○大阪府生活環境の保全等に関する条例に基づく大阪府化学物質適正管理指針

平成20年4月15日

大阪府告示第766号

大阪府生活環境の保全等に関する条例(平成6年大阪府条例第6号)第81条の23第1項の規定により、大阪府化学物質適正管理指針を次のとおり定める。

大阪府化学物質適正管理指針

第1 目的

この指針は、大阪府生活環境の保全等に関する条例(平成6年大阪府条例第6号。以下「条例」という。)第81条の23第1項の規定により、管理化学物質取扱事業者が講ずべき管理化学物質等の適正な管理に係る措置に関する指針を定めることにより、事業者による自主的な化学物質の管理の改善を促進し、もって、環境の保全上の支障を未然に防止することを目的とする。

第2 定義

この指針の用語の意義は、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(平成11年法律第86号。以下「法」という。)及び条例の定めるところによる。

第3 適用範囲

この指針は、管理化学物質取扱事業者の事業所における管理化学物質等(条例第81条の23第1項に規定する管理化学物質等をいう。以下同じ。)の製造、使用、保管、受入、出荷、研究開発及び処理処分並びにこれらに伴う試験分析並びに施設及び建物等の建設又は維持管理など管理化学物質等を取り扱う全ての過程を対象とする。

(平23告示370・一部改正)

第4 管理化学物質等の管理の方法に関する事項

1 管理体制の整備

管理化学物質取扱事業者は、組織的かつ体系的に化学物質の適正な管理を行うため、事業の内容、事業所の形態等に応じ、管理化学物質等を取り扱う事業所ごとに、次に掲げる事項を実施することにより、管理体制を整備すること。

(1) 目的の明確化

化学物質を適正に管理する目的を明確にすること。

(2) 管理の方針の策定

管理化学物質等を適正に管理するための基本的な方針を定めること。

(3) 経営責任者の関与

経営資源の投入について決定する権限を有する経営責任者の関与のもとに化学物質の管理を行うこと。

(4) 法令遵守の状況の確認

取り扱う全ての管理化学物質等について、法令遵守の状況について適宜確認すること。

(5) 管理組織の整備

管理化学物質等の適正な管理を推進するため、管理統括者の統括のもとで、責任及び権限を明確にした管理責任者及び担当者を任命するとともに、環境安全部門、購買部門、製造部門等全ての関係部門を包括した管理組織を整備し、管理組織及びその職務内容について書面にて図表を作成すること。

(6) 管理規程類の整備

管理化学物質等の取扱い及び管理の方法、従業員の教育訓練の方法等について書面で管理規程類を整備し、その遵守の徹底を図ること。

(7) 教育及び訓練並びに人材の育成

管理化学物質等を取り扱う従業員に対し管理化学物質等の適正な管理に関する教育訓練を行うとともに、事業所における管理化学物質等の適正な管理を推進する人材の育成に努めること。

(8) 製品の供給先等の関連事業者への情報提供等

製品の供給先等の関連事業者から、管理化学物質等の適切な取扱い等に関する情報の提供の要請があった場合には、適切な情報の提供を行うなどの支援に努めること。

(9) 他の事業者等との連携

他の事業者、業界団体等と連携し、管理化学物質等の適正な管理の推進に努めること。

2 管理の改善計画の策定及びその実施

管理化学物質取扱事業者は、1(1)により定める目的及び1(2)により定める方針に即して行う管理化学物質等の管理の改善に係る一連の過程を記載した計画(以下「管理の改善計画」という。)を定め、これを実施し、検証し、及び評価することにより化学物質管理の継続的な改善を図ること。管理の改善計画は、管理化学物質等を取り扱う事業所ごとに、次に掲げるところにより策定し、1により定める管理体制のもとでこれを実施すること。

(1) 情報の収集及び整理

管理の改善計画の策定に当たり、事業所において取り扱う管理化学物質等の種類、取扱目的及び取扱箇所を把握するとともに、当該管理化学物質等の有害性、ばく露性等に関し、次に掲げる情報を収集し、整理し、及び定期的に更新するように努めること。また、現在、取り扱っている管理化学物質等のほか、代替物質についても情報を収集し、及びその整理を行うとともに、新たに化学物質を導入する場合にも、可能な範囲で次に掲げる有害性、ばく露性等に関する情報を収集し、及び整理して事前に評価を行うこと。

 有害性に関する情報

(ア) 法第14条第1項の指定化学物質等の性状及び取扱いに関する情報並びに条例第81条の31の管理化学物質等の性状及び取扱いに関する情報

(イ) 利用可能な文献、国又は独立行政法人が整備したデータベース等を活用することにより得られる情報

(ウ) 化学品の分類及び表示に関する世界調和システム(国際連合により勧告された化学品に係るシステムをいう。以下同じ。)で示されている危険性又は有害性の分類に関する情報

(エ) その他の有害性に関する情報(物理化学的性状に係るものを含む。)

 ばく露性に関する情報

(ア) 製品中の組成及び含有に関する情報

(イ) 用途及び取扱量(使用量、製造量その他の取扱量をいう。)

