事務連絡 平成23年6月20日 都道府県 各 指定都市 障害保健福祉主管課担当者 様 中核市 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 障害福祉課訪問サービス係 同行援護について 障害保健福祉行政の推進については、平素よりご尽力を賜り厚く御礼申し上げます。 この度、昨年12月に成立した「障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律」において、本年10月施行を予定しております「同行援護」に係る内容等の案について、別添のとおり情報提供いたします。 都道府県におかれましては、ご了知いただくとともに管内市町村に対して周知をお願いいたします。 なお、今後、パブリックコメントを経て政省令及び告示を制定する予定としておりますが、その過程において一部変更が生ずることもありますのでご留意ください。 (別添) 1 同行援護の事業内容等について(案) 2 同行援護アセスメント票(案)【別紙1】 3 同行援護対象者(夜盲等)に係る意見書(案)【別紙2】 4 同行援護従業者養成研修課程カリキュラム(案)【別紙3】 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 障害福祉課 訪問サービス係 電 話:03-5253-1111(内線 3092) FAX:03-3591-2528 (別添1) 平成23年6月 同行援護の事業内容等について(案) 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課 1 支給対象者 ○ 対象者については、法律において、「視覚障害により、移動に著しい困難を有する障害者等」とされていることを踏まえ、一定の要件を設ける。 ○ 「同行援護」対象者の要件としては、障害程度区分を用いず、支給対象者を特定するための独自の評価指標(別紙1「同行援護アセスメント票(案)」及び別紙2「同行援護対象者(夜盲等)係る意見書(案)」参照)を新たに設け、この基準を満たす者とする。 2 サービス内容の範囲 ○ 外出時における以下の支援を対象とする。 ・ 移動時及びそれに伴う外出先において必要な視覚的情報の支援(代筆・代読を含む。) ・ 移動時及びそれに伴う外出先において必要な移動の援護 ・ 排泄・食事等の介護その他外出する際に必要となる援助 3 事業者の指定要件 (1)人員に関する基準 @ 職員の配置に関する基準 以下の職員を配置すること ・管理者(1人以上) ・サービス提供責任者(事業規模に応じて1人以上) ・従業者(常勤換算で2.5人以上) A 職員資格に関する基準 〈従業者の要件〉 以下のア、イ又はウのいずれかに該当する者 ア.同行援護従業者養成研修一般課程(別紙3「カリキュラム案(※)」参照)(それに相当すると都道府県知事が認めた研修を含む。)の修了者。ただし、居宅介護の従業者要件を満たす者にあっては、適用日から平成26年9月30日までの間は、上記の要件を満たしているものとみなす。 ※ カリキュラム案の「応用課程(12時間)」修了者については、特定事業所加算の際の要件の一つとする予定。 (「一般課程、応用課程」等の名称は変更があり得る。) イ.居宅介護の従業者要件を満たす者であって、視覚障害を有す身体障害者等の福祉に関する事業(直接処遇職員に限る。)に1年以上従事した経験を有する者。 ウ.厚生労働大臣が定める従業者(平成18年厚生労働省告示第556号)に定める国立障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科の教科を履修した者又はこれに準ずる者。 〈サービス提供責任者の要件〉 以下のア及びイのいずれにも該当する者又はウに該当する者 ア.介護福祉士、介護基礎研修修了者、居宅介護従業者(訪問介護員)養成研修1級課程修了者又は居宅介護従業者(訪問介護員)養成研修2級課程修了者であって3年以上介護等の業務に従事した者。 イ.同行援護従業者養成研修課程(※)(それに相当すると都道府県知事が認めた研修を含む。)の修了者。ただし、適用日から平成26年9月30日までの間は、上記の要件を満たしているものとみなす。 ※ 「同行援護従業者養成研修課程」とは、「一般課程」及び「応用課程」を合わせたものをいう。 ウ.厚生労働大臣が定める従業者(平成18年厚生労働省告示第556号)に定める国立障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科の教科を履修した者又はこれに準ずる者。 (2)設備に関する基準 以下の設備を設置すること ・事務室 ・受付等のスペース ・必要な設備及び備品等 4 報酬 ◆ 身体介護を伴う場合 ・ 所要時間30分未満の場合 254単位 ・ 所要時間30分以上1時間未満の場合 402単位 ・ 所要時間1時間以上1時間30分未満の場合 584単位 ・ 所要時間1時間30分以上2時間未満の場合 667単位 ・ 所要時間2時間以上2時間30分未満の場合 750単位 ・ 所要時間2時間30分以上3時間未満の場合 833単位 ・ 所要時間3時間以上の場合 916単位に所要時間3時間から計算して所要 時間30分を増すごとに83単位を加算した単位数 ◆ 身体介護を伴わない場合 ・ 所要時間30分未満の場合 105単位 ・ 所要時間30分以上1時間未満の場合 197単位 ・ 所要時間1時間以上1時間30分未満の場合 276単位 ・ 所要時間1時間30分以上の場合 346単位に所要時間1時間30分から 計算して所要時間30分を増すごとに70単位を加算した単位数 ※ 「身体介護を伴う場合」については、「1 対象者」の要件の他、以下の要件のいずれも満たすこと。(=居宅介護における通院等介助において、「身体介護を伴う場合」の報酬単価を算定する場合と同じ要件。) ア 区分2以上に該当していること イ 区分省令別表第1の認定調査票(以下「認定調査票」という。)における次の(ア)から(オ)までに掲げる調査項目のいずれかについて、それぞれ(ア)から(オ)までに掲げる状態のいずれか一つに認定されていること。 (ア)2−5 「3.できない」 (イ)2−6 「2.見守り等」、「3.一部介助」又は「4.全介助」 (ウ)2−7 「2.見守り等」、「3.一部介助」又は「4.全介助」 (エ)4−5 「2.見守り等」、「3.一部介助」又は「4.全介助」 (オ)4−6 「2.見守り等」、「3.一部介助」又は「4.全介助」 ※ 一定要件の下で2人介護も可能(要件については、居宅介護等と同様に設定。) ※ 以下の加算を設定(加算要件については、居宅介護と同様に設定。) ・夜間早朝・深夜加算(夜間早朝:25%加算/深夜:50%加算) ・特定事業所加算(T)(U)(V)((T):20%加算/(U)(V):10%加算) ・特別地域加算(15%加算) ・緊急時対応加算(100単位/回加算) ・初回加算(200単位) ・利用者負担上限額管理加算(150単位) 5 国庫負担基準 9,890単位 ※ 障害程度区分の有無や程度にかかわらない。 6 その他 ○ 介護保険対象者であっても、障害者自立支援法において新たに創設される同行援護のサービスを利用できることを自治体に周知する予定(行動援護等と同様の取扱い。)。 (参照)平成19年3月28日付障企発0328002号障障発0328002号 「障害者自立支援法に基づく自立支援給付と介護保険制度との適用関係等について」1(1)Aイを準用 ○ 移動支援事業(地域生活支援事業)として提供されてきたサービスの内、同行援護(自立支援給付)へ移行した部分以外のサービス(知的障害者・精神障害者への支援やグループ支援型のように、同行援護では対応ができない移動支援類型など。)については、そのサービス水準が低下されることなく、引き続き必要なサービスが、地域の実情に応じて柔軟に提供されるよう自治体に周知する予定。 また、制度施行時において、地域によって同行援護の体制整備が十分でない場合にあっては、地域生活支援事業を柔軟に活用し、移動に支援を要する者へのサービスの停滞がないよう配慮されたいことを周知予定。 別紙1 同行援護アセスメント票(案) アセスメント項目中、「1〜3」のいずれかが「1点以上」であり、かつ、「4」の点数が「1点以上」の者は、必要に応じて支給決定することが出来ることとする。 アセスメント項目 No、調査項目、点数、特記事項、備考の順となっています No1 視力障害 視力(6−1)  0点 普通(日常生活に支障がない) 1点 約1m離れた視力確認表の図が見える。 