岸和田市大町(おおまち)遺跡現地公開資料

更新日:2017年3月31日

 大町(おおまち)遺跡は、府営岸和田大町(きしわだおおまち)住宅の敷地範囲にほぼ該当する広さの遺跡です。これまで5ヵ年度にわたって発掘調査を実施し、縄文時代後期や弥生時代後期から古墳時代初頭に埋まった河跡などが見つかりました。

 今回現地公開いたします調査区は、 6号棟の北側に位置する住棟部分と防火水槽部分の2カ所です。生活の痕跡は上下2面あり、上面で近世の水田跡や溝などを発見し、現在は下面を調査中です。この面では中世の畠地跡、古代末に廃絶した水田跡、古墳時代初頭(約1800年前)に埋まった河跡(054、060河跡)、弥生時代中期後半(約2100年前)の土器や石器を捨てた土坑(どこう:065土坑(どこう))などを発見しました。古代の水田跡や弥生時代中期の土坑(どこう)は大町遺跡内でも初めて見つかり、周辺の歴史を考える上で重要な発見です。

 遺跡内には幾筋もの河跡が見られ、洪水とそれによって運ばれた土砂の堆積が繰り返されています。さらに今回調査した054河跡では、流木が多数埋まっていて、洪水の激しさがうかがえます。河川周辺では断続的ながら人々が生活を営んでいたと考えられ、自然と人々の暮らしとの関わりを知る上で、貴重な調査成果です。

 1) 054河跡 住棟調査区の南東部で見つかりました。1、3号棟、道路部分で見つかった河跡につながると考えられます。土器の出土数はやや少なめですが、流木が多数見つかり、洪水の激しさを物語っています。

【写真】054河跡 流木が多数見つかり洪水のはげしさがわかります

2) 060河跡 防火水槽調査区で見つかった河跡です。出土する土器は非常に少ないですが、住棟調査区の054河跡と同じく古墳時代初頭に埋まったと考えられます。

【写真】060河跡 古墳時代のはじめに埋まったとかんがえられます

3) 065土坑(どこう) 弥生時代中期後半の土器やサヌカイト製石器の破片が出土しました。壊れた土器や石器を捨てた土坑(どこう)、いわゆるごみ穴だと考えられます。

【写真】065土坑 弥生時代中期後半の土器やサヌカイト製の石器の破片が出土しました

 

遺構分布図(丸番号の位置は上の写真番号に対応しています)

【図】遺構分布図

調査区の位置

【図】調査区の位置

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教育庁 文化財保護課 保存管理グループ

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