○大阪府食の安全安心推進条例

平成十九年三月十六日

大阪府条例第七号

大阪府食の安全安心推進条例をここに公布する。

大阪府食の安全安心推進条例

目次

第一章 総則(第一条―第七条)

第二章 食の安全安心の確保に関する施策(第八条―第十八条)

第三章 健康被害の防止等に関する施策(第十九条―第二十二条)

第四章 雑則(第二十三条・第二十四条)

附則

安全で安心な食生活は全ての府民の願いであり、府民の健康を保護する上で極めて重要である。

私たちは、現在、国内外各地からの多様な食品により豊かな食生活を送っている。一方で、食品の安全性や表示への信頼性が損なわれる事案が相次いで発生したこと等により、食に係る不安や不信感が増大している。

大阪は、古くから「天下の台所」と呼ばれ、全国の農林水産物の流通拠点として、大きな役割を果たすとともに、独自の食文化を育んできた。食における誇りと伝統のある地域であることに加えて、近年、大規模な食中毒事件を経験したこともあいまって、府民の食の安全安心の確保への関心はかつてなく高まっている。

安全で安心な食生活は、生産技術の進歩や交易、流通の仕組み等の社会の変化と密接に関わっており、こうした食に関わる様々な分野の人々の協力によって初めて確保されるものである。府民の健康を守るため、府を始め、関係する機関及び団体、研究者、事業者、更には府民自らが、食に関わる様々な課題を十分認識し、それぞれの責務や役割を自覚し、共に協力して食の安全安心の確保に取り組むことを目指して、この条例を制定する。

(平二四条例四二・一部改正)

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、食の安全安心の確保に関し、基本理念を定め、府及び食品関連事業者の責務並びに府民の役割を明らかにするとともに、府の施策の基本となる事項を定め、これに基づく施策を総合的かつ計画的に推進し、及び食品による健康被害を防止し、もって現在及び将来の府民の健康の保護を図ることを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において「食の安全安心」とは、食品等の安全性及び食品等に対する消費者の信頼をいう。

2 この条例において「食品」とは、全ての飲食物(医薬品(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第一項に規定する医薬品をいう。)及び医薬部外品(同条第二項に規定する医薬部外品をいう。)を除く。)をいう。

3 この条例において「食品等」とは、食品並びに添加物(食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第四条第二項に規定する添加物をいう。)、器具(同条第四項に規定する器具をいう。)、容器包装(同条第五項に規定する容器包装をいう。)及び食品の原料又は材料として使用される農林水産物をいう。

4 この条例において「生産資材」とは、農林漁業において使用される肥料、農薬、飼料、飼料添加物、動物用の医薬品その他の食品の安全性に影響を及ぼすおそれがある資材をいう。

5 この条例において「食品関連事業者」とは、府の区域内において食品等又は生産資材の生産、輸入又は販売その他の事業活動を行う事業者をいう。

6 この条例において「特定事業者」とは、次に掲げる者及び団体であって、府の区域内に事業所又は事務所を有するものをいう。

 食品等を生産し、又は輸入することを営む者

 食品等を販売することを営む者であって、規則で定めるもの

 第一号に掲げる者により構成される団体

(平二四条例四二・平二六条例一五七・一部改正)

(基本理念)

第三条 食の安全安心の確保は、府民の健康の保護が最も重要であるという認識の下で、必要な措置が講じられることにより、行われなければならない。

2 食の安全安心の確保は、食品等の生産から消費に至る一連の行程の各段階において、府民の健康への悪影響を未然に防止する観点から、科学的知見に基づき必要な措置が講じられることにより、行われなければならない。

3 食の安全安心の確保は、食品等及び生産資材の安全性の確保に関する府、食品関連事業者、府民、学識経験のある者並びに関係する機関及び団体の相互間の情報及び意見の交換(以下「リスクコミュニケーション」という。)を促進することにより、行われなければならない。

4 食の安全安心の確保は、府、食品関連事業者及び府民の相互理解と協力の下に行われなければならない。

(平二六条例五五・一部改正)

(府の責務)

第四条 府は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、食の安全安心の確保に関する施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。

2 府は、前項の施策の実施に当たっては、国及び他の地方公共団体と相互に連携及び協力するものとする。

(食品関連事業者の責務)

第五条 食品関連事業者は、基本理念にのっとり、自らが食品等及び生産資材の安全安心の確保について第一義的責任を有していることを認識し、関係法令を遵守して事業活動を行う責務を有する。

