最近の消費動向

更新日:2009年8月5日

最近の消費動向(17年3月〜17年5月期、個別ヒアリング)

 
 個人消費は、全体では、鈍い動きとなっており、一服感が続いている。
 当研究所では、消費動向を把握するため、百貨店、スーパー、遊園地、自動車販売会社を対象にヒアリング調査を行った。
 今回ヒアリングを行った百貨店A社、スーパーB社の平成17年3月の売上げは前年同月を下回った。一方、遊園地C社の平成16年度の売上げは前年度を上回り、自動車販売会社のD社の平成17年1月から4月の売り上げは、前年同期を上回った。



 百貨店

A社  
17年3月の売上げは前年同月比4.3%減少

 これは、気温が低めに推移したことや天候不順等の影響により、春物商品の売上げが不調であったことなどによるものである。
 品目別にみると、衣料品は14.2%減少した。紳士服・洋品、婦人服・洋品、子供服・洋品ともに前年を下回った。
 紳士服・洋品は、カジュアル商品が比較的好調であったものの、スーツをはじめそれ以外の商品は全般に不調であった。婦人服・洋品は、セーターやカーディガンなどは好調であったものの、スプリングコート、ジャケット、スカートなど春物商品は全般に不調であった。子供服・洋品は、ベビー用品、子供服ともに不調であった。
 身の回り品は6.3%減少した。婦人アクセサリーやハンドバッグはほぼ前年並みであった。紳士靴は全般に不調で前年を下回り、婦人靴も前年を下回り、特にサンダル、ミュールが不調であった。また、旅行用品も不調で前年を下回った。
 食料品は5.7%増加した。これは食料品売場が3月上旬にリニューアルオープンした効果によるものである。菓子は洋菓子、和菓子ともに非常に好調で前年を上回った。ホワイトデー関連商品も好調であった。惣菜、生鮮食料品も好調で前年を上回った。
 食堂・喫茶が好調で前年を上回った。
 化粧品は、国内メーカー品、外資系ともに不調で前年を下回った。 17年4月の売上げは、食料品は引き続き好調であるが、衣料品を中心に低調な状況が続いている。
  

 スーパー

B社  
17年3月の売上げは前年同月比2.9%減少

 これは、気温が低めに推移したことにより、春物商品の売上げが不調であったことによるものである。
 品目別にみると、衣料品は、春物商品が全般に不調で前年を下回った。紳士服・洋品は、コートなど好調な商品もあったが、スーツ、カジュアルをはじめ全般に不調であった。婦人服・洋品は、フォーマルウエアは好調であったが、それ以外の商品は全般に不調であった。子供服・洋品は、入園関連のスーツなどは好調であったが、男児、女児、ベビーのいずれも不調であった。肌着では、紳士のニット肌着が好調であった。
 身の回り品は、紳士靴、婦人靴が好調で、紳士手袋も好調であった。旅行用品は引き続き好調であった。
 食料品は3.6%減少した。鶏肉が昨年の鳥インフルエンザの影響による落ち込みから回復し増加した。牛肉は、BSE(牛海綿状脳症)検査未解決による輸入停止が長期化していることによる相場高で、引き続き減少している。水産物では、造りは好調であったが、それ以外は全般に不調であった。野菜は、相場高は落ち着いているが、季節野菜の入荷が遅れた影響などから不調であった。米は価格低下により不調であった。惣菜は中食ブームや売場拡大の効果から好調で、和洋酒は焼酎やチューハイが好調であった。ホワイトデー関連商品では、チョコレートを中心に好調であった。ひな祭り関連商品では、ひな祭りケーキの予約が好調で前年を上回り、手巻寿司やちらし寿司用の食材も好調であった。
 寝具では、気温が低めに推移した影響で羽毛布団や毛布が好調であった。
 家電製品は、液晶テレビやDVDなどのデジタル家電は引き続き好調であり、冷蔵庫や洗濯機も好調であった。また、布団乾燥機、空気清浄機も好調であった。石油ファンヒータやホットカーペットが、気温が低めに推移したことから好調であった。
 医薬品は、薬品、化粧品ともに前年を上回った。薬品では、花粉症関連商品が好調で、健康食品も好調が続いている。化粧品は、量販店で取扱いのない商品が引き続き好調であった。
 住居関連では、入学、入社に関連したシングルライフ用のセット布団やラグ、カラーボックスなどが好調であった。  
 4月の売上げは、天候が順調であったことから、春物商品の動きが良くなり全体的に好調である。


