柳原遺跡(やなぎはらいせき)は、五月山丘陵(さつきやまきゅうりょう)の南側の低位段丘(ていいだんきゅう)上に位置する遺跡です。現在、府営住宅の建て替えに伴い発掘調査を実施しています。
本年9月から調査区の掘削を開始し、住宅建設時の盛り土(上層)、中世以降の水田(中層)を除去したところその下から、弥生時代後期の遺構面が検出されました。
検出された遺構のほとんどは土坑(どこう)(=穴)で90基以上が検出されました。
穴の断面形は、地表面の下20から30センチメートル程度の精良な粘土層の部分で横に広がった、いわゆる袋状を呈しています。掘削した後に埋戻しがなされていないことなども考え合わせると、これらの穴は粘土を採掘(さいくつ)した痕跡と考えられます。
穴の中からは、弥生土器が多く出土しており、これらの土器とこの遺跡で採れる粘土とが関係があるかどうかといった点についても分析を進めていきます。
10月末をもって前半(調査区東半分)の調査を終了し、11月からは後半(調査区西半分)にとりかかります。後半の調査成果についてもご期待ください。
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教育庁 文化財保護課 調査事業グループ
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