に取り組むとともに、健康づくりに取り組みやすい職場環境の整備に努めるものとする。

2 事業者は、府及び市町村が実施する健康づくりの推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(保健医療関係者の役割)

第八条 保健医療関係者は、府民が健康づくりに必要な保健医療サービスを適宜受けられるよう努めるとともに、健康づくりに資する情報及び活動機会の提供、人材育成その他の方法により、健康づくりに取り組みやすい社会環境の整備に努めるものとする。

2 保健医療関係者は、府及び市町村が実施する健康づくりの推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(医療保険者の役割)

第九条 医療保険者は、府民が特定健康診査及び特定保健指導(高齢者の医療の確保に関する法律第十八条第一項に規定する特定保健指導をいう。以下同じ。)を受診しやすい環境の整備その他の必要な保健事業の実施に取り組むよう努めるものとする。

2 医療保険者は、健康づくりに資する情報及び活動機会の提供、人材育成その他の方法により、健康づくりに取り組みやすい社会環境の整備に努めるものとする。

3 医療保険者は、府及び市町村が実施する健康づくりの推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(健康づくり関係機関等の役割)

第十条 健康づくり関係機関等は、その有する人材、情報、手法、技術その他の資源を活用し、健康づくりのために必要な取組の推進に努めるとともに、健康づくりに資する情報及び活動機会の提供その他の方法により、健康づくりに取り組みやすい社会環境の整備に努めるものとする。

2 健康づくり関係機関等は、府及び市町村が実施する健康づくりの推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(連携及び協働)

第十一条 府、市町村、事業者、保健医療関係者、医療保険者及び健康づくり関係機関等は、基本理念にのっとり、健康づくりに関する情報及び活動機会の共有その他の方法により、相互に連携を図りながら協働し、健康づくりの推進に関する取組を効果的に実施するよう努めるものとする。

2 府は、健康づくりの推進に関する施策を実施するに当たっては、府内に集積する保健、医療、健康科学その他の健康づくりに関係する分野の大学、研究機関及び企業との連携を図るとともに、地域コミュニティその他の地域資源を活かしながら取り組むものとする。

第二章 健康づくりの推進に関する施策

(健康教育等の充実)

第十二条 府は、府民が生涯にわたって健康づくりに取り組むことができるよう、学校、職場及び地域における健康教育の促進、年齢、性別及び心身の状態に応じた健康づくりに関する正しい知識の習得及び活用に係る啓発その他の必要な施策を講ずるものとする。

(食生活の改善及び運動等の実践等)

第十三条 府は、府民が食生活の改善に取り組むことができるよう、朝食をとる習慣の定着の推進、世代に応じた適切な量及び質の食事に関する普及啓発その他の必要な施策を講ずるものとする。

2 府は、府民が心身の健康の保持及び増進に取り組むことができるよう、運動その他の身体活動(安静にしている状態より多くの体内のエネルギーを消費する全ての身体の動作をいう。)を行う習慣の定着の推進、適切な休養及び睡眠に関する普及啓発その他の必要な施策を講ずるものとする。

3 府は、府民が心の健康の保持及び増進に取り組むことができるよう、相談体制の整備、心の健康の保持及び増進に関する普及啓発その他の必要な施策を講ずるものとする

(歯及び口腔の健康の保持及び増進)

第十四条 府は、府民が歯及び口腔の健康の保持及び増進に取り組むことができるよう、口腔の清掃の習慣の定着に関する普及啓発その他の必要な施策を講ずるものとする。

2 府は、府民が歯科疾患の予防及び早期発見並びに口腔機能の維持向上に取り組むことができるよう、定期的な歯科検診の受診の意義に関する普及啓発、当該受診の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。

3 府は、府民の生活習慣病の予防に資するよう、歯及び口腔の健康と生活習慣病の関連性に関する情報の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。

(喫煙及び過度の飲酒の対策の推進)

第十五条 府は、府民が喫煙及び受動喫煙(人が他人の喫煙によりたばこから発生した煙にさらされることをいう。)並びに過度の飲酒による健康への影響を低減することができるよう、当該影響に関する正しい知識の習得及び活用に係る啓発その他の必要な施策を講ずるものとする。

(健康診査等の受診の促進等)

第十六条 府は、府民の生活習慣病の早期発見及び重症化の予防に資するよう、特定健康診査、がん検診その他の健康診査及び特定保健指導の受診の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。

第三章 推進の体制及び方策

(推進会議)

第十七条 府は、市町村、事業者、保健医療関係者、医療保険者及び健康づくり関係機関等の参画により、健康づくりを推進するための会議を設置する。

(顕彰)

第十八条 知事は、健康づくりの推進に関し、特に積極的な活動を行っていると認められるものに対し、顕彰を行うものとする。

(年次報告等)

第十九条 知事は、毎年、第四条第一項の目標の達成状況及び施策の実施状況について、報告書を作成し、及び公表するものとする。

2 知事は、前項の報告書の作成に当たっては、同項の目標の達成状況及び施策の実施状況について、大阪府食育推進計画評価審議会、大阪府地域職域連携推進協議会及び大阪府生涯歯科保健推進審議会の意見を聴くものとする。

(調査等の実施)

第二十条 府は、健康づくりの推進に関する施策を推進するため、必要な調査及び研究を行うものとする。

(情報提供)

第二十一条 府は、健康づくりへの関心と理解を深め、健康づくりの推進に関する活動への参加を促進するため、市町村、府民、事業者、保健医療関係者、医療保険者及び健康づくり関係機関等に対し、健康づくりに資する情報を提供するものとする。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(大阪府附属機関条例の一部改正)

2 大阪府附属機関条例(昭和二十七年大阪府条例第三十九号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

大阪府健康づくり推進条例

平成30年10月30日 条例第88号

(平成30年10月30日施行)