(ウ) 貯蔵量及び保管量

(エ) 環境への排出先ごとの排出量及び移動量

(オ) 敷地境界での大気中濃度の測定結果、作業環境測定結果等のモニタリング結果

(カ) 排出量の削減その他のばく露防止に関する技術及びその手法

(キ) その他のばく露性に関する情報

 その他の情報

(ア) 適用される法令

(イ) 取扱施設の運転稼動状況及び維持管理状況

(ウ) 過去の使用履歴

(2) 環境リスク評価の実施

(1)により収集及び整理した情報に基づき、化学物質の有害性及びばく露性の両方を考慮して行う環境リスク(化学物質が環境を通して人の健康、生活環境又は動植物の生息若しくは生育に支障を生じさせる可能性をいう。以下同じ。)の評価(以下「リスク評価」という。)を実施し、その結果を参考として管理の改善の対象とする化学物質や施設の優先度を決定することにより、効率的及び効果的に管理化学物質等の管理の改善を進めること。ただし、取り扱う管理化学物質が大阪府生活環境の保全等に関する条例施行規則(平成6年大阪府規則第81号。以下「規則」という。)別表第18の9第24号に掲げる揮発性有機化合物のみである場合にあっては、リスク評価を行わないことができるものとする。

(3) 管理の改善計画の作成

次に掲げる事項について定めた管理の改善計画を作成すること。

 具体的目標

リスク評価の結果、環境リスクが相対的に大きいものと見込まれる管理化学物質を対象に優先的に管理の改善対策を講じる物質を選定し、環境リスクを低減するための具体的目標として、排出量の削減、移動量の削減、取扱量の削減、物質代替等を設定すること。ただし、規則別表第18の9第24号に掲げる揮発性有機化合物の年間取扱量が1トン以上である管理化学物質取扱事業者にあっては、必ず揮発性有機化合物の排出量の削減を目標に含めること。また、目標の達成状況を客観的に評価できるようにするため、可能な限り数値目標を設定することとし、リスク評価に基づく目標設定の手順ごとにその内容を記録し、及びこれを保存すること。

 目標を達成する時期

事業所の将来計画を踏まえ、目標を達成する時期を定めること。

 目標を達成するための具体的方策

費用対効果を考慮して目標達成のための具体的方策を定めること。

 検証及び評価の手順及び体制

目標の達成状況等について検証及び評価を行うための手順並びにその体制を定めること。また、1年に1回以上定期的に目標の達成状況等について検証及び評価を行い、その結果を記録し、及び保存すること。

 見直しの方法

検証及び評価の結果に基づき、方針、目標、目標を達成するための具体的方策、管理組織、管理規程類等を見直すことにより化学物質管理の継続的改善を図るための方法について定めること。また、見直しの必要性を判断する基準として、あらかじめ評価基準を設けることが望ましい。

3 管理の改善のための具体的方策

管理化学物質取扱事業者は、取り扱う管理化学物質等について、その有害性、物理的化学的性状、排出量並びに排出ガス及び排出水中の濃度等を勘案しつつ適切な手法により、次に掲げる管理対策の実施に取り組むこと。

(1) 設備点検等の実施

管理化学物質取扱事業者は、管理化学物質等を取り扱う場合には、作業要領に従って適正に作業を実施するとともに、管理化学物質等を取り扱う施設及び設備の損傷、腐食等による管理化学物質の漏えいの有無等について定期的に点検し、その結果異常が認められた場合には、速やかに補修その他の必要な措置を講ずること。

(2) 管理化学物質を含有する廃棄物の管理

管理化学物質取扱事業者は、管理化学物質を含有する廃棄物の発生抑制等に努めるとともに、廃棄物が運搬されるまでの間は、適正に保管すること。また、当該廃棄物の処理を委託する場合にあっては、必要な情報を委託業者に提供すること。

(3) 設備の改善等による排出の抑制

管理化学物質取扱事業者は、管理化学物質等を取り扱う施設及び設備について、次に掲げる事項に留意しつつ、取り扱う管理化学物質等の性状及び事業所における取扱い実態に即して漏えい、揮発、浸透等に対する措置を講じることにより、管理化学物質の大気、水及び土壌への排出の抑制に努めること。

 水及び土壌への浸透等の防止構造

管理化学物質等の取扱いに係る施設の床面は、管理化学物質の水及び土壌への浸透を防止することができるよう、適切な不浸透性の材質とすること。また、必要に応じ管理化学物質の性状に応じた被覆処理を行う等の浸透防止措置を講ずること。さらに、取り扱う管理化学物質等の量及び態様に応じて、施設の周囲に防液堤、側溝を設置すること等により、管理化学物質の水及び土壌への流出を防止するための適切な措置を講ずること。

 大気への揮発等による排出の抑制構造

揮発性の高い管理化学物質等の取扱いにおいて、揮発又は飛散により管理化学物質が大気へ排出されるおそれがある場合には、設備等の密閉構造化等により管理化学物質の大気への排出を抑制するための適切な措置を講ずること。

 排ガス処理設備又は排水処理設備の設置

燃焼、揮発等により管理化学物質が大気へ排出され、又は排水等に含まれて水等へ排出される場合には、その排出量、濃度等の状況に応じ、必要に応じて排ガス処理設備又は排水処理設備を設置するよう努めること。

