最近の消費動向

更新日:2009年8月5日

最近の消費動向(16年9月〜11月期、個別ヒアリング)

                              

 個人消費は全体では持ち直しの動きが続いている。
 当研究所では、消費動向を把握するため、百貨店、スーパー、遊園地、外食産業を対象にヒアリング調査を行った。
  今回ヒアリングを行った百貨店A社、スーパーB社の平成16年6月の売上げは前年同月を下回った。一方、遊園地C社の16年3月〜7月の入園者数は前年同期を上回り、外食産業D社の16年7月の売上げも前年同月を上回った。

 

百貨店

A社 16年6月の売上げは、前年同月比5.9%減少
 これは、残暑の影響による秋物商品の売上げの不調や台風の影響による来客数の伸び悩みに加えて、昨年のプロ野球優勝関連セールの反動によるものである。
 品目別にみると、品目別にみると、衣料品は、紳士服・洋品、婦人服・洋品及び子供服・洋品のいずれも前年を下回り、7.4%減少した。た。紳士服・洋品は、スーツが好調で、ニット等秋物商品も比較的好調であったものの、カジュアル衣料をはじめ全般に不調であった。婦人服・洋品は、薄手のジャケットやパンツなど、一部に好調な商品があったものの、秋物商品全般に不調であった。子供服・洋品は催事の開催日数の減少による影響や秋物商品の不調で前年を下回った。
  身の回り品は0.6%減少した。紳士靴は、輸入ブランド品は好調であったがビジネスやカジュアルは不調で、婦人靴は、パンプスが好調であったがブーツが不調であった。旅行用品はスーツケースをはじめ全般に好調であった。傘は雨傘が好調であったが日傘は不調であった。
  敬老の日関連商品は、紳士物は不調であったものの婦人物は好調で、食料品は高級料亭の弁当等好調で、全体としてはほぼ昨年並みであった。
 食料品は売場改装中の影響もあり3.8%減少した。菓子は洋菓子、和菓子ともはほぼ前年並みで、ビール、日本酒は不調であったが焼酎は引き続き好調であった。惣菜は好調であったが生鮮食料品は不調であった。
  化粧品は、国内メーカ品は新ブランドの増加により好調であったが、外資系は不調であった。
  
スーパー

 B社 16年9月の売上げは前年同月比8.9%減少。
 これは、残暑の影響による秋物商品の売上げの不調や、昨年のプロ野球優勝関連セールの反動によるものである。
  品目別にみると、衣料品は、残暑のため夏物商品は好調であったものの、秋物商品は全般に不調で前年を下回った。紳士服・洋品は、夏物商品以外は全て不調であった。婦人服・洋品は半袖のワンピースやパンツなどは好調であったが、ジャケット、スーツなど秋物商品をはじめ全般に不調であった。子供服・洋品は、女児は好調であったが男児、ベビー用品は不調であった。
  身の回り品は、紳士靴は不調で、婦人靴は、夏物のカジュアルサンダルは好調であったが、ブーツは不調であった。旅行用品は好調であった。寝具では猛暑のため布団は不調であったが、低反発マットレスは好調であった。
  敬老の日関連商品は、フラワーギフトや血圧計などが好調であった。
 食料品は4.4%減少した。飲料や調理済み商品である惣菜は残暑の影響で好調であった。生鮮食品は畜産物、水産物、野菜、果物のいずれも不調であった。牛肉はBSE(牛海綿状脳症)検査未解決による輸入停止長期化による相場高で引き続き減少しており、その一方で、豚肉は増加した。水産物では造りは好調であった他は全般的に不調であった。野菜は季節野菜などの需要が減少し、全般的に不調であった。和洋酒は焼酎が引き続き好調であった
  家電製品は、液晶テレビやDVDなどのデジタル家電や冷蔵庫、健康関連商品は好調が続いているものの、エアコンや暖房機は不調であった。
 医薬品は薬品、化粧品ともに前年を上回った。化粧品は新製品が好調で、健康食品も引き続き好調であった。
 10月の売上げは、気温が低くなったことにより、秋物商品の動きが良かったことから全体的に順調に推移している。


