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大阪府消費者保護審議会消費生活苦情審査委員会における調停結果の公表について

代表連絡先 府民文化部  消費生活センター  事業グループ
ダイヤルイン番号:06-6612-7500
メールアドレス:shohiseikatsu-center@sbox.pref.osaka.lg.jp

提供日

2019年8月1日

提供時間

14時0分

内容

 このたび、大阪府知事が大阪府消費者保護審議会(以下「審議会」という。)に付託していた「ダイビングスクール受講及びダイビング器材購入の契約に関する紛争事案」について、消費生活苦情審査委員会(以下「委員会」という。)から調停結果についての報告がとりまとめられました。(委員会は審議会に設置された部会です。)

 同様の紛争の防止を図るため、大阪府消費者保護条例第26条第3項の規定に基づいて、結果の概要を次のとおり公表します。なお、この規定に基づく公表は、平成26年の条例改正後、初めてとなります。

 

第1 当事者

 申告者:20歳代の消費者女性(以下「X」という。)

 相手方:ダイビングショップを経営する事業者(株式会社。以下「Y」という。)

 

第2 紛争の概要

1 Xは、Yが経営するダイビングショップの男性従業員(以下「A」という。)とSNS(いわゆるマッチングアプリ)で知り合い、二人きりでの食事のあとに、Aは、別のSNSによりXをダイビングスクールの受講や器材の購入を勧誘する目的があることは告げずに職場であるダイビングショップに誘った。
  

2 XがAの職場であるダイビングショップに行ったところ、Aからダイビングスクールの受講を勧誘され、Xは、Yとの間でダイビングスクール受講契約を行い、代金約40万円を支払った。
 

3 Xがダイビングのレクチャーとプール実習を受けたところ、実習終了後、AとAの上司であるBからダイビング器材の購入を勧誘され、Xは断り切れずに、Yとの間でダイビング器材売買契約を行い、代金約140万円を支払った。
 

4 Xは、Aらの勧誘の方法に疑問を感じたことから、Xの居住市の消費生活相談窓口に本件契約に関する相談を行うとともに、Yに対し上記各契約を解除または取り消す旨の意思表示を行った。同市においてあっせんが試みられたが、不調となったことから、Xは、知事に対し苦情の申し出を行い、知事は審議会にあっせん又は調停を付託した。

 

第3 当事者の主張(付託時点での主張)

1 申告者X(消費者)の主張

 ダイビングスクール受講契約及び器材売買契約について、Yの従業員Aが販売目的を隠匿してXをYの営業所に連れて行き勧誘したものであり、いずれも、特定商取引に関する法律(以下、「特定商取引法」という。)に定める販売目的隠匿型アポイントメントセールスにあたる。また、いずれの契約でもXに交付された書面に不備があり、クーリング・オフできる。
 

2 相手方Y(事業者)の主張

 ダイビングスクール受講契約及び器材売買契約のいずれについても、Xはダイビングショップへの来訪という認識を持っており、Aが販売目的を隠匿してXの来訪を要請したものではなく、特定商取引法上の訪問販売には該当せず、クーリング・オフは認められない。

 

第4 審議会の処理(委員会での審議経過及び結果)

 委員会は、当事者双方から事実関係を確認するとともに、XとAとのやりとりを示すSNSの内容などの資料を検討した上で、当事者双方から解決に向けての意向を聴取した。
 委員会がこれらを踏まえて、YがXに商品の一部を引き渡すとともに、代金の内、約160万円を分割で返金し、その債務をYの代表者Zが連帯保証する調停案を提示したところ、X・Y及び利害関係人Zが同意したことから、次の調停条項(骨子)のとおり調停が成立した。
 

調停条項(骨子)