 管理化学物質等の取扱いに係る施設及び設備の維持及び管理

管理化学物質等の取扱いに係る施設及び設備(配管等を含む。)は、地上に設置する等、その維持及び管理が容易に実施できる構造とすること。

(4) 主たる工程に応じた対策の実施

管理化学物質取扱事業者は、次に掲げる工程ごとの対応事項に留意しつつ、事業所における取扱い工程を見直し、(1)から(3)までに掲げる対策その他の管理化学物質の排出の抑制に必要な対策の実施に努めること。当該対策の実施に当たっては、これまでに実施した対策の成果及び管理化学物質等の取扱いの実態を踏まえて、最も費用対効果の高い方策を採用するとともに、対策技術の選択にあたっては、環境リスクを低減するための利用可能な最良の技術を採用するよう努めること。

 貯蔵(入出荷、移送、分配を含む。)工程

管理化学物質を含む原燃料、製品等の貯蔵、移送又は分配を行う場合においては、貯蔵施設、移送設備等からの漏えい、飛散、揮発等による管理化学物質の環境への排出を抑制するため、貯蔵タンク等の施設及び設備の密閉化、物質の入出荷ロスの防止その他の必要な措置を講ずること。揮発性が高い物質を取り扱う場合には、還流装置(ベーパーリターンライン)の設置、浮屋根式構造を有する貯蔵設備の設置その他の必要な措置を講ずること。

 製造(反応、混合、熱処理等)工程

反応、混合、熱処理等の工程において、管理化学物質等を取り扱う場合には、反応槽、混合槽等の装置からの揮発又は漏えい、排水に含まれての排出、バルブ、フランジ等からの漏えい等による管理化学物質の環境への排出を抑制するため、反応装置等の密閉構造化、排ガス処理装置又は排水処理装置の設置その他の必要な措置を講ずること。

 機械加工工程

切削、研磨、粉砕、押し出し等の作業を行う場合においては、管理化学物質を含む原材料からの発じん、潤滑油、切削油剤等の漏えい、揮発等による管理化学物質の環境への排出を抑制するため、集じん装置等の設置、潤滑部の密閉化その他の必要な措置を講ずること。

 脱脂工程及び洗浄工程

製品の脱脂又は洗浄の作業を行う場合においては、管理化学物質を含む脱脂剤又は洗浄剤からの揮発等による大気への排出、水溶性溶剤を含む排水による水への排出を抑制するため、脱脂装置又は洗浄装置の密閉構造化、洗浄槽における適正な温度管理、十分な液切りの実施等の作業方法の改善その他の必要な措置を講ずること。

 塗装工程、印刷工程及び接着工程

塗装、印刷、接着等(以下「塗装等」という。)の作業を行う場合においては、管理化学物質を含む溶剤、顔料等からの揮発又は飛散による大気への排出、排水に含まれての水への排出等を抑制するため、塗装等に用いる設備等の密閉構造化、乾燥装置の適切な温度管理、排ガス処理装置又は排水処理装置の設置その他の必要な措置を講ずること。

 メッキ工程

金属表面のメッキ処理等の作業を行う場合においては、メッキ液からの揮発又はメッキ液のミスト(霧状の微小な液滴をいう。)の飛散による管理化学物質の大気への排出、メッキ液を含む排水による水への排出等を抑制するため、洗浄集じん装置又は排水処理装置の設置、メッキ装置の材質の改善その他の必要な措置を講ずること。

 染色工程及び漂白工程

製品の染色、漂白等の作業を行う場合においては、管理化学物質を含む染料、漂白剤又は溶剤からの揮発による大気への排出及び排水に含まれての水への排出を抑制するため、染色装置、漂白装置等の密閉構造化、排ガス処理装置又は排水処理装置の設置その他の必要な措置を講ずること。

 殺菌工程及び消毒工程

食器、器具等の殺菌、消毒等の作業を行う場合においては、揮発性の高い管理化学物質を含む消毒剤、防腐剤、殺菌剤等からの揮発による大気への排出及び排水に含まれての水への排出を抑制するため、殺菌設備、消毒設備等の密閉構造化、排ガス処理装置又は排水処理装置の設置その他の必要な措置を講ずること。

 その他の溶剤使用工程

からまでに掲げる工程以外の工程において揮発性又は水溶性の高い管理化学物質を含む溶剤等を使用する作業を行う場合は、溶剤使用装置、乾燥装置等の設備の密閉構造化、乾燥装置等の適正な温度管理、排ガス処理装置又は排水処理装置の設置その他の必要な措置を講ずること。

 その他の燃焼工程

からまでに掲げる工程以外の工程で物の燃焼を伴うものにおいては、非意図的に生成する管理化学物質の大気への排出を抑制するため、燃焼温度の管理、二次燃焼装置、排ガス冷却装置等の設置その他の必要な措置を講ずること。

(平23告示370・一部改正)

第5 管理化学物質等の使用の合理化に関する事項

1 管理体制の整備並びに管理の改善計画の策定及び実施

管理化学物質取扱事業者は、第4の1及び第4の2については、管理化学物質等の使用の合理化対策も含めて実施すること。その際、管理化学物質等を可能な限り有効に用いるため、回収率の向上、再利用の徹底等を図るとともに、屋外において管理化学物質等を使用する場合のような管理化学物質の回収等が難しい使用については、使用量の管理の徹底を図ること等により管理化学物質等の使用の合理化を図ることに留意すること。

