消費者が望まぬ勧誘を事前に拒否できる制度の特定商取引法への導入を求める意見書

更新日:平成27年10月27日


 
 

消費者が望まぬ勧誘を事前に拒否できる制度の特定商取引法への導入を求める意見書


 訪問販売及び電話勧誘販売は、「住まい」という本来ビジネスではないところで行われるものであり、消費者の要請・同意なく行われる場合には、そのほとんどが消費者にとって迷惑なものである。そもそも、消費者が、どのような商品・サービスを選択するかは、その自主的かつ合理的な選択に委ねられるべき事柄である。それゆえ、どのような商品・サービスの提供を受けるかについてはもちろんのこと、どのような勧誘を受けるかについても、消費者の自己決定は十分に尊重されなければならない。
 また、突然の訪問や電話による勧誘によって、高齢者などを中心に、断りきれず不本意な契約をしてしまうことも少なくない。ときには、悪質・不当な勧誘によって消費者が深刻な被害を受けることもある。
 特に、我が国は、既に超高齢社会に突入し、今後も他に例の無いような高齢化率の上昇が予測される。高齢者からの消費生活相談は、高齢者人口割合の増加以上の割合で増加しており、訪問販売・電話勧誘販売による勧誘が、その中心となっているところである。
 この点、本府においては、「拒絶の意思を表明している消費者」に対する勧誘を「不当な取引行為」と定め(大阪府消費者保護条例第17条、同施行規則第5条別表)、悪質商法の予防のために「勧誘お断り」のステッカーを配布する取組を行なっているところである。本府以外の多くの都道府県、市町村においても、条例規定の有無にかかわらず、「勧誘お断り」のステッカーを配布するなど、消費者が勧誘を望まない旨を明らかにすることを支援する取組が行われているところである。
 ところが、訪問販売・電話勧誘販売等を規制する現行の「特定商取引に関する法律(特定商取引法)」は、1996(平成8)年に電話勧誘販売、2008(平成20)年には訪問販売においても「契約を締結しない旨の意思」を表示した者に対する勧誘を禁止する内容の改正が行われたものの(特定商取引法第3条の2第2項、第17条)、事前の包括的な勧誘拒否の表示(例えば「勧誘お断り」のステッカーの掲示など)は、この意思表示とは認められていない。
 これでは、消費者は事業者による突然の訪問や電話に応答した上で、それぞれの事業者に対して拒否の意思を伝えなければならず、平穏な生活を送ることができない。また、いったん巧みな勧誘が開始されてしまうと、断ることは必ずしも容易ではないため、消費者は不本意な契約や不当な契約を避けることも難しく、これでは消費者トラブルを十分に予防することもできない。なかでも、高齢の消費者には、交渉力等においてより低下している人もいることから、その傾向は顕著である。
 消費者の平穏な生活と自己決定を尊重し、望まぬ勧誘を回避するとともに、消費者トラブルを予防するため、勧誘の事前拒否が保障される制度(例えば、訪問販売においては、「勧誘お断り」のステッカーに法律上の効力を認めるなど、電話勧誘販売においては、「電話勧誘拒否登録制度」の創設など)を導入する必要がある。なお、この制度はあくまで、勧誘を望まない意思を明確にした事前拒否者に対してのみ訪問勧誘、電話勧誘を禁止する制度であり、事業者への影響は必要最小限のものである。
 よって、国においては、特定商取引法を改正し、訪問販売及び電話勧誘販売において、消費者が望まぬ勧誘を事前に拒否できる制度を導入されるよう要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成27年10月27日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
経済産業大臣                     各あて
内閣官房長官
内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)
消費者庁長官

大阪府議会議長
今井 豊


 
 

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議会事務局 調査課 法務・企画グループ

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