最近の消費動向

最近の消費動向（14年12月〜15年２月期、個別ヒアリング）

　個人消費は平成14年の年末にかけて低迷している。
　当研究所では、消費動向を把握するため、百貨店、スーパー、遊園地を対象にヒアリング調査を行った。ヒアリングをした百貨店Ａ社、Ｂ社とも、平成14年12月の売上は前年を下回った。スーパーＣ社も前年を下回った。遊園地Ｄ社の入園者数も微減傾向にある。
　統計からみると、大阪府の大型小売店販売額は、11月は９か月ぶりに前年同月比でプラスとなったが、12月には再びマイナスに転じた。このうち、12月の百貨店は歳暮ギフトの早期受注の反動等でマイナスとなり、スーパーも５か月振りにマイナスとなった。コンビニエンス・ストア販売額（近畿）は、既存店が９か月連続のマイナスとなった。好調であった乗用車新規登録・販売台数も６か月振りのマイナスとなった。家電販売額（近畿）は前年割れが続いている。
　個人消費の動向を左右する家計収入の動きをみると、現金給与総額（大阪府統計課調べ）は10月には前年を下回ったが、11月は前年を上回った。また年末一時金の妥結状況（大阪府総合労働事務所調べ）をみると、妥結額は調査開始（平成４年）以来過去最低となり、初めて７０万円を割り込んだ。

百貨店

Ａ社　14年12月の売上は、前年同月比6.0％減少した。これは、歳暮ギフトの早期受注の反動等によるものである。
　品目別にみると、衣料品は、紳士服・洋品、婦人服・洋品及び子供服・洋品のいずれもが前年を下回った。紳士服・洋品は、スーツが堅調であったものの、ジャケット等単品が不調であった。婦人服・洋品は、気温が低めに推移したにもかかわらずコート等重衣料が不調であり、消費者のバーゲン待ちの姿勢が顕著である。子供服・洋品は不調で、特にベビー洋品が不調であった。
　身の回り品は、前年同月比2.7％減であった。ハンドバッグや婦人アクセサリー（クリスマスギフト）は好調だったが、靴（特に婦人ブーツ）は不調だった。
　食料品は、前年同月比5.2％減少した。洋菓子や精肉といった好調な商品もみられるが、歳暮ギフトの早期受注の反動等から総じて不調であった。
　15年1月の売上は、福袋が完売するなど滑り出しは好調だったが、月を通せば、前年並の売上高になる見込みである。

　Ｂ社　14年12月の売上は、前年同月比4.0％減少した。これは、Ａ社同様、歳暮ギフトの早期受注の反動等によるものである。
　品目別にみると、衣料品は、紳士服・洋品、婦人服・洋品が前年を下回り、子供服・洋品が前年を上回った。紳士服・洋品は、ヤングカジュアル以外は不調だった。特にスーツは不振で、就業人口減少が影響していると考えている。婦人服・洋品は、高額ブランド品は健闘したが、他は総じて低調であり、消費者のバーゲン待ちの姿勢が顕著である。子供服・洋品は、女児服が好調で、特に小学校高学年を対象としたカラフルな色使いの服が好調である。
　食料品は、ギフトを除く店頭売上は前年同月を上回り好調に推移している。
　クリスマスギフトは低調であったが、クリスマスケーキは今年度から宅配制度を導入したことにより、前年比２桁増加した。
　外商売上は、店外催事が好調なこともあり堅調に推移している。
　15年1月の売上は、福袋が完売するなど月前半までは好調だったが、現在は当初のバーゲン効果が薄れ、減少基調で推移している。

スーパー

　Ｃ社　14年12月の売上は、前年同月比4.7％減少した。これは、消費者の買い控えによる客単価の下落等によるものである。
　品目別にみると、衣料品は1月のバーゲン実施をにらんだ様子見が目立ち、前年同月比で8.1％減少した。婦人衣料では、シャツ、カットソー等一部前年を上回る商品がみられるものの、総じて不調であった。紳士衣料では、一部商品を除き全て不調であった。
　食料品は、前年同月比2.2％減少した。精肉は、牛肉の需要の回復が全体を押し上げ、大幅に増加となった。野菜も大幅に増加したが、果物は減少した。惣菜は、サラダなどの洋惣菜や、店内加工しワゴン販売している焼きそばやお好み焼きなどのスナック類が好調であった。季節商品であるクリスマスケーキやおせち料理は、いずれも好調であった。特にホテル特製品は、高価であるにもかかわらず人気があった。
　家電品は、液晶テレビやＤＶＤ、ハロゲンヒーターやガスファンヒーター等好調な商品が一部でみられた。
　15年1月の売上は、堅調に推移している。

遊園地

Ｄ社　平成14年度の入園者数は、夏までは好調に推移していたが、秋以降、集客が見込まれる休日の天候が不順であったことから、前年度を若干下回り推移している。入園者のほとんどがリピーターで占められ、年間パスポートを利用した入園者数は年々増加傾向にある。客層は、ファミリーを中心に幅広い層からの支持を得ている。
　同園は、季節に応じた様々なイベントを実施しており、今年の冬は、子どもが雪遊びできるスノーランドを大幅に拡張し、ファミリー層の支持を得ている。また関西お笑い芸能人の園内ライブを行い、集客を図っている。
　今後とも、リピーターの支持を得るため、各種イベントを実施し、入園者数の維持に努めようとしている。