2 管理の改善のための具体的方策

管理化学物質取扱事業者は、取り扱う管理化学物質について、その有害性、物理的化学的性状、排出量並びに排出ガス及び排出水中の濃度等を勘案しつつ適切な手法により、次に掲げる使用の合理化対策の実施に取り組むこと。当該対策の実施に当たっては、これまでに実施した対策の成果及び管理化学物質等の取扱いの実態を踏まえて、最も費用対効果の高い方策を採用するとともに、対策技術の選択に当たっては、環境リスクを低減するための利用可能な最良の技術を採用するよう努めること。また、(1)イに定めるところにより、環境リスクの高い場合には代替物質を使用することが望まれるが、代替物質の有害性に関する情報を収集することによって、代替物質による環境リスクについても考慮すること。

(1) 工程の見直し等による使用の合理化

管理化学物質取扱事業者は、次に掲げる事項に留意しつつ、事業所における取扱い実態に即した措置を講じることにより、管理化学物質等の使用の合理化対策の実施に努めること。

 製品等の歩留まりの向上

管理化学物質取扱事業者は、管理化学物質を含む原材料又は製品の歩留まりの向上による管理化学物質等の使用の合理化を図るため、工程の見直しその他の必要な措置を講ずること。

 代替物質の使用及び代替技術の導入

管理化学物質取扱事業者は、管理化学物質等の使用の合理化に資する代替物質の使用及び物理的手法等の代替技術の導入を図ること。

 回収及び再利用の促進

管理化学物質取扱事業者は、排出量、濃度等の状況に応じた適切な構造及び処理能力を有する回収設備の設置その他の必要な措置を講ずることにより、管理化学物質の回収及び再利用を図ること。

(2) 主たる工程に応じた対策の実施

管理化学物質取扱事業者は、次に示す主たる工程ごとの対応事項に留意して、(1)に掲げる対策その他の管理化学物質等の使用の合理化に必要な対策の実施に努めること。

 貯蔵(入出荷、移送、分配を含む。)工程

固定屋根式タンクから排出される管理化学物質を含む蒸気、還流装置から回収される管理化学物質を含む蒸気等の冷却・凝縮による回収、吸収液及び吸着液の蒸留等による再生その他の必要な措置を講ずることにより、管理化学物質の回収及び再利用を図ること。

 製造(反応、混合、熱処理等)工程

製品の製造における反応器、蒸留装置、燃焼器等の温度、圧力、滞留時間、還流比等の反応条件及び燃焼条件の最適化その他の必要な措置を講ずることにより、管理化学物質を含む原材料、燃料等の使用の合理化を図ること。また、反応槽等から排出される管理化学物質を含む蒸気等の冷却・凝縮による回収、吸収液及び吸着液の蒸留等による再生その他の必要な措置を講ずることにより、管理化学物質の回収及び再利用を図ること。

 機械加工工程

設計又は作業の適正化その他の必要な措置を講ずることにより、切削屑等の発生を抑制し、管理化学物質を含む原材料、切削油剤等の使用の合理化を図ること。また、切削屑等に付着した切削油剤等については、遠心分離器等の設置その他の必要な措置を講ずることにより、管理化学物質の回収及び再利用を図ること。

 脱脂工程及び洗浄工程

洗浄の多段化、物理的方法の併用その他の必要な措置を講ずることにより、管理化学物質を含む洗浄剤、溶剤等の使用の合理化を図ること。また、洗浄後の管理化学物質を含む廃溶剤等については、溶剤蒸留回収装置を用いる方法、管理化学物質の冷却・凝集を行う方法(以下「冷却凝集法」という。)、活性炭を利用して管理化学物質を吸着し、これを冷却等により液化する方法(以下「活性炭吸着法」という。)等による溶剤回収型排ガス処理装置の設置その他の必要な措置を講ずることにより、管理化学物質の回収及び再利用を図ること。

 塗装工程、印刷工程及び接着工程

塗着又は塗装の効率のより高い塗装方法の採用、塗膜厚の管理等の作業方法の改善その他の必要な措置を講ずることにより、管理化学物質を含む塗料等の使用の合理化を図ること。また、冷却凝縮法、活性炭吸着法等による溶剤回収型排ガス処理装置の設置その他の必要な措置を講ずることにより、管理化学物質の回収及び再利用を図ること。

 メッキ工程

液切り手法の最適化その他の必要な措置を講ずることにより、被メッキ物とともに持ち出されるメッキ液量を抑制し、管理化学物質を含むメッキ液の使用の合理化を図ること。また、持ち出されたメッキ液、メッキ後の水洗排水等に含まれる金属イオン等については、回収槽の設置、電解回収、イオン交換樹脂その他の必要な措置を講ずることにより、管理化学物質の回収及び再利用を図ること。

 染色工程及び漂白工程

染色剤及び漂白剤の循環利用、酸素漂白等の管理化学物質等の使用がより少ない染色手法及び漂白手法の利用その他の必要な措置を講ずることにより、管理化学物質を含む染色剤、漂白剤等の使用の合理化を図ること。また、使用後の漂白剤、染色剤等は、回収型排ガス・排水処理装置等の設置その他の必要な措置を講ずることにより、管理化学物質の回収及び再利用を図ること。

 殺菌工程及び消毒工程

殺菌剤及び消毒剤の循環利用、加熱殺菌等の管理化学物質等の使用が少ない代替殺菌技術の利用その他の必要な措置を講ずることにより、管理化学物質を含む殺菌剤、消毒剤等の使用の合理化を図ること。

