省エネ診断事例-ホテル1

更新日:2023年5月22日

省エネ診断事例-ホテル1

概要

事業者名

大和屋本店

業種

ホテル

診断受診建物

大和屋本店

診断時期

平成27年2月

省エネ診断結果より想定される
エネルギー削減ポテンシャル

・エネルギー削減量:12.3kL/年(原油換算値)
・コスト削減額:約1,048千円/年

建物概要

建物用途:ホテル構造:SRC
延床面積:約2,600平方メートル建物階数:地上9階、地下1階
契約電力:約65kW竣工:1992年
年間エネルギー使用量:約174kL/年(原油換算値)改修:−

省エネ提案項目一覧

運用改善

提案1:客室冷蔵庫の運用改善

【提案内容】
 客室冷蔵庫の運用方法は、常時飲料を冷やし宿泊客の利用量に応じて料金を徴収する方法です。冷蔵庫を、「切」状態で待機し宿泊客が利用時に電源を入れる方法に改善することで、使用電力量を削減することができます。

【考え方】
 冷蔵庫は、常時稼働していると電力を消費します。冷蔵庫を「切」状態で待機し、宿泊客が利用時に電源を入れて使用する方法に改善することにより待機電力を削減することができます。

画像です。写真:現状の客室冷蔵庫
写真:現状の客室冷蔵庫

【削減ポテンシャル】
⇒客室冷蔵庫39台を宿泊客がいない間「切」状態にした場合
削減電力使用量:7,683kWh/年 (原油換算値:2.0kL/年)

【削減コスト】
147千円/年

提案2-1:空調機の省エネ(空調設定温度の緩和(GHP))

【提案内容】
 1階事務所系統の冷房設定温度は24〜25℃、暖房設定温度は23〜25℃でした。政府は冷房28℃、暖房20℃に設定することを推奨しています。本提案では1℃緩和した場合の省エネ量を示しますので参考にしてください。

【考え方】
 設定温度を緩和すると室内外の温度差が小さくなるので、熱負荷、壁・窓・開口等からの熱損失が小さくなり省エネとなります。一般的に1℃緩和による10%の省エネ効果があると言われています。

【削減ポテンシャル】
⇒冷房設定温度25℃から26℃、暖房設定温度24℃から23℃にした場合
削減ガス使用量:381立法メートル/年 (原油換算値:0.4kL/年)
【削減コスト】
42千円/年

提案2−2:空調機の省エネ(空調機室外機フィンの清掃)

【提案内容】
 空調室外機は、6階の屋上に設置されていますが、塵埃による汚れが多く清掃を行う必要があります。室外機フィンの清掃を行うことで、冷暖房の空調効率の改善を図ることができます。

【考え方】
 空調の室外機は、経時によりフィンに塵埃が付着し熱交換効率が低下します。汚れがひどいのでフィンを清掃することで回復を図ることができます。

【削減ポテンシャル】
削減ガス使用量:634立法メートル/年
(原油換算値:0.7kL/年)
【削減コスト】
71千円/年

提案3−1:自販機の省エネ(自販機の入替え(缶・ボトル))

【提案内容】
 現在設置されている自販機には、旧型で年間消費電力量が大きいものがあります。最新の省エネ型の自販機に入替えることで消費電力の削減を図ることができます。

参考:飲料自販機1台あたりの年間消費電力量の推移
参考:年間消費電力量の推移(自販機工業会HPより)

【削減ポテンシャル】
⇒旧型の自販機2台を省エネ型に入れ替えた場合
削減電力使用量:1,131kWh/年 (原油換算値:0.3kL/年)

【削減コスト】
22千円/年

提案3−2:自販機の省エネ(自販機表示灯の消灯)

【提案内容】
 館内に設置されている自販機の表示灯が点灯されています。周囲は照度が確保されていますので、自動販売機の表示灯を消灯することで消費電力を削減することができます。

【考え方】
 内容物表示のため設置されている表示灯(蛍光灯)を消灯することで消費電力を削減することができます。

【削減ポテンシャル】
⇒管内に設置されている4台中2台の自販機の表示灯を消灯した場合
削減電力使用量:1,577kWh/年 (原油換算値:0.4kL/年)
【削減コスト】
30千円/年
提案4:デマンドの低減

【提案内容】
 デマンド監視装置の警報機能や蓄積機能を活用することで、最大電力を現状66kWから60kWに低減することができます。

【考え方】
 デマンド監視装置を活用して最大電力の変化を監視し、設定値に近づいた場合には予め定めた機器の運転を停止することにより、最大需要電力を抑制することができます。

【削減ポテンシャル】
⇒デマンド監視装置を活用して契約電力を66kWから60kWに低減した場合
削減電力:6kW/年
【削減コスト】
97千円/年
投資改善提案5:不要変圧器の遮断

【提案内容】
 旧館の変圧器(3φ75kVA)は、負荷が無い状態で放置されています。無負荷状態でも損失が発生していますので、電源を遮断し新館の変圧器に統合することで(3台から2台)省エネを図ることができます。

【考え方】
 変圧器は負荷の大小にかかわらず、軽負荷でも無負荷損失が発生します。負荷の統合を行うことで、設備を見なおし損失を低減することができます。 

画像です。写真:旧館の変圧器
写真:旧館の変圧器

【削減ポテンシャル】
⇒変圧器を3台から2台に統合し、無負荷損失を削減した場合
削減電力使用量:2,891kWh/年 (原油換算値:0.7kL/年)
【削減コスト】
55千円/年
【想定イニシャルコスト】
10千円 
(電源切り離しの工事費)
【投資回収年数】
0.2年
提案6:浴槽表面からの熱放散防止

【提案内容】
 冬期の浴場不使用時間帯に、大浴場(男子)の浴槽面を簡易保温シートで覆うことにより、水分蒸発を抑えて湯温低下を防ぎ、ボイラー(温水ヒータ)の燃料消費量を削減することができます。

【考え方】
 湯温が一定に制御されている屋内の浴槽において、湯面に発泡した樹脂のシートや断熱板などを浮かべて空気と接触する表面積を減じることで、湯面からの蒸発および熱伝達による熱損失を低減することができます。

【削減ポテンシャル】
⇒簡易保温シート(発泡ポリエチレンシート)を3本導入した場合
消費燃料削減量:487立法メートル/年 (原油換算値:0.6kL/年)
【削減コスト】
54千円/年

【想定イニシャルコスト】
39千円
 (13千円×3本)

【投資回収年数】
0.7年
提案7−1:誘導灯をLED型へ更新(避難口・通路誘導灯)

【提案内容】
 従来型(蛍光灯)誘導灯(避難口・通路誘導灯)をLED型誘導灯に更新することにより省エネを図ることがきます。

【考え方】
 従来型(蛍光灯)誘導灯よりも効率の高いLED誘導灯に更新することで、電力使用量を削減することができます。

参考:従来型誘導灯   参考:LED型誘導灯
 写真:従来型誘導灯        LED型誘導灯
【削減ポテンシャル】
⇒蛍光灯型の誘導灯31台をLED型に変更した場合
消費電力削減量:6,172kWh/年 (原油換算値:1.6kL/年)
【削減コスト】
118千円/年
【想定イニシャルコスト】
810千円 
(LED費用31台:照明器具費560千円+設置費250千円)
【投資回収年数】
6.9年
提案7−2:誘導灯をLED型へ更新(非常用照明・階段通路誘導灯兼用型)

【提案内容】
 従来型(蛍光灯)誘導灯(非常用照明・階段通路誘導灯兼用型)をLED型に更新することにより省エネを図ることができます。

【考え方】
 従来型(蛍光灯)誘導灯よりも効率の高いLED誘導灯に更新することで、電力使用量を削減することができます。

参考:従来型誘導灯(蛍光灯) 参考:LED型誘導灯
  参考:従来型(蛍光灯)  参考:LED型(電池内臓)
【削減ポテンシャル】
⇒蛍光灯型の誘導灯30台をLED型に変更した場合
消費電力削減量:8,672kWh/年 (原油換算値:2.2kL/年)
【削減コスト】
166千円/年
【想定イニシャルコスト】
1,570千円
 (LED費用30台:照明器具費1,330千円+設置費240千円)
【投資回収年数】
9.5年
提案8:客室照明をLED灯へ更新

【提案内容】
 2から9階客室には、天井に蛍光灯が使用されています。この蛍光灯をLED灯に更新することで使用電力量を削減することができます。

【考え方】
 蛍光灯器具の蛍光灯をLED灯に取り替えることで省エネを図ることができます。既存の蛍光灯並みの重さでソケットに負担のかからないタイプのLED灯を使用できます。

写真:客室の照明    参考:外付けDC電源型LEDユニット
     写真:客室の照明     参考:外付けDC電源型LEDユニット

【削減ポテンシャル】
⇒蛍光灯78台をLED灯に取り替えた場合
消費電力削減量:9,225kWh/年 (原油換算値:2.4kL/年)

【削減コスト】
176千円/年

【想定イニシャルコスト】
1,248千円
 (LED費用(安定器取外工事込み):16千円/台×78台)

【投資回収年数】
7.1年
提案9:高効率空調機へ更新(個別空調:電動HP空調機)

【提案内容】
 板場に設置されている効率の低下している空調機を、高効率の最新の空調機へ更新するで、消費電力を削減することができます。

【考え方】
 設置されている空調機は古い機種であり、COP(エネルギー使用効率)が低下していると考えられます。COPの高い最新の空調機へ更新することにより、消費電力の削減を図ることができます。

【削減ポテンシャル】
⇒空調機1台を高効率の機種に変更した場合
消費電力削減量:3,678kWh/年 (原油換算値:0.9kL/年)

【削減コスト】
70千円/年
【想定イニシャルコスト】
980千円 
(空調機1台を高効率の機種に変更)
【投資回収年数】
14.0年

このページの作成所属
環境農林水産部 脱炭素・エネルギー政策課 スマートエネルギーグループ

ここまで本文です。