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更新日:2019年6月26日

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公正な採用選考を受けるために(参考資料)

「部落地名総鑑」事件

事件の概要

1975(昭和50)年11月、全国の同和地区の地名、所在地、世帯数、職業などが記載された差別図書の存在が、匿名の投書によって発覚しました。
同種の9種類の図書が判明しており、1冊5千円から5万円という高価な値段で売りさばかれていました。
企業を中心に、病院や学校等220を超える団体が購入していたことがわかり、国会でも取り上げられるなど全国的に大きな社会問題となりました。
この事件に対し、総理府総務庁長官や労働大臣が遺憾と決意の談話を発表し、また、12省庁事務次官連名の要請文を経団連等経済6団体に送付して、企業の部落問題解決のための社会的責任の遂行を求めました。

「大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例」違反事件

事件の概要

1998(平成10)年7月に、府内の調査業者2社が、企業から依頼された応募者の調査に際して、条例に違反した部落差別調査を行っていたことが発覚しました。
また、当該調査会社は、「思想」「宗教」「家族の状況」など公正な採用の観点から問題となるおそれのある事項について収集・報告したり、この調査会社との取引関係のあった企業の中にもこうした事項を依頼していたり、依頼していなくても問題意識なく報告を受け取っていた企業もあったことが判明しました。
さらに、調査業者に応募者の情報を提供する際、履歴書の写しをFAX等で提供している企業が多数あるなど、大阪府個人情報保護条例の趣旨が十分尊重されていなかったことも判明しています。

「部落差別の解消の推進に関する法律」の制定

これまで部落差別を解消し人権施策を確立していくことを要求する取組みが進められてきたことを受けて、「部落差別の解消の推進に関する法律」が国会で審議され、2016(平成28)年12月に施行されました。
この法律は、現在も部落差別が存在し、情報化の進展に伴って部落差別の状況の変化もあることから、部落差別を解消して部落差別のない社会を実現することを目的とし、その基本理念として、すべての国民が等しく基本的人権を享有する個人として尊重されるとの理念に基づき、部落差別を解消するための国民の理解を深めることにより部落差別のない社会の実現をめざしています。
このために国が部落差別の解消に関する施策を行う責務を有し、地方公共団体は地域の実情に応じた施策を行うよう努めることになっています。具体的な施策としては、相談体制の充実と、教育及び啓発の推進、部落差別の実態に係る調査を行うことを定めています。
この法律が制定された趣旨をふまえて、部落差別をなくしていくための施策を推進するとともに、企業や団体などでの部落差別解消の取り組みを強めていくこと、さらには、国民一人ひとりが部落差別解消のための意識づくりを進めていくことが求められています。

求職者の個人情報の取扱い

職業安定法第5条の4と法に基づく指針

職業安定法では、求人企業や職業紹介事業者が、労働者の募集業務の目的の達成に必要な範囲内で、募集に応じて労働者になろうとする者などの個人情報を収集、保管、使用しなければならないと定めています。
また、併せて、法に基づく指針により、原則として収集してはならない個人情報などを定めています。

指針【平成11年労働省告示第141号】より

次の個人情報の収集は原則認められません。

人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項

  • 家族の職業、収入、本人の資産等の情報
  • 容姿、スリーサイズ等差別的評価につながる情報等

思想及び信条

  • 人生観、生活信条、支持政党、購読新聞・雑誌、愛読書等

労働組合への加入状況

  • 労働運動、学生運動、消費者運動その他社会運動に関する情報等

違反したときは

違反行為をした場合は、職業安定法に基づく改善命令を発出する場合があります。

改善命令に違反した場合は、罰則(6ヵ月以下の懲役又は30万円以下の罰金)が科せられる場合もあります。

障がい者に対する差別禁止・合理的配慮の提供義務について

平成28年4月1日から改正障害者雇用促進法が施行され、“障がい者に対する差別禁止・合理的配慮の提供義務”が導入されました。

障がい者に対する差別禁止

募集・採用、賃金、配置、昇進、降格、教育訓練などの各項目において、障がい者であることを理由に障がい者を排除したり障がい者に対してのみ不利な条件とするなどの差別的取扱いを禁止するものです。

合理的配慮の提供義務

事業主に対して、障がい者が職場で働くに当たり、能力の発揮の支障となっている事情を改善するための措置を講ずることを義務付けるものです。
合理的配慮は、障がい者一人ひとりの状態や職場の状況などに応じて求められるものが異なり、多様で個別性が高いものです。したがって、具体的にどのような措置をとるかについては、障がい者と事業主とでよく話し合った上で決めていただく必要があります。

相談体制の整備

事業主は、相談窓口の設置など、障がい者からの相談に適切に対応するために必要な体制を整備しなければなりません。また、事業主は、障がい者に対する差別や合理的配慮の提供に係る事項について、障がい者からの苦情を自主的に解決することが努力義務とされています。
なお、対象となる障がい者は「身体障がい、知的障がい、精神障がい(発達障がいを含む)その他の心身の機能に障がいがあるため、長期にわたり職業生活に相当の制限を受け、または職業生活を営むことが著しく困難な者」とされており、障害者手帳を持っている方に限定されません。

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