「大阪府学校支援地域本部事業」調査

更新日:2016年7月8日

 「大阪府学校支援地域本部事業」調査

 

1.調査の目的

  「学校支援地域本部」の実態や課題等を把握するとともに、今後の「学校支援地域本部」の推進に寄与することを目的とした。

 なお、別途文部科学省が、株式会社三菱総合研究所に委託し「平成21年度学校支援地域本部事業に関するアンケート」を実施しているため、文部科学省の調査項目と重複しない設問で調査を実施した。

 

2.調査対象

  平成21年度「大阪府学校支援地域本部事業」を実施している市町村立学校を対象にして、校長、学校支援コーディネーター、学校支援ボランティアに質問紙形式による調査を実施した。

なお、学校支援ボランティアについては、活動領域別(読書、安全、環境、学習、その他)に中学校区ごとに各1名の回答を求めた。

 

図表1 平成21年度大阪府「学校支援地域本部事業」実施市町村数、箇所数、校数

 

市町村

本部

 

小学校

中学校

他 

実施箇所計

委託事業

41

229

 

473

218

42

733

補助事業

10

32

 

69

29

5

103

41

261

 

542

247

47

836

 

回答市町村:41

回答数

  校長:458

  学校支援コーディネーター:467

  学校支援ボランティア:690

 

3.調査期間

  平成21年12月25日から平成22年1月29日

 

4.調査の方法

  下記質問項目を対象ごとに質問紙による調査を実施した。

 

   校長対象調査 全設問記述式

1.事業を実施するにあたって、行政に求める支援策についてお答えください。

2.継続的な学校支援活動の仕組みを構築するために必要なことをお答えください。

3.本事業についての教職員の意識・現状と、その向上に向けて工夫されている点についてお答えください。

 

□コーディネーター対象調査

1.主な活動拠点についてあてはまるものを選択してください。 選択式

2.属性について、あてはまるものを選択してください。 選択式 

   謝金の有無

3.学校支援コーディネーターになった経緯について、あてはまるものを選択してください。 選択式

4.実際に活動されていて、困っていることがあればお答えください。 記述式

5.事務局拠点の有無について、あてはまるものを選択してください。 選択式

6.事務局機能を担うための備品について現在あるものをすべて選択してください。 選択式

 

ボランティア対象調査

1.活動領域について、あてはまるものを選択してください。 選択式

2.主な活動校種について、あてはまるものを選択してください。 選択式

3.属性について、あてはまるものを選択してください。 選択式

4.活動頻度について、あてはまるものを選択してください。 選択式

5.学校支援ボランティアになった経緯について、あてはまるものを選択してください。 選択式

6.打ち合わせ、情報交換の場所の有無についてあてはまるものを選択してください。選択式

7.活動の中で一番やりがいを感じるのはどのような時ですか。 記述式

8.今後取り組みたい活動についてお答えください。 記述式

  

5.結果

1. 事業を実施するにあたって、行政に求める支援策についてお答えください。(校長)

図表2 行政に求める支援策

画像です。図表2 行政に求める支援策 

 校長に対し、事業を実施するにあたって、行政に求める支援策について自由記述形式による調査を実施した。

 記述があった473の回答から597の内容を抽出し、10以上同回答のあった11項目に分類したところ、予算の増額、継続、弾力的な運用(208)、コーディネーター・ボランティアに対する謝金の支出(71)、コーディネーター・ボランティア人材の確保・拡充(58)、広報、啓発、情報提供(39)、活動拠点の整備(23)、人材バンク、ボランティアリスト等の充実(21)、迅速な予算の配当(17)、研修の充実、スキルアップ(14)、書類の簡素化(14)、すこやかネット等他類似事業との整理(13)であった。またその他の記述は119あった。

(図表2)

代表的な記述・記述数

【予算の増額、継続、弾力的な運用】  208 

     各学校支援地域本部により事業が異なるので、予算についても各学校支援地域本部が弾力的運用ができるよう配慮いただきたい。

     本事業は、「学校の応援組織」として意義のあるものであり、学校としては大変ありがたいものだと感じているが、文部科学省の3年間の限定事業であり、期限が終わったときのことを考えると事業を大胆に展開することができないので、ぜひ継続していただきたい。