2 食品関連事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に係る食品等及び生産資材に関する正確かつ適切な情報を積極的に提供するよう努めなければならない。

3 食品関連事業者は、前二項に定めるもののほか、府が実施する食の安全安心の確保に関する施策に協力する責務を有する。

(府民の役割)

第六条 府民は、食の安全安心の確保に関する知識と理解を深めるよう努めるものとする。

2 府民は、食の安全安心の確保に関する施策について、意見を表明するよう努めることによって、食の安全安心の確保に積極的な役割を果たすものとする。

3 府民は、府が実施する食の安全安心の確保に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(環境に及ぼす影響への配慮)

第七条 府、食品関連事業者及び府民は、食の安全安心の確保に関する取組を推進するに当たっては、当該取組が環境に及ぼす影響について配慮するものとする。

第二章 食の安全安心の確保に関する施策

(食の安全安心推進計画の策定)

第八条 知事は、次に掲げる事項を定めた食の安全安心の確保に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための計画(以下「食の安全安心推進計画」という。)を策定するものとする。

 総合的かつ長期的に講ずべき食の安全安心の確保に関する施策の大綱

 前号に掲げるもののほか、食の安全安心の確保に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

2 知事は、食の安全安心推進計画を策定するに当たっては、あらかじめ、大阪府食の安全安心推進協議会の意見を聴くとともに、府民の意見を反映するための適切な措置を講ずるものとする。

3 知事は、食の安全安心推進計画を策定したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

4 前二項の規定は、食の安全安心推進計画の変更について準用する。

(監視、指導等)

第九条 府は、食品等の生産から販売に至る一連の行程の各段階において、食品等の安全性を確保するため、監視、指導その他の法令及び条例に基づく必要な措置を講ずるものとする。

(リスクコミュニケーションの促進)

第十条 府は、リスクコミュニケーションの促進を図るため、必要な措置を講ずるものとする。

(緊急時の体制の整備)

第十一条 府は、食品による人の健康に係る重大な被害が生ずることを防止するため、当該被害が生じ、又は生ずるおそれがある緊急の事態への対処及び当該事態の発生の防止に関する体制の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。

(調査研究等の推進)

第十二条 府は、食品等の安全性の確保に関する施策を最新の科学的知見に基づき適切に実施するため、食品等の安全性に関する調査研究及び技術開発を推進するものとする。

(情報の収集及び提供)

第十三条 府は、食品等の安全性に関する最新の情報を収集し、整理、分析等を行い、府民及び食品関連事業者に提供するものとする。

(表示の適正化の推進)

第十四条 府は、食品等の表示が適正に実施されるよう監視及び指導を行うとともに、食品等の表示に係る制度の普及及び啓発その他必要な措置を講ずるものとする。

(知識の普及啓発等)

第十五条 府は、府民に対し、食の安全安心の確保に関する知識の普及及び啓発に努めるとともに、食育の推進を通じて、食の安全安心の確保に関する意識の向上を図るものとする。

(食品関連事業者の取組の支援)

第十六条 府は、食品関連事業者の食の安全安心の確保に関する自主的な取組を促進するため、情報の提供、助言、認証その他の必要な支援の措置を講ずるものとする。

(施策の実施状況の公表)

第十七条 知事は、毎年度、食の安全安心の確保に関する施策の実施状況について、その概要を公表しなければならない。

(顕彰の実施)

第十八条 知事は、食の安全安心の確保に関し、特に優れた取組をした者の顕彰に努めるものとする。

第三章 健康被害の防止等に関する施策

(健康被害の拡大防止のための情報の公表)

第十九条 知事は、府の区域内で食品によるものと疑われる人の健康に係る重大な被害が生じた場合において、食品衛生法に基づく報告の徴収、検査、調査等の結果、当該重大な被害が当該食品によるものである蓋然性が高く、かつ、拡大するおそれがあると認めるときは、必要に応じ大阪府食品健康被害防止審議会の意見を聴いた上で、速やかにその旨を公表するものとする。

(平二四条例一二九・一部改正)

(自主回収の報告)

第二十条 特定事業者は、その生産し、輸入し、又は販売した食品等の自主的な回収に着手した場合であって、当該食品等が次の各号のいずれかに該当するときは、速やかにその旨を規則で定めるところにより知事に報告しなければならない。