 遊園地

C社 
16年度の入園者数は前年度を上回る

 これは、季節ごとに開催しているイベントが好調であったためである。同園では、季節ごとにキャラクターイベント、お化け屋敷など様々なイベントを開催している。また、それ以外にもターゲットを絞った短期間のイベントなども行い、集客効果を挙げている。
 客層は中・高校生や大学生などの若者層が中心であるが、ファミリー層をはじめすべての世代の入園を促すため、ファミリー向け施設の充実や各世代向けのイベントの開催など様々な取り組みを行っている。また、大人用に限定されていたフリーパス以外にも、子供用の乗り物に限定したキッズライドパスを販売し、好評である。7月上旬にはリゾート風プール、ウォーターパークがオープンする予定で、入園者数の増加につながるとみている。
 同園は団体客も多い。中でも学校団体は、件数としては減少していないが、1件あたりの参加人数が減少しており、入園者数としては減少傾向にある。また、企業の福利厚生事業としての利用も減少傾向にあるなど厳しい状況である。
 同園では、テレビCMや新聞広告をはじめ、情報誌、ポスター、チラシなどで積極的な宣伝を行っている。個人客に対しては、再来園までの期間を短くすることを目標としており、そのために、季節ごとのイベントやアトラクション情報などをメールマガジンで月1回程度配信しているほか、ホームページに入園料の割引券を掲載するなど集客に努めている。学校団体などの団体客に対しては、旅行代理店を通して広報活動を行っている。
 遊園地以外の娯楽施設の増加や少子化などの影響で、入園者数の大幅な増加は難しく、今後も厳しい状況が続くとみられる。このようななか、様々なイベントの開催や積極的な宣伝活動で、入園者の増加を図りたいとしている。


 自動車販売会社

D社 
17年1〜4月の自動車販売台数は前年同期を上回る

 これは、軽商用車の売上げが好調であったことによるものである。
 同社は、軽自動車を主流に小型自動車等を販売している。軽乗用車についても、快適性や利便性が支持され、主力車種の売上げが好調に推移している。また、福祉車両についても、高齢化が進むなか、コンパクトな大きさや利便性が評価され、売上げが増加している。平成16年度についても、全体として順調に推移した。
 このような状況のなか、乗用車は品質向上により順調な売上げを続けているが、メーカーでは、安全性や快適性、利便性の一層の向上や、顧客ニーズにあった新型車の開発を行うことで、売上増を目指している。商用車は景気の影響を受けやすいが、モデルチェンジによる安全性や積載性、荷役性などの機能、性能の向上により、販売の拡大が図られている。購入者は、価格比較を行うなど、価格に対しても敏感で、同社では、価格面でも競争力のある商品の提供に努めている。
 販売店では、展示会や試乗会を毎週末開催している。展示会における販売が、全販売台数の大部分を占めることから、新聞広告やチラシ、顧客に対する招待状などによる案内で来店者の獲得に努めている。さらに、新車販売だけでなく、購入後のアフターサービスも重視している。購入後の車検、点検、保険などのサービスに重点を置き、買い替え時にも同社の車を購入してもらえるように、徹底したフォローとサービスを継続して提供していくことに努めている。そのため、営業スタッフの取組みも重視され、社員教育を強化し、接客態度やサービスの向上を図っている。
 軽自動車は普通・小型自動車に比べて価格だけでなく、ガソリン代や税金、保険などの維持費が安く経済性に優れていることや、安全性や快適性などの品質も向上し、使いやすいといったことから購入されている。購入者の3割強が女性であり、高齢者の需要も多い。そのため、軽自動車に対する需要の大幅な減少はないが、景気の状況や保有年数の長期化などにより、今後の大幅な市場の拡大は期待できないとみている。
 今後は、各社の販売競争が激しく、厳しい状況が続くと予想されるが、競争力のある商品や満足のいくサービスの提供などの積極的な取り組みにより、収益の確保を図りたいとしている 。


大阪府の消費に関する経済指標




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商工労働部 商工労働総務課 企画グループ

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