目の前に置いた視力確認表の図が見える。  2点 ほとんど見えない。見えているのか判断不能 特記事項 障害程度区分認定調査項目「6−1」と同じ 備考 矯正視力による測定とすること(視力確認表は下図) No2 視野障害 視野  0点 (視野障害が)ない又は右記以外  1点 両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が90%以上(身体障害者手帳3級に相当)  2点 両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が95%以上(身体障害者手帳2級に相当) 特記事項 視力に上記問題がなく、視野に障害がある場合に評価すること No3 夜盲 網膜色素変性症等による夜盲等  0点 (夜盲等が)ない又は右記以外  1点 暗い場所や夜間等の移動の際、慣れた場所以外では歩行できない程度の視野、視力等の能力の低下がある  2点 該当なし 特記事項 視力、視野に上記問題がなく、夜盲等の症状により移動に著しく困難をきたしたものである場合に評価すること必要に応じて様式例による医師意見書を添付 備考 人的支援なしに視覚情報により単独歩行が可能な場合に「歩行できる」と判断すること No4 移動障害 盲人安全つえ(又は盲導犬)の使用による単独歩行  0点 慣れていない場所であっても歩行ができる  1点 慣れた場所での歩行のみできる  2点 できない 特記事項 夜盲による移動障害の場合は、夜間や照明が不十分な場所等を想定したものとする 備考 人的支援なしに視覚情報により単独歩行が可能な場合に「歩行できる」と判断すること 【留意事項】 ※「歩行」については、「車いす操作」等の移動手段を含むこと。 ※「夜盲等」の「等」については、網膜色素変性症、錐体ジストロフィー、白子症等による「過度の羞明」等が想定される。  視力確認表は、A4版で障害程度区分認定調査で使われるもの。 別紙2 同行援護対象者(夜盲等)に係る意見書(案)様式例 氏名 生年月日(年齢) 障害名及び原因となった疾病・外傷名 身体障害者手帳の有無 障害程度等級 視力、視野 障害の状況(夜盲等の有無について、どちらかに○をつけてください。)  ※「夜盲等」の「等」は、網膜色素変性症、錐体ジストロフィー、白子症等による 「過度の羞明」等が想定される。  ・移動に困難をきたす程度の夜盲等が認められる   夜盲等の原因となる疾病等  ・移動に困難をきたす程度の夜盲等が認められない 備考 上記の通り意見する (作成)年月日 病院又は診療所の名称、所在地 診療担当科名 作成医師氏名 別紙3 一般課程 形態、教科名、時間数、備考 講義、視覚障害者(児)福祉の制度とサービス、1時間、視覚障害者(児)福祉の制度とサービスの種類、内容、役割を理解する。 講義、同行援護の制度と従業者の業務、2時間、同行援護の制度と従業者の業務を理解する。 講義、障害・疾病の理解@、2時間、業務において直面する頻度の高い障害・疾病を医学的、実践的視点で理解するとともに、援助の基本的な方向性を把握する。 講義、障害者(児)の心理@、1時間、視覚障害者(児)の心理に対する理解を深め、心理的援助のあり方について把握する。 講義、情報支援と情報提供、2時間、移動中に必要な情報支援、情報提供の基礎を習得する。 講義・実習、代筆・代読の基礎知識、2時間、情報支援としての代筆・代読の方法を習得する。 実習講習、同行援護の基礎知識、2時間、同行援護の目的と機能を理解し、基本原則を把握する。 実習講習、基本技能、4時間、基本的な移動支援の技術を習得する。 実習講習、応用技能、4時間、応用的な移動支援の技術を習得する。 合計 20時間 応用課程 形態、教科名、時間数、備考 講義、障害・疾病の理解A、1時間、業務において直面する障害・疾病を医学的、実践的視点でより深く理解する。 講義、障害者(児)の心理A、1時間、視覚障害者(児)の心理に対する理解を深め、適切な対応ができるよう習得する。 実習講習、場面別基本技能、3時間、日常的な外出先での技術を習得する。 実習講習、場面別応用技能、3時間、目的に応じた外出先での技術を習得する。 実習講習、交通機関の利用、4時間、交通機関での移動支援技術を習得する。 合計 12時間