最近の消費動向

更新日:2009年8月5日

最近の消費動向(12年12月〜13年2月、個別ヒアリング)


 当研究所では、現場での消費動向を把握するため、百貨店、スーパー、外食業を対象に、ヒアリング調査を行った。ヒアリング先百貨店2社の平成12年12月の売上げは、前年並及び前年割れとなり、客数は両社ともに前年割れとなった。スーパーは、売上げ、客数ともに前年割れとなった。外食業は、既存店ベースでは前年並であったものの、全店ベースでは前年を上回った。
 統計からみると、12月の大型小売店販売額(大阪府)は、32か月連続の前年割れとなった。このうち百貨店は、食料品が不振であったものの、一部店舗の閉店セールの効果などから婦人衣料をはじめ、身の回り品や家具などに動きがあり、前年割れを脱した。スーパーは14か月連続の前年割れとなり、全般に動きがなく、減少幅も大きい。のコンビニエンス・ストア販売額(近畿)は、既存店ベースでは5か月連続の前年割れであるが、全店ベースでは引き続き前年を上回っている。乗用車新規登録・販売台数は、軽自動車が前年割れとなったものの、全体では前年を上回った。
 家電販売額(近畿)は、2か月連続して前年を上回ったものの、これまで牽引役であったパソコン関連の動きが力強さを欠いてきた。
 以上のように、個人消費は全般に動きが弱い。


百貨店
 A社
 12年12月の売上げは、前年同月比3%減で、客数も3%減であった。同月は、他社百貨店の閉店セールの影響が大きく、月前半は10%程度の客数減となり、売上げも第一週の落ち込みが大きかった。特に、紳士服、子供服、寝具等の家庭用品で影響が大きかった。一方、クリスマス商戦は、休日と重なったこともあり好調で、ここ数年にない客数で賑わった。歳暮も好調で、同月1.5%増、歳暮期間を通じて2.4%増となった。
 品目別にみると、衣料品は8%減であった。内訳は、紳士服は重衣料を中心に不振で12%減、婦人服はパステルカラーのニットや厚めのジャケットなど部分的な動きがあったものの6%減、子供服9%減、その他の衣料品は呉服が不振で8%減であった。
 身の回り品は、カシミヤのストールや手袋などが好調で、前年並となった。
 家具・装飾品は建装受注の減少で11%減、家電は26%減であった。その他家庭用品は、前年並となったものの、法人関係の別注を除くと20%程度の減少となっている。
 食料品は、ほぼ前年並みで、菓子、特にクリスマスケーキ等の洋菓子が好調であった。
 雑貨は、外商受注が主の宝石・美術品が不振なことから2%減となった。一方、11月中旬から予約を開始した犬型ロボットの人気が高かった。
 13年1月は、初売りの福袋や年明け早々に開始したクリアランスなど、出だしから好調に推移し前年を上回る見込みである。

 
B社 12年12月の売上げは、ほぼ前年並みであった。客数が減少し、客単価は上昇する傾向が続いている。前半は売上げ強化策の効果もあり堅調に推移したが、後半は低調であった。クリスマス商戦は、1%増であったものの、期間中営業時間を延長した他社に食品を中心に客が流れたとみている。また、歳暮は期間全体で3%減と低調で、送料割引を行った他社に客が流れたとみている。
 品目別にみると、衣料品は1%減であった。内訳は、紳士服・洋品が5%減と、高級紳士服には若干動きがあるもののコート等の重衣料が動かず、引き続き不振で、婦人服・洋品はミセスが堅調で、コートやカシミヤのストールが好調に動き、2%増となった。子供服・洋品は10%減、その他衣料品は5%減、呉服は7%減であった。
 身の回り品は、婦人用ブーツと紳士用革小物が好調で、5%増となった。
 家具は昨年不振であった反動で19%増となり、家電は12%減であった。その他家庭用品は5%増で、和食器、洋食器ともに好調であった。
 飲食料品は、おせち料理やクリスマスケーキ、ワイン、シャンパンなどが好調であったものの、ギフトの不振が足を引っ張り、1%減となった。
 雑貨は、4%減で、このうち外商中心の宝石・貴金属は4%増であった。
 化粧品は13%増と好調であった。
 13年1月は、重衣料に動きが出るなど、婦人、紳士ともクリアランスが好調で、前年を上回る見込みである。

スーパー
 C社
 12年12月の売上げは、前年同月比が全店ベースで2%減、既存店ベースで7%減であった。前月まで比較的堅調であった客数は3%減となり、客単価は前月と同様に4%減となった。コートやジャケットなど重衣料の動きが低調であることなどが不振の要因として挙げられる。一方、歳暮商戦は好調に推移し、売上げ10%増、客単価は前年並みであった。割引商品や洗剤、コーヒー、ハム、ビールなどの日常品の人気が高かった。
 品目別にみると、衣料品は、全店ベースで7%減、既存店ベースで11%減であった。内訳は、肌着や靴下などのホームインナーが低価格品や機能性に優れた商品を中心に動き、既存店ベースで1%減にとどまった。婦人衣料・洋品は、洗えるセーター、ブーツ、ストールや高額の輸入ブランド品に動きがあったものの、全店ベース9%減で、紳士衣料・洋品は11%減、子供服は3%減、服飾は3%増であった。
 住生活関連は全店ベースで9%減、既存店ベースで11%減となった。年賀はがきや年賀印刷、ランドセルや学習机などの新入学関連、クリスマス用の電飾、売り場面積を拡張している携帯電話販売やCD販売などに動きがあったものの、全般に低調であった。
 飲食料品は、全店ベースで1%増、既存店ベースで4%減となった。おせち料理の予約販売、クリスマス用の菓子入りブーツ、パーティー用のすし盛り合わせなどが好調であった。一方、年始営業の常態化により年末の食品売上げは低下した。
 13年1月は、大型店のオープン効果や初売り、福袋などが好調で、17日現在の全店ベースで18%増、既存店ベースで5%増となっている。内訳についても、衣料品が既存店ベースで3%増、住生活関連10%増、飲食料品9%増と堅調に推移している。今後は、リニューアルや小規模店舗の閉店など、既存店の立て直しを進めていく予定である。

外食業
 D社
 同社は、牛丼、親子丼、うどんを中心に全国展開している和食ファーストフード店である。平成12年12月の売上げは、全店ベースで前年同月比29%増と、相次ぐ新規出店の効果などから大幅な増加が続いている。一方、既存店ベースでは、キャンペーンの効果もあり前年とほぼ同程度の売上げとなっている。一店舗当たりの客数はほぼ一定で、客単価もほぼ一定である。
 同社は、年中無休の24時間営業を基本としており、味付けも含めてメニューや価格は時間帯、地域を通じて一定であるが、朝だけは定食メニューが加わる。同社の特徴は、丼のほかにうどんもあるという点にあり、また、6年から導入した親子丼も人気上昇中である。客層は、このような商品構成を背景に、20〜30代の学生やサラリーマンを中心として、幅広い年齢構成となっている。さらに、内装を木目調とするなどくつろげる雰囲気作りに配慮し、女性の入店率を高めている
 同業他社やハンバーガーショップ、コンビニエンス・ストアの弁当など、競争が激しい中で、素材にこだわった味と和食のヘルシーさを武器に、年に50店の新規出店ペースで店舗を拡大していく予定である。


このページの作成所属
商工労働部 商工労働総務課 企画グループ

ここまで本文です。