平成24年度第6回文化振興会議議事要旨

更新日:2013年2月4日

平成24年度第6回大阪府文化振興会議 議事要旨

 

1.日時  平成24年11月12日(月曜日)午前10時から12時

 

2.場所  さいかくホール(大阪府庁新別館北館1階) 

 

3.議題  大阪府文化振興計画の策定について

        府立上方演芸資料館のあり方について

 

<大阪府文化振興計画の策定について>

 事務局が資料1から資料3を説明

 

(委員)

・次期文化振興計画については、現在の理念を継承・発展させる。年明けの1月に答申するよう議論していく。

 

(委員)

・P・D・C・Aサイクルの結果を次の予算につなぐ仕組みが重要。文化は成果が見えにくいため、インパクト評価(波及効果)が必要。大阪らしさのためには、何を継承・発展させていくべきか、評価はどうしていくのか、アーツカウンシルに任せるだけでいいのか、議論が必要。

・広域自治体と基礎自治体の役割について、概念を規定する必要があるのではないか。

・行政が文化をどう発展させていくのかという前提となる考え方を前文で記載をしてはどうか。

 

(委員)

・前文は、答申案を作成する段階で、文化振興会議で決めることになる。

 

(委員)

・行政が文化を支援する理由を前段で丁寧に説明すべきだと思う。

・評価はアーツカウンシルに丸投げではなく、府民・市民の経済活動や次世代育成など、より積極的な活動を支援するため、改善の手法や、数字での直接効果と、その波及効果を複数の評価軸で考えてはどうか。

・施策の主体と対象は誰か。府民は施策の主体なのか、施策の対象なのか。アーティストは主体なのか、対象なのか。例えば主体は「アーティスト」で、対象は「小中学生」というふうにもう少し具体的にすれば、アーツカウンシルで担う評価と、担えない部分が明確になってくるのではないか。

 

 

(委員)

・理念の継承はいいが、行政が担うべき部分として、文化のストックをどう支えるかが重要。アーツカウンシルは大事だが、ベースで支えるべきストックをどう築くかをきちんと補完すべき。

 

(委員)

・ストックについては、文化財保護の視点になり、守りの文化は、文化振興の計画には出しにくい。ストックだけでなく、ストック&リノベーション、守りながら利活用するところが、文化振興のあり方と、どうつながっていくかが重要。

 

(委員)

・ストックの活用が議論から外れないようにすべき。ストックが武器になるため、ストックと文化施策をどのように上手くつなげていくのかという発想を持っておく必要がある。府民・市民がストックを評価しながら、次の社会や文化の発展につながるよう、ストックとリノベーションの接続をきちんとすべき。

 

(委員)

・保存と改革はトレードオフの関係にあると言われるが、進歩の中で保存が犠牲にされてはならず、バランスが重要。

・行政の役割をあまり上位に書くことはない。理念があって、次に戦略、それを支える行政のサポートという順番で書くべき。

・アーツカウンシルはかなり苦労するかもしれない。上手く説明する力が重要。

世界から評価されることが1つでも挙げられるように成功事例を作りたい。

 

(委員)

・文化施策の幅の広さから見て、アーツカウンシルが担わない事業もある。評価システムはアーツカウンシルだけという書き方は整理されすぎ。アーツカウンシルだけではないP・D・C・Aの回し方があるはず。次回の素案段階では、その点改めてほしい。

 

(委員)

・アーツカウンシルは、できるところからやればいい。現在のこの文化振興会議委員がメンバーの基調となって、各委員がいろんな分野から別の人を推薦して集めればいい。

・現行の4つの理念のうち、「攻める文化」は「温故知新」と、「アーティストがめざす都市」は「芸術家が住みたくなるまちづくり」と書いてほしい。

・文化はある種の独裁から生まれる。大阪城や金閣寺、能、家元制度などは、民主主義からは生まれない。先人の功績に思いをはせ、後世に伝えていくのが文化ではないのか。

・行政の補助金は単年度で、1年限りでは活動が来年に続かない。おカネは府民の創意工夫で生み出すもの。オーキャットでの鏡のあるスペースでは、よくヒップホップのダンスをやっている。これは自然発生的に生まれた。行政の役割は、そうした活動の場を提供し、サポートすることが大切。

 

(委員)

・アーツカウンシル事業は文化振興事業と明確に位置づけるべき。他のアーツカウンシルの例では、施設運営をするところもあり、その利用料収入で文化事業を賄っているところもある。人の流れとお金の流れをどう導くか、といった視点で仕組みを考えていくべきではないか。

 

(委員)

・大まかな議論はこれでいいが、どうもよく具体性が見えない。どの分野にプライオリティ(優先順位)をつけるのか。具体的に「この分野ではこうする」としていかないと話がすすまない。「この分野は大阪にとって大事なのでこう支える」「この分野は民間で勝手に盛り上がっているのでこのままにしておく」とか。プライオリティをつけないと予算がカットされる。

