大和川今池遺跡(やまとがわいまいけいせき)

更新日:2017年3月29日

所在地 : 松原市天美西(あまみにし)3丁目

種類 : 集落跡

時代 : 旧石器時代から近世

調査期間 : 平成20年8月から平成21年5月

 大和川今池遺跡では古代から近世の遺構・遺物が折り重なって発見されました(平成20年度の発掘調査情報をご覧ください)。もっとも古い時期のものは縄文時代後期と思われるサヌカイト製の矢じりです(写真の赤丸がついたもの)。サヌカイトは二上山(にじょうざん)のふもとに産出する打製石器(だせいせっき)の原料です。小型のものが大半で、鳥獣を狙った矢がたまたま遺跡に残されたものと考えられます。

 これらを現生サメ(ネズミザメ)の歯の標本と見比べると、形の多様性はサメの歯の多様性に共通することがうかがえます。弥生時代末のわが国を記した『魏志(ぎし)』倭人伝(わじんでん)には、倭人の兵器にはホコ・盾・木弓があり、竹の矢には鉄鏃(てつぞく)や骨鏃(こつぞく)を用いる、とあります。骨鏃(こつぞく)はサメの歯などの矢じりを記したものでしょう。興味深いことに500年代のわが国を記した『隋書(ずいしょ)』倭国伝(わこくでん)にも骨鏃の記事があります。骨製品は地中に保存されにくいので、遺跡からはほとんど見つかりませんが、縄文時代から続く伝統的な道具だったのかもしれません。

【写真】石製の矢じりとサメの刃

遺跡から出土したサヌカイト製の矢じりと、現生サメの歯(赤丸がサヌカイト製)

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教育庁 文化財保護課 保存管理グループ

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