第5回 大阪府広域自治制度に関する研究会 資料1

更新日:2016年8月17日

大阪府広域自治制度に関する研究会
第4回会合(H19.12.27) 論点整理

1.道州制下における大都市制度について

≫ 基本となる考え方

  • 初期値を超えるサービスは、住民が増税の是非を判断し、自らの負担で実施することが基本。
    大都市が
    担う事務の範囲についても、まず大都市自らの決定と負担があり、それに対して道州は関与も支援もしないことが基本ではないか。
  • 通常、道州の権限とされるものについても、大都市が担うことができるとするものについては、大都市が実施することとすべきではないか。
  • 道州間で競争が展開されると予測されるのであれば、資源の効率的な活用を図るためにも、やはり道州と大都市との役割分担を調整する仕組みは必要なのではないか。
  • 道州制下における大都市制度について、全国一律の制度として作る必要はない。
⇒ 大都市自らの意思と責任で担うと判断した事務については、大都市に委ねることが基本となる。

≫ 何が課題となるのか=道州と大都市との間の役割分担

  • 5大市の時代と比べ、大都市圏は格段に広がり連たんしている。
    ところが大都市や周辺都市の行政区域
    は旧来のままである。
  • 役割分担に係る課題は2つのものに整理できるのではないか。
    (1)大都市を超える行政課題にどう対応す
    るか。
     例えば都市交通のようなものは、大都市、周辺都市、道州が加わった独立の事業体に切り離すこと
    で、効率的な事業実施が可能となるのではないか。
    (2)道州が圏域全体のバランスやネットワークを考えて
    作成する計画・戦略と、大都市が自らの振興のために行う社会基盤や施設の整備をどう整合させるか。
     こ
    れは両者の間に調整システムを設ける必要がある。
  • 規模・政策ともに近い大阪府と大阪市のあり方と、大阪府に比しはるかに大きな人口と面積をもつ関西州と大阪市のあり方は、かなり違うと考えた方がよいのではないか。
  • 農村的な地域も抱える関西州が全体のネットワークを考え、圏域全体の拠点として大都市に投資を行う場合は、単純に大都市自治体との「二重投資」とはならず、大都市の中枢機能を共同して促進するという側面もあるのではないか。
⇒ 大都市の自立的・自主的な施策展開を尊重しつつ、
(1)港湾や道路、空港など圏域全体に影響を及ぼす基
盤的な施設整備のような部分については、独立の事業体のような形で一体的管理をめざし、
(2)計画・戦略
的な部分については、道州と大都市との整合性を図っていく仕組みが必要である。

≫ 道州の戦略と大都市の施策をどのようにして整合させるのか

  • 大都市が中枢機能を発揮し、道州全体の経済を牽引していくためには、その特性や個性が尊重されなければならず、その施策を枠付けることには自制的であるべき。
    但し、道州全体の資源配分や大都市圏以外
    の住民・地域とのバランス、全体のネットワークとの整合性は図る必要がある。
  • 中央政府との関係で、地域開発的な企画立案機能を道州が有することは肝要。
  • 道州と大都市がそれぞれの戦略を持ち寄って協議をする、あるいはそれぞれの戦略の策定過程に参画するというような形が考えられるのではないか。
  • 課税自主権があり、また情報も十分公開されているなら、住民の監視が無駄な二重行政を抑止すると期待できるのではないか。
⇒ 道州と大都市間の協議、双方の戦略策定にお互いが参画するような仕組みが考えられる。

≫ 地域的な拠点都市との関係

  • 京阪神のような都市的な中核地域との関係のほかに、日本海や太平洋沿岸部の拠点的な都市(例:豊岡、福知山、彦根)との関係を考える必要があるのではないか。
  • 大都市及び大都市近郊と、農山漁村地域との調和をいかに保ち全体の発展を促すのかが、道州の重要な役割ではないか。
  • 大阪府には過疎地がないという「特殊性」を認識すべき。道州になったときに、大都市と中山間地域の両方を抱え込み、広域的な視点で政策展開を行う必要があるという難しさをよく自覚する必要がある。
  • 道州単位の戦略や企画は道州の重要な機能だが、現実に各地域でどのような政策を選択するかは、地域の自主的な判断による。それは中山間地域でも同じ。
⇒ 拠点都市とその周辺地域を含めた地域戦略の策定に、道州が参画していくスキームを考える必要があるのではないか。

2.道州制の執行機関・議会について

≫ 基本的考え方

  • 道州を憲法上の普通地方公共団体とするかどうかという点については議論があるが、自治権を制度的に保障する観点から、憲法上の団体と捉えるべき。
  • 連邦制として道州制を考えると、主権は国を構成する道州に残り、国会が国権の最高機関と位置づけられなくなるなど憲法改正が必要となる。
    当研究会は、現行憲法の解釈と法改正で可能な範囲で道州制の検
    討を進めることにしたい。
  • 憲法93条が二元代表性までを求めているかという点については議論がある。
  • 州毎に制度が異なるということも可能。
    例えば、選挙を行うことのみを条件とすることも考えられる。
  • 選挙で選ばれた代表機関、正当性をもった政治的な決定機関は不可欠。
  • 道州の意思形成過程への様々な市民参加、市町村参加の方法を確保しつつ、政策決定や政治決断をきちんと行える仕組みが必要である。

≫ 選挙制度

  • 道州レベルになると、地元の利益にとらわれず、政策的な展望をもって多数派を形成する政党が政策を運営する仕組みが必要。
  • マニュフェストを通じた政党選挙を行い、道州単位でバランスよく意見を反映し、政策として実行していける制度が良いのではないか。
  • 首長制ではなく、比例代表制による選挙を通じ、実質として議院内閣制に近い行政運営が可能となる制度が望ましい。
⇒ 現行の二元代表性よりは、比例代表制による政党選挙を通じ、議会委員会制や議員内閣制のような仕組みが検討されることが望ましいのではないか。

このページの作成所属
政策企画部 企画室連携課 連携グループ

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