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更新日:2013年1月17日

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平成26年度 教育コミュニティづくり実践交流会

平成26年度 教育コミュニティづくり実践交流会を実施しました。

ポイント

実演ブースの様子 実践報告の様子 パネルディスカッションの様子

  • 実演ブースにおいて、地域の方々、さまさまな団体による特色ある取組み「匠の技」を披露
  • 各地域からの実践報告
  • 吹田市立千里丘中学校ブロック山田第二小学校・東山田小学校「土曜スクールこども能教室」の子ども達による、能の「謡(うたい)」の実演
  • 「大阪の教育コミュニティづくりをふりかえり、これからを考える」をテーマとしたパネルディスカッション

1.日時・会場等

平成27年2月28日(土曜日) 13時15分から16時30分 ドーンセンター 7階 ホール 288名参加
実演ブースは、12時30分から13時15分と休憩時間(14時50分から15時10分)に実施

2.実践交流会の様子

ビデオメッセージ

教育コミュニティづくり15周年を記念して、大阪大学大学院教授 渥美 公秀(あつみ ともひで)さんにより、ビデオメッセージをいただいました。渥美さんは、これまで大阪府社会教育委員、大阪府教育コミュニティづくり推進懇談会座長を務めていただくなど、教育コミュニティづくりに長く、また深く関わっておられることから、今回、メッセージをいただいたものです。現在は、ボランティアを含む災害救援システムの研究で、岩手県で活動されています。

ビデオメッセージの様子

実践報告

テーマ 「大阪市立天満中学校区『学校元気アップ地域本部』の取組み」
報告者 大阪市立天満中学校 副校長 生駒 荘太郎

天満中学校報告の様子

  • 家庭や地域の教育力を活かして学校教育を支援する組織的な連携を目的として、平成21年に天満中学校区の元気アップ事業が始まりました。主な事業内容は、放課後学習会や土曜学習会等の自主学習支援、英検、コンサートの夕べ、乳幼児ふれあい教室等、部活動支援等です。
  • 放課後や土曜の学習会では、学校職員と地域・保護者、学生ボランティアが協力して行っています。特徴としては、毎回、スタッフ全体で反省会をもっていることです。子どもの様子についての情報交換や、教員志望の学生へのアドバイスなど、それぞれにとって貴重な時間となっています。また、生徒とボランティアのために、保護者、地域、学校が昼食を用意し、みんなで食べる機会も設けています。
  • 成果としては生徒の学習習慣の定着やコミュニケーション能力の育成が図れることと、保護者が授業参観や体育大会などの学校行事に参加する割合が高くなったことです。
  • 地域コーディネーターには、学校のニーズを理解し、それを「支援する・補強する」立場で関わり、地域と学校の橋渡し役をお願いしています。

テーマ 「堺・地域コミュニティ学校推進事業」の取組み -地域活動の活性化で学校を支える基盤を肥やすー
報告者 堺市立登美丘西小学校 地域コーディネーター 玉村 徹

登美丘西小学校報告の様子

  • 堺地域コミュニティ学校推進事業をうけ、「登西協働委員会」がいわゆる学校支援地域本部としての役割をはたしています。3人のコーディネーターが、それぞれ学校の教育活動へのサポートの調整役、中学校区の地域コーディネーターなど異なった役割を果たしています。
  • 学校からの要請を受けて地域コーディネーターがお手伝いできる人に声をかけ、学校の教育活動をサポートしています。園芸ボランティア、登下校見守りボランティア、学習サポーター、読み聞かせボランティアなどの団体の連絡や調整もしております。
  • 地域では、東日本大震災を契機に防災に対する機運が高まり、防災マップ作りを行いました。地域の防災活動の高まりに合わせて、学校との連携から子どもたちにも防災についての学習を働きかけ、地域に学び、地域に発信する、地域に根付いた学習を生み出しています。
  • 学校は、これからますます地域に教材を求め、地域に働きかける学習をしようと取り組んでいます。地域として、その動きに合わせ、学校の教育活動を支援できるよう、人と人とのつながりを広げ、強くしていきたいと考えています。

テーマ 「吹田市立千里丘中学校ブロック地域教育協議会 土曜スクール・山田第二小学校太陽の広場の取り組み」
報告者 吹田市立千里丘中学校ブロック地域教育協議会 地域コーディネーター 押谷 典子

