大阪府環境農林水産部の実施する「府営農村振興総合整備事業」に先立って、平成26年6月から一部を確認調査し、7月から本格的な発掘調査を実施しました。
調査地は2カ所に分かれ、下段の調査地の平安時代末から中世にかけての生活面を公開しました。
今回の調査で、この地域の土地利用の変遷が明らかになりました。
調査地周辺は谷底に向かってかなり急峻な斜面だったと思われます。
ところがその斜面上に、人為的なものか、自然の土砂崩れによるものかわかりませんが、大量の土砂が堆積します。
この土砂によって急峻な斜面は、緩やかな地形と変わりました。
土砂の堆積がいつ起こったのかははっきりしませんが、確認調査では縄文土器が出土しています。
その上面を整地して人々が生活を始めるのが、平安時代の終わりごろです。
整地した面からは、平安時代末から中世にかけての柱穴、土坑(どこう)や溝など住居関連の遺構が検出され、その上に中世の遺物を含む土砂が堆積します。
江戸時代になると付近一帯は水田化され、棚田(たなだ)が形成されました。
宅地は集村化して、現在のような景観になったと考えられます。
今後、調査成果の検討によって、さらに明らかにしていきたいと思います。
図1 鳩原東端遺跡の土地利用模式図
印刷用はこちらから→鳩原東端遺跡現地公開資料 [PDFファイル/806KB]
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教育庁 文化財保護課 保存管理グループ
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