(5)環境問題  ビレッジホームズ(デービス市)

更新日:平成21年8月5日

4 調査テーマ別の調査内容

(5) 環境問題

ビレッジホームズ(デービス市)

レポート担当

小西 貢 議員

と   き

平成19年11月9日(金曜日)

と こ ろ

ビレッジホームズ(デービス市)

応接者

ビレッジホームズ案内人
               ジェリー・アイグーズルード氏 

調査目的

 大阪府では、大阪の居住魅力を高めるため、蓄積された都市遺産を、環境問題に配慮して最大限活用する街づくりを目指すともに、府民と一緒に環境にやさしい行動(エコ・アクション)を行うなど、環境問題を重視した施策を進めている。 行政と市民が一体となった環境にやさしい街づくり(エコタウン)を実践している同市の該当地区(ビレッジホームズ)を調査し、大阪府の環境問題への取組の参考とする。

1 デービス市の概要                                                                                                          

 デービス市はサンフランシスコから北東へ115km、カリフォルニア州の州都サクラメント市の西18kmの地点に位置する面積25平方キロメートル、人口約6万4千人(2006年、カリフォルニア州政府推計)の小さな都市である。住民は、州政府関係者や市内にあるカリフォルニア大学デービス校の関係者が多数居住しており、同校はもともと農業学校であったものが総合大学に変わったものである。
 環境問題への意識の高い住民が多かったこともあり、この市は、約30年前から環境共生都市づくりをはじめ、市民があらゆるまちづくり計画に参加し創られたアメリカ屈指の環境先進都市として知られている。

ビレッジホームズ入り口にて 案内人アイグーズルード氏とともに
ビレッジホームズ入り口にて                 案内人アイグーズルード氏とともに

2 ビレッジホームズの概要                                                                                                                                              
 
デービス市の一角にあるビレッジホームズは、マイケル・コルベット氏(元市長)により発案・設計され、1981年に完成した敷地面積24.3ha、住宅戸数240戸のニュータウンである。ここでは、「生態学的に維持可能なコミュニティーの建設」、「強いコミュ二ティーの建設」という2つの目標を掲げ、様々な取り組みを行っている。

 町は緑に溢れ、幅の広いグリーンベルト(緑地)がネットワーク化され、快適な住環境となっている。

 87ha217エーカー)の土地に、117軒の住宅があり、アメリカ標準としては、かなり混雑している(住宅の密度が高い)といえるが、開発手法が通常の開発会社のものとは異なる。

 87haのうち、半分が個人の所有地であるが、1軒あたりの敷地面積は狭い。例えば、案内人のアイグーズルード氏の住宅は、3ベッドルームで1,100平方フィート(約102平方メートル)とのことであった。

 40%は、公共(共有)の土地であり、花壇や家庭菜園として住民が皆で使っている。残り13%のみ、道路及び駐車場となっている。

 緑豊かな街路樹の町並みや、雨水地下浸透、野菜、果樹の自家栽培、周辺の農産物を消費することを通じて、都市と農地とを共生させる事に成功した。また歩行者や、自転車に便利で快適なネットワークや緑道を整備するため、道路パターンを骨格道路で囲み内部の区画道路は、袋小路的なものか、ループできるようなものとして形成されている。

住宅を結ぶ小道 住民共有の広場
住宅を結ぶ小道                           住民共有の広場

3 都市交通網と都市環境                                                                                                                                              

  ここでは、地域住民のための設計がなされており、自動車よりも歩いた方がよいような設計になっている。例えば、近隣の住宅に行くのに自動車だとぐるりと遠回りしないといけないが、歩いてだと小路を少し進めば行くことができるようになっている。

 また、自転車を交通手段の中心として考えている。町のいたる所に自転車道や、駐輪場が十分に整備されており、自動車で移動するより短い距離で移動できるようにしている。

 逆に自動車用の道路の道幅は、6から7mと比較的狭く行き止まり道路があり、大きく曲がりくねっていることからスピードを上げられないようになっている。

 公共輸送手段としては、天然ガスを燃料にしたダブルデッキバスを運行させている。

自転車も自由に走れる車道 曲がりくねっている車道
自転車も走れる車道                          曲がりくねっている車道

4 環境への取り組み                                                                                                                                          

 都市環境においては、環境共生型住宅開発を行っているため、ほとんどの住宅が太陽エネルギーを利用している。住宅は、太陽光を最大限に採りこめるよう南北に面して建てられ、南側に大きな窓を配置しており、太陽の角度で夏は涼しく、冬は暖かいように設計されている。また、蓄熱システムの利用により、ほとんどの住宅がエアコンを使用していない。屋根には太陽熱温水システムが取り付けられており、夏季には100%、冬季でも80%(朝に15分程度暖房(天然ガス)を入れるだけ)このシステムでまかなっている。

 また、この地区は、雨水についても工夫がなされている。雨水はそのまま下水として暗渠に流すのではなく、地区内に曲がりくねった小川や水溜りを配置し、なるべく土壌に吸い込まれるようにしている。(雨は、ほとんど冬にしか降らないとのことである。)

 屋根の上の太陽熱温水システム 雨水を吸収できる小川
屋根の上の太陽熱温水システム                      雨水を吸収できる小川

5 住民のコミュニティー                                                                                                                                                    

 1グループ8戸の住宅で構成され、境界を示すフェンスなど無く、近隣同士の親近感を重視し、毎週パーティを開くなど交流を深めている。自発的なコミュニティーイベントを年間通し行っているのも特徴である。そのため、住民は大半が顔見知りで地域連携の強化にもつながっており、犯罪発生率は他の地区と比べても低い。

 地区の住民の高齢化問題に関しては、当初から住んでいる住民は高齢化しているが、この環境の良さから、彼らの子供が引き続き住むケースが多く、売り出し中の物件、貸し出し待ちの物件はほとんどない。なお、高齢化した住民は、より過ごしやすい高齢者専用のホーム等に引越ししているようだ。

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議会事務局 総務課 

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