 食品衛生法の規定に違反し、又は違反する疑いがあるとき(同法第十九条第二項の規定に違反し、又は違反する疑いがあるときを除く。)。

 食品表示法(平成二十五年法律第七十号)第四条第六項に規定する食品表示基準(同条第一項第一号のアレルゲン、保存の方法又は消費期限に係る基準その他の規則で定める基準に限る。)に従った表示がされておらず、又はされていない疑いがあって、同法第五条の規定に違反し、又は違反する疑いがあるとき。

2 特定事業者(第二条第六項第二号に掲げる者を除く。)のうち、自ら生産し、又は輸入した食品等を当該生産し、又は輸入した事業所、事務所その他その業務を行う場所において、他の者を経ることなく直接府民に販売することを主として営む者については、前項の規定は、適用しない。

3 特定事業者が自主的な回収に着手した食品等が、次の各号のいずれかに該当する場合については、第一項の規定は、適用しない。

 府の区域内に流通していないことが明らかな場合

 府民に販売されていないことが明らかな場合

(平二七条例三六・一部改正)

(回収の報告に係る指導等)

第二十一条 知事は、前条第一項の規定による報告に係る回収の措置が、人の健康に係る被害の発生又はその拡大を防止する上で適切でないと認めるときは、当該報告を行った特定事業者に対し、回収の措置の変更に係る指導その他の必要な指導を行うことができる。

2 知事は、前条第一項の規定による報告を受けたときは、速やかに当該報告に係る食品等が流通する地域を管轄する地方公共団体の長に当該報告に係る情報を提供するものとする。

3 前条第一項の規定による報告を行った特定事業者は、当該報告に係る回収を終了したときは、速やかにその旨を規則で定めるところにより知事に報告しなければならない。

4 知事は、前条第一項又は前項の規定による報告を受けたときは、速やかに当該報告の内容を公表するものとする。

5 知事は、前条第一項の規定による報告に係る回収が行われた食品等が府の区域内に存在する場合にあっては、当該食品等に係る措置について指導することができる。

(平一九条例七八・一部改正)

(農林水産物の生産過程での法令の遵守)

第二十二条 知事は、府の区域内に流通している農林水産物について、その生産過程において適用される法令に違反し、又は違反する疑いがあることが判明した場合には、当該農林水産物の生産地を管轄する地方公共団体の長に対し、同様の事象の再発を防止するために必要な措置を講ずるよう要請するものとする。

第四章 雑則

(事務処理の特例)

第二十三条 この条例及びその施行に関する事項を定めた規則に基づく事務のうち、次に掲げる事務であって大阪市、堺市、豊中市、高槻市、枚方市及び東大阪市の区域に係るものは、当該市が処理することとする。

 第二十条第一項の規定による報告の受理に関する事務

 第二十一条第一項の指導に関する事務

 第二十一条第二項の規定による情報の提供に関する事務

 第二十一条第三項の規定による報告の受理に関する事務

 第二十一条第五項の規定による指導に関する事務

(平一九条例七八・追加、平二四条例四二・平二六条例五五・一部改正)

(規則への委任)

第二十四条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(平一九条例七八・旧第二十三条繰下、平二七条例三六・一部改正)

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成十九年四月一日から施行する。ただし、第十九条の規定は同年十一月一日から、第二十条及び第二十一条の規定は平成二十年四月一日から施行する。

(大阪府附属機関条例の一部改正)

2 大阪府附属機関条例(昭和二十七年大阪府条例第三十九号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

附 則(平成一九年条例第七八号)

この条例は、平成二十年四月一日から施行する。

附 則(平成二四年条例第四二号)

この条例は、平成二十四年四月一日から施行する。

附 則(平成二四年条例第一二九号)

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

附 則(平成二六年条例第五五号)

この条例は、平成二十六年四月一日から施行する。

附 則(平成二六年条例第一五七号)

この条例は、平成二十六年十一月二十五日から施行する。

附 則(平成二七年条例第三六号)

この条例の施行期日は、規則で定める。

(平成二七年規則第五九号で平成二七年四月一日から施行)

大阪府食の安全安心推進条例

平成19年3月16日 条例第7号

(平成27年4月1日施行)

体系情報
第6編 生/第4章 食品衛生
沿革情報
平成19年3月16日 条例第7号
平成19年10月25日 条例第78号
平成24年3月28日 条例第42号
平成24年11月1日 条例第129号
平成26年3月27日 条例第55号
平成26年10月31日 条例第157号
平成27年3月23日 条例第36号