日下遺跡(くさかいせき)から出土した馬骨

更新日:2018年2月15日

 東大阪市に所在する日下遺跡は、縄文時代、古墳時代の遺跡です。その中で大阪府内では数少ない縄文時代の貝塚を中心とした区域が、昭和47年に国指定史跡「日下貝塚」となっています。

 遺跡の発見は大正時代にさかのぼります。昭和7年に故山内清男氏が、日下貝塚から出土した縄文土器の中に東北地方の縄文時代晩期の亀ヶ岡式土器が含まれていたことを発表しました(注1)。関西で東北地方の縄文時代晩期の土器が確認されたのは、この日下貝塚出土例が初めてです。

 戦後、帝塚山大学の故堅田直氏が、昭和35年、39年、41年の3回にわたり日下遺跡の発掘調査を実施しました。この調査では大量の縄文土器の他に、古墳時代の資料もみつかっています(注2)。

 昭和41年の堅田氏の調査では、馬の骨格がほぼ完全な形で発見されました。馬骨が見つかったのは、厚さ1メートルからなる縄文土器・土師器・須恵器などを含む土層の中です。調査概要(注2)によると、馬は12歳前後のオスで、体高は約125ないし130センチメートル、蒙古馬系の中型馬に属するものと判定されています。

 発見当時、堅田氏は馬骨の年代を5世紀後半と推定しました。平成29年に覚張隆史氏(金沢大学)が、馬骨のC14年代測定を実施し、4世紀後半から6世紀中頃と推定されました。この結果は、馬骨は古墳時代のものであるという堅田氏の推定を支持することになりました。

 

(注1) 山内清男「日本遠古之文化」『ドルメン』1ノ6 昭和7

(注2) 堅田 直編「東大阪市日下遺跡」『帝塚山大学考古学研究室考古学シリーズ』2 

     昭和42

馬の検出状況 

馬の検出状況

馬の全身骨格 

馬の全身骨格(左の胸骨・肩甲骨などを除き、検出された状態に近い形で並べています)

―ご案内―

日下遺跡の馬骨は、弥生文化博物館平成29年度冬季企画展「かけがえのない文化財を守る、

伝える、−大阪における歩みと展望−」に出展しています!

 

♦展示期間  平成30120日(土曜日)から平成30331日(土曜日)

♦開催場所  大阪府立弥生文化博物館2階 特別展示室

         〒594-0083  和泉市池上町4丁目827(電話0725462162

♦開催時間  930分から17時(但し入館は1630分まで)

♦休館日   月曜日(但し月曜日が祝休日の場合は翌日が休館日)

♦入館料   一般430円、65歳以上・高大生330

      なお中学生以下、障がい者手帳をお持ちの方とその介護者1名様は無料です。

♦アクセス   JR阪和線「信太山」駅下車 西側へ約600メートル

        南海本線「松ノ浜」駅下車 東側へ約1,500メートル

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教育庁 文化財保護課 調査管理グループ

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