 その他の溶剤使用工程

からまでに掲げる工程以外の工程においては、作業方法の改善その他の必要な措置を講ずることにより、管理化学物質を含む溶剤等の使用の合理化を図ること。また、冷却凝集法、活性炭吸着法等による溶剤回収型排ガス処理装置の設置その他の必要な措置を講ずることにより、管理化学物質の回収及び再利用を図ること。

第6 緊急事態の発生の未然防止及び発生した緊急事態への対処に関する事項

1 緊急事態の発生の未然防止

管理化学物質取扱事業者は、緊急事態の発生を未然に防止するため、次に掲げる対策を実施するとともに、管理化学物質等を取り扱う施設等に異常を認めたときは、直ちに緊急事態の発生防止のために必要な措置を講じること。

(1) 従業員への安全対策の周知

第4の2(1)により収集及び整理した情報に基づき、安全対策を従業員に周知すること。

(2) 取り扱う管理化学物質等に係る災害及び事故事例の収集及び整理

第4の2(1)により情報を収集及び整理する場合は、災害及び事故事例の情報を含めて収集し、及び整理すること。

(3) 作業基準及び要領の作成並びにその遵守の徹底

第4の1(6)により作業基準及び要領を作成するとともに、その遵守の徹底を図ること。

(4) 適切な表示

事業所内の適切な箇所に次に掲げる事項を表示し、その周知徹底を図ること。

 管理化学物質の性状及び取扱いに関する情報

 災害及び事故への対応措置

 機器、配管等の操作及び点検の要点

 機器、配管等の誤操作を防止するための要点

 緊急時の連絡先

 からまでに掲げるもののほか、緊急事態の発生の未然防止に必要な事項

(5) 設備及び機器の安全配慮設計及び配置

設備及び機器の設計及び配置に当たっては、災害及び事故発生の予防措置を講じ、及び異常の発見が容易にできるようにするとともに、誤動作を防止するために必要な措置を講じること。

(6) 設備及び機器の改善

設備及び機器は、容易にその異常が発見でき、かつ、想定される異常による環境への影響を軽減できる構造となるよう改善すること。

(7) 設備及び機器の保守点検

第4の1(6)により点検リスト及び点検周期等を定めた保守点検要領を作成し、その遵守の徹底を図るとともに、保守点検の結果を記録し、及び保存すること。

(8) 訓練の実施

緊急事態発生時の対応を円滑にするため、第6の2(1)により定める緊急事態対応マニュアルに沿った訓練を定期的かつ計画的に実施すること。

(9) 防液堤等、飛散並びに流出防止機材及び防災用資機材等の整備

漏えいした管理化学物質等の流出を防止するため、適切な材質及び容量の防液堤、側溝、溜めます等を設置するとともに、緊急事態発生時における環境汚染等の防止のため、飛散及び流出防止機材、防災用資機材等を整備し、常に使用可能な状態に管理するよう努めること。

2 発生した緊急事態への対処

管理化学物質取扱事業者は、緊急事態が発生したときは、当該緊急事態による環境の汚染を防止するとともに、緊急事態の再発を防止するため、次に掲げるところにより対処すること。

(1) 緊急事態対応マニュアルに基づく対応

あらかじめ緊急事態が発生する可能性を検討し、想定される全ての態様の緊急事態について次に掲げる事項を記載した緊急事態対応マニュアルを管理化学物質等を取り扱う事業所ごとに作成し、緊急事態が発生したときはこれに基づいて適切に対応すること。

 事業所内における指揮命令系統及び連絡体制

迅速かつ正確な対応を期するために設定した夜間及び休日を含めた各部署の役割及び指揮命令系統に関する事項並びに事業所内の連絡体制に関する事項

 関係機関及び関係住民等への通報体制

知事その他の関係機関並びに関係住民及び近接する配慮施設(住宅地、学校、病院、飲料水の水源等環境上特に配慮すべき施設をいう。)等への通報体制に関する事項(配慮施設の位置を明示した当該事業所の付近見取り図を含む。)

 避難誘導体制

事業所内に確保する避難場所及び事業所周辺の避難誘導体制に関する事項

 緊急事態の規模に応じた事業所内の対応体制

緊急事態の規模に応じた事故対策本部等の設置及び責任者に関する事項

 応急措置の実施手順及び実施内容

緊急事態発生時の応急措置の実施手順及び実施内容に関する事項

 飛散及び流出防止機材、防災用資機材等の保管場所及び保管量等

飛散及び流出防止機材、防災用資機材等の保管場所及び保管量等に関する事項

 周辺環境影響の把握方法及び必要に応じ実施する浄化対策の概要

管理化学物質の種類及び緊急事態の内容に応じた周辺環境調査方法並びに周辺の土壌汚染等が判明した場合に実施する浄化対策の概要に関する事項

 関係機関等への届出内容

知事その他の関係機関への届出内容に関する事項

(2) 緊急事態の検証と再発防止対策

緊急事態が発生した原因を解明するなどその検証を行い、その結果を緊急事態の未然防止及び緊急事態対応マニュアルの内容に反映させて改善を図ること。

(平23告示370・一部改正)

