○大阪府都市農業の推進及び農空間の保全と活用に関する条例

平成十九年十月二十五日

大阪府条例第七十二号

大阪府都市農業の推進及び農空間の保全と活用に関する条例をここに公布する。

大阪府都市農業の推進及び農空間の保全と活用に関する条例

目次

前文

第一章 総則(第一条―第十条)

第二章 都市農業の担い手の育成及び確保(第十一条―第十三条)

第三章 農空間の保全と活用

第一節 農空間保全地域(第十四条)

第二節 農地の利用促進(第十五条―第十八条)

第四章 安全安心な農産物の生産及び供給(第十九条―第二十四条)

第五章 雑則(第二十五条・第二十六条)

附則

大阪において、都市農業及び農空間は、府民の身近にあって、新鮮で安全安心な農産物を府民に提供するとともに、洪水の抑制等都市の安全性の維持向上やヒートアイランド現象の緩和といった良好な都市環境の創造、心安らぐ景観の形成、都市農業及び農空間を学び、親しむことを通じた子どもたちの健全な育成、更には、農業体験を通じた健康づくり等、多様な公益的機能を発揮している。

しかしながら、都市農業及び農空間は、農地面積や農家戸数、農業産出額の減少に見られるように、非常に厳しい環境にある。そのような状況の中で、大阪が、活気とにぎわいに満ちた、安全で暮らしやすい、豊かな魅力を備えた風格ある都市であるためには、独自の食文化や人々の進取の気質等を最大限いかして、都市農業及び農空間を積極的に守り育て、その公益的機能の維持増進を図る必要がある。

そのためには、農業者が、継続して農業を営み、農空間を守ることに夢と希望と誇りを持つことができる取組を進めるとともに、農業者、農業に関する団体をはじめ、広く府民が都市農業及び農空間の重要性を深く認識し、一体となった府民運動として取り組むことが求められている。

このような理解の下に、都市農業の推進及び農空間の保全と活用に取り組むことを目指して、この条例を制定する。

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、都市農業の推進及び農空間の保全と活用に関し、基本理念を定め、府の責務並びに農業者、農業に関する団体、食品産業の事業者及び府民の役割を明らかにするとともに、府の基本施策を定めてこれを推進し、農業者をはじめとする多様な都市農業の担い手を育成し、及び確保し、保全する農空間を明らかにして農地の利用を促進し、並びに農産物の安全性を確保し、もって府民の健康的で快適な暮らしの実現及び安全で活気と魅力に満ちたまちづくりの推進に寄与することを目的とする。

(平三〇条例五一・一部改正)

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 都市農業 府民に新鮮で安全安心な農産物を供給するとともに、多様な公益的機能を発揮している府の区域において行われている農業をいう。

 農空間 農地、里山、集落及び水路、ため池等の施設が一体として存する地域をいう。

 安全安心な農産物 安全性が確保され、府民が安心して消費することのできる農産物をいう。

(基本理念)

第三条 都市農業の推進及び農空間の保全と活用は、都市農業及び農空間の有する公益的機能が十分に発揮されることを旨として、行われなければならない。

2 都市農業の推進及び農空間の保全と活用に当たっては、府、農業者、農業に関する団体、食品産業の事業者及び府民が相互に連携を図りながら協力して取り組むよう配慮されなければならない。

3 都市農業の推進及び農空間の保全と活用は、都市農業及び農空間が府民に身近なものとして感じられ、及びまちづくりにいかされることを旨として、行われなければならない。

(府の責務)

第四条 府は、前条に定める基本理念にのっとり、都市農業の推進及び農空間の保全と活用に関する施策を策定し、並びに国及び市町村と連携を図りながら協力してこれを実施する責務を有する。

2 府は、前項の施策の実施に当たっては、前条に定める基本理念に関する府民の理解を深めるよう努めなければならない。

(農業者の役割)

第五条 農業者は、都市農業及び農空間の有する公益的機能について深く認識し、その農業経営を通じて、都市農業の推進及び農空間の保全と活用に努めるものとする。

(農業に関する団体の役割)

第六条 農業に関する団体は、その事業活動を通じて都市農業の推進及び農空間の保全と活用に関する農業者の取組を支援し、及び府民に対し都市農業及び農空間の有する公益的機能についてその周知を図るよう努めるものとする。

(食品産業の事業者の役割)

第七条 食品産業の事業者は、その事業活動を行うに当たっては、府の区域において生産される農産物を積極的に利用し、又は取り扱うよう努めるものとする。

(府民の役割)