千里丘中学校報告の様子

  • 「土曜スクール」は地域の中に子どもの学びと体験の場を作る目的で平成15年に開講しました。いずれの教室も達成感や仲間意識を育てることを考えて、手芸、演劇、子ども能、大正琴、料理や科学実践など多彩なメニューを開設してきました。準備は大変ですが、スタッフの達成感やつながりが長い間の活動で築かれてきました。
  • 放課後の安全な居場所ということで、「太陽の広場」が始まりました。子どもの中には自分で考えて自主的に遊べない子どもや、大人とかかわることはできるが子ども同士で遊べない子どもがいる中で、スタッフであるフレンドさんたちの試行錯誤の中、地域の各家庭からおもちゃなどを寄付してもらうアイデアが生まれ、学生ボランティアの協力も得ながら、活動を続けています。最近、卒業した子どもたちが遊びに来てくれたり、お手伝いを買って出てくれることがうれしく思います。
  • 活動を継続することで、マンネリ化する心配はありますが、顔見知りのスタッフがいることで、安心して戻ってこれる場でありたいと思っています。「緩く繋がり、暖かい連帯感のある地域」をめざして、これからも活動を継続していきたいと思います。

テーマ 「豊中市の学校での親学習-定時制高校での親学習にかかわってー」
報告者 豊中市地域教育協議会連絡会会長、豊中市親学習リーダー 伴野 多鶴子

豊中市教育委員会 地域教育振興室 社会教育グループ長 久住 浩一

豊中市報告の様子

  • 平成16年度からの大阪府の「親学習リーダー養成講座」を豊中市から8人の地域の方が受講され、現在活躍されています。大阪府の親学習教材「親をまなぶ・親を伝える」を主に活用しています。ちょうどその親学習の紹介を「大阪親学習リーダー連絡協議会」の方がブース展示をされていますので参考にご覧ください。
  • 豊中市の家庭教育支援の取組みとしては、「とよなか地域家庭教育協議会」を開催し、家庭教育や子育てに関係することについて情報交換や意見交換などを行っています。そして、家庭教育にかかる講座・交流会の開催として「明日の親のための講座」と「高校生と乳幼児・保護者との交流会」を行っています。
  • 定時制高校の生徒を対象に行った、教材の中の「卵のワークショップ」の様子では、自分の赤ちゃんにみたてた卵について、「隣の人に預けた時、預かった時、どんな思いだったか。」「手元に戻ってきた時の思いは?」「赤ちゃんに接する時と親や友達に対する時に共通する、大切なものは何か。」といった質問項目に真剣に書き込んでいる姿がみられ、様々な年齢や職業の生徒がいる中で、このワークが親としての責任と自信を育む機会となったことが実感できました。

実演ブース

毎年多くの参加者の方が楽しみにされている実演ブース展示を今年も行いました。開会前と休憩時間に、ホワイエに設置されたブースで、科学実験、工作や手芸、防犯・防災啓発活動、支援学校での地域交流などの特色ある取組みや親学習の取組み等の実演発表・展示を行ったもので、各ブースは大いに盛り上がり、来場者は匠たちの子どもたちを引きつける技に触れて大いに刺激を受けた様子でした。

子ども達への防犯、防災啓発活動(門真市立第二・三中学校区学校支援ボランティア)
防災啓発活動1 防災啓発活動2

木箱で作れるスマートボール(門真はすはな中学校区学校支援地域本部)
スマートボール1 スマートボール2

おもしろ工作教室(東大阪市地域コーディネーター連絡協議会) 
おもしろ工作教室1 おもしろ工作教室2

手芸教室(豊能町立東ときわ台小学校わくわくDoyo)
手芸教室1 手芸教室2

赤中マイスタディの取組み(堺市立赤坂台中学校マイスタディ)
マイスタディ1 マイスタディ2

子ども達が発信する地域図鑑(NPO Zoo Can Dream Project)
地域図鑑1 地域図鑑2

親学習の紹介(Oya・Ren「大阪親学習リーダー連絡協議会」)
親学習1 親学習2

OSAKAきっずなーの紹介(大阪府地域コーディネーター連絡協議会)
きっずなー1 きっずなー2

府立和泉支援学校PTA(大阪府立和泉支援学校)
和泉支援1 和泉支援2

パフォーマンス

吹田市立千里丘中学校ブロック山田第二小学校・東山田小学校「土曜スクールこども能教室」の皆さん
能1 能2 能3 能4

吹田市立千里丘中学校ブロック山田第二小学校・東山田小学校「土曜スクールこども能教室」の子ども達による、能の「謡(うたい)」の実演がありました。
袴姿で凛々しく登場した5人の小学生に、会場の空気も一変。美しい所作で舞台の中央に正座し、朗々と「謡(うたい)」を披露してくれました。
残念ながら、動作をつけた「仕舞(しまい)」はビデオでの披露でしたが、会場からは大きな拍手がわきました。舞台の袖に消えた後も、しばらく余韻が残るパフォーマンスでした。