     学校の授業に地域の人材を活用し、効果を出しています。特に、飼育、栽培活動、芝生のメンテナンスなどに効果を挙げています。是非、予算の継続を希望します。

     地域と協働の事業については、立ち上げ期間(3年程度)の財政的支援はあるが、それが経過すると補助などが打ち切られることが多い。そのことで外部人材との協力関係にひびが入る面もあるので、学校の責任者としてはどうしても多くの人に協力を呼びかけることに躊躇してしまう面がある。継続的な支援を約束して事業を開始してほしい。

     学校支援地域本部事業があることで校区の活動が豊富になり大変有効です。できる限り長くこの事業が続くよう願っています。 

【コーディネーター・ボランティアに対する謝金の支出】   71

     地域住民に学校支援をしていただくには、住民と学校をつなぐコーディネーター役が不可欠である。コーディネーターの活動内容は多岐にわたり、活動時間も多い。無償ボランティアでは、到底担えない役割である。そこで、将来的にコーディネーターの謝金を予算化してほしい。

     地域の方や学生ボランティアの働きぶりには頭が下がる思いである。本来的にはボランティアは無償と考えられるが、その働きを見せてもらうにつけ、現在の無償ボランティアでなく、有償ボランティアにならないものかと思うところが大きい。

【コーディネーター・ボランティア人材の確保・拡充】   58

     放課後学習を実施する上での学生ボランティアの確保に向けた支援(参加すれば大学の単位取得の時間に入れるなどの方策)。

     「地域につくられた学校の応援団」としての取り組みは、地域の方々の協力でさまざま実施しているが、人材の不足は否めない。学校での人材発掘には限界があり、行政の方でも各地域の人材確保に力をお貸しいただくとありがたい。   

     地域にもっとアピールできるよう、パンフレットやちらし等、町会への全戸配布ができるとよい。 

 【広報、啓発、情報提供】   39

     今でもしていただいておりますが、府内各校区の取組み事例や進ちょく状況などの情報提供がより多くあればありがたいです。

     特色ある取組みももちろんですが、どの学校でも取り組めて学校支援になる取組み事例を「事例集」として発行願いたい。

     事業に関する広報活動を、市政だより等で展開していただきたいです。

     府内の様々な校区の取組みや、効果がある行政支援についての情報を提供していただけるとありがたい

【活動拠点の整備】   23

     地域のみんなが気軽に集う部屋が必要だと考えます。学校として施設面について工夫が必要です。

     学校と地域の人たちが自由にコミュニケーションをとったり、活動できる場所や事務局の設置(いつでも使用可能な場所)

 【人材バンク、ボランティアリスト等の充実】 21

     支援本部が中心に学習支援をはじめ、クラブ活動支援や地域環境整備などの事業を推進

していく上で人的資源の確保が重要となってくる。地域の人材情報を幅広く把握している学校支援コーディネーターならば問題ないが、すべてのコーディネーターがそうではない。行政として人材バンクの充実・整備と配置に至るまで各地域本部と連携することが重要である。

     市単位でも、組織的に学校ボランティアの人材確保に取り組んでいただき情報提供していただきたい。

【迅速な予算の配当】  17

     予算の執行について、事業開始直後からお金が必要となるので早めに使えるようにしていただきたい。特に、コーディネーターの謝金については、出来るだけ遅れずに支払いができるように配慮願いたい。

     予算執行が遅く、期間が限定されてくる。そのため、人材活用しにくいところがある。 

【研修の充実、スキルアップ】  14

     学校支援地域本部事業を推進していく上で、学校支援コーディネーターの資質向上が重要であると思う。今後、コーディネーターの仕事の可能性についての研修や他校区の取組みの交流を定期的に行えるようにする場の設定を求める。

     学校支援ボランティアの方々に対する研修(子どもとのかかわり方)をしていただくことも大切ではないかと考えます。

     学校長を対象とした研修会・連絡会の実施。   

【書類の簡素化】  14

     現行の煩雑な事務処理を必要な限り簡略化し、事務局校の負担軽減を考えていただきたい。

     提出文書の簡素化をお願いしたい。実務が煩雑になりかえって教員(教頭)の仕事量が増えてしまう可能性がある。

【すこやかネット等他類似事業との整理】  13

     類似事業の整理・統合をすすめてほしい。

     既存の「PTA」「地域教育協議会」がある中で、新たに「学校支援地域本部」が組織されようとしているが、目的や活動、効果においてこれまでと差はなく、事務局とされる学校の事務量等だけが増えているのが現状である。今後、これらの組織を有機的に接続して運営していくためには、社会教育行政が、事務局の中心を担って組織の運営をしてもらいたい。