第八条 府民は、府の区域において生産される農産物の購入及びその産地に関する理解、農作業の体験等を通じて都市農業の推進と農空間の保全と活用に関する施策に協力するよう努めるものとする。

2 府民は、都市農業及び農空間の有する公益的機能について理解を深め、次代の社会を担う子どもに伝えるよう努めるものとする。

(府の基本施策)

第九条 府は、第一条の目的を達成するため、次に掲げる事項に関する施策を実施するものとする。

 農業の担い手を育成し、及び確保し、その経営能力の向上を図ること。

 農地として利用すべき土地の農業上の利用を確保し、及び農地の効率的かつ安定的な利用を促進すること。

 農業生産の基盤を整備し、及び農業生産に必要な施設を管理する体制の強化を図ること。

 新鮮で安全安心な農産物の生産及び供給並びにその拡大を図るとともに、地産地消(府の区域において生産された農産物を府の区域において消費し、又は利用することをいう。以下同じ。)を推進すること。

 環境と調和のとれた持続性の高い農業を推進すること。

 食育の推進に関する活動その他の活動を通じて、都市農業及び農空間に関する府民の理解を深めること。

 都市農業及び農空間に関する試験研究を推進し、その成果の普及を図ること。

(財政上の措置)

第十条 府は、都市農業の推進及び農空間の保全と活用に関する施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

第二章 都市農業の担い手の育成及び確保

(農業経営計画の認定)

第十一条 府の区域において農業経営を営むもの又は委託を受けて農作業を行うものは、規則で定めるところにより、府民に新鮮で安全安心な農産物又はそれを主たる原材料とする加工品を安定的に供給することを目的とする農業経営又は農作業の受託に関する計画(以下「農業経営計画」という。)を作成し、これを知事に提出して、当該農業経営計画が適当である旨の認定を受けることができる。

2 農業経営計画には、農業経営又は農作業の受託の現状及び目標並びに目標を達成するためにとるべき措置を記載しなければならない。

3 知事は、第一項の認定の申請があった場合において、その農業経営計画が次の各号のいずれかに該当するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

 農業経営の改善(農業経営基盤強化促進法(昭和五十五年法律第六十五号)第六条第五項の同意を得た市町村の区域において農業経営を営む者が行うものを除く。)を行うことにより、知事が定める主たる従事者一人当たりの年間の農業所得の額及び労働時間の目標を達成する見込みが確実であること。

 地産地消の取組を行い、自ら生産した農産物及びそれを主たる原材料とする加工品の出荷又は販売に係る収入の額が、知事が定める額を下回らない見込みが確実であること。

 知事が定める環境に配慮した方法により農産物(畜産物を除く。以下同じ。)を生産して出荷し、又は販売するものであること。

 知事が定める面積を下回らない農地について、委託を受けて主要な農作業を行うことが当該農地について農業経営を営むものを支援することとなる見込みが確実であること。

4 知事は、前項の認定をしようとするときは、あらかじめ、大阪府農業経営計画認定審査会の意見を聴かなければならない。

5 第一項の認定の有効期間は、同項の認定をした日から起算して五年とする。

6 農業経営基盤強化促進法第十二条第一項の認定を受けた農業経営改善計画は、第一項の認定を受けた農業経営計画とみなす。

(平二三条例一一七・平二四条例一二九・平二六条例七三・一部改正)

(農業経営計画の変更等)

第十二条 前条第一項の認定を受けたものは、当該認定に係る農業経営計画を変更しようとするときは、知事の認定を受けなければならない。

2 知事は、前条第一項若しくは前項の認定を受けたものが偽りその他不正の手段により当該認定を受けたとき若しくは当該認定に係る農業経営計画に従って目標を達成するためにとるべき措置を講じていないと認めるとき又は前条第一項若しくは前項の認定に係る農業経営計画が前条第三項各号に掲げる要件のいずれにも該当しないものと認められるに至ったときは、その認定を取り消すことができる。

3 前条第四項の規定は、第一項の認定及び前項の規定による認定の取消しについて準用する。

(平二四条例一二九・一部改正)

(支援措置)

第十三条 知事は、第十一条第一項又は前条第一項の認定を受けた農業経営計画の確実な実施を支援するため、別に定める措置を講ずるものとする。

第三章 農空間の保全と活用

第一節 農空間保全地域

第十四条 知事は、次に掲げる区域(当該区域内の農地と一体となったため池、水路、農道等を含む。)について、農空間の有する公益的機能を発揮させるために必要があると認めるときは、農空間保全地域として指定することができる。