第7 大規模災害が発生した場合の環境リスクの低減に関する事項

1 大規模災害の想定及び環境リスクの把握等

管理化学物質取扱事業者は、南海トラフ巨大地震及びこれに伴う津波、火災、爆発その他の大規模災害が発生した場合の管理化学物質の漏えい、流出等による環境リスクの低減を図るため、次に掲げる事項を把握すること。

(1) 大規模災害に関する規模等の想定

国及び大阪府が公表する資料から、南海トラフ巨大地震等の大規模災害において想定される地震の震度及び津波の高さを把握するとともに、液状化の想定等の情報を収集し、及び整理すること。なお、定期的にこれらの情報について更新するよう努めること。

(2) 環境リスク及び対策優先度の把握

第4の2(1)及び(1)により収集し、及び整理した情報に基づき、対策を講ずる施設等の優先度を適切に設定するため、次の手順により、管理化学物質が漏えいした場合における周辺住民の健康被害及び上水道の取水の制限を生ずる環境リスク等を把握すること。ただし、法令等で定められた耐震基準に適合している等、既に必要な対策が講じられている施設の場合は、この限りでない。

 管理化学物質の漏えいの可能性が高い施設の特定

管理化学物質等を取り扱う施設において、配管及びフランジ等損傷を受けやすい設備並びに管理化学物質の漏えいが生じやすいメッキ槽及び洗浄槽等開放式の設備を抽出し、大規模災害が発生した際に管理化学物質の漏えいの可能性が高い施設を特定する。

 環境リスクの把握の手順

で特定した施設について、次の手順で、環境リスクの内容及び程度を把握する。

(ア) 施設が想定される震度に対して十分な耐震性を有しているか、又は想定される津波による浸水の水深が施設に影響を及ぼす深さ未満かどうかを確認する。

(イ) (ア)において、十分な耐震性を有していないか、又は浸水の水深が施設に影響を及ぼす深さ以上である場合、施設で取り扱われる管理化学物質が漏えい時に大気中に流出するか、又は事業所が上水源地域にあり、管理化学物質が漏えい時に上水道の取水口に到達するおそれがあるかどうかを確認する。なお、この確認においては、管理化学物質の温度、圧力等の使用環境を考慮するとともに、当該施設等で取り扱う他の化学物質との反応を考慮すること。

(ウ) (イ)において、管理化学物質が漏えい時に大気中に流出するか、又は上水道の取水口に到達するおそれがある場合、配管に緊急遮断弁を設置している等の適切な流出防止対策が講じられているかを確認する。

(エ) (ウ)で適切な流出防止対策が講じられていない場合、化学物質の拡散計算を実施する等により、管理化学物質が流出した際の環境リスクの内容及び程度を把握する。

 対策の優先度の決定

で実施した環境リスクの把握の結果を踏まえ、管理化学物質の流出防止対策等を講ずる施設の優先度を決定する。

2 環境リスクの低減のための具体的方策

管理化学物質取扱事業者は、大規模災害に伴う管理化学物質の漏えい、流出等の緊急事態による環境リスクを低減するため、次に掲げる対策その他必要と考える対策を優先度に応じて計画的に実施すること。

(1) 緊急事態発生の未然防止

緊急事態発生の未然防止のため、事業所全体における対策及び個々の施設における対策を実施し、施設の損傷や機能の喪失による管理化学物質の流出が生じないようにすること。

 事業所全体における対策の実施

管理化学物質取扱事業者は、事業所に係る次に掲げる事項について、事業所全体での対策を実施すること。

(ア) 施設の耐震性能の確保等

管理化学物質等を取り扱う建屋及び施設について耐震診断等により耐震性能の確認を行い、必要に応じて改修又は固定金具の使用、設備の床及び天井との固定による補強等を実施すること。

(イ) 津波への対策

津波の到来が想定されている地域にあっては、管理化学物質の流出の防止のため、容器等の固定化又は自家発電施設及び災害対策本部等の津波が到達しない場所への設置その他必要な対策を講じること。

(ウ) 地盤の液状化等への対策

液状化が想定される地域にあっては、必要に応じて地下配管を架空配管にする等、液状化又は地盤沈下が生じた際に施設の損傷を防止することができる対策を講ずること。

(エ) 電力等の喪失への対策

a 管理化学物質等を取り扱う設備は、停電時には安全に作動する構造とすること。

b 直ちに停止することができない施設にあっては、大規模災害が発生し電力が喪失した場合においても施設を安全に停止させる等の手順を確認し、必要に応じて非常用バッテリーや自家発電設備を導入すること。

c 工業用水、自家発電施設用の燃料等の供給が停止することも想定し、その対策等を平常時より検討しておくこと。

(オ) 訓練の実施

第6の1(8)により定める訓練の実施にあっては、電力、通信手段等の喪失、管理化学物質の漏えい、地震発生後の津波の到来等、大規模災害時に生じ得る事態への対応を盛り込むこと。

(カ) 事業所からの流出防止対策

液状の管理化学物質等については敷地外への流出を防止するために、当該管理化学物質等の漏えいが生じた場合に、事業場内の勾配等から生じ得る流出経路を検討し、必要に応じて土のう、吸着マット等の資材を確保し、又は緊急貯留池等の設備を設置すること。また、漏えいした管理化学物質が排水に混入した場合に排水の性状を確認するためのパックテストその他必要な分析資材及び装置を確保すること。