【その他の記述】  119

     社会教育と学校教育の密接な連携が求められるので、行政内部で、縦割り主義にならないように学校を支援していく体制の確立をお願いしたいと思います。

     組織として機能したので、もうしばらくは財政的な支援を講じながら、各地区との交流を活発にする会合が必要である。

     今年度は、この事業を含め市町村支援プロジェクトなど数多くの支援をいただいていますが、それぞれで縦割り的に支援していただくのは、制限が多く、小間切れになるので、全部をまとめ総合的に支援していただくともっと使い勝手がよくなるのですが。

     行政としてのアピール・説明をもっとしていただきたい。地域の人たちの応援隊は、非常に多くありがたいと思っています。

     地域とのパイプ役として教員が専任でいれば地域力は確実に入ると思う。地域との連携

を専門に行う教員の配置を考えてほしい。地域コーディネーターという方向性もあるが、学校の中できちんと位置づける方が組織がしっかりすると思われる。

     活動領域に応じた講師や助言者の紹介と派遣:例えば、学校の図書室を拠点とした「読み聞かせ活動」を取り組みたいと思っても、具体的な方法や、準備物、担当者に必要な資質、他の地域での先進的な取組みの情報などが分からない場合が多い。活動に必要な助言や情報を得られるデータベースのようなものを整備していただけるとありがたい。

     昨年度にできた事業なので、正直なところ教職員の意識レベルはまだまだ低い。そのため府の教育委員会が出しているリーフレット等をもとに情報を提供したり、学校支援コーディネーターにこまめに学校に顔を出すよう依頼している段階である。 

 2. 継続的な学校支援活動の仕組みを構築するために必要なことをお答えください。(校長)

図表3 継続的な学校支援活動の仕組みの構築

 画像です。図表3 継続的な学校支援活動の仕組みの構築

 校長に対し、継続的な学校支援活動の仕組みを構築するために必要なことについて自由記述形式による調査を実施した。

 記述があった470の回答から703の内容を抽出し、10以上同回答のあった6項目に分類したところ、人材に関する記述(254)、予算に関する記述(182)しくみに関する記述(108)、活動拠点に関する記述(23)事務作業の簡素化に関する記述(15)であった。またその他の記述は121あった。

(図表3)

代表的な記述・記述数

【人材に関する記述】  254 

       地域と学校を結びつける働きを担うコーディネーターの存在が非常に大きい。適任者がコーディネーターになると、地域による学校支援の活動が発展する。

       活動を継続させるには、事務局となる学校からの仕掛けが重大でそこには学校支援コーディネーターの役割がキーポイントとなる。学校支援コーディネーターが、地域への発信や学生ボランティアとの連携役になっていただく働きが特に必要な点である。

       事業の意義を理解し活動に参加できる人材を確保すること。

       教育実習の受け入れは毎年多いが、学生ボランティアではあまり参加が積極的でない。学生ボランティアの人材確保が必要に思う。

       元教師など学校事情を理解した人材が必要だと考えている。学校の事情をあまり理解していない人が主観的に活動することで逆にその調整に手間取り、学校の負担となることが考えられる。

【予算に関する記述】   182

     必要経費が人件費、消耗品などを問わず支出されること。

       予算規模を小さくしても継続できる体制をつくっていかねばならない。

       予算の使い方を組織に委譲してほしい。制限が多すぎるのではないかと感じる。

       学校支援にかかわる活動を支援してきた予算の継続が必要である。 

       継続的な、財政面での支援が必要であると考える。有償ボランティアではないが、必要経費や1日の支援の場合、食費や場所を変えての、例えば遠足での支援の場合、旅費について担保できることが望まれる。

【しくみに関する記述】   108

     コーディネーターを軸に、継続的に相談・協議ができる「事務局体制」を確立することがもっとも重要であると思う。コーディネーター・ボランティア等の継続的な人員の確保がどれだけできるか。

     中学校区でいえば、これまでの「すこやかネット」との関係が未整理のままスタートしている。「すこやかネット」と「学校支援地域本部」の違いについて、理屈では理解していても、実際には、なかなかうまくすすめられない。事務局の多忙感が増しているのが現状。もう少し、時間をかけてでも関係者の中で話し合い、整理していく必要がある。