 生産緑地法(昭和四十九年法律第六十八号)第三条第一項に規定する生産緑地地区の区域

 農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)第八条第二項第一号に規定する農用地区域

 市街化調整区域(都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第七条第一項の規定による市街化調整区域をいう。)内のおおむね五ヘクタール以上の集団農地の区域

 前三号に掲げるもののほか、知事が長期にわたり保全することが適当と認める区域

2 知事は、農空間保全地域を指定しようとするときは、あらかじめ、関係市町村の長と協議しなければならない。

3 知事は、農空間保全地域を指定したときは、その旨及びその区域を公表するものとする。

4 知事は、農空間保全地域において、農地の利用に関する実態を調査し、農空間の保全と活用に関する施策を実施するものとする。

5 第二項及び第三項の規定は、第一項の規定による農空間保全地域の指定の解除及びその区域の変更について準用する。

第二節 農地の利用促進

(平三〇条例五一・改称)

(方策の検討等)

第十五条 知事は、農空間保全地域内に、継続して農業が営まれることが困難である農地が存するなど農空間の有する公益的機能の確保に支障が生ずるおそれがあると認めるときは、農地の利用の促進のための方策について、市町村の長及び農業委員会、土地改良区及び農業協同組合の代表者その他関係者(以下「市町村長等」という。)とともに検討を行うものとする。

2 知事は、必要があると認めるときは、農地の所有者又は農地を所有権以外の権原に基づき使用し、及び収益する者(以下「所有者等」という。)並びに地域住民等に対し、前項の方策について必要な情報の提供又は説明を行うことによりこれらの者が計画的な農地の利用を行うことができるよう促すものとする。

(平二一条例九五・平二六条例七三・平三〇条例五一・一部改正)

(農空間づくり協議会)

第十六条 知事は、農空間保全地域内の農地の利用を促進するため、規則で定める区域内の農地の所有者等及び地域住民等で構成され、並びに農地の利用促進に関する計画の策定及び実施を目的とする組織を、その申請により、農空間づくり協議会(以下「協議会」という。)として認定するものとする。

2 知事は、市町村長等と連携して前項の規定による認定を受けた協議会による農地の利用促進に関する計画の策定及び実施を支援するため、必要な措置を講ずるものとする。

(平三〇条例五一・追加)

(農地の利用希望者の募集)

第十七条 知事は、農空間保全地域内の農地(農地中間管理機構(農地中間管理事業の推進に関する法律(平成二十五年法律第百一号)第二条第四項に規定する農地中間管理機構をいう。以下同じ。)が同条第三項に規定する農地中間管理事業を行う農地を除く。)について、当該農地の所有者等が自ら耕作をすることが困難であり、又は協議会による農地の利用促進に関する計画の実施のために必要であると認めるときは、規則で定めるところにより、当該農地の利用を希望する者を募集することができる。

2 前項の規定による募集は、あらかじめ当該農地の所有者等の同意を得た上で行うものとする。

(平二六条例七三・旧第十九条繰上・一部改正、平三〇条例五一・旧第十六条繰下・一部改正)

(農地中間管理機構への要請)

第十八条 知事は、前条第一項の規定による募集に対し応募があったときは、農地中間管理機構に対して、当該農地についての利用権(農業経営基盤強化促進法第四条第四項第一号に規定する利用権をいう。以下同じ。)等が設定されるよう調整を行うことを要請するものとする。

2 前項の規定による要請を受けた農地中間管理機構は、当該農地についての利用権等が設定されるよう調整に努めるものとする。

3 知事は、前項の規定により調整に努める農地中間管理機構を支援するため、必要な措置を講ずるものとする。

(平二一条例九五・平二四条例五九・一部改正、平二六条例七三・旧第二十条繰上・一部改正、平三〇条例五一・旧第十七条繰下・一部改正)

第四章 安全安心な農産物の生産及び供給

(農薬等の適正使用)

第十九条 出荷し、又は販売するために農産物を生産するもの(以下「生産者」という。)は、農薬等の使用について、農薬取締法(昭和二十三年法律第八十二号)その他関係法令を遵守し、安全安心な農産物の生産に努めなければならない。

2 生産者は、帳簿を備え、農薬の使用の状況等について記録し、これを保存するよう努めるものとする。

(平三〇条例五一・旧第二十一条繰上)

(農薬管理指導士等の設置等)

第二十条 農業協同組合その他の生産者が組織する農産物を出荷し、又は販売する団体(以下「出荷団体等」という。)は、知事が認定する農薬管理指導士その他農薬管理指導士と同等以上の知識経験を有する者として知事が認める者を置き、農薬の適正な使用について生産者を指導させ、及び生産者が記録した農薬の使用の状況を確認させるよう努めるものとする。

