第6章 計画の推進に向けて 第1節 計画の推進 府と市町村、関係機関が適切に役割を分担しながら緊密な連携を図り、地域住民、NPO等、関係団体の理解と協力のもとに計画を推進します。 第1項 行政の取組み 計画を着実に推進するとともに、新たなサ−ビス需要の増加等住民ニーズの変化に的確に対応するためには、計画をフォローアップする仕組みが必要です。 このため、府では関係部局で構成する「大阪府高齢者保健福祉施策推進会議」を設置し、高齢者保健福祉施策を総合的に展開するとともに、保健・医療・福祉の学識経験者等で構成する「大阪府高齢者保健福祉計画推進委員会」を運営し、計画の進捗状況について点検・評価を行います。また、その内容について府ホームページ等を通じて公表します。 第2項 関係機関との連携 (1)医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会等医療・保健・福祉医療関係団体 介護サービスの提供をはじめ高齢者保健福祉施策を円滑に推進するためには、医療保健福祉関係団体との連携が重要です。 市町村の要介護認定にかかる主治医の意見書の提出をはじめ介護認定審査会や地域ケア会議への医療関係者の参画等、医療関係団体と緊密な連携を図ります。 また、要介護者等からの相談やケアプランの作成、介護サービスの提供、介護・福祉に関わる相談活動等、介護支援専門員協会、介護福祉士会、社会福祉士会等福祉関係団体の果たす役割も一層重要となります。 (2)社会福祉協議会 地域の実情に応じた多様な福祉サービスを展開するためには、地域福祉を進める中核的役割が期待される市町村社会福祉協議会やその事業調整・援助機関である大阪府社会福祉協議会の役割が一層重要となります。 このため、NPO、地元企業等地域における様々な住民の総意を結集して、高齢者を支援する各種事業の展開や地域活動に対する積極的な指導、調整活動を支援します。 (3)大阪府総合福祉協会 介護サービスをはじめ高齢者保健福祉サービスは地域における高齢者の自立と支援を推進する理念のもと、それぞれの高齢者の人権や尊厳の確保を基本視点に置き、提供されることが不可欠であり、また、こうした視点のもと、介護支援専門員や介護相談員をはじめ高齢者保健福祉活動に従事する職員の育成に努める必要があります。 このため、大阪府総合福祉協会がもつハンセン病回復者支援相談などの様々なノウハウ等を活用し、同協会との連携のもとに高齢者保健福祉サービス従事者の育成をはじめ地域における高齢者の自立支援に向けた取組みに努めます。   (4)大阪府地域福祉推進財団(ファイン財団) 大阪府地域福祉推進財団は、「福祉の総合基地」として、公・民が共同して高齢者の健康づくりや生きがいづくりをはじめ障がい者の社会参加の促進、児童の健全育成等に関する各種福祉サービスの提供に取り組むとともに、高齢者に関する各種事業を展開します。 (5)社会福祉法人 社会福祉法人は、個人の自立支援などを基本理念とする社会福祉制度のもと、高齢者をはじめ障がい者や児童等に対する社会福祉活動を横断的に担う法人として、利用者の多様なニーズに対応できる質の高いサービス基盤の整備と、利用者の自己決定に基づくサービスを提供する、地域福祉の担い手として大きく貢献してきました。 地域の社会福祉法人として、支援が必要な人に必要なときに適切な支援を提供するという視点に立ち、介護保険外サービスへの取組みをはじめNPOやボランティア等との連携を図りつつ、今後とも地域の福祉を支える多様な役割を果たすことが期待されます。 (6)民生委員児童委員 地域において住民の立場にたって、地域住民が安心して暮らせるため身近な地域福祉の担い手として役割を担う民生委員児童委員の相談・援助活動の充実は、高齢者をはじめとする地域福祉の推進に重要です。 このため、地域で活躍する民生委員児童委員への活動支援を行い、地域における高齢者福祉などの計画的、組織的な推進を図る大阪府民生委員児童委員協議会連合会の主体的な取組みと連携しながら、高齢者に対する相談や援助活動などの一層の充実に努めます。 (7)NPO・ボランティア団体 高齢者の多様なニーズに的確に応えるためには、公的サービスの充実と併せてNPOやボランティア団体による多様なサービスも重要となります。 府、市町村のボランティアセンターや大阪ボランティア協会等との密接な連携を図るとともに、大阪府福祉基金等によるNPO・ボランティア団体に対する各種の支援を行います。 また、生きがいや自己実現という面からもボランティア意識が高まりつつあるなか、大阪府ボランティア・市民活動センター等ボランティア推進機関への支援を行うなど、府民の各層・各世代が参加するボランティア活動をより一層促進します。 さらに、市町村や中間支援組織と密接な連携を図りつつ、新たな公共の担い手としてのNPOの活性化や実りある協働の実現に向けて取り組みます。 (8)シルバーサービス関係団体 社会経済情勢の変化を背景として、シルバーサービスへのニーズは、介護から介護予防・生きがいづくり、社会参加等様々な分野で拡大するとともに、多様化、高度化しています。 民間企業とともに設立した大阪府地域福祉推進財団のシルバーサービス部会等を中心に、シルバーサービス事業者が主体的に高齢者ニーズに合致した質の高いサービスを提供できるようサービスの普及振興のための情報提供、相談、サービス従業者の資質向上を目的とした研修等の充実を図ります。   第2節 市町村への支援・助言 高齢化が一層進展するなか、市町村は介護保険の保険者として、また高齢者保健福祉サービスの実施主体として住民の多様なニーズに的確に対応し、高齢者の自立を支援するための施策を展開することが求められています。 市町村が独自性を発揮して、地域特性に応じた施策を展開できるよう、支援・助言に努めます。   第1項 市町村計画の推進に関する支援・助言 本計画は、市町村計画の推進を支援するための計画であることから、この計画に掲げる大阪府の施策を通じて市町村の高齢者保健福祉事業及び介護保険事業の円滑な実施を支援するとともに、「ブロック会議」への参画をはじめ「ワーキングチーム」の設置、「圏域調整会議」の運営、「市町村担当課長会議」の開催等様々な機会を通じて、市町村計画が円滑に推進されるよう、支援・助言します。 また、市町村においても、関係部局間の連携を図り、高齢者に関する施策を総合的に展開するための体制を整備し、地域住民や関係機関等の理解と協力のもとに計画を推進するとともに、計画推進委員会(既存の審議会等を含む)を運営し、保健・医療・福祉の専門家や被保険者の代表等委員等の意見を聴きながら、毎年計画の進捗状況について点検・評価を行い、適宜公表することが必要です。 府では圏ごとや府内全体の計画進捗状況を取りまとめ、市町村に提供するなど市町村計画の進捗状況に係る点検・評価についても支援します。 なお、大阪発“地方分権改革”ビジョン(素案)にもとづき、市町村が、地域の実情に応じて自らの責任と判断で、住民に身近なサービスを提供できるよう、市町村への権限移譲をすすめます。