家電小売

C社 16年10月の売上げは前年同月比10.0%増加。
 これは、液晶テレビやプラズマテレビ、DVD等のデジタル映像商品が好調に推移したことや洗濯乾燥機や冷蔵庫などが好調であったことによるものである。
 デジタル映像商品は価格の低下等の影響で好調な売上げを続けており、今年8月に開催されたオリンピックの影響も受けて、薄型テレビやDVDレコーダーなどが好調に推移している。今後も地上波デジタル放送開始の影響もあり、好調に推移していくと予想されている。
 洗濯機は乾燥機能が一体となった商品が好調を続けている。
 パソコン関連商品は厳しい状況が続いている。商品としては、ストレートパソコンといわれる付加機能の少ない低価格のパソコンや中古パソコン、組み立てパソコンなどが好調であり、その一方で、様々な機能が付加された従来型の高機能パソコンは低調である。
 暖房機は、気温が高めに推移したことから不調である。また、デジタル映像商品が好調な反動でVTR関連商品は落ち込みが続いている。
 インターネットショップによる売上げも順調に伸びていることから、同社では今後もインターネット販売にも重点を置き、一層の売上増を図りたいとしている。
 また、ポイントカード会員も増加しており、今後もさらにサービス特典の充実を図り、会員数の拡大に努めたいとしている。
 家電小売全体の市場規模は安定的に推移していくと予想されているが、大型店の出店による店舗競争や、価格、サービスなどの企業間競争は激化しており、さらに他業種の参入など厳しい経営環境が続くと予想される。
 同社では、顧客確保のため、接客態度の向上や顧客ニーズの把握に積極的に努めている。また、既存店舗の改装や売り場面積の拡大による店舗の大型化・効率化に積極的に取り組んでいる。さらに、好調を続けている音楽・映像ソフトやおもちゃ、時計等の家電商品以外の販売を行う店舗形態の拡大を図り、売上げの増加を図りたいとしている。

レジャー施設

 D社 (世界最大級の水族館を中心に、レストランやショッッピング施設などで構成されたショッピングモール、大観覧車等を備えたレジャー施設。)
 16年7〜9月の入園者数は前年同期比を下回る。
 これは、台風や天候不順の影響と昨年が冷夏の影響で好調であった反動によるものである。
 水族館では、水族館を楽しむだけではなく、生命の尊さや地球環境の大切さを知ってもらうために、様々な取り組みを行っている。参加・体験プログラムとして水族館ガイドツアーやナイトツアー、飼育体験スクールなど様々なプログラムを実施しており、人気があり参加者が増加している。学校団体や一般団体向けの学習プログラムは、学校における校外学習や総合学習としての需要が増加している。最近では、学校からの要望に応えたプラグラムも実施しており、多様化するニーズに応えられるよう努めている。オリンピックにちなんだ生き物の展示など様々な特別展示を期間限定で開催するなど季節ごとの展示を開催しており、入園者の増加に寄与している。
 ホームページによる情報発信やメールマガジンも好評で、今後も充実させたいとしている。また、今春から大人に限定されていた友の会の入会が子供でも可能になるなど友の会の特典やイベントも充実させ、会員数の増加を図りたいとしている。
 今後も、様々なイベントや展示を行い、何度でも来たくなるような水族館を目指して、積極的に入園者の増加に取り組みたいとしている。
 フードテーマパークではオープンから2年目ということもあり利用者数が減少傾向にあるが、イベントの開催などで集客を図っている。
 施設全体としても、来客数の増加を図るため、イベントの実施や各施設のチケットがセットになった割引チケットの発行などを行っている。また、近畿圏外からの観光客の増加を図るため、近隣の大型テーマパーク内に水族館のパンフレットを置くなどのPRを行い、同テーマパークとの相乗効果を図っている。今後も、大阪湾ベイエリア全体の活性化を図り、入園者の増加を図りたいとしている。

大阪府の消費に関する経済指標

このページの作成所属
商工労働部 商工労働総務課 企画グループ

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