パネルディスカッション

テーマ 「大阪の教育コミュニティづくりをふりかえり、これからを考える」
コーディネーター 大阪大学大学院 高田一宏准教授

登壇者1 登壇者2
パネルディスカッションでは、大阪大学大学院の高田一宏先生のコーディネートで、「大阪の教育コミュニティづくりをふりかえり、これからを考える」というテーマで、地域のコーディネーターや学校関係者、大阪の教育コミュニティづくりに深く関わり、アドバイスをいただいてきた学識経験者など、様々な立場からの御意見をいただきました。

神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 学術研究員 高尾千秋
  • 現在、神戸大学大学院に所属していますが、大阪府の教育コミュニティづくりとのかかわりは大阪府のコーディネーター養成講座の企画立案・運営に関わったのが始まりで、養成講座終了後、すこやかネットサポートセンターでコーディネーターのフォローアップ研修及び各地のすこやかネットの情報発信を支援してきました。
  • 「学校・家庭・地域の連携」は古くからのテーマであり、教育コミュニティづくりは、このテーマを府県レベルの行政施策として具体化したものであり、そのことが最大の成果であると思います。現在では、大阪の「すこやかネット」の取組みが、学校支援地域本部として全国にも広がっているといえます。
  • 教育コミュニティづくりの継続と充実については、人材開発とその育成に尽きると思います。その中でも、出会いの場を大切にし、居心地のよい場所を提供することがポイントであると思います。
  • キーワードは【DEAIとIDEA(出会いとアイデア)】です。たとえばフェスタなど、お互いが名前を呼び合えるように名札を用意して、出会いを演出することや、楽しい活動にするためにアイデアを出すことが大切だと思います。
彩都の丘学園(箕面市立彩都の丘小・中学校)校長 樋口弘造
  • 「すこやかネットの立ち上げ」期に府教育委員会に在籍し、行政側として関わっていました。現在は箕面市立彩都の丘小中学校長として、教育コミュニティづくりを柱に学校づくり、まちづくりを進めています。
  • 箕面市では小中一貫教育を推進する中で、一層連携が深まってきています。学校の校区は若い町なのでシニア世代が少く、隣の校区からも高齢者の方に協力してもらっています。少ないシニア世代とのつながりも生まれています。
  • 教育コミュニティづくりの意義、ねらいの確認は毎年必要です。これまでもしているから、慣習的に活動しているだけではよくありません。今の課題をふまえながら、意義やねらいの継承も丁寧にする必要があります。
  • 安全・安心を担保しながら開かれた学校づくりを進めることが大事です。元気な学校(子ども)が地域を活性化するという言葉があります。
  • キーワードは【バリアフリーとユニバーサルデザイン】です。バリアフリーは垣根を低くして、お互いに協力し情報・活動内容を共有して、教育コミュニティづくりを活性化していくことです。ユニバーサルデザインとは、様々な立場や年齢の人々誰もが、活動に参加しやすくする仕組みや方法です。それがこれからの地域活動に大切なことだと思います。
大阪市立横堤小学校区教育協議会 はぐくみネットコーディネーター 宮田滿憂美
  • PTA活動が契機となり、大阪市鶴見区横堤小学校区のはぐくみネットコーディネーターをしています。また、大阪市生涯学習推進員としても活動しています。
  • 大阪市生涯学習推進員協議会運営委員などをつとめ、いろいろな研修や各地域の取組みを見る中で、いろいろ勉強になりました
  • 現在の活動を種蒔きと考えています。子ども達が将来大きくなって、ボランティアとして活動してくれることを願っています。また、子どもを通じて保護者や地域の人たちを巻き込み、活動を活性化させる狙いもあります。
  • キーワードは【居場所づくり】です。誰もが自分が必要とされているということを実感できる居場所が必要です。たとえば、高齢者の方が、昔遊びを子どもたちに教える活動などで喜びを感じ、その後も、道であった子どもたち達から声をかけられたことが大きなエネルギーとなります。
大阪府地域コーディネーター連絡協議会会長 明貝一平
  • 大阪府の第1期コーディネーター養成講座を受講し、地元で活動しています。大阪府地域コーディネーター連絡協議会「OSAKA きっずなー」をつくり、養成講座修了者のネットワークを作っています。
  • 熊取町の吉川友梨さんの事件が大きなきっかけとなり、特に泉南地域ではたくさんの見守り活動の組織ができ、町全体で今も継続して行われています。単に見守りだけでなく、あいさつ運動、子どもの様子を共有するなど広がりもあります。
  • 田尻町で、おじさんたちの料理教室から、地域の子どもに関わる活動に広げています。初めは、市民講座の一部分だったけれど、だんだんみなさんが面白いと感じてきたら、新しい取組みにつながりました。いろいろな得意分野をもった人材をうまくコーディネートすることが大切です。これから、退職後のアクティブシニアは増えるので、うまく活用するのも一つの方法です。
  • キーワードは【しかけ・きっかけ・こえかけ】です。ニーズをつかみイベントを企画する仕掛けと参加者を引き込むきっかけと、広報活動の声掛けのどれかが欠けると、そのイベントは盛り上がらないものです。もう一つ、【3つのさんずい】汗と涙と酒も大切です。
パネルディスカッションを受けての 大阪大学大学院 高田教授からのコメント
  • 今日のパネリストのみなさんのお話はそれぞれの活動に裏付けられた言葉でした。参加者のみなさんもそれぞれの地域に持ち帰っていただき、新しい発想でいろいろな形で教育コミュニティづくりを進めていっていただきたいです。
  • 大阪の教育が大事にしてきたことが2つあります。1つは、貧困、在日外国人、虐待、格差や社会的排除をなくすなど、人権にかかわる先進的な取組みを進めてきたことです。
  • もう1つは、学校と地域の結びつきを大事にしてきたことです。子どもを地域みんなで見守ることが、昔からいるその土地に住んでいる人たちだけでなく、いろいろな人たちを巻き込んで行われていることが特徴です。