 主たる施設に応じた対策の実施

管理化学物質取扱事業者は、次に掲げる事項について、事業所における管理化学物質の取扱施設での災害対策を実施すること。

(ア) 貯蔵施設(配管を含む。)

a 固定されたタンクに管理化学物質等を貯蔵する場合は、可とう性配管の使用、配管への緊急遮断弁の設置、配管中の化学物質を移送する緊急移送設備の設置及び設備の破損に備えた防液提や予備タンク等の一時貯留設備の設置等の対策を実施すること。

b ボンベ、ドラム缶等を用いて管理化学物質等を貯蔵する場合は、容器の架台との固定、チェーン又は角リング等の設置その他の固定化に必要な措置を講ずること。また固定化されていないドラム缶等は、多段積みでの保管は行わないこと。

(イ) 製造施設(化学品以外の製品の製造に供する施設を含む。)

a 化学品の反応施設等については、異常な反応に至らないようにするためプラントを安全に停止させるシステムや装置を備えるとともに、プラントの安全停止に必要となる非常用電源等予備の用役を確保すること。

b 気体状の管理化学物質を取り扱う施設は、製造工程内の配管について緊急遮断弁又は逆止弁等の設置その他の必要な措置を講ずること。

c 液体状の管理化学物質を取り扱う施設は、流出防止蓋の使用、製造工程内の配管への緊急遮断弁の設置、製造工程内で漏えいした管理化学物質の受け皿又は流出防止ピットの設置その他必要な措置を講ずること。

(ウ) 排水路及び廃棄物保管施設

a 環境リスクの把握の結果、他の取扱化学物質との混合により有毒ガス等を発生するおそれがあると考えられる管理化学物質を使用する場合、地震の震動等によりあふれ出た当該管理化学物質を含む排水が他の排水路に流入することがないよう、必要な措置を講じること。

b ドラム缶等で管理化学物質を含む廃棄物を保管する場合、多段積みでの保管は行わないこと。

(2) 発生した緊急事態への対処

管理化学物質取扱事業者は、第6の2(1)で定める緊急事態対応マニュアルの策定に当たっては、次に掲げる事項を確認し記載すること。また、既に策定を行ったマニュアルについては、必要に応じその事項の見直しを行うこと。

 事業所内における指揮命令系統及び連絡体制

電力、通信設備等が喪失した場合の事業所内での連絡手段の確保、無線機等の導入による通信手段の多重化等を行うこと。また、指揮命令権者等が不在の場合に備え、代行順位等を定めておくこと。

 関係機関及び関係住民等への通報体制

電話回線が損傷を受けた場合の事業所外への連絡手段を確保すること。

 避難誘導体制

避難経路の設定に当たっては、管理化学物質の漏えいの可能性が高い箇所や液状化しやすい箇所等を確認し、管理化学物質の漏えい又は液状化により避難経路を使用することができなくなる事態を想定し、複数の避難経路を設定しておくこと。

 緊急事態の規模に応じた事業所内の対応体制

大規模災害が発生した際に災害対策本部等を設置する地震の震度及び津波の高さ等の基準を定めておくこと。また、責任者及び構成員が不在の場合に備え、代行順位、交代要員等を定めておくこと。

 応急措置の実施手順及び実施内容

(ア) 大規模災害が発生した際に施設を安全に停止するため、プラントの運転を停止する地震の震度及び津波の高さ等の基準、プラント停止の手順等を定めておくこと。また、地震等により施設に被害が生じていないかを確認し必要に応じて応急措置を実施するための施設点検等の手順及び体制を定めておくこと。なお、施設点検等の実施時においては、不測の事態に対応することができるよう、複数名での対応が可能な体制にしておくこと。

(イ) 津波については、地震発生から津波到達までの時間が限られていることを考慮の上、応急措置の手順について定めておくこと。

また、管理化学物質等を貯蔵した容器が流出した場合の容器の回収方法等について定めておくこと。

 飛散及び流出防止資機材、防災用資機材等の保管場所及び保管量等に関する事項

(ア) 飛散及び流出防止資機材は、管理化学物質の漏えい可能性が高い箇所等で速やかに使用することができるようにし、必要な量を確保すること。

(イ) 津波の到来が想定されている地域にあっては、救護用品等の防災用資機材が津波による被害を受けないよう保管すること。

 周辺環境影響の把握方法及び必要に応じて実施する浄化対策の概要

管理化学物質が事業所外に流出し、周辺の環境中に残留すると考えられる場合、流出後のできる限り早い段階で河川の底質、土壌、地下水等の試料を採取し、分析すること等により汚染の状況を把握し、周辺住民の健康被害のおそれがある場合等には必要な浄化対策を実施すること。

(平25告示2084・追加)

第8 管理化学物質等の管理の状況に関する府民の理解の増進に関する事項

管理化学物質取扱事業者は、管理化学物質等の管理の状況に関する府民の理解を深めるため、次に掲げる対策を実施すること。

(1) 体制の整備

管理化学物質取扱事業者は、管理化学物質等の管理活動に対する府民の理解を深めるため、必要な情報を自ら適切に提供するための窓口を明確化する等、その体制を整備すること。

