最近の消費動向

更新日:2009年8月5日


最近の消費動向(12年3月〜5月期、個別ヒアリング)



 当所では、現場での消費動向を把握するため、百貨店、スーパー、コンビニエンスストアを対象にヒアリング調査を行った。平成12年3月の売上げは、ともに前年同月比で減少となったものの、百貨店では婦人服、コンビニではお弁当に持ち直しの兆しがみられる。

百貨店
 A社
 平成12年3月の売上げは外商などの不調が響き前年同月比4%減となったものの、店頭での売上げは1%増であった。3月上旬に気温が低く春物の出足が低調であったものの、中旬以降は気温が上昇し盛り返した。季節物のリクルート及びフレッシャー向けは、単価、販売点数ともに低下し、また、リクルートについては需要が前倒しとなった影響もあり、それぞれ46%減、16%減と低調であった。
 一方、客数は4%増であり、これは営業時間の延長の効果であるとみられる。
 品目別にみると、衣料品全体では2%増となった。紳士服は、リクルート向けの不調から既製服、ネクタイ、シャツともに前年割れとなり、セーターは12%減と大幅な減少で、全体では5%減と不調であった。主力の婦人服はヤング、ヤングアダルト向けの動きが好調で、既製服が3%増、マフラーが15倍以上の大幅増となるなど、全体では4%増と持ち直しをみせた。子供服はベビー向けのブランド物が55%増と好調で、全体では8%増となった。寝具も催事の効果などから7%増となった。
 身の回り品では、低調なリクルート、フレッシャー向けのなかで靴のみが好調なことから、紳士靴が13%増、婦人靴はミュールタイプのサンダルが好調で6%増などと、紳士服飾品や傘などの低調を補い、全体では3%増となった。
 飲食料品では、青果が3%減となったものの、菓子がホワイトデー関連で動きがあり3%増となるなど、全体では1%増となった。
 家具・家電・家庭用品では、家具が4%増、家電に特需があり16%増、家庭用品が1%増で、全体では4%増となった。
 雑貨では、化粧品が引き続き好調で特にファンデーション関連の催事で動きがあり5%増となり、美術品などの不振を補い全体では2%減にとどまった。
 4月中旬までの動きは、総合では前年同月を若干下回っているものの、婦人服の動きは堅調で、海外のブランド物にも動きが出るなど、同店では主力の婦人服の持ち直しの兆しを感じている。 

スーパー
 B社
 12年3月の売上げは前年同月比で6%減となった。商品価格の下落が進んでおり、特に衣料品での下落が目立ち、一品当たり10%の下落となった。客単価の低下傾向も続いており、総合で5%減、衣料品では10%減となった。一方、客数及び購入点数はほぼ横ばいであることから、販売価格の低下が売上げ減の主因であるとみられる。
 品目別にみると、衣料品は5%減となった。その内訳は、インナーが3月前半の冷え込みで冬物肌着が前年を上回ったものの、春物肌着が動かず6%減であった。紳士服は特に不振が目立ち、ビジネス、カジュアルともに動きがなく11%減となり、婦人服はデニム関連が16%増と動きがあったものの、他では動きがなく全体では4%減で、子供服は4月から義務化されたチャイルドシートが150%増となったものの、全体では6%減となった。
 服飾は婦人靴の一部に動きがあったものの、全般に低調で4%減であった。
 飲食料品は7%減となった。野菜の安値については、幾分回復してきたものの依然相場安が響いており、肉類については牛たたきやミートサラダ、焼き豚といったそのまま食べられるものに動きがあったものの、素材としての肉は低調で、魚類は水揚げの不振で価格が不安定であることが響いた。また、深層水効果で水が好調であるほか、卵の安売りを控え、こだわりのある卵を置いたところ動きがあり、もずく、いかなごの釘煮や焼酎も好調で、そうざいは前年並みとなるなど部分的によい動きはみられたものの、全般に不振であった。
 住生活関連では、パソコンや周辺機器などの情報家電やひな人形など好調なものもあったが、部分的な動きであり、全体では3%減となった。
 4月も前年割れで推移しており、厳しい状況が続いている。一方、ホワイトデーやチャイルドシートのバザールなどイベントを仕掛けた企画ものが好調なことから、当社では、各フロアにオープンスペースを設置し、そこで変化や旬を訴える売場の展開を行うことにより、顧客に楽しいと感じてもらえる店作りを模索している。また、衣料品の顧客の年齢層を広げるため、35才前後を中心とした、良いものは知っているけれども生活費での出費がかさむ世代のニーズに応える商品の企画に取り組み始めた。さらに、チラシによる従来型の販促では、朝早く店頭に来ることのできない顧客に不利となるため、当社での購買額が高い順にクーポン券を配付するなどの、優良顧客に絞った販促の仕方も検討するなど、様々な角度から売上げ増に結びつける方策を模索している。 

コンビニエンスストア
 C社
 11年度の全国既存店の売上げは前年比0.4%減であった。さらに、近畿は全国に比べて1〜2%程度減少幅が大きかった。客数は前年並みであるが、客単価は低下が続いており、600円強となっている。
 部門別にみると、弁当など売上げの30%を占める主力のファーストフード部門では、前年割れとなった。これは、景気の低迷に加えて、他社のコンビニ店やハンバーガーチェーン、弁当店などとの競争も激しくなってきたためであるとみられる。弁当はチェーンのノウハウを生かして他社との違いを出せる商品であるため、当社では美味しい弁当を低価格で提供する努力を続けており、天然塩を使用するなど食材へのこだわりを大切にして、調理法についても料理家とともに常に美味しさを追求している。なお、ほとんどの弁当は500円を下回る低価格で販売されている。
 また、菓子やドリンクなどの加工食品部門も前年割れとなったが、菓子の小容量化が進んでいるため、これに対応した商品を増加させている。ただ、人気キャラクターのチップスやキャラクター人形のおまけが付いたチョコスナックなどに動きがあった。
 洗剤やトイレットペーパーなどの日用雑貨部門及び雑誌部門でも、ともに前年割れとなった。日用雑貨部門は、ドラッグストアやディスカウントストアとの競争が激しく最も不調となっている。
 テレフォンカードやコピーなどのサービス部門は20〜30%増となった。この部門は現在のところ売上げの5%を占めるにすぎず、全体を押し上げるには至らなかったものの、今後伸びていくと期待されている。当社では、2〜3年のうちにはインターネット上で購入した商品をコンビニで受渡しするサービスが普及するとみており、他社との違いを強調するためには、当社独自のサービスメニューを増加させていく必要があるとしている。ゲームソフトの書き換えサービスは当社独自のものであり、今後は育児支援などの地域密着型サービスなどを検討している。
 最近の状況としては、3月後半から4月にかけて弁当の売上げが前年並みとなるなど、一部では持ち直しの兆しもみえてきている。



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商工労働部 商工労働総務課 企画グループ

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