3.参加された皆さんの感想から

参加者1 参加者2

実践報告・パネルディスカッションについて

  • 「地域が学校を元気にする、そして学校が地域を活性化する。」という樋口校長の話は、その通りだとあらためて感じた。win win の関係づくりをどの中学校区でも構築できるよう取り組んでいきたい。
  • 4つの実践報告から学校と地域が一つになって地域の子どもの成長にサポートしている姿を具体的に知る事ができ、大変参考になりました。今後の自分の実践に生かして行きたいと思います。パネルディスカッションの登壇者の皆さんの実践に裏づけされた意見に学ぶこと多く非常に有意義な研修になりました。
  • 吹田市の押谷さんの発表はとても参考になった。活動が詳しく具体的で悩み等も共感できた。堺市の発表はとても活発な様子がうらやましいぐらい地域の組織化ができていて興味深かった。パネルディスカッションは高田先生のまとめもわかりやすくキーワードやヒントになる事例や考え方等参考になり面白かった。実践報告はどの学校も活動は様々だけれど毎回とても参考になる。
  • 長年同じメンバーで続けていくことの弊害よりも、それをいかにメリットにし、深みのあるものにしていくかは、コーディネーターなど核となるメンバーの人間的な魅力にもかかわってくることであることをあらためて感じました。
  • 他地域の実践報告から毎回感銘を受けていますが、いざ自分の地域に振り返って考えてみてもなかなかこれまでの体制から抜け出せず新しい役員、(パネラーの方から年配の方でもいいのではないか?との意見に少し光が見えたように思います)新しいプログラムの導入に四苦八苦しています。目に見えない皆さんの活動に活力を頂いて帰ります。ありがとうございました。
  • 中学校の教員として地域連携担当をしており、地域教育協議会の事務局員として学校と地域をつなぐために何ができるのか?自分の役割は何か?ずっと悩み続けています。今日の内容から直接同じ取組みをするわけではないですが参考になり、さまざまな活動へのヒントとなりました。
  • 明貝さんのキーワード(3つのさんずい、汗、涙、酒)使わせていただきます。

実演ブース・パフォーマンスについて

  • 本展示ブースでおもしろ工作教室(ストローで笛をつくろう)(東大阪市)・木箱で作れるスマートボール(門真市)に興味を覚えました。“使える”と直感しました。遊び心、作る(創造)喜び、子供同士のコミュニケーションの形成etc、参考にして紹介していきたいと思いました。ありがとうございました。
  • 小学生の能にはおどろきました。大へん良かったです。皆さんのご苦労がよくわかりました。
  • 能のパフォーマンスとてもよかったです。感動しました。
  • 私は放課後の児童を見守る仕事もしていますので、毎回実演ブースが大変参考になります。

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