     学校園の教育方針を、広く保護者・地域に公開し、理解を得て、今以上に地域の園児・児童・生徒に対して、興味・関心を持っていただくことが重要であると考える。地域の学校が今、どのような状況で、保護者・地域に対してどのようなことを求めているか、また逆に、保護者・地域が学校園に対してどのようなことを求め、協力できるのかがもっと具体に分かり合えないと、継続的な協力関係は維持しにくいと考える。

     PTA・地域との強固な連携及び信頼関係をしっかりと構築しなければならないと思っています。 

【活動拠点の整備】   23

     10年、20年と本事業が継続されるものであるなら、ボランティアの方々のための居場所整備(空き教室の活用)予算がのぞまれる。当初3年をめどとしての事業であったことから、一時的な事業ととらえている方も多い。

     学校の中に「学校支援地域本部」という教室が確保できることが望ましい。そしてボランティアの方々の交流の場、憩いの場となれば、学校への支援の意味も高まるだろう。そこで支援できる内容や支援できる地域の人が把握されていて、学校が支援してほしい内容とすり合わせしながら、支援活動を行っていく。学校も地域の人も互いに元気になっていく過程の中で、継続していくことの重要性が納得されていくと思う。

【事務作業の簡素化に関する記述】 15

     予算執行書類が大変ややこしいので簡単になることを願います。

     コーディネーターになる方がいない(書類など煩雑なため)ので困っています。

【その他の記述】  121

     学校をよく知ってもらう働きかけが必要だと考えます。課題の共有化、あるいは違う視点からの見方が大いに役立つことになり、支援活動の幅や奥行きが出ると思います。改まった会議も必要ですが、「こんなことどうだろうか?」といった意見が自由に出せる場を設けることも重要だと考えます。良いアイデアがやりがいにつながることとなる事例はたくさん聞きます。本校も地道な取組みを重ねていきたいと思っています。

     あまり欲張らないで、地域に根ざした学校の現状に合った支援活動として内容や数を絞る。広げすぎると、結局何をしているのかわかりにくくる。

     まず、学校の教職員の意識改革からしなければならないと考えています。地域の人と教師が子どもたちを育てていくという認識をまず、教師が持たなければいけません。

     学校の教職員一人一人がこの事業の内容について一層理解を深め、協力体制を確立する必要がある。

     学校に事務局がおかれ、校長や教頭がそのために時間を割かれるというのは本末転倒ではないのか。地域本部というなら、地域主体で運営していかなければ、本当の協力体制というものは出来上がっていかないと思う。

3.本事業についての教職員の意識・現状と、その向上に向けて工夫されている点についてお答えください。(校長)

  校長に対し、教職員の意識・現状と、その向上に向けて工夫している点について自由記述形式による調査を実施し、回答があった442の文章から内容を抽出した。

図表4 教職員の意識

 画像です。図表4 教職員の意識 

 記述の中から教職員の意識について触れている回答は220あり、内115は教職員の意識が高い、あるいは高まる傾向にある、105は意識が低いと回答した。なお、意識について直接触れていない回答は222あった。

(図表4)

 

代表的な記述・記述数

【取組みの周知に関する記述】  53 

     月間の実施日について周知徹底している。学校便りの行事予定表に実施日を表記している。学年の担当者を明確に位置づけ、必ず参加するようにしている。

     校内に「学校支援コーディネーター」掲示コーナーを設け、啓発している。

     本事業が教職員の本来の仕事に、大いに役立ち助かっているということを理解しもらえるよう、朝の職員朝礼で報告したり、プリントで周知している。

【会議等による情報の共有に関する記述】   54

     支援してもらっている取組みについて、情報の共有、課題や配慮事項等、職員間で話題としていく。

     専門的な知識・技能を持つ地域の方と教職員が、事前に同じ教育的価値を共有しておくことが必要であり、可能な限りそのための打ち合わせの機会を持つようにしている。

     コーディネーターの調整により、ボランティアと教職員の打ち合わせや交流をし、本事業に対する理解を深めている。

【地域活動への教職員の参加促進に関する記述】   40

     地域活動への教職員の積極的な参加により、地域の方との交流、連携が進んでいる。子どもとともに活動する行事には教職員も参加しやすい。

     本事業の取り組みにできる限りの参加を呼びかけ、意識を高めていく。本校の教職員は、意識を持って、自主的に多くの取り組みに参加している。

     校長が率先垂範して地域活動に参加して、その様子を伝達しようと心がけている。

【地域連携担当教員を校務分掌に位置づけに関する記述】   22

     校務分掌に「地域連携担当」を位置づけ、地域との円滑な意思疎通を図っている。教職員の側からも地域行事などへ積極的に参加し、信頼関係を深めるよう促している。

     校務分掌の一環として、地域連携担当を配置しており、その担当が核となって、学校支援コーディネーターと連携しての活動に取り組み、教職員にも周知、啓発している。そのことによって、教職員の意識の向上、協力・支援体制が構築されつつある。