1 Yは、Xに対し、ダイビングスクール受講契約及び器材売買契約の代金のうち、約160万円の返還義務があることを認める。
 

2 Zは、Xに対し、Yの前項の債務を連帯保証する。
 

3 Yは、Xに対し、第1項の金員のうち、20万円を支払い、Xはこれを受領した。
 

4 Y及びZは、Xに対し連帯して、第1項の金員から前項の支払金を除いた金額を分割して、Xの指定する口座に支払う(振込手数料はYらの負担)。

(1) 毎月末日限り5万円ずつ(23回)

(2) 差引残額
 

5 Yらが、前項の分割金の支払いを怠り、その額が2回分(10万円)に達したときは、当然に同項の期限の利益を失う。
 

6 前項により期限の利益を失ったときは、Yらは、Xに対し連帯して、第1項の金員から既払金を控除した残金及びこれに対する期限の利益喪失日の翌日から支払済みまで年6分の割合による遅延損害金を即時に支払う。
 

7 Xは、Yらが、前項の規定により期限の利益を喪失することなく、第4項(1)記載の金員全額の支払をした場合には、Yらの第4項(2)記載の金員の支払義務を免除する。
 

(以下略)

 

第5 報告にあたっての委員会のコメント

1 クーリング・オフの可否について

(1) ダイビングスクール受講契約

 SNSでのやりとりにおいて、AはXに対して店舗等において勧誘を行うような言動は行っておらず、Xには、Aの職場であるダイビングショップに赴く認識はあったものの、勧誘を受けるとの認識を有していなかったと認められた。このことから、ダイビングスクール受講契約についてはSNSを介した一連の勧誘による目的隠匿型アポイントメントセールスとして、特定商取引法上の訪問販売に該当するものと考えられた。また、契約書類では、代金の支払方法が特定されておらず、販売担当者の氏名の記載が不完全であったため、クーリング・オフが有効であると判断した。
 

(2) ダイビング器材売買契約

 ダイビングスクール受講契約を締結した際の書面に、「器材販売提案」の予定が記載されていたことなどから、ダイビング器材の販売を勧誘する目的を告げていなかったとまでは断定できず、クーリング・オフを認めることは難しいと判断した。
 

2 いわゆる恋人商法について

 SNSでのやりとりから、AがSNSを通じてXと親密な関係を作り、勧誘目的を示さずに親しげに店舗への来訪を誘導し、XがAに好意を抱いていることを利用して各契約を締結させていたとの疑いがあると考えられた。このようないわゆる恋人商法については、民法上の不法行為責任が発生し得るところである。このため、ダイビング器材売買契約についてクーリング・オフが認められないとしても、Yに一定の責任があると考える。
 

3 分割払い及び連帯保証について

 Yは、紛争の早期解決のために可能な範囲で返金に応じるとの意向を示したが、長期の分割払いを希望した。Xは、一定期間の分割払いには応じるものの、履行について強い不安の念を表明した。そこで、Yの代表者Zの連帯保証を条件に調停条項を取りまとめた。

 

第6 処理経過

開催年月日

会議名

内容

平成31年2月21日

第1回あっせん

申告者及び相手方意見聴取

平成31年3月12日

第2回あっせん

申告者及び相手方意見聴取、申告者から資料の提出

平成31年4月15日

第3回あっせん

申告者意見聴取(相手方欠席)

平成31年4月25日

第4回調停

調停手続きに移行、調停案の提示

令和元年5月30日

第5回調停

当事者(申告者及び相手方並びに相手方利害関係人)間で調停が成立

 

※ この公表は、調停の経過及び結果を情報提供することによって、類似の紛争を未然に防止するとともに、類似の紛争の問題点や責任の所在、解決水準を情報提供し、解決の方向性を示すことにより、消費生活相談窓口等で参考にしていただくために行うものです。同様な事例に遭われた方は、お近くの消費生活相談窓口に相談してください。消費生活相談窓口への連絡は、消費者ホットライン(局番なしの188)でご案内しています。

関連ホームページ

令和元年度の開催結果(消費生活苦情審査委員会)

添付資料

大阪府消費者保護条例 (Wordファイル、59KB)

 

大阪府消費者保護条例 (Pdfファイル、175KB)

資料提供ID

35385

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