・都市魅力のため「とんがったもの」を作りたい。それには、リスクをとってある種独裁的な判断が必要。公正を期すプロセスに馴染まないところもある。そこには税金でなく、民間のお金が必要。イギリスのアーツカウンシルでは、宝くじが収入源になっている。宝くじは、買った人の納得づくのおカネ。今後、大阪でも税金だけではなく、自主財源の努力をしなければならない。

 

(委員)

・宝くじはやってほしい。名前は、高津の富。富くじをやれば文化は楽しくなる。ものすごい財源になる。それをアーツカウンシルで使えばいい。税金の中で、福祉と文化が混同されるといけない。宝くじを文化に重点化して使ったらどうか。単年度事業は、一旦ゼロにして必要度を勘案して支援していけばいい。

 

(委員)

・単年度事業は見直す。行政は、お金を集める仕組み(ファンド)にお金を使って支援し、その仕組みから文化事業にお金を出せばいい。どの分野に支援すべきかは、文化の分野と業務のカテゴリーをマトリックスにして、例えば、「音楽」で「次世代」に該当すれば支援すべきとか、そういう分析をしてはどうか。

 

(事務局)

・単年度事業は、社会実験的なもので、立上げ時期の支援、イニシャルコストの軽減などの趣旨目的がある。仮に単年度補助金をリセットしても、文化の優先度が最後位にされるリスクがある。

 

(委員)

・補助金の優先度には、緊急度によるものと重要度によるものの2つがある。文化は、緊急度は低くても、重要度は高い。例えば、生きるのには肉だけでなく、水が必要なように、文化は重要なもの。

 

(委員)

・文化のセクションは苦労していると思う。文化は観光資源でもある。上手い説明の仕方が必要。私は、補助金はゼロにして、自主財源として宝くじをやればいいと思う。

 

(事務局)

・宝くじの発行は総務省の許可が必要であり、新規創設は難しい。緊急性を要する補助金の中にも、即効性のあるものと遅効性のものの2つがある。都市魅力や観光、文化は遅効性のあるものに当たると考える。

 

(委員)

・今のままでは収入の増は見込めないから、自主財源や寄附制度など、税金だけでない財源も考えるべき。

 

(委員)

・宝くじは、万博や震災など目的が明確でないと難しい。府民に理解されるだけの目的、勢いがないと買ってもらえない。

 

(委員)

・従来から、行政の全体で文化の要素を入れる行政の文化化と、文化の行政化と言われている。文化振興条例は幅広く捉えている。

・広域と基礎自治体の役割、官と民の関係性、アーツカウンシル以外の事業の複合的評価の仕組み、財源のあり方などについても議論したい。

・独裁というわけではないが、重点化を進めていくための強力なプロデューサーを民主的に選ぶということが必要ではないか。

・前文として、理念に何を掲げるか。両山口委員に検討をお願いしたい。

 

(委員)

・ケーススタディをやってみないとなかなか具体化しない。それはアーツカウンシルに任せるという流れになっているが、丸投げはいけない。どこかで具体的にプロセスを辿ることが必要。それを行政に任せるのは酷なので、非公開の場で文化振興会議のメンバーが議論してはどうか。素案作成に向けたワーキングを設けてはどうか。

 

(委員)

・今回の意見を踏まえ、素案に向けて、準備会的なものを設けたい。

 

(事務局)

・会長と相談させていただく。

 

 

<府立上方演芸資料館の平成25年度以降のあり方について>

 

事務局が資料4を説明

 

(委員)

・意見書は文化振興会議の意見として出すものか。当面のあり方とはいつまでか。

・将来の検討については、部会での議論や、フォーラムなどで世論を喚起するなどすべき。

・不適切な運営にならないよう条例との関係に留意を。

 

(事務局)

・「当面」は、ひとまず平成25年度だが、いつまでということはない。意見の標題は「ワッハ上方のあり方について」が適当。

 

(委員)

・「現在のようなコストのかかる展示」とあるが、初期投資はともかく、現在の展示がコストをかけてるとは言えない。「将来的なあり方」で、移設するにしても資料の寄贈・寄託者の思いは大切に受け止め、その方々の理解が必要。

 

(委員)

・これまでの検討に時間を要しているが、知事に意見書として出すのだから、知事の考え方を教えてほしい。また、将来のあり方については広く意見を聞いてほしい。

 

(委員)

・どういうオプション(選択肢)があるのか。公開されるのか。

 

(事務局)

・今回は、文化振興会議としての意見として、方向性をお示しいただくもの。今後、将来のあり方の検討を含めて議論していきたい。ホームページ等を活用して周知していく。

・意見書については、本日いただいたご意見を踏まえ、事務局で手直しし、委員の皆様に照会してまとめ、府に提出することとする。

資料1 次期の大阪府文化振興計画の策定に向けて(中間まとめ) [PDFファイル/211KB]

資料2 第3次大阪府文化振興計画の策定に向けて(案) [PDFファイル/206KB]

資料3 次期大阪府文化振興計画への意見及び対応検討案 [PDFファイル/161KB]

資料4 府立上方演芸資料館の平成25年度以降のあり方について [PDFファイル/93KB]

このページの作成所属
府民文化部 文化・スポーツ室文化課 文化創造グループ

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