(2) 情報の提供等

管理化学物質取扱事業者は、第一種管理化学物質の排出状況を含め、事業活動の内容、管理化学物質等の事業所内における管理の状況等に関し、報告書の作成及び配布、説明会の実施等による事業所周辺の住民等への情報の提供等に努めることにより、府民の理解の増進を図ること。情報の提供に当たっては、環境報告書の作成並びに配布、ホームページへの掲載、説明会並びに意見交換会の実施及び事業所での書面の閲覧等の方法を用いて府民へ分かりやすく情報を提供すること。

(3) 府民の理解の増進のための人材の育成

管理化学物質取扱事業者は、管理化学物質等を取り扱う従業員に対して、管理化学物質等の管理の状況等に関する府民の理解を深めることの必要性について周知するとともに、府民への情報の提供、府民の意識の理解等を円滑に行うための手法等に関する教育及び訓練を実施すること。

(平25告示2084・旧第7繰下)

第9 化学物質管理計画書等の作成

1 化学物質管理計画書

管理化学物質取扱事業者が条例第81条の24第1項の規定により作成する化学物質管理計画書は、次に定めるところにより作成し、必要に応じ適宜見直しを行うこと。

(1) 構成

化学物質管理計画書は、(2)に定める管理体制についての計画及び(3)に定める緊急事態に対処するための計画から構成されるものとする。ただし、法第2条第5項に規定する第一種指定化学物質等取扱事業者に該当せず、及び規則別表第18の9第1号から第23号までに掲げる化学物質を年間1トン以上取り扱わない管理化学物質取扱事業者にあっては、緊急事態に対処するための計画を作成しないことができるものとする。

(2) 管理体制についての計画

 第4の1(1)に定める目的

 第4の1(2)に定める管理の方針

 第4の1(4)の法令遵守の状況の確認の方法

 第4の1(5)に定める管理組織の名称及び組織図

 第4の1(6)に定める管理規程類の概要

 第4の1(7)に定める教育及び訓練並びに人材の育成の実施方法

 第4の1(8)に定める情報提供の方法

 第8(2)に定める府民の理解の増進を図るための情報提供の方法

(3) 緊急事態に対処するための計画

 管理化学物質等の貯蔵状況

(ア) 事業所で貯蔵する管理化学物質の種類

(イ) 貯蔵施設の種類、数及び最大貯蔵量

 化学品の分類及び表示に関する世界調和システム等で示されている危険性又は有害性の特定結果

 第6の1に定める緊急事態の発生の未然防止の方針

 大規模災害に備えた環境リスクの低減対策の方針

(ア) 第7の1(1)に定める震度や津波等の把握の結果

(イ) 第7の2(2)に定める環境リスクの低減のための方策の方針

 第6の2(1)に定める緊急事態対応マニュアル

2 化学物質管理目標の決定及び化学物質管理目標の達成状況の把握

条例第81条の25第1項の規定による化学物質管理目標の決定及び化学物質管理目標の達成状況の把握は、次に掲げる事項を記載した書面又は図面をとりまとめることによる行うものとする。当該化学物質管理目標の達成状況の把握は、1年に1回以上行い、その結果に応じて化学物質管理目標を見直すこと。

(1) 化学物質管理目標の決定等

 事業所において取り扱う管理化学物質等の種類、取扱目的及び取扱箇所

 法第5条第1項の規定又は条例第81条の26第1項の規定により排出量、移動量又は取扱量を把握する場合にあっては、取扱量を把握する方法及び排出量又は移動量を把握する方法

 第4の2(1)に定める情報収集の結果の概要

 第4の2(2)に規定するリスク評価の手順と結果

 第4の2(3)に定める管理の改善計画に係る事項

(2) 化学物質管理目標の達成状況の把握等

 目標の達成状況

 目標達成のために実施した具体的方策の概要

 検証及び評価の結果

 見直しの内容

(平23告示370・一部改正、平25告示2084・旧第8繰下・一部改正)

第10 他の指針等との関係

1 指定化学物質等取扱事業者が講ずべき第一種指定化学物質等及び第二種指定化学物質等の管理に係る措置に関する指針との関係

この指針に定める措置のうち、管理化学物質取扱事業者が、指定化学物質等取扱事業者が講ずべき第一種指定化学物質等及び第二種指定化学物質等の管理に係る措置に関する指針(平成12年環境庁・通商産業省告示第1号)により実施している措置は、この指針に基づき実施している措置とみなすものとする。

2 ISO14001による環境マネジメントシステムとの関係

この指針に定める措置のうち、管理化学物質取扱事業者が、ISO14001による環境マネジメントシステムにより実施している措置は、この指針に基づき実施している措置とみなすものとする。

3 その他の自主的取組に係る指針等との関係

管理化学物質取扱事業者が、国又は事業者団体等が化学物質の適正な管理の推進の観点から定める指針等でその内容がこの指針と同等以上の効果が期待できるものとして認められるものにより実施している措置は、この指針に基づき実施している措置とみなすものとする。

(平25告示2084・旧第9繰下)

改正文(平成23年告示第370号)

平成23年4月1日から実施する。

大阪府生活環境の保全等に関する条例に基づく大阪府化学物質適正管理指針

平成20年4月15日 告示第766号

(平成25年11月29日施行)

体系情報
第4編 環境保全/第3章 公害対策
沿革情報
平成20年4月15日 告示第766号
平成23年3月25日 告示第370号
平成25年11月29日 告示第2084号