所在地 : 泉佐野市東羽倉崎町(ひがしはぐらざきちょう)
種類 : 生産遺跡・集落跡
時代 : 平安時代から中世(室町時代)
調査期間 : 平成21年9月から平成21年11月
主な遺構 : 平安時代後半から中世(室町時代)の土坑(どこう)(粘土採掘坑(こう))
主な遺物 : 土師器、瓦器(がき)、瓦
府営東羽倉崎住宅の建て替え事業に先立ち、第3期分の住棟建設予定地約1,000平方メートルについて発掘調査を実施しました。
調査の結果、円形や方形或いは不定形のものなど、様々な形状や規模を示す、多数の土坑(どこう)が検出されました。これらの土坑(どこう)は、地山層上部の黄色の粘土のみを掘削し、下層の灰色粘土は掘削しない状況が、共通点として認められます。また、出土品には瓦の破片が多く含まれますが、完形のものはほとんどなく、焼成不良の破片が大半を占めています。さらに、土坑(どこう)の埋土には、炭や灰層が多く含まれるほか、焼土が詰まった土坑(どこう)も認められました。こうした状況から、これらの土坑(どこう)は、瓦生産の原料に適した粘土を採掘した跡である可能性が高いものと考えられます。出土した瓦や土器などから、平安時代後半頃から室町時代前半頃までに形成されたものとみられます。往時、付近では、採掘した粘土を瓦に加工し焼成するといった、一連の瓦生産が盛んに行われたことが今回の調査から窺われます。
平安時代後半から中世(室町時代)の粘土採掘坑
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教育庁 文化財保護課 保存管理グループ
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