(平二四条例五九・一部改正、平三〇条例五一・旧第二十二条繰上)

(出荷等の禁止)

第二十一条 生産者は、農薬を使用した農産物であって、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第十一条第二項又は第三項の規定により販売等が禁止されたものを出荷してはならない。

2 生産者は、農薬を使用した農産物であって、食品衛生法第十一条第二項又は第三項の規定により販売等が禁止された農産物に該当する疑いがあるものは、その安全性が確認された後でなければ、これを出荷し、又は販売してはならない。

(平三〇条例五一・旧第二十三条繰上)

(報告及び検査)

第二十二条 知事は、この章の規定の施行に必要な限度において、生産者に対し農薬の使用の状況等について報告を求め、又はその職員に、生産者がその事業を行う場所に立ち入り、農薬の使用の状況等を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

(平三〇条例五一・旧第二十四条繰上)

(勧告及び公表)

第二十三条 知事は、前条第一項の報告の徴収又は同項の規定による立入検査の結果、第二十一条の規定を遵守していないと認めるときは、生産者に対し、出荷又は販売の停止、安全性の確認その他必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

2 知事は、前項の規定による勧告を受けた者が、正当な理由なく当該勧告に従わないときは、当該勧告に従わない者の氏名又は名称、住所及び当該勧告の内容を公表することができる。

3 知事は、前項の規定による公表をしようとするときは、当該公表に係る者に対し、あらかじめ、その旨を通知し、その者又はその代理人の出席を求め、釈明及び証拠の提出の機会を与えるため、意見の聴取の手続を行わなければならない。

(平三〇条例五一・旧第二十五条繰上・一部改正)

(支援措置)

第二十四条 知事は、生産者及び出荷団体等による安全安心な農産物の生産及び供給を促進するため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(平三〇条例五一・旧第二十六条繰上)

第五章 雑則

(事務処理の特例)

第二十五条 この条例及びその施行に関する事項を定めた規則に基づく事務のうち、第十一条第一項及び第十二条第一項の認定の申請の受理に関する事務であって府の区域内に存する市、町及び村の区域に係るものは、それぞれ当該市、町又は村が処理することとする。

2 この条例及びその施行に関する事項を定めた規則に基づく事務のうち、第十七条第二項の規定による同意の取得に関する事務であって、府の区域内に存する市(大阪市、豊中市、吹田市、泉大津市及び守口市を除く。)、町(忠岡町を除く。)及び村の区域に係るものは、それぞれ当該市、町又は村が処理することとする。

(平二〇条例二六・追加、平二六条例七三・一部改正、平三〇条例五一・旧第二十七条繰上・一部改正)

(規則への委任)

第二十六条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(平二〇条例二六・旧第二十七条繰下、平二六条例七三・一部改正、平三〇条例五一・旧第二十八条繰上)

附 則

この条例は、平成二十年四月一日から施行する。

附 則(平成二〇年条例第二六号)

この条例は、平成二十年四月一日から施行する。

附 則(平成二一年条例第九五号)

この条例の施行期日は、規則で定める。

(平成二一年規則第八七号で平成二一年一二月一五日から施行)

附 則(平成二三年条例第一一七号)

この条例は、公布の日から施行する。

附 則(平成二四年条例第五九号)

この条例は、公布の日から施行する。

附 則(平成二四年条例第一二九号)

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

附 則(平成二六年条例第七三号)

この条例は、規則で定める日から施行する。ただし、第一条の規定は、平成二十六年四月一日から施行する。

(平成二六年規則第一一二号で平成二六年六月二日から施行)

附 則(平成三〇年条例第五一号)

(施行期日)

1 この条例は、平成三十年四月一日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に改正前の大阪府都市農業の推進及び農空間の保全と活用に関する条例第二十条第一項の規定により認定を受けている農空間づくり協議会は、改正後の大阪府都市農業の推進及び農空間の保全と活用に関する条例第十六条第一項の規定により認定を受けた農空間づくり協議会とみなす。

大阪府都市農業の推進及び農空間の保全と活用に関する条例

平成19年10月25日 条例第72号

(平成30年4月1日施行)

体系情報
第8編 林/第1章 業/第1節
沿革情報
平成19年10月25日 条例第72号
平成20年3月28日 条例第26号
平成21年10月30日 条例第95号
平成23年10月31日 条例第117号
平成24年3月28日 条例第59号
平成24年11月1日 条例第129号
平成26年3月27日 条例第73号
平成30年3月28日 条例第51号