     地域教育協議会の会議や取組みに若い教員を地域連携担当として参加させ、参画意識の醸成を図っている。

【その他の記述】  159

     地域連携・小中連携の名を借りて、特に教職経験年数の少ない(若い)教員を中心に声かけをして協力をしてもらい意識の向上になるよう心がけている。

     地域のコアとなっている指導的立場の地域人材と職場でふれあう機会を多くもてるように意識している。

     事業への理解は、どのように子どもたちに還元されるか、どのような形で子どもたちの変容となって現れるかが鍵となろう。数値的な結果でなくても、笑顔や意欲の向上といった形で現れる事が教職員への意識を高めることにもなる。 

     学校・地域のそれぞれの事情に精通した元教員が、コーディネータをしており、主体的創造的に仕事を進めていただいている。

     特別支援教育としての課題について、この事業を中心に実施させてもらえたことで、小中連携、学社協働ということを、地域も考えてくれていることに教職員は気づくことができた。  

     教職員との共通認識と意思の疎通を図った。特に共通認識を図ったのは、地域・保護者・学生などの外部人材が中心になって活動を進めるが、教職員が第三者的な立場にならず、感謝の意を持って協力を惜しまないことを確認しあった。

4. 実際に活動されていて、困っていることがあればお答えください。

(コーディネーター)

図表6 困っていること

 画像です。図表6 困っていること 

 実際にコーディネーターとして活動して困っていることを、自由記述形式により調査した。

記述があった311の回答から322の内容を抽出し、10以上同回答のあった5区分に分類したところ、地域対応:主に人材確保、ボランティア対応(105)、学校・教職員対応に関する記述(41)、コーディネーター自身:主に時間確保に関する記述(42)、制度:予算、事務等に関する記述(55)、活動拠点に関する記述(14)、その他(65)であった。また、図表6には反映していないが、無記入126、特になしと回答した数は167あった。 

(図表6)

代表的な記述・記述数

【地域人材:主に人材確保、ボランティア対応に関する記述】 105

     平日昼間の活動が中心なので、ボランティア(特に男性)の確保が難しい。

     ボランティア間の意思疎通をはかることに手間取り、なかなか支援本部が形を成さない。

     環境面については地域の協力はあるが、その他の図書及び学習ボランティアについては、なかなか申し込み参加がない。

     地域から学校を支援することの必要性をなかなか理解してもらえない。

     ボランティアの方が同じ方ばかりで、なかなか新しくボランティアをして下さる方が見つからない。

【学校、教職員対応に関する記述】 41

     先生方となかなかうまくコミュニケーションがとれない。

     学校支援活動自体、教職員の方々にどれだけ理解してもらえてるのか。

     学校側の対応が非協力的に感じることがある。

【コーディネーター自身:主に時間確保に関する記述】 42

     仕事・家事・PTA活動・コーディネーター活動があり、スケジュール調整が大変である。

     学校と地域を結ぶというコーディネーターとしての役割がなかなか難しいと感じる。地域全体の人のことが、あまりわからない。

     コーディネーターとして学校と地域とのパイプ役として、学校運営に協力したいという思いがあるが、時間のやりくりに苦慮している。 

     仕事を持っているため、会議や学校支援地域本部事業の活動に参加できないことがある。

【制度:予算、事務等に関する記述】 55

     事業費の運用に当たって弾力的な対応をお願いしたい。より地域の実状にあった活動に生かしたい。

     活動費の振り込みが9月に入ってからだったため、年度初めの活動実施に難しい面があった。

     ボランティアの人たちに自分たちがお金を頂いていることが、言い出せなくて、何か心苦しい。

【活動拠点に関する記述】 14

     現在活動拠点がなく、スペース的な関係で職員室にも場所を常に確保しにくい状態である。

     まだ、拠点整備が進んでいないこと。拠点になる中学校に専用の空きスペースがなく、十分な事務処理ができない。

     事務作業を含めて資料整理など事務仕事を行う部屋の整備をしてほしい。

【その他の記述】  65

     色々な個性をもつ子ども達との様々な関わり方や、子ども達とのコミニュケーションをとることなど、一律にはいかないのでもっと勉強していきたいと思う。

     個々のプライバシーに関わる事柄についてはなかなか踏み込んで行きにくい状況がある。

     中学校区での取り組みになると、それぞれの学校の行事をはじめ各地域の取り組みや行事と重なることがあったりして、相談の機会がとりにくい。

【ボランティア、コーディネーターに対する同一質問項目による比較】

属性(コーディネーター質問2)、(ボランティア質問3)比較

図表7 属性比較

  画像です。図表7 属性比較

経緯(コーディネーター質問3)、(ボランティア質問5)比較

 図表8 経緯比較

図8 経緯比較

【ボランティア、コーディネーターに対する類似質問項目による比較】

主な活動拠点(コーディネーター質問1)主な活動校種(ボランティア質問2)比較

図表9 主な活動拠点、活動校種比較

画像です。図表9 主な活動拠点、活動校種比較 

事務局拠点(コーディネーター質問5)情報交換場所(ボランティア質問6)有無 比較

 

図表10 事務局拠点、情報交換場所有無比較

 

画像です。図表10 事務局拠点、情報交換場所有無比較

  

事務局拠点(コーディネーター5)情報交換場所(ボランティア6)場所 比較

 

図表11 事務局拠点、情報交換場所比較

 画像です。図表11 事務局拠点、情報交換場所比較 

【コーディネーターに対する質問項目】

謝金 有無

 

図表12 謝金有無

画像です。図表12 謝金有無

6事務局機能を担うための備品について現在あるものをすべて選択してください。

 

図表13 事務局備品

  画像です。図表13 事務局備品

【ボランティアに対する質問項目】

1 活動領域について、あてはまるものを選択してください。※複数回答可 

図表14 ボランティア活動領域回答数

 画像です。図表14 ボランティア活動領域回答数 

4 活動頻度について、あてはまるものを選択してください。 

図表15 ボランティア活動頻度

画像です。図表15 ボランティア活動頻度

7.活動の中で一番やりがいを感じるのはどのようなときですか。(ボランティア)

図表16 活動の中で一番やりがいを感じるとき

 画像です。図表16 活動の中で一番やりがいを感じるとき

 本部事業にボランティアとして関わって、活動の中で一番やりがいを感じるのはどのようなときか、自由記述形式による調査を実施した。

記述があった648の回答から716の内容を抽出し、子どもとの関わり、学校/教職員との関わり、保護者/地域との関わりの4区分に分類したところ、子どもとの関わり(530)、学校/教職員との関わり(30)、保護者/地域との関わり(25)、自己の達成感(131)であった。

(図表16)

代表的な記述・記述数

【子どもとの関わり】 530

     子どもたちが元気にあいさつしてくれた時。

     子どもたちの笑顔、元気な姿を見たとき。

     子どもたちとコミュニケーションがとれる時。

     子どもたちといろんな会話ができたとき。

     子どもから「ありがとう」といわれたとき。

     子どもたちと一緒に活動する中で、感動している姿に感激する。

     子どもに顔と名前を覚えてもらったとき。

     活動中に子どもたちから声をかけてもらったりする時。

     子どもたちが楽しみにしてくれていて、待ってくれている時。

     子どもたちの中に馴染み、子どもたちから必要とされたとき。

     子どもたちと一緒に花の苗を植える作業をするときが、一番楽しい。

     学習指導している中で、生徒が「わかった!」と言ってくれた時。

【学校/教職員との関わり】 30

     先生方に必要とされたとき。

     先生たちとのつながりを実感することが出来たとき。

     先生方が「ありがとうございます」「お疲れ様です」など声をかけてくれるとき。

     先生方にも認知して頂ける様になってきたのもはげみになります。

     教員の方から、「図書室が美しくなった」「図書室が活用しやすくなった」等の声が聞けたとき。

     先生方やPTAのみんなと考えて作ってものや作品など、喜んでもらえたり、ねぎらいの言葉をかけてもらったときの嬉しさ。そんなときは頑張ってやってよかったと思う。

【保護者/地域との関わり】 25

     保護者や地域の人々と協力して行事を実施したとき。

     保護者が活動に対して理解してくれたとき。

     行事の準備を進めていく中で地域の人と交流していくとき。

     近所の子どもたちのことがよく分かり、地域でも子どもを通して、同世代のつながりができてきたときです。清掃活動は、校区で取り組みを進めているので、校区の連帯感が深まり自然と声かけができるようになっていくとき。 

【自己の達成感】 131

     子どもたちのためになっていると思うこと。

     「きれいな学校ですね」という来校者等からの感想を聞いたとき。

     専門的知識を児童に伝えることができて充実感があった。

     植えた草花が、花咲かせ、学校をキレイに見せていると思える時。

     学校行事が安全に事故なく終われたとき。

     思ったように整美ができたとき。

     図書の整理を通して、学校の役に立っていると思うとき。

     自分に会いに図書室に勉強しに来てくれる。

     参加者が多く、講演内容がよかったと喜んでもらったとき。

     支援ボランティア同士の一体感を感じた時。

     広報のための文書や新聞、ポスター等が完成した時。

     生徒の役に立っていると感じる時、生徒が必要としている人間であることを感じる時。

     全ての活動が、将来の自分へとつながっていくことになるので、どの活動中もやりがいを感じました。

     自分のしている事で、子どもに何かを教えることができると感じたとき。

 

8.今後取り組みたい活動についてお答えください。(ボランティア)

図表17 今後取り組みたい活動

 画像です。図表17 今後取り組みたい活動

 

 本部事業のボランティア活動で、今後取り組みたい活動について自由記述形式による調査を実施した。

 記述があった444から463の内容を抽出し、読み聞かせ・読書活動支援・図書室整備、学習支援、校内環境整備、子どもの安全確保、部活動指導、学校行事等の運営支援の6区分に分類したところ、読み聞かせ・読書活動支援・図書室整備(76)、学習支援(67)、校内環境整備(52)、子どもの安全確保(27)、部活動指導(17)、学校行事等の運営支援(11)であった。

 また、6区分にあてはまらないその他の記述が約半数(213)あり、図表17には反映していないが無記入、特に無しが250あった。

(図表17)

代表的な記述・記述数

【読み聞かせ・読書活動支援・図書室整備】 76 

     毎日15分間のような形の朝読書の推進、物語(長編の読み物)などの継続した読み聞かせ。

     地域の文化活動の拠点としての図書室の一般開放。

     多くの児童と多くの場所で本(絵本)を通しての交流をもっと広げたい。

     図書室開放のお手伝いができたらいいなと思います。

     本の並び替えや整備を充実させ、わかりやすい図書室にしたいです。

【学習支援】  67

     勉強につまづいている子どもの援助がしたいです。

     先生との話し合いで授業を組み立てているが、先生方から新しい取り組みを提示していただければ取り組みたい。

     英語が得意なので、英語を使って授業をしたい。

     個別指導だけでなく系統立てた学習会の開催。

     学習支援と、不登校支援です。

【校内環境整備】  52

     環境緑化活動を通じて、学校に協力したい。

     作業にとどまらず、子どもたちとともに環境整備を考えていきたい。

     子どもたちも関心が持てるような季節の花や緑を校庭に増やしたい。

     長続きする環境ボランティア組織の維持。 

【子どもの安全確保】  27

     子どもの登下校の安全をこれからも見守っていきたい。

     安全を見守る人たちのつながりができるといいと思う。

【部活動指導】  17

     部活動のコーチをしてみたい。

     クラブの時間にもお手伝いをしていきたい。

【学校行事等の運営支援】  11

     学校と連携し、多くの取り組みを計画・実践したい。

【その他の記述】  213

     高齢者、保護者、子どもの三世代が共に楽しめるような活動。

     自分の子がいない空間で第三者的立場として子どもたちに接してみる。

     子どもたちが地域の若者リーダーとして育ってくれるような活動にしたい。

     教職員、PTA、地域の合同会議を行いたい。

     体験的な活動への支援。郷土学習への支援。

     体が続く限り取組みを続けたい。

     支援活動をすることによって、親を大切にし、学校や先生を尊敬する心を無理なく健やかに育てる活動をみんなで進めていきたい。

     学校に役立つことがあったら何でもできることがあればお手伝いしたい。

     あまり活動をすると負担感が出てくるので今ある活動を広げるようにしていきたい。

     もっと、生徒との距離を縮めたい。生徒が抱えている悩みや不安に寄り添って、一緒に乗り越えていきたい。

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このページの作成所属
教育庁 市町村教育室地域教育振興課 地域連携グループ

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