「ナッジ」を活用した啓発による省エネ行動促進の取組みについて

更新日:令和2年6月16日

 大阪府では、「おおさかエネルギー地産地消推進プラン」や「地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」に基づき、温室効果ガス排出量削減のため、府民の省エネ行動を促進する取組みを進めています。
 近年、「ナッジ」を含む行動科学の知見に基づいて、国民一人ひとりの行動変容を促し、ライフスタイルの変革を創出する取組みが国内外で実施されており、費用対効果の高い手法として着目されています。
 大阪府においても、ナッジを活用した啓発により、府民の省エネ行動の変容を検証する取組みや、その結果を踏まえた啓発キャンペーンなどを実施しています。

「ナッジ」とは

 「ナッジ」(nudge:そっと後押しする)とは、人々が自発的に望ましい行動を選択するよう促す仕掛けや手法を示す用語です。
 リチャード・セイラー氏とキャス・サンスティーン氏が提唱したもので、「選択を禁じることも、経済的なインセンティブを大きく変えることもなく、人々の行動を予想可能な形で変える選択設計のあらゆる要素」と定義されます。 

転入・転居者へのナッジを活用した啓発による省エネ行動変容の検証について

 大阪府では、平成30年度及び令和元年度に、ナッジを活用した啓発により、府民の省エネ行動の変容を検証する取組みを、吹田市及び大阪府地球温暖化防止活動推進センター(一般財団法人大阪府みどり公社)と連携して実施しました。

1 実施概要

 転入者数が府内トップレベルである吹田市において、ナッジの活用により、省エネ行動の促進について効果検証しました。
 具体的には、省エネや光熱費など消費者のエネルギー消費への関心が高まるタイミングである引っ越し時に着目し、「実態調査アンケート」により、転入・転居者と在住者の省エネ行動の実態を把握した上で、啓発リーフレットを配付し、「後日アンケート」により、行動変容について検証しました。また、啓発リーフレットの配付の有無による差異を検証しました。

「実態調査アンケート」及び「後日アンケート」の流れ

2 検証の対象とした省エネ行動と啓発リーフレット

平成30年度は、引っ越しのタイミングの啓発が効果的であると予想される省エネ行動のうち、以下の4つの項目を設定し、行動科学の要素を入れた啓発リーフレットを作成しました。

  ・LED照明への交換
  ・冷蔵庫の設定温度調節
  ・節水シャワーヘッドの取付け
  ・電気の切替え
行動科学の要素を入れた省エネ行動を促す啓発リーフレット1


また、令和元年度は、前年度に一定の効果が認められた2つの項目に加え、広く省エネ型ライフスタイルへの転換を促すという観点から、新たに2つの項目を設定しました。
  
  ・LED照明に交換
  ・電気の切り替え
  ・おでかけ・通勤は電車・バスで
  ・宅配事業者のウェブサービスに登録(再配達削減) 


リーフレット2

3 主な結果

 (1)実態調査アンケート

  ・転入・転居者と在住者の省エネ行動の実態を調査したところ、転入・転居時は、「家電(冷蔵庫・洗濯機・照明器具)の買替え」、「電気の切替え」についての関心が高まり行動する傾向にあることが確認されました。(平成30年度)
  ・転入・転居者と在住者のいずれについても、再生可能エネルギーなどエコな電気を選んだ割合は1割未満であること、宅配事業者のウェブサービスに登録している割合は4割未満であることなどが確認されました。(令和元年度)

 (2)後日アンケート

  ・「照明・電球の買替え」、「電気の切替え」については、転入・転居者のほうが省エネ行動の実施率が高くなりました。( 「シャワーヘッドの買替え」 、「冷蔵庫の温度設定」については、統計上の有意差は認められませんでした。)また、特に「照明・電球の買替え」については、啓発リーフレットを配付した場合のほうが省エネ行動の実施率が高くなりました。(平成30年度)
  ・「LED照明に交換」、「宅配事業者のウェブサービス登録」については、転入・転居者のほうが省エネ行動の実施率が高くなりました。(「電気の切り替え」、「おでかけ・通勤は電車・バスで」については、統計上の有意差は認められませんでした。)(令和元年度)


  ⇒転入・転居のタイミングを捉えたナッジを活用した啓発を行うことにより、省エネ行動を効果的に促すことができると考えられます。全国の自治体において応用可能な取組みであり、省エネ行動変容の効果的な促進に広く活用されることが期待されます。


 ※より詳しい結果については、こちらをご覧ください。
  ・転入・転居者への「ナッジ」を活用した啓発による省エネ行動変容の検証について [PDFファイル/484KB](平成30年度)
  ・転入・転居者への「ナッジ」を活用した啓発による省エネ行動変容の検証について [PDFファイル/1.03MB](令和元年度)

4 関連リンク

  大阪府/報道発表資料/転入・転居者への「ナッジ」を活用した啓発による省エネ行動変容の検証について(令和元年9月30日)
  吹田市/ナッジについて
  大阪府地球温暖化防止活動推進センター(一般財団法人大阪府みどり公社)/温暖化に関する調査結果

ナッジを活用した転入・転居者への省エネ行動促進の啓発キャンペーンについて

 ナッジを活用した啓発による府民の省エネ行動の変容を検証する取組みの結果を踏まえ、府内15市町と連携して、引っ越しが最も多くなる時期(3月頃から4月頃まで)に転入・転居窓口において、啓発リーフレットを配付するキャンペーンを実施しました。

 ○実施市町(15市町)
  大阪市(中央区、淀川区)、豊中市、池田市、枚方市、八尾市、寝屋川市、柏原市、門真市、摂津市、藤井寺市、泉南市、阪南市島本町、熊取町、太子町

 ○作成部数
  計15,500部

 ○啓発リーフレット
  これまでの検証で啓発した項目及び各市町で啓発したい項目の組合せにより、ナッジを活用した4パターンの啓発リーフレットを作成しました。

 <表紙・裏表紙>
 表紙
 
 <パターン1>                           <パターン2>
 LED照明への交換/節水シャワーヘッドの取付け      LED照明への交換/節水シャワーヘッドの取付け
 冷蔵庫の設定温度調節/電気の切替え           冷蔵庫の設定温度調節/冷蔵庫の買い替え
 pattern1         パターン2

 <パターン3>                           <パターン4>
 LED照明への交換/節水シャワーヘッドの取付け      LED照明への交換/節水シャワーヘッドの取付け
 エアコンの設定温度調節/電気の切替え           冷蔵庫の買い替え/電気の切替え
 パターン3        パターン4


 

このページの作成所属
環境農林水産部 エネルギー